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第一章〈幼なじみ主従〉編
1.15 貴婦人とご令嬢(2)嵐の夜に
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王立修道院はとても大きな施設である。
修道士たちが暮らす私的な居住区画と、部外者向けの客間があり、宿泊区画は分けられている。
私は物心がついた時から修道院で世話になっているが、一時滞在する客人と交流する機会は滅多になかった。
けれど、その日は特別だった。
夕方になって天候が少し落ち着いたころ、私は私室に持ち込む本を探そうと図書室へ行った。
「あっ!」
先ほどの女の子と再会した。付き添いの侍女も一緒だった。
初対面の時は、旅装と外套を着ていた。
今は、装飾が少ないけれど素材と仕立ての良さそうな部屋着を羽織っていた。
15世紀初頭の女性は、身分に関係なくフードやベールをかぶっていて、人前で髪を見せない。
だが、おしゃれで裕福な貴婦人たちは「ブロカール」という鹿の角のような円錐状のアクセサリをつけて、髪を天高く結い上げるヘアスタイルが流行っていた。
その一方で、奇抜なヘアスタイルは、厳格な聖職者から忌み嫌われ「悪魔の角」と呼ばれた。
ここは修道院だ。旅の一行も、場所をわきまえて質素な服を身につけているのだろう。
少女は、髪飾りを外してゆるやかに黒髪を垂らしている。
着飾っていない、自然体のままでも可憐に見えた。
つい目で追ってしまいそうだったが、さっき「男の子が知らない女の子に話しかけることは、礼儀に反するのよ」と言われたことを思い出した。
(あの子を見たらだめだ!)
私は目を伏せて知らない振りをした。
気になるけど気にしないようにと、自分に言い聞かせた。
朝になり、天気が回復したら一行はここを発つ。二度と会うことはない。
意識しすぎて、情が移ってはいけない。
「あの、本を探しているのだけど」
女の子の方から話しかけられた。
女の子が知らない男の子に話しかけることは、礼儀に反していないのだろうか。
「私たち、さっき話したわ。知らない人ではないでしょ」
私の心を読んだかのように、女の子はそう答えた。
「修道院って思っていたよりも広いのね」
「うん……」
肯定したものの、他の修道院のことは知らない。
「本もたくさんありすぎて、子供向けの本がどこにあるか分からないの」
「よかったら、案内しようか」
「ありがとう。助かるわ」
女の子は、私よりも少し小柄だったが、すでに上品で気高いたたずまいを身につけていた。
雷を怖がって泣いていた下の子は2・3歳くらいの幼児に見えた。
「どういうお話が好きなの?」
「弟に聞かせる寝物語がいいわ」
弟だったのか。
小さい子の性別を判断するのは難しい。
特に、ルネという名は、男性名と女性名のスペルがほんの少し違うだけで、発音はほとんど同じだ。
「どんなお話が好き? やっぱり騎士道物語かな」
「そうね。でも、寝物語にはふさわしくないわ。興奮して寝付かなくなるから」
確かにそうだ。
楽しい物語に没頭すると目が冴えてかえって寝付けなくなる。
「騎士道物語を探しているなら、ジャンのオススメを聞けたのになぁ」
「ジャン?」
「うん、従者のジャンは友達なんだ」
存在を忘れていたが、いまはジャンも付いてきていた。
貴族のご令嬢に侍女が寄り添っているように、私がどこかへ行くときは大抵ジャンが付き添っている。
私はあまり騎士道物語を読まない。残酷な挿絵が多いからだ。
牧歌的で可愛らしい細密画なのに、血が吹き出ていたり、首が飛んでいたり、手が切れていたり、胴体が転がっていたり、首が吊るされていたり、首が——この話はやめよう。
「小さな子供が寝付きやすい寝物語かぁ。何がいいかな」
心地よい夢にいざなうような、穏やかで温かくて、ハッピーエンドで終わる話がいいだろう。
私のとっておきは、もちろんあの聖女様の物語だ。
「ねぇ、聖ラドゴンドの物語を知ってる?」
***
「あっ、ねえさま! 見てみてーー」
「まぁ、ルネったら! 寝なさいと言ったでしょ」
「わあぁ、おきゃくさまだ!」
どういう訳か、私は姉弟が過ごす寝室へ連れて来られた。
図書室で、聖ラドゴンドの話をかいつまんで話したら「物語を覚えているなら本は要らないわ。あなたの口から弟に寝物語を話してもらえないかしら」と頼まれた。
押し切られる形で、客間まで来てしまった。
(ジャン、怒ってるかな)
