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第七章〈王太子の都落ち〉編
7.3 パリ脱出(2)金のパンと銀のパン
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ブルゴーニュ派の軍勢はパリの出入りを厳しく制限し、ところどころで検問を敷いていた。
私が王太子と知れたら確実に捕われる。
身分をごまかしたところで、アルマニャック派の関係者だと目されたら足止めされるだろう。略奪の憂き目に遭うかもしれず、命の保証もない。
狭い馬車の中で、私は心細さと戦っていた。
少し前まで、私とシャステルは馬車を待っていた。
大所帯では目立ちすぎるから、護衛たちは分散し、先回りして偵察するためにいなくなっていた。辺りにいるのはブルゴーニュ派の兵ばかり。
つまり、今、私の本当の身分を知っているのはシャステルだけ。
緊張と不安と、シャステルの前では王太子として気を張らなくていい気安さが滲み出ていたのだろうか。
「心配ご無用。このくらいは想定の範囲内です」
「うん……」
シャステルは楽観的だった。
悲観的な私をなだめるためか、それとも生まれつきこのような性格だったのか。
宮廷では誰もがみんな本心を隠しているから、シャステルの「人となり」は私にもよく分からない。
「情けないけど、私は宮廷のこともパリの城下のことも本当に何も知らない」
「存じております」
「頼みの綱はシャステルだけなんだよ」
「お任せください」
同じような会話ばかり。私はぎゅっと唇を噛み締めた。
(そうは言っても……)
ブルゴーニュ派の軍勢から逃げてきたはずなのに、水路を抜けた先は敵の占拠地のまっただ中。
シャステルの「心配ご無用、お任せください」を信じていいのか、本当は行き当たりばったりで何の策も考えていないのではないか。
私の心中では、不信感がもやもやと頭をもたげていた。
***
馬車がゆっくりと停止した。人の気配がする。
「身元不明の馬車を通すわけにはいかない。中を改めさせてもらおう」
検問の兵がいる。
シャステルの言いつけどおり、私は息をひそめて沈黙した。
緊張しすぎて、鼓動の音が外まで漏れ聞こえそうだ。
「おつとめご苦労さん。うちの坊ちゃんはこのクーデター騒ぎにすっかり参っていてね。お手柔らかに頼むよ」
御者に扮したシャステルは、ずいぶんと気さくな口ぶりだ。
護衛隊長の厳格さとはまるで違う。
私は物音を立てないようにじっとしながら、耳をそばだてた。
「我々に協力的なら手荒なことはしないさ」
「そうだな、手短に済ませよう。ほら、このハンカチを見てくれ。身分証明にちょうどいい」
シャステルは、デュノワ伯ジャンの紋章が刺繍されたハンカチを見せているようだ。
貴族の身分を示す紋章は、数千から数万種類あると言われている。
紋章学の専門家でもなければ、自分の主君と有名な王侯貴族の紋章くらいしか知らないだろう。
末端の兵に、細かな違いを見分けるほど教養があるとは思えない。
「はは、いくらなんでもハンカチ一枚で通すわけには」
「いいね、職務に励む兵は嫌いじゃない。ところで、あんたの訛りはブルトン人だろう。同郷のよしみでここはひとつ!」
「そうはいかない。中を見せてもらおう」
がしゃりと甲冑の音が近づいてきた。
私のすぐ横、馬車の扉を隔てた隣りに兵が立っている。
「坊ちゃんは疲れ果ててお休み中だ。鍵をかけているから開かないぞ」
施錠して閉じこもっているが、小さな馬車は無防備だ。
大振りの槍で力任せに突かれたらひとたまりもない。
「憔悴しきっていて気の毒でたまらん。起こしたくないんだがなぁ」
「主君の坊ちゃんを甘やかすのはほどほどにしておくんだな。いつか暴君になるぞ。王太子みたいにな」
ぎくりとした。
心臓がドキドキと早鐘を打っている。
背中と額には冷や汗と脂汗がダラダラだ。
「はは、言うねぇ」
「まぁ、よく知らないがな。だが、あの狂人王の息子ならロクデナシに違いない。王族なんざ似たり寄ったりだろ」
「狂人はさっさとくたばってくれた方が王国は安泰かもしれないなぁ」
シャステルまでもが言いたい放題である。
口裏を合わせているのか、本心なのか、ふたりは意気投合して王家の悪口で盛り上がっている。
「うちの坊ちゃんは気弱な小心者だから心配には及ばんさ。へっぴり腰で、剣術はからっきし。腕っぷしも弱いから喧嘩もできない。どう考えても暴君になる資質はないね」
ひどい言われようだ。
