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第三章〈アジャンクールの戦い〉編
3,11 王子の分岐点
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大陸の西の果て、ドーヴァー海峡を渡るとブリテン諸島に辿り着く。
島の先住民はケルト系ブルトン人で、大陸から入植したのはゲルマン系アングロサクソン人だ。よくある話で、両者は仲が悪い。
スコットランドとアイルランドはケルト系の王国だ。
フランス王国ブルターニュ地方のブルトン人も同族で、王に臣従して自治権を得ている。
イングランドはゲルマン系の王国だった。
強いて言えば、王国を統治する王侯貴族はゲルマン系で、一般民衆はケルト系が多い。
戦勝を祝う凱旋パレードで、敵国の捕虜を見せしめに連れ回す余興がある。
ところが、イングランド国王ヘンリー五世は「くだらん」と一蹴した。
「つまらない茶番に付き合うほど、余は暇ではない」
取り巻きの側近は「さすが、情け深い賢君であらせられる」と感心したようだが、ヘンリーの本音はリッシュモンを怖れたのではないだろうか。
ブルターニュ公の弟でアーサーの名を持つリッシュモンは、ケルトの伝説の王を思い起こさせる。
「王の帰還」はケルト系の民族意識を刺激するだろう。
反乱の火種になる可能性もある。
そうなれば、フランス王位どころではない。
リッシュモンの取り扱いは慎重にならざるを得ないのだ。
***
アジャンクールの捕虜を乗せた船は、港湾都市カレーを出てドーヴァー海峡を渡った。
(虜囚の身分で、この地を踏むことになるとは)
秋の潮風はすでに冷たく、冬の気配が漂っていた。
船はテムズ川をさかのぼり、プール・オブ・ロンドンに着岸した。
ロンドンの東端にある港で、悪名高いロンドン塔にほど近い。
本来、イングランドの王都ロンドンの東側を守護するために作られた城塞だが、身分の高い罪人を収容・処刑する場所でもあった。
捕虜たちはいくつかの小舟に分かれて「叛逆者の門」をくぐり、入城した。
身代金で自由を「買う」まで、ここで何年も過ごすことになる。
ロンドン塔には大鴉が住み着いている。
ワタリガラスにしては大型で、鳴き声の残響が耳障りでもあった。
捕虜たちは不安を募らせ、小声で「気味が悪い」「不気味だ」と言い合った。
「都と港の境界は、食べ物が多いのだろうか」
カラスの多さを見て、リッシュモンが思ったままをつぶやくと、誰かが「やめてくれ」と怯えた。
カラスは雑食だ。野ざらしになった死肉も食べる。処刑後の屍体をカラスに与えて処理しているとは考えにくいが、王侯貴族の身体は栄養価が高そうだから、何らかの手違いで……という事例があってもおかしくない。
「アルテュール!」
捕虜たちが集う場にそぐわない声が聞こえた。
カラスの濡れ羽色のような黒衣の貴婦人がさまよっていた。
「アルテュール、アルテュール……どこにいるのです」
英雄にあやかった名を付けられた者は他にもいるが、リッシュモンは自分のことだと分かった。
だが、気づかない振りをした。
(10年以上、思い出さなかったのに)
貴婦人の姿を見なくても、ひと声で正体に気づいた自分が恨めしかった。
貴婦人は今にも捕虜たちの集団に分け入ってきそうだったが、供をする護衛たちが引き止めた。
「奴らは敵国の捕虜です。あまり近づいては危険です」
「ああ……」
貴婦人の視線が捕虜たちの頭上でさまよっていた。
その視線に射抜かれないように、リッシュモンはうつむいてまなざしを避けた。
貴婦人は、「アルテュール、いるなら聞こえているわよね」と一方的に話し始めた。
「貴方が来ると陛下からお聞きしたの……」
リッシュモンとヘンリーは浅からぬ因縁があるが、この時ほど憎らしく思ったことはない。
あの男は昔から親切を装って他人を苦しめることが好きだった。
「ねぇ、どこにいるの。どうか、この母に顔を見せてちょうだい」
黙れ、くどい! と怒鳴りつけたい衝動をどうにかこらえた。
貴婦人の声は次第に涙声になりリッシュモンの心をかき乱したが、やがて声は遠ざかっていった。
イングランド国王ヘンリー五世の継母は、リッシュモンの生母だった。
今は王太后の身分だが、継子のヘンリーとは折り合いが悪く、宮廷では肩身が狭いらしい。