私と姉弟の他に、女の子に付き添っている侍女とジャンまでいる。
ジャンは雰囲気を察して黙っているが、はらはらしている気配が伝わってくる。
(ごめん、寝かしつけが終わったらすぐ帰るから)
心の中でジャンに謝った。
女の子の弟ルネは、雨に濡れて冷えたのだろう。
風邪を引いてしまったようだ。
こじらせたら、一行の旅程に差し障る。
早く寝かしつけたいのに、当のルネは見慣れない修道院に興奮してちっとも眠ってくれない。
それで、寝物語を探しに来たのだという。
養育担当の侍女に任せてもいいのに、女の子はかいがいしく弟の世話をしている。きっと仲のよい姉弟なのだろう。
弟は、就寝用の部屋着を着ていたがベッドから抜け出していた。
風邪をひいたと聞いたとおり、粘り気のある鼻水を垂らしていた。
びろーんと膝上まで長く垂れていた。
「ねえさまみて! すごいのびるんだ!」
「やめてちょうだい。お客様の前なのに恥ずかしいわ」
「きゃははは!」
笑いながら動き回るから服にくっ付きそうだ。
いや、すでに何度かくっ付いているだろう。
姉に「恥ずかしい」と咎められて、弟は鼻水をすすって引っ込めた。
垂れ下がった鼻水が上がったり下がったりするのが面白かったのか、弟はけらけらと笑い転げた。
「もう!」
姉と弟の会話がおもしろくて、ついくすりと笑ったところを女の子に見られてしまった。
「あっ、ごめん。馬鹿にしたのではなくて可愛らしいと思ったんだ」
「ええ、わかってる」
女の子は、申し訳なさそうに頭を下げた。
「弟のために来てくれたのに、見苦しいところを見せてしまってごめんなさい」
「ううん、気にしないで。元気な弟さんだね」
女の子は恐縮していたが、私は楽しかった。
修道院は大人ばかりだ。ジャンは子供だけど、私よりもひとつ年長でしっかりしている。私はいままで自分より幼い子供と接する機会がなかった。
「おきゃくさま、こんばんは。ぼくのなまえはルネです。ねえさまはマリーです」
「こんばんは、私の名前はシャルル。姉君に頼まれて寝物語をするために来たんだ」
私は小さなルネの視点に合わせて、少し腰を屈めた。
鼻水を垂らしているが、顔色は悪くない。
思ったより元気そうで安心した。
「何なに? なんのおはなしするの?」
「あはは、その前に鼻を拭こうか」
「それはわたくしがします!」
マリーが割って入った。
「寝物語をお願いしたけど、弟の世話までさせられないわ。さぁ、ルネ、鼻をかんで。お客様の僧衣を汚したらいけないわ」
「はーい!」
マリーはハンカチを取り出すと慣れた手つきでねばつく鼻水を拭きとり、さらにもう一枚のハンカチで弟の鼻をかませた。
ハンカチにはきれいな紋章が刺繍されていた。
どう考えても鼻水をぬぐうための実用的なハンカチではない。
だが、マリーはためらうことなく貴婦人のアイテムを使った。
紋章の形は、青い盾と赤い縁取り。
紋章学に精通していたら旅の一行が何者かすぐにわかるだろうが、あいにく私は詳しくなかった。
「本当は、弟の世話係がいるのよ。どこへ行ってしまったのかしら」
マリーは困っている様子だったけれど、私の目には微笑ましく映った。
きっと、どこにでもある光景。
けれど、私の知らない光景。
私は部外者だ。
悪天候のおかげで今ひとときだけ互いの人生が交差して、通りすがりの光景を見ているだけだ。
それなのに、ぬくもりのお裾分けをもらっているような幸せな気分だった。
「ああ、マリーお嬢様! 申し訳ございません」
弟の養育係が戻って来た。
「心配したわ。ルネは風邪を引いているのに、ほったらかしでどこへ行っていたの」
「ちっとも寝てくださらないので、奥様を呼びにいっておりました」
養育係は平謝りだった。
いつの間にか、子供たちの寝室の入口に貴婦人が立っていた。
「お母様!」
マリーとルネがそう呼んだ。
この日、悪天候で修道院へ避難して来た一行は、とある貴族の夫人と子供たちだと聞いた。
きっとこの貴婦人が一行の主人なのだろう。
マリーの侍女とルネの養育係はドレスの裾を持ち上げてうやうやしく頭を垂れ、私とジャンに「同じようにしなさい」と目配せした。侍女たちに倣おうとした時だった。
「お初にお目にかかります」
貴婦人は背筋を伸ばしたまま、視線を落とさずに——おそらくスカートの中では、滑らかな動作で足を交差させて膝を折り——頭を下げた。
非の打ち所のない、とても自然で模範的な屈膝礼である。
「わたくしはアンジュー公の妃、ヨランド・ダラゴンと申します」
美しく優雅で、それでいて聡明な貴婦人だった。
