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第六章〈王太子の受難〉編
6.7 トーナメント前夜祭(1)戦う理由
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四旬節とは、復活祭前の46日間のことだ。
キリストの受難——すなわち十字架刑から復活までの期間、または荒野で断食修行した期間とも言われている。
四旬節の間、聖職者はルールにしたがって断食する。
世俗の人々もキリストをしのんで肉食を控え、華やかなイベントを自粛する。
信仰心のほかに、合理的な意味もある。
ちょうど冬の備蓄食料が乏しくなってくる時期だから、春が来る前に食べ尽くさないように消費を節約する。とはいえ、飢餓と寒さを怖れてばかりでは気が滅入ってしまう。
四旬節が始まる前日は、謝肉祭だ。
キリストと十二使徒の最後の晩餐にあやかり、私たちもごちそうを腹いっぱい食べたり、酒を飲んでどんちゃん騒ぎをしても許される。
私の誕生日は2月22日で、たいてい四旬節の期間に入ってしまう。
にぎやかな誕生パーティーはできないが、カーニバルに合わせて王太子付きの護衛を選抜する馬上試合を開催することになった。
***
トーナメントは戦争ではない。「悪意や敵対心ではなく、実技の練習と勇敢さを披露するために行われる」いわば一大スポーツイベントだ。
実際の戦争をまねた団体戦と、一騎打ちの決闘をまねた個人戦があるが、団体戦はどさくさに紛れて死傷者が出るため近年は禁じられている。
私の誕生祝いを兼ねた祝賀行事であり、王太子の護衛を選抜するのだから騎士志願者のためのリクルート企画でもある。
政治的には、若い王太子をアピールして王家の求心力回復を図り、母妃とブルゴーニュ公をけん制する意味もあるのだろう。
トーナメント主催者は、試合前夜に晩餐会をひらいて参加者をもてなす。
今回の試合を提案をしたのはシャステルだが、主催者は私だ。
「情勢不安定の中、よく集まってくれた。大儀である」
私自身は少食だが、参加者たちが全力を出し切れるようにたくさんの食事を振る舞った。
中には、晩餐にありつくためにトーナメントに登録する者もいる。
腕自慢、就職活動、おいしい食事。
トーナメントに参加する理由は、人それぞれだ。
「参加したいけど、今回は見送ります」
デュノワ伯ジャンは王太子の侍従長を務めているが、本当は騎士志望だ。
「勝ち進む自信はあります。だけど……」
ジャンは悔しそうだった。自前の武具を買いそろえる金銭がなかった。
異母兄シャルル・ドルレアンの莫大な身代金は、オルレアンの財政を圧迫していた。
ジャンはオルレアン領で徴収する税ではなく、侍従長の給料を貯金して武具をひとつずつ買いそろえている途中だった。
「胴衣がめちゃくちゃ高くて!」
本当の戦場ではないのだから、昔ながらのくさり帷子で充分だと私は思ったが、ジャンは「オルレアンの名で、デュノワ伯を名乗って参加するならプレートアーマーじゃないと!」と言って譲らなかった。
「あの武具屋のオヤジ、人の足元見やがって!」
いつもより濃いめの葡萄酒に少し酔っていたのか、ジャンが悪態をついていたら「デュノワ伯は参加しないのか。それは残念だ」と声をかけられた。
あの大鴉を手なずけたクレルモン伯シャルルだ。
あいかわらず装飾品の多い派手な服を着ている。
「失敬。王太子殿下とお話し中のところについ割り込んでしまいました」
「ううん、構わないよ」
「では、お言葉に甘えて同席させていただきます」
このとき、私は14歳で、ジャンは15歳。クレルモン伯は16歳。
私たちはちょうど同世代だった。
「えっ、クレルモン伯はトーナメント出るの?」
ジャンが怪訝な顔をしながら尋ねた。
「ああ、出る。すでに登録した」
「武具あるの?」
「もちろん」
甲冑の名産地アウグスブルクで特注品を作ったらしい。
クレルモン伯は、ジャンとはまた違ったベクトルの武具マニア騎士だった。
「かの地には金属の厚さを1ミリ単位で調整できる鍛冶職人がおりまして、軽いのに強度は申し分ない。その上、エッチングで美しい模様を浮き上がらせたすばらしい甲冑を取り寄せました。明日の試合でお見せいたしましょう」
15世紀の西欧では、ドイツとイタリアが甲冑の二大産地だった。
前者は金属の表面をエッチング加工して模様を描き、後者は金属を埋め込む象眼加工を得意としていた。
「ちょっと待て。クレルモン伯んとこの父親もロンドン塔幽閉組みだろ」