リッシュモンとヘンリーに血の繋がりはないが、この母親を介して家系図上は兄弟になる。
彼らの過去の因縁については、いずれ語る日が来るだろう。
***
虜囚の身も、自由になった身も、時間は平等に流れる。
ある日、リッシュモンがロンドン塔の中庭で日課の鍛錬をしていると声をかけられた。
「貴公もいたのか」
「元帥閣下!」
声の主が上官のブシコーと気づき、リッシュモンは居住まいを正した。
アジャンクールで指揮を執ったドルー伯は戦死し、ブシコーとシャルル・ドルレアンは捕虜になっていた。
「貴公のことだからな。てっきりフランスに戻ったかと思っていたぞ」
「この監視をかいくぐって、ですか」
虜囚生活は、大人しくしていれば特に不自由はなかった。
三食昼寝つきで王侯貴族特有の重責から解き放たれる。厳しい監視付きだが、暮らしぶりは悪くないと思う。
私は幽閉の憂き目にあったことはないが、幼少期を過ごした修道院の生活とそれほど変わらない。
ブシコーは、「できないことはないだろう」と言いながら空を見上げた。
あいかわらず大鴉がうるさい。
「まさか、カラスになればいいと考えているのですか?」
「左様」
上官は本気なのか、それともからかっているのか、判断がつきかねた。
アーサー王は大鴉に変身するという言い伝えがあった。
物語は真実と虚構が入り交じって、読者に楽しい夢を見せる。
だが、リッシュモンは「迷信です」と断言して、ブシコーの期待を打ち砕いた。
「カラスに好かれているのは、私よりもあの御方のようです」
中庭の片隅で、数羽のカラスがシャルル・ドルレアンにまとわりついていた。
ロンドン塔の大鴉を気味悪がっている者が多かったが、シャルル・ドルレアンは嫌がるどころか楽しそうに手なずけていた。
「不思議な御方です」
「王族がたの中では比較的まともな人物だが、どこか奇妙なところがある」
遠巻きにそんなことを話していると、視線に気づいたのか本人が近づいてきた。カラスをお供に連れて。
「やあ、諸君」
シャルル・ドルレアンは王族である。
リッシュモンとブシコーは儀礼的にひざまずいた。
「悪い知らせだ。王太子殿下がご逝去あそばされた」
取り巻きのカラスが「ガァ」と鳴いた。
***
「失礼いたします。王子は、こちらにいらっしゃいますか」
「シャルル兄さま、誰かが呼んでますよ」
アンジュー家のルネは騎士道物語を愛していた。
私はつねづね「ジャンに似ている」と思っていたが、ジャンは自分が騎士になることを望み、ルネは物語を読み書きすることを好んだ。
この日は、ローランの物語だったか、それともシャルルマーニュの物語だったか。
アンジェ城の図書室で、ばらばらに配置されている本の続きを、みんなで手分けして探していた。
「シャルル兄さまー、いらっしゃいますかー」
「ここにいるよ」
ひょっこりと書棚の間から顔を出すと、私を呼びにきた侍女が悲鳴を上げた。
「ああ、心配したとおりになってしまったわ」
私に続いて、マリーもひょこっと顔を出した。
マリーの方が年下だったが、「長女」という立場がそうさせるのか、私よりも大人びていてよく気がつく少女だった。
「シャルロットが泣いて離してくれないんだから、仕方がないよ」
「ルネといい、シャルロットといい、兄さまは大層おモテになる方だわ」
「あはは、その言い方は誤解を招きそうだね」
子守り担当の侍女を差し置いて、私がシャルロットを抱いていた。
子供たちの私的な空間では日常的な光景だが、以前からマリーは「事情を知らない侍女が見たら、きっと卒倒してしまうわ」と気にかけていた。
私たちは、アンジュー家の末弟シャルルをシャルロットという愛称で呼んでいた。「小さなシャルル」という意味で、本来は女性名だ。
「卒倒しなくて良かったけど、叫ばれてしまった……」
まいったなぁと苦笑しながら、子守り担当の侍女にシャルロットを返した。
マリーが何食わぬ顔で「小さい子は体温が高いから、抱いていると温かくて気持ちがいいのよね」と言い、私にウインクした。
(なるほど)
私たちがやったことなのに、子守りの侍女が「無礼だ、さぼっていた」と叱られたら気の毒だ。
私がすすんでシャルロットを抱いたと伝われば、それほど問題にならないはずだ。
「うえぇぇん、しゃるるにいさまーだっこー」
「また後でね」
ぐずるシャルロットの頬を撫でてなだめた。