まるで、私が空想していたラドゴンドさまのような、まだ見ぬ母上のような。
「以後、お見知り置きを。王子シャルル」
マリーとルネの母、アンジュー公妃ヨランドは頭を上げると麗しく微笑んだ。
修道士たちが暮らす私的な居住区画と、部外者向けの客間があり、宿泊区画は分けられている。
私は物心がついた時から修道院で世話になっているが、一時滞在する客人と交流する機会は滅多になかった。
けれど、その日は特別だった。
夕方になって天候が少し落ち着いたころ、私は私室に持ち込む本を探そうと図書室へ行った。
「あっ!」
先ほどの女の子と再会した。付き添いの侍女も一緒だった。
初対面の時は、旅装と外套を着ていた。
今は、装飾が少ないけれど素材と仕立ての良さそうな部屋着を羽織っていた。
15世紀初頭の女性は、身分に関係なくフードやベールをかぶっていて、人前で髪を見せない。
だが、おしゃれで裕福な貴婦人たちは「ブロカール」という鹿の角のような円錐状のアクセサリをつけて、髪を天高く結い上げるヘアスタイルが流行っていた。
その一方で、奇抜なヘアスタイルは、厳格な聖職者から忌み嫌われ「悪魔の角」と呼ばれた。
ここは修道院だ。旅の一行も、場所をわきまえて質素な服を身につけているのだろう。
少女は、髪飾りを外してゆるやかに黒髪を垂らしている。
着飾っていない、自然体のままでも可憐に見えた。
つい目で追ってしまいそうだったが、さっき「男の子が知らない女の子に話しかけることは、礼儀に反するのよ」と言われたことを思い出した。
(あの子を見たらだめだ!)
私は目を伏せて知らない振りをした。
気になるけど気にしないようにと、自分に言い聞かせた。
朝になり、天気が回復したら一行はここを発つ。二度と会うことはない。
意識しすぎて、情が移ってはいけない。
「あの、本を探しているのだけど」
女の子の方から話しかけられた。
女の子が知らない男の子に話しかけることは、礼儀に反していないのだろうか。
「私たち、さっき話したわ。知らない人ではないでしょ」
私の心を読んだかのように、女の子はそう答えた。
「修道院って思っていたよりも広いのね」
「うん……」
肯定したものの、他の修道院のことは知らない。
「本もたくさんありすぎて、子供向けの本がどこにあるか分からないの」
「よかったら、案内しようか」
「ありがとう。助かるわ」
女の子は、私よりも少し小柄だったが、すでに上品で気高いたたずまいを身につけていた。
雷を怖がって泣いていた下の子は2・3歳くらいの幼児に見えた。
「どういうお話が好きなの?」
「弟に聞かせる寝物語がいいわ」
弟だったのか。
小さい子の性別を判断するのは難しい。
特に、ルネという名は、男性名と女性名のスペルがほんの少し違うだけで、発音はほとんど同じだ。
「どんなお話が好き? やっぱり騎士道物語かな」
「そうね。でも、寝物語にはふさわしくないわ。興奮して寝付かなくなるから」
確かにそうだ。
楽しい物語に没頭すると目が冴えてかえって寝付けなくなる。
「騎士道物語を探しているなら、ジャンのオススメを聞けたのになぁ」
「ジャン?」
「うん、従者のジャンは友達なんだ」
存在を忘れていたが、いまはジャンも付いてきていた。
貴族のご令嬢に侍女が寄り添っているように、私がどこかへ行くときは大抵ジャンが付き添っている。
私はあまり騎士道物語を読まない。残酷な挿絵が多いからだ。
牧歌的で可愛らしい細密画なのに、血が吹き出ていたり、首が飛んでいたり、手が切れていたり、胴体が転がっていたり、首が吊るされていたり、首が——この話はやめよう。
「小さな子供が寝付きやすい寝物語かぁ。何がいいかな」
心地よい夢にいざなうような、穏やかで温かくて、ハッピーエンドで終わる話がいいだろう。
私のとっておきは、もちろんあの聖女様の物語だ。
「ねぇ、聖ラドゴンドの物語を知ってる?」
***
「あっ、ねえさま! 見てみてーー」
「まぁ、ルネったら! 寝なさいと言ったでしょ」
「わあぁ、おきゃくさまだ!」
どういう訳か、私は姉弟が過ごす寝室へ連れて来られた。
図書室で、聖ラドゴンドの話をかいつまんで話したら「物語を覚えているなら本は要らないわ。あなたの口から弟に寝物語を話してもらえないかしら」と頼まれた。
押し切られる形で、客間まで来てしまった。
(ジャン、怒ってるかな)
私と姉弟の他に、女の子に付き添っている侍女とジャンまでいる。
ジャンは雰囲気を察して黙っているが、はらはらしている気配が伝わってくる。
(ごめん、寝かしつけが終わったらすぐ帰るから)