これは間違いなくシャステルの本音だろう。
「はっはっは! 暴君よりマシだが、ひ弱な主君というのも感心できないな」
「うちの坊ちゃんは、故郷にいる息子と同じ年頃だから情が移ってしまってなぁ。あんたも遠方の主君に仕えるブルトン人なら分かるだろう。王家のいざこざに巻き込まれちまって気の毒でたまらん」
「……ほぅ」
ふたりの会話が途切れた。
この沈黙は、いい兆しなのか。それとも悪い兆しなのか。
「悪いが、こっちも仕事なんでね。あんたんトコの坊ちゃんが悪い子じゃないとしても、もしアルマニャック派なら小姓ひとりでも見逃せないんだ」
「……仕方がないな」
話し合いで交渉が成立しなかった場合、強行突破する手はずになっている。
シャステルの合図で、周辺に散開している護衛たちは一斉に検問の兵を襲撃する。
足止めしている隙に、私とシャステルを載せた馬車は力づくで検問を振り切る。
何が起きようと、私は馬車の外へ出てはならない。外を見てもいけないと言い含められていたが、襲撃の様子は容易に想像がつく。流血沙汰になるだろう。
(ああ、王家のいざこざに巻き込まれているのは私だけじゃない)
脳裏に、トーナメントで見た事故死の光景が浮かんだ。
急所に刺さった槍。落馬した騎士。赤黒く広がっていく血だまり。
私はたまらず目を閉じ、両手で口を押さえてこみ上げる感情をごくりと飲み込んだ。
「おお、忘れていた」
前方から聞こえたシャステルの声は、思いのほか明るかった。
「ここに美味いシードルがあるんだが」
「……ほぅ」
シードルはシャステルの故郷ブルターニュ産の銘酒だ。
ブルターニュとノルマンディー限定で生産しているリンゴの酒で、故郷から離れて暮らしているブルトン人はこれに目がないらしい。
「ブルゴーニュに仕えているならブドウの酒ばかりで、リンゴの酒はなかなか手に入らないだろう。良かったらこれを持っていくといい。それから、酒のつまみに金色のパンもつけてやろう」
金色のパン。
ひょっとして金貨のことだろうか。
「金のパンと銀のパンがある。どっちがいい?」
「どっちがいいか、だと?」
間違いない。シャステルは賄賂を渡そうとしている。
あからさまな不正を持ちかけられて、検問の兵は不機嫌そうな声で唸った。
騎士道に反する行いは、正統な騎士の逆鱗に触れたも同然だ。
シャステルの提案は逆効果で、怒らせてしまったかもしれない。
「あのなぁ、こちとら寝ずの番で腹が減っているんだ。両方くれ」
「くく、お主もワルだなぁ」
シャステルと兵はひそひそと悪だくみ——交渉している。
小声だが、私には丸聞こえである。
「人聞きの悪い。持ちかけたのはそっちだろう」
「うむ、我々はワルではない。金のパンは、教会のパンに等しい」
「神の恵みだな」
「神に感謝を」
ふたりは祈りの言葉をささやいている。
何という茶番劇だろう。
だが、ぶじに交渉が成立したようだ。
「おまえたちは運がいい。指揮官のリラダン閣下がいたらこうはいかない」
「運がいいのはお互いさまだろう」
「違いない」
悪いことをしているのに、シャステルと検問の兵は旧知のように談笑している。
これが同郷のよしみというものか。
それとも、金のパン——神の恵みのチカラか。
騒ぎを起こさずに安全に通過できるなら、この際なんでもいい。
「リラダン閣下はどちらに?」
シャステルがさりげなく探りを入れた。
「さあな。今ごろ王と王太子を捕らえるために王宮にいるんじゃないか?」
私が脱出したことはまだバレていないようだ。
王太子が入れ替わっていると知れたら、もっと厳重に引き止められたに違いない。
「俺みたいな下っ端兵士はな、王族や宮廷のスキャンダルにこれっぽっちも興味ないんだ。そつなく仕事をして、無駄なく報酬が手に入ればそれで良し。興味があるのは美味いメシと酒だけだ」
検問の兵は、上官に聞かれたら処罰されそうな戯言を言ってのけた。
私は「主君」とされる身分だから、周りの臣下たちは上品な言葉遣いでむやみに賞賛してくる。
だが、私は宮廷育ちではないせいか、無意味な美辞麗句は耳になじまなかった。
ジャンの毒舌の方がよほど自然に聞こえる。
そつなく仕事をして、無駄なく報酬をいただく。
興味があるのは美味いメシと酒だけ。
検問で出会ったブルゴーニュ派の兵が漏らした本音は、とても新鮮に聞こえた。
そして、ふたりの気楽な談笑は、黙って聞いている私の心からいつのまにか不安と緊張を取り去ってくれた。
「シードルとパンのおかげで今夜はいい夜になりそうだ。あんたと坊ちゃんの幸運を祈ろう」