「そうだが?」
「うちと同じく、莫大な身代金で大変じゃないの? お高い武具をそろえる余裕あるの?」
ジャンの疑問はもっともだ。
クレルモン伯は少し沈黙すると、小声で「ここだけの話ですが、父の身代金をイングランドに払うつもりはありません」と打ち明けた。
私とジャンは顔を見合わせた。さすがに「父君を見捨てるのか」とは聞けなかった。
だが、クレルモン伯は私たちが何を考えたか分かったのだろう。
「薄情だとお思いでしょう」
「いや、そんなことは」
「いいのです、私もそう思いますから」
クレルモン伯は平然と言ってのけた。
だが、私はただならぬ雰囲気を感じて「何か、理由があるのではないか?」と尋ねた。
少しの沈黙のあと、心の動きを映したかのようにクレルモン伯の瞳が揺れた。
「父の言いつけです」
クレルモン伯の父は、大諸侯のひとりブルボン公だ。
代々、王家とも縁が深い。
「なぜそんなことを? クレルモン伯はそれでいいの?」
「私も、納得した上での話です」
私たちがシャルル・ドルレアンと連絡を取り合っているように、大鴉の秘密通信を繋げたブルボン公とクレルモン伯父子も通信を利用している。
ブルボン公いわく、要求どおりに多額の身代金を払えばイングランドはますます潤う。
フランスからむしり取った大金でイングランドは軍備を増強し、またフランス領を蹂躙するだろう。だから——
「身代金を払うなと。その金銭は、我ら一族と主君と領民のために使うようにと父は申しております」
私の曾祖父ジャン二世が莫大な身代金と引き換えにフランスに戻ったとき、すでに宮廷に居場所はなく、息子シャルル五世に王国を託してロンドンに舞い戻ってしまった。
父子の間に確執があったのかは分からない。
「王家とは事情が違うかもしれませんが、失礼ながらジャン二世の身代金は無駄だったかと」
「ううん、そのとおりだと思う」
「父は同じ轍を踏むな、過去から教訓を学べと」
ブルボン公は貴族としての務めを息子に託し、ロンドンに骨を埋める覚悟をしていた。
「イングランドには支払う姿勢を見せています。そうでなければ父は処刑されてしまいますから。のらりくらりと交渉して、父が困窮しない程度に生活費を仕送りしています」
ロンドン塔に幽閉された者たちと、その家族たち。
みなそれぞれ、さまざまな事情を抱えていた。
「父に会うことは二度とないでしょう。ですが、トーナメントで活躍すれば、父の耳にも私の勇姿が伝わると信じています」
クレルモン伯は派手な身なりをしていたが、決して軽薄ではなかった。
貴族らしくプライドの高い、いや、気高い志を持つ父子だと私は思った。
「ブルボン公の意志に敬意を、クレルモン伯には武運を祈ろう」
「光栄です」
いい話で終わるかに見えた。
「武具で目立つのもいいけど、剣の技能はどうなんだ?」
ジャンの問いかけに、クレルモン伯は意外な答えを返した。
「勝敗はどうでも」
「えっ?!」
私とジャンは再び顔を見合わせた。
トーナメントに出場するのに試合の勝敗はどうでもいいとは、どういうことだろう。
「私は父の後を継ぎ、自前の騎士団を持っています。王太子殿下にお目見えする身分も持ち合わせておりますから、就職活動する必要はありません」
しれっと、そんなことを言った。
「いや、でもさ、負けるより勝った方がいいじゃん」
「はじめから負けるつもりはないが、目的が果たせるなら負けてもいいと思っている」
クレルモン伯は、私と話すときに敬語を使うが、ジャンと話すときは少々ぶっきらぼうで遠慮がない。
彼もまた年相応の男子だった。
「どういうこと?」
「負けてもいい目的って何?」
「実は、気になるご令嬢がいて……」
クレルモン伯は、意中のご令嬢にアピールするためにトーナメントに出るのだと言った。
「ぶざまな姿は見せられないが、少しくらいケガをしてもいいと思っている」
試合後、控え室でご令嬢に手当てをしてもらい、治療にかこつけて服を脱ぐ口実もできるから、あわよくば押し倒して——などと言い出した。
「誰? 俺の知ってる人?」
「試合で告白するのに、ここで打ち明けるわけないだろう」
「なんで? ここにご令嬢はいないし、教えてくれてもいいじゃん」
この時代、家族以外の男女が正式な食事会で同席することはない。
トーナメント前夜の晩餐会もむさ苦しい男ばかりだ。
「だめだ。ご令嬢の父君にバレたらまずい」
「えっ、父君が近くに?」
「誰だれ?! 俺の知ってる人? もしかしてシャステル隊長?」
「しっ! 声が大きい!」