呼び出しの侍女は青ざめていたが、「至急、応接間へお越しください」と用件を伝えてくれた。
王家から、兄のことで急使が来ているらしい。
(※)第三章〈アジャンクールの戦い〉編、完結。
島の先住民はケルト系ブルトン人で、大陸から入植したのはゲルマン系アングロサクソン人だ。よくある話で、両者は仲が悪い。
スコットランドとアイルランドはケルト系の王国だ。
フランス王国ブルターニュ地方のブルトン人も同族で、王に臣従して自治権を得ている。
イングランドはゲルマン系の王国だった。
強いて言えば、王国を統治する王侯貴族はゲルマン系で、一般民衆はケルト系が多い。
戦勝を祝う凱旋パレードで、敵国の捕虜を見せしめに連れ回す余興がある。
ところが、イングランド国王ヘンリー五世は「くだらん」と一蹴した。
「つまらない茶番に付き合うほど、余は暇ではない」
取り巻きの側近は「さすが、情け深い賢君であらせられる」と感心したようだが、ヘンリーの本音はリッシュモンを怖れたのではないだろうか。
ブルターニュ公の弟でアーサーの名を持つリッシュモンは、ケルトの伝説の王を思い起こさせる。
「王の帰還」はケルト系の民族意識を刺激するだろう。
反乱の火種になる可能性もある。
そうなれば、フランス王位どころではない。
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秋の潮風はすでに冷たく、冬の気配が漂っていた。
船はテムズ川をさかのぼり、プール・オブ・ロンドンに着岸した。
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本来、イングランドの王都ロンドンの東側を守護するために作られた城塞だが、身分の高い罪人を収容・処刑する場所でもあった。
捕虜たちはいくつかの小舟に分かれて「叛逆者の門」をくぐり、入城した。
身代金で自由を「買う」まで、ここで何年も過ごすことになる。
ロンドン塔には大鴉が住み着いている。
ワタリガラスにしては大型で、鳴き声の残響が耳障りでもあった。
捕虜たちは不安を募らせ、小声で「気味が悪い」「不気味だ」と言い合った。
「都と港の境界は、食べ物が多いのだろうか」
カラスの多さを見て、リッシュモンが思ったままをつぶやくと、誰かが「やめてくれ」と怯えた。
カラスは雑食だ。野ざらしになった死肉も食べる。処刑後の屍体をカラスに与えて処理しているとは考えにくいが、王侯貴族の身体は栄養価が高そうだから、何らかの手違いで……という事例があってもおかしくない。
「アルテュール!」
捕虜たちが集う場にそぐわない声が聞こえた。
カラスの濡れ羽色のような黒衣の貴婦人がさまよっていた。
「アルテュール、アルテュール……どこにいるのです」
英雄にあやかった名を付けられた者は他にもいるが、リッシュモンは自分のことだと分かった。
だが、気づかない振りをした。
(10年以上、思い出さなかったのに)
貴婦人の姿を見なくても、ひと声で正体に気づいた自分が恨めしかった。
貴婦人は今にも捕虜たちの集団に分け入ってきそうだったが、供をする護衛たちが引き止めた。
「奴らは敵国の捕虜です。あまり近づいては危険です」
「ああ……」
貴婦人の視線が捕虜たちの頭上でさまよっていた。
その視線に射抜かれないように、リッシュモンはうつむいてまなざしを避けた。
貴婦人は、「アルテュール、いるなら聞こえているわよね」と一方的に話し始めた。
「貴方が来ると陛下からお聞きしたの……」
リッシュモンとヘンリーは浅からぬ因縁があるが、この時ほど憎らしく思ったことはない。
あの男は昔から親切を装って他人を苦しめることが好きだった。
「ねぇ、どこにいるの。どうか、この母に顔を見せてちょうだい」
黙れ、くどい! と怒鳴りつけたい衝動をどうにかこらえた。
貴婦人の声は次第に涙声になりリッシュモンの心をかき乱したが、やがて声は遠ざかっていった。
イングランド国王ヘンリー五世の継母は、リッシュモンの生母だった。
今は王太后の身分だが、継子のヘンリーとは折り合いが悪く、宮廷では肩身が狭いらしい。
リッシュモンとヘンリーに血の繋がりはないが、この母親を介して家系図上は兄弟になる。
彼らの過去の因縁については、いずれ語る日が来るだろう。
***
虜囚の身も、自由になった身も、時間は平等に流れる。