「うむ、貴公の配慮に感謝を申し上げる」
「よし、行け……いや、ちょっと待て」
兵の合図で馬車が動きかけたが、馬が数歩も歩かないうちに止められた。
私が王太子と知れたら確実に捕われる。
身分をごまかしたところで、アルマニャック派の関係者だと目されたら足止めされるだろう。略奪の憂き目に遭うかもしれず、命の保証もない。
狭い馬車の中で、私は心細さと戦っていた。
少し前まで、私とシャステルは馬車を待っていた。
大所帯では目立ちすぎるから、護衛たちは分散し、先回りして偵察するためにいなくなっていた。辺りにいるのはブルゴーニュ派の兵ばかり。
つまり、今、私の本当の身分を知っているのはシャステルだけ。
緊張と不安と、シャステルの前では王太子として気を張らなくていい気安さが滲み出ていたのだろうか。
「心配ご無用。このくらいは想定の範囲内です」
「うん……」
シャステルは楽観的だった。
悲観的な私をなだめるためか、それとも生まれつきこのような性格だったのか。
宮廷では誰もがみんな本心を隠しているから、シャステルの「人となり」は私にもよく分からない。
「情けないけど、私は宮廷のこともパリの城下のことも本当に何も知らない」
「存じております」
「頼みの綱はシャステルだけなんだよ」
「お任せください」
同じような会話ばかり。私はぎゅっと唇を噛み締めた。
(そうは言っても……)
ブルゴーニュ派の軍勢から逃げてきたはずなのに、水路を抜けた先は敵の占拠地のまっただ中。
シャステルの「心配ご無用、お任せください」を信じていいのか、本当は行き当たりばったりで何の策も考えていないのではないか。
私の心中では、不信感がもやもやと頭をもたげていた。
***
馬車がゆっくりと停止した。人の気配がする。
「身元不明の馬車を通すわけにはいかない。中を改めさせてもらおう」
検問の兵がいる。
シャステルの言いつけどおり、私は息をひそめて沈黙した。
緊張しすぎて、鼓動の音が外まで漏れ聞こえそうだ。
「おつとめご苦労さん。うちの坊ちゃんはこのクーデター騒ぎにすっかり参っていてね。お手柔らかに頼むよ」
御者に扮したシャステルは、ずいぶんと気さくな口ぶりだ。
護衛隊長の厳格さとはまるで違う。
私は物音を立てないようにじっとしながら、耳をそばだてた。
「我々に協力的なら手荒なことはしないさ」
「そうだな、手短に済ませよう。ほら、このハンカチを見てくれ。身分証明にちょうどいい」
シャステルは、デュノワ伯ジャンの紋章が刺繍されたハンカチを見せているようだ。
貴族の身分を示す紋章は、数千から数万種類あると言われている。
紋章学の専門家でもなければ、自分の主君と有名な王侯貴族の紋章くらいしか知らないだろう。
末端の兵に、細かな違いを見分けるほど教養があるとは思えない。
「はは、いくらなんでもハンカチ一枚で通すわけには」
「いいね、職務に励む兵は嫌いじゃない。ところで、あんたの訛りはブルトン人だろう。同郷のよしみでここはひとつ!」
「そうはいかない。中を見せてもらおう」
がしゃりと甲冑の音が近づいてきた。
私のすぐ横、馬車の扉を隔てた隣りに兵が立っている。
「坊ちゃんは疲れ果ててお休み中だ。鍵をかけているから開かないぞ」
施錠して閉じこもっているが、小さな馬車は無防備だ。
大振りの槍で力任せに突かれたらひとたまりもない。
「憔悴しきっていて気の毒でたまらん。起こしたくないんだがなぁ」
「主君の坊ちゃんを甘やかすのはほどほどにしておくんだな。いつか暴君になるぞ。王太子みたいにな」
ぎくりとした。
心臓がドキドキと早鐘を打っている。
背中と額には冷や汗と脂汗がダラダラだ。
「はは、言うねぇ」
「まぁ、よく知らないがな。だが、あの狂人王の息子ならロクデナシに違いない。王族なんざ似たり寄ったりだろ」
「狂人はさっさとくたばってくれた方が王国は安泰かもしれないなぁ」
シャステルまでもが言いたい放題である。
口裏を合わせているのか、本心なのか、ふたりは意気投合して王家の悪口で盛り上がっている。
「うちの坊ちゃんは気弱な小心者だから心配には及ばんさ。へっぴり腰で、剣術はからっきし。腕っぷしも弱いから喧嘩もできない。どう考えても暴君になる資質はないね」
ひどい言われようだ。
これは間違いなくシャステルの本音だろう。
「はっはっは! 暴君よりマシだが、ひ弱な主君というのも感心できないな」