腕自慢、就職活動、おいしい食事。
さらに、愛の告白と婚活まで。
トーナメントに参加する理由は、じつに人それぞれである。
キリストの受難——すなわち十字架刑から復活までの期間、または荒野で断食修行した期間とも言われている。
四旬節の間、聖職者はルールにしたがって断食する。
世俗の人々もキリストをしのんで肉食を控え、華やかなイベントを自粛する。
信仰心のほかに、合理的な意味もある。
ちょうど冬の備蓄食料が乏しくなってくる時期だから、春が来る前に食べ尽くさないように消費を節約する。とはいえ、飢餓と寒さを怖れてばかりでは気が滅入ってしまう。
四旬節が始まる前日は、謝肉祭だ。
キリストと十二使徒の最後の晩餐にあやかり、私たちもごちそうを腹いっぱい食べたり、酒を飲んでどんちゃん騒ぎをしても許される。
私の誕生日は2月22日で、たいてい四旬節の期間に入ってしまう。
にぎやかな誕生パーティーはできないが、カーニバルに合わせて王太子付きの護衛を選抜する馬上試合を開催することになった。
***
トーナメントは戦争ではない。「悪意や敵対心ではなく、実技の練習と勇敢さを披露するために行われる」いわば一大スポーツイベントだ。
実際の戦争をまねた団体戦と、一騎打ちの決闘をまねた個人戦があるが、団体戦はどさくさに紛れて死傷者が出るため近年は禁じられている。
私の誕生祝いを兼ねた祝賀行事であり、王太子の護衛を選抜するのだから騎士志願者のためのリクルート企画でもある。
政治的には、若い王太子をアピールして王家の求心力回復を図り、母妃とブルゴーニュ公をけん制する意味もあるのだろう。
トーナメント主催者は、試合前夜に晩餐会をひらいて参加者をもてなす。
今回の試合を提案をしたのはシャステルだが、主催者は私だ。
「情勢不安定の中、よく集まってくれた。大儀である」
私自身は少食だが、参加者たちが全力を出し切れるようにたくさんの食事を振る舞った。
中には、晩餐にありつくためにトーナメントに登録する者もいる。
腕自慢、就職活動、おいしい食事。
トーナメントに参加する理由は、人それぞれだ。
「参加したいけど、今回は見送ります」
デュノワ伯ジャンは王太子の侍従長を務めているが、本当は騎士志望だ。
「勝ち進む自信はあります。だけど……」
ジャンは悔しそうだった。自前の武具を買いそろえる金銭がなかった。
異母兄シャルル・ドルレアンの莫大な身代金は、オルレアンの財政を圧迫していた。
ジャンはオルレアン領で徴収する税ではなく、侍従長の給料を貯金して武具をひとつずつ買いそろえている途中だった。
「胴衣がめちゃくちゃ高くて!」
本当の戦場ではないのだから、昔ながらのくさり帷子で充分だと私は思ったが、ジャンは「オルレアンの名で、デュノワ伯を名乗って参加するならプレートアーマーじゃないと!」と言って譲らなかった。
「あの武具屋のオヤジ、人の足元見やがって!」
いつもより濃いめの葡萄酒に少し酔っていたのか、ジャンが悪態をついていたら「デュノワ伯は参加しないのか。それは残念だ」と声をかけられた。
あの大鴉を手なずけたクレルモン伯シャルルだ。
あいかわらず装飾品の多い派手な服を着ている。
「失敬。王太子殿下とお話し中のところについ割り込んでしまいました」
「ううん、構わないよ」
「では、お言葉に甘えて同席させていただきます」
このとき、私は14歳で、ジャンは15歳。クレルモン伯は16歳。
私たちはちょうど同世代だった。
「えっ、クレルモン伯はトーナメント出るの?」
ジャンが怪訝な顔をしながら尋ねた。
「ああ、出る。すでに登録した」
「武具あるの?」
「もちろん」
甲冑の名産地アウグスブルクで特注品を作ったらしい。
クレルモン伯は、ジャンとはまた違ったベクトルの武具マニア騎士だった。
「かの地には金属の厚さを1ミリ単位で調整できる鍛冶職人がおりまして、軽いのに強度は申し分ない。その上、エッチングで美しい模様を浮き上がらせたすばらしい甲冑を取り寄せました。明日の試合でお見せいたしましょう」
15世紀の西欧では、ドイツとイタリアが甲冑の二大産地だった。
前者は金属の表面をエッチング加工して模様を描き、後者は金属を埋め込む象眼加工を得意としていた。
「ちょっと待て。クレルモン伯んとこの父親もロンドン塔幽閉組みだろ」
「そうだが?」
「うちと同じく、莫大な身代金で大変じゃないの? お高い武具をそろえる余裕あるの?」
ジャンの疑問はもっともだ。
クレルモン伯は少し沈黙すると、小声で「ここだけの話ですが、父の身代金をイングランドに払うつもりはありません」と打ち明けた。