心の中でジャンに謝った。
女の子の弟ルネは、雨に濡れて冷えたのだろう。
風邪を引いてしまったようだ。
こじらせたら、一行の旅程に差し障る。
早く寝かしつけたいのに、当のルネは見慣れない修道院に興奮してちっとも眠ってくれない。
それで、寝物語を探しに来たのだという。
養育担当の侍女に任せてもいいのに、女の子はかいがいしく弟の世話をしている。きっと仲のよい姉弟なのだろう。
弟は、就寝用の部屋着を着ていたがベッドから抜け出していた。
風邪をひいたと聞いたとおり、粘り気のある鼻水を垂らしていた。
びろーんと膝上まで長く垂れていた。
「ねえさまみて! すごいのびるんだ!」
「やめてちょうだい。お客様の前なのに恥ずかしいわ」
「きゃははは!」
笑いながら動き回るから服にくっ付きそうだ。
いや、すでに何度かくっ付いているだろう。
姉に「恥ずかしい」と咎められて、弟は鼻水をすすって引っ込めた。
垂れ下がった鼻水が上がったり下がったりするのが面白かったのか、弟はけらけらと笑い転げた。
「もう!」
姉と弟の会話がおもしろくて、ついくすりと笑ったところを女の子に見られてしまった。
「あっ、ごめん。馬鹿にしたのではなくて可愛らしいと思ったんだ」
「ええ、わかってる」
女の子は、申し訳なさそうに頭を下げた。
「弟のために来てくれたのに、見苦しいところを見せてしまってごめんなさい」
「ううん、気にしないで。元気な弟さんだね」
女の子は恐縮していたが、私は楽しかった。
修道院は大人ばかりだ。ジャンは子供だけど、私よりもひとつ年長でしっかりしている。私はいままで自分より幼い子供と接する機会がなかった。
「おきゃくさま、こんばんは。ぼくのなまえはルネです。ねえさまはマリーです」
「こんばんは、私の名前はシャルル。姉君に頼まれて寝物語をするために来たんだ」
私は小さなルネの視点に合わせて、少し腰を屈めた。
鼻水を垂らしているが、顔色は悪くない。
思ったより元気そうで安心した。
「何なに? なんのおはなしするの?」
「あはは、その前に鼻を拭こうか」
「それはわたくしがします!」
マリーが割って入った。
「寝物語をお願いしたけど、弟の世話までさせられないわ。さぁ、ルネ、鼻をかんで。お客様の僧衣を汚したらいけないわ」
「はーい!」
マリーはハンカチを取り出すと慣れた手つきでねばつく鼻水を拭きとり、さらにもう一枚のハンカチで弟の鼻をかませた。
ハンカチにはきれいな紋章が刺繍されていた。
どう考えても鼻水をぬぐうための実用的なハンカチではない。
だが、マリーはためらうことなく貴婦人のアイテムを使った。
紋章の形は、青い盾と赤い縁取り。
紋章学に精通していたら旅の一行が何者かすぐにわかるだろうが、あいにく私は詳しくなかった。
「本当は、弟の世話係がいるのよ。どこへ行ってしまったのかしら」
マリーは困っている様子だったけれど、私の目には微笑ましく映った。
きっと、どこにでもある光景。
けれど、私の知らない光景。
私は部外者だ。
悪天候のおかげで今ひとときだけ互いの人生が交差して、通りすがりの光景を見ているだけだ。
それなのに、ぬくもりのお裾分けをもらっているような幸せな気分だった。
「ああ、マリーお嬢様! 申し訳ございません」
弟の養育係が戻って来た。
「心配したわ。ルネは風邪を引いているのに、ほったらかしでどこへ行っていたの」
「ちっとも寝てくださらないので、奥様を呼びにいっておりました」
養育係は平謝りだった。
いつの間にか、子供たちの寝室の入口に貴婦人が立っていた。
「お母様!」
マリーとルネがそう呼んだ。
この日、悪天候で修道院へ避難して来た一行は、とある貴族の夫人と子供たちだと聞いた。
きっとこの貴婦人が一行の主人なのだろう。
マリーの侍女とルネの養育係はドレスの裾を持ち上げてうやうやしく頭を垂れ、私とジャンに「同じようにしなさい」と目配せした。侍女たちに倣おうとした時だった。
「お初にお目にかかります」
貴婦人は背筋を伸ばしたまま、視線を落とさずに——おそらくスカートの中では、滑らかな動作で足を交差させて膝を折り——頭を下げた。
非の打ち所のない、とても自然で模範的な屈膝礼である。
「わたくしはアンジュー公の妃、ヨランド・ダラゴンと申します」
美しく優雅で、それでいて聡明な貴婦人だった。
まるで、私が空想していたラドゴンドさまのような、まだ見ぬ母上のような。
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