ある日、リッシュモンがロンドン塔の中庭で日課の鍛錬をしていると声をかけられた。
「貴公もいたのか」
「元帥閣下!」
声の主が上官のブシコーと気づき、リッシュモンは居住まいを正した。
アジャンクールで指揮を執ったドルー伯は戦死し、ブシコーとシャルル・ドルレアンは捕虜になっていた。
「貴公のことだからな。てっきりフランスに戻ったかと思っていたぞ」
「この監視をかいくぐって、ですか」
虜囚生活は、大人しくしていれば特に不自由はなかった。
三食昼寝つきで王侯貴族特有の重責から解き放たれる。厳しい監視付きだが、暮らしぶりは悪くないと思う。
私は幽閉の憂き目にあったことはないが、幼少期を過ごした修道院の生活とそれほど変わらない。
ブシコーは、「できないことはないだろう」と言いながら空を見上げた。
あいかわらず大鴉がうるさい。
「まさか、カラスになればいいと考えているのですか?」
「左様」
上官は本気なのか、それともからかっているのか、判断がつきかねた。
アーサー王は大鴉に変身するという言い伝えがあった。
物語は真実と虚構が入り交じって、読者に楽しい夢を見せる。
だが、リッシュモンは「迷信です」と断言して、ブシコーの期待を打ち砕いた。
「カラスに好かれているのは、私よりもあの御方のようです」
中庭の片隅で、数羽のカラスがシャルル・ドルレアンにまとわりついていた。
ロンドン塔の大鴉を気味悪がっている者が多かったが、シャルル・ドルレアンは嫌がるどころか楽しそうに手なずけていた。
「不思議な御方です」
「王族がたの中では比較的まともな人物だが、どこか奇妙なところがある」
遠巻きにそんなことを話していると、視線に気づいたのか本人が近づいてきた。カラスをお供に連れて。
「やあ、諸君」
シャルル・ドルレアンは王族である。
リッシュモンとブシコーは儀礼的にひざまずいた。
「悪い知らせだ。王太子殿下がご逝去あそばされた」
取り巻きのカラスが「ガァ」と鳴いた。
***
「失礼いたします。王子は、こちらにいらっしゃいますか」
「シャルル兄さま、誰かが呼んでますよ」
アンジュー家のルネは騎士道物語を愛していた。
私はつねづね「ジャンに似ている」と思っていたが、ジャンは自分が騎士になることを望み、ルネは物語を読み書きすることを好んだ。
この日は、ローランの物語だったか、それともシャルルマーニュの物語だったか。
アンジェ城の図書室で、ばらばらに配置されている本の続きを、みんなで手分けして探していた。
「シャルル兄さまー、いらっしゃいますかー」
「ここにいるよ」
ひょっこりと書棚の間から顔を出すと、私を呼びにきた侍女が悲鳴を上げた。
「ああ、心配したとおりになってしまったわ」
私に続いて、マリーもひょこっと顔を出した。
マリーの方が年下だったが、「長女」という立場がそうさせるのか、私よりも大人びていてよく気がつく少女だった。
「シャルロットが泣いて離してくれないんだから、仕方がないよ」
「ルネといい、シャルロットといい、兄さまは大層おモテになる方だわ」
「あはは、その言い方は誤解を招きそうだね」
子守り担当の侍女を差し置いて、私がシャルロットを抱いていた。
子供たちの私的な空間では日常的な光景だが、以前からマリーは「事情を知らない侍女が見たら、きっと卒倒してしまうわ」と気にかけていた。
私たちは、アンジュー家の末弟シャルルをシャルロットという愛称で呼んでいた。「小さなシャルル」という意味で、本来は女性名だ。
「卒倒しなくて良かったけど、叫ばれてしまった……」
まいったなぁと苦笑しながら、子守り担当の侍女にシャルロットを返した。
マリーが何食わぬ顔で「小さい子は体温が高いから、抱いていると温かくて気持ちがいいのよね」と言い、私にウインクした。
(なるほど)
私たちがやったことなのに、子守りの侍女が「無礼だ、さぼっていた」と叱られたら気の毒だ。
私がすすんでシャルロットを抱いたと伝われば、それほど問題にならないはずだ。
「うえぇぇん、しゃるるにいさまーだっこー」
「また後でね」
ぐずるシャルロットの頬を撫でてなだめた。
呼び出しの侍女は青ざめていたが、「至急、応接間へお越しください」と用件を伝えてくれた。
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