「うちの坊ちゃんは、故郷にいる息子と同じ年頃だから情が移ってしまってなぁ。あんたも遠方の主君に仕えるブルトン人なら分かるだろう。王家のいざこざに巻き込まれちまって気の毒でたまらん」
「……ほぅ」
ふたりの会話が途切れた。
この沈黙は、いい兆しなのか。それとも悪い兆しなのか。
「悪いが、こっちも仕事なんでね。あんたんトコの坊ちゃんが悪い子じゃないとしても、もしアルマニャック派なら小姓ひとりでも見逃せないんだ」
「……仕方がないな」
話し合いで交渉が成立しなかった場合、強行突破する手はずになっている。
シャステルの合図で、周辺に散開している護衛たちは一斉に検問の兵を襲撃する。
足止めしている隙に、私とシャステルを載せた馬車は力づくで検問を振り切る。
何が起きようと、私は馬車の外へ出てはならない。外を見てもいけないと言い含められていたが、襲撃の様子は容易に想像がつく。流血沙汰になるだろう。
(ああ、王家のいざこざに巻き込まれているのは私だけじゃない)
脳裏に、トーナメントで見た事故死の光景が浮かんだ。
急所に刺さった槍。落馬した騎士。赤黒く広がっていく血だまり。
私はたまらず目を閉じ、両手で口を押さえてこみ上げる感情をごくりと飲み込んだ。
「おお、忘れていた」
前方から聞こえたシャステルの声は、思いのほか明るかった。
「ここに美味いシードルがあるんだが」
「……ほぅ」
シードルはシャステルの故郷ブルターニュ産の銘酒だ。
ブルターニュとノルマンディー限定で生産しているリンゴの酒で、故郷から離れて暮らしているブルトン人はこれに目がないらしい。
「ブルゴーニュに仕えているならブドウの酒ばかりで、リンゴの酒はなかなか手に入らないだろう。良かったらこれを持っていくといい。それから、酒のつまみに金色のパンもつけてやろう」
金色のパン。
ひょっとして金貨のことだろうか。
「金のパンと銀のパンがある。どっちがいい?」
「どっちがいいか、だと?」
間違いない。シャステルは賄賂を渡そうとしている。
あからさまな不正を持ちかけられて、検問の兵は不機嫌そうな声で唸った。
騎士道に反する行いは、正統な騎士の逆鱗に触れたも同然だ。
シャステルの提案は逆効果で、怒らせてしまったかもしれない。
「あのなぁ、こちとら寝ずの番で腹が減っているんだ。両方くれ」
「くく、お主もワルだなぁ」
シャステルと兵はひそひそと悪だくみ——交渉している。
小声だが、私には丸聞こえである。
「人聞きの悪い。持ちかけたのはそっちだろう」
「うむ、我々はワルではない。金のパンは、教会のパンに等しい」
「神の恵みだな」
「神に感謝を」
ふたりは祈りの言葉をささやいている。
何という茶番劇だろう。
だが、ぶじに交渉が成立したようだ。
「おまえたちは運がいい。指揮官のリラダン閣下がいたらこうはいかない」
「運がいいのはお互いさまだろう」
「違いない」
悪いことをしているのに、シャステルと検問の兵は旧知のように談笑している。
これが同郷のよしみというものか。
それとも、金のパン——神の恵みのチカラか。
騒ぎを起こさずに安全に通過できるなら、この際なんでもいい。
「リラダン閣下はどちらに?」
シャステルがさりげなく探りを入れた。
「さあな。今ごろ王と王太子を捕らえるために王宮にいるんじゃないか?」
私が脱出したことはまだバレていないようだ。
王太子が入れ替わっていると知れたら、もっと厳重に引き止められたに違いない。
「俺みたいな下っ端兵士はな、王族や宮廷のスキャンダルにこれっぽっちも興味ないんだ。そつなく仕事をして、無駄なく報酬が手に入ればそれで良し。興味があるのは美味いメシと酒だけだ」
検問の兵は、上官に聞かれたら処罰されそうな戯言を言ってのけた。
私は「主君」とされる身分だから、周りの臣下たちは上品な言葉遣いでむやみに賞賛してくる。
だが、私は宮廷育ちではないせいか、無意味な美辞麗句は耳になじまなかった。
ジャンの毒舌の方がよほど自然に聞こえる。
そつなく仕事をして、無駄なく報酬をいただく。
興味があるのは美味いメシと酒だけ。
検問で出会ったブルゴーニュ派の兵が漏らした本音は、とても新鮮に聞こえた。
そして、ふたりの気楽な談笑は、黙って聞いている私の心からいつのまにか不安と緊張を取り去ってくれた。
「シードルとパンのおかげで今夜はいい夜になりそうだ。あんたと坊ちゃんの幸運を祈ろう」
「うむ、貴公の配慮に感謝を申し上げる」
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