私とジャンは顔を見合わせた。さすがに「父君を見捨てるのか」とは聞けなかった。
だが、クレルモン伯は私たちが何を考えたか分かったのだろう。
「薄情だとお思いでしょう」
「いや、そんなことは」
「いいのです、私もそう思いますから」
クレルモン伯は平然と言ってのけた。
だが、私はただならぬ雰囲気を感じて「何か、理由があるのではないか?」と尋ねた。
少しの沈黙のあと、心の動きを映したかのようにクレルモン伯の瞳が揺れた。
「父の言いつけです」
クレルモン伯の父は、大諸侯のひとりブルボン公だ。
代々、王家とも縁が深い。
「なぜそんなことを? クレルモン伯はそれでいいの?」
「私も、納得した上での話です」
私たちがシャルル・ドルレアンと連絡を取り合っているように、大鴉の秘密通信を繋げたブルボン公とクレルモン伯父子も通信を利用している。
ブルボン公いわく、要求どおりに多額の身代金を払えばイングランドはますます潤う。
フランスからむしり取った大金でイングランドは軍備を増強し、またフランス領を蹂躙するだろう。だから——
「身代金を払うなと。その金銭は、我ら一族と主君と領民のために使うようにと父は申しております」
私の曾祖父ジャン二世が莫大な身代金と引き換えにフランスに戻ったとき、すでに宮廷に居場所はなく、息子シャルル五世に王国を託してロンドンに舞い戻ってしまった。
父子の間に確執があったのかは分からない。
「王家とは事情が違うかもしれませんが、失礼ながらジャン二世の身代金は無駄だったかと」
「ううん、そのとおりだと思う」
「父は同じ轍を踏むな、過去から教訓を学べと」
ブルボン公は貴族としての務めを息子に託し、ロンドンに骨を埋める覚悟をしていた。
「イングランドには支払う姿勢を見せています。そうでなければ父は処刑されてしまいますから。のらりくらりと交渉して、父が困窮しない程度に生活費を仕送りしています」
ロンドン塔に幽閉された者たちと、その家族たち。
みなそれぞれ、さまざまな事情を抱えていた。
「父に会うことは二度とないでしょう。ですが、トーナメントで活躍すれば、父の耳にも私の勇姿が伝わると信じています」
クレルモン伯は派手な身なりをしていたが、決して軽薄ではなかった。
貴族らしくプライドの高い、いや、気高い志を持つ父子だと私は思った。
「ブルボン公の意志に敬意を、クレルモン伯には武運を祈ろう」
「光栄です」
いい話で終わるかに見えた。
「武具で目立つのもいいけど、剣の技能はどうなんだ?」
ジャンの問いかけに、クレルモン伯は意外な答えを返した。
「勝敗はどうでも」
「えっ?!」
私とジャンは再び顔を見合わせた。
トーナメントに出場するのに試合の勝敗はどうでもいいとは、どういうことだろう。
「私は父の後を継ぎ、自前の騎士団を持っています。王太子殿下にお目見えする身分も持ち合わせておりますから、就職活動する必要はありません」
しれっと、そんなことを言った。
「いや、でもさ、負けるより勝った方がいいじゃん」
「はじめから負けるつもりはないが、目的が果たせるなら負けてもいいと思っている」
クレルモン伯は、私と話すときに敬語を使うが、ジャンと話すときは少々ぶっきらぼうで遠慮がない。
彼もまた年相応の男子だった。
「どういうこと?」
「負けてもいい目的って何?」
「実は、気になるご令嬢がいて……」
クレルモン伯は、意中のご令嬢にアピールするためにトーナメントに出るのだと言った。
「ぶざまな姿は見せられないが、少しくらいケガをしてもいいと思っている」
試合後、控え室でご令嬢に手当てをしてもらい、治療にかこつけて服を脱ぐ口実もできるから、あわよくば押し倒して——などと言い出した。
「誰? 俺の知ってる人?」
「試合で告白するのに、ここで打ち明けるわけないだろう」
「なんで? ここにご令嬢はいないし、教えてくれてもいいじゃん」
この時代、家族以外の男女が正式な食事会で同席することはない。
トーナメント前夜の晩餐会もむさ苦しい男ばかりだ。
「だめだ。ご令嬢の父君にバレたらまずい」
「えっ、父君が近くに?」
「誰だれ?! 俺の知ってる人? もしかしてシャステル隊長?」
「しっ! 声が大きい!」
腕自慢、就職活動、おいしい食事。
さらに、愛の告白と婚活まで。
トーナメントに参加する理由は、じつに人それぞれである。
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