オタク眼鏡が救世主として異世界に召喚され、ケダモノな森の番人に拾われてツガイにされる話。

篠崎笙

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リヒト

本来の年齢を暴露する

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手早く服を脱がされて。
僕も全裸にされてしまった。

眼鏡も取り上げられて。どこかに置かれたようだ。


……また、をされちゃうのか。
太い指で、中を。

『感じているな。……可愛いクロエ。俺のものだ』

思う存分抱きたいから、早く大きくなれ、とか言われても困る。
成長期なんて、とっくに過ぎてるし。

「こ、これ以上、成長しなかったら……?」
『壊れないよう、優しく抱く』


結局抱くんだね。
……勘弁してください!


†‡†‡†


「んう、」
口で口を塞がれて。

息が出来なくなるほど、口の中で舌が暴れてる。

こんなの。
キスなんて、生易しいものじゃない。

餓えた獣に貪られているようだ。ケダモノではあるけれど。


「ん、や、……は、」

じゅぶじゅぶと、太い指が抜き差しされて。
水音は、自分が感じてるから出てる分泌液だなんて、信じられない。

『……っ、挿れたい……、ここに、』
耳を舐められながら、囁かれる。

熱い吐息に、ゾクゾクしてしまう。

お尻を弄られてるだけなのに。
何で。


「もう、いっちゃう。もっと……、」

達きそうだったのに。
突然、ジャンはぴたりと動きを止めた。


『そういえば、正確な年齢を聞いていなかったな。いつ大人になる?』
「んん、やだ、」
いいとこで、止めるな!

つい、腰が揺れて。
もっと指を受け入れようと、動いてしまう。

なのに。


「や、」
指が引き抜かれて。

『もう大人だと言え。……可愛がってやる』


嘘だろ。
そんなの、ズルい!


†‡†‡†


危なかった。
あやうく快楽堕ちして、本来の年齢を白状するところだった。

いい年して泣いちゃって。

ジャンは慌てて謝罪して、いじわるするのをやめてくれた。
それで。

達かせてもらった上に、風呂の世話までさせておいて。
ジャンの勃ったのは放置とか。

ジャンは年下なのに。
恥ずかしすぎる。


……無精ひげが、ざりざりするんだけど。

朝剃って、夜にはもう生えてたな。
男性ホルモン多そう。


大きくて立派な身体、逞しい腕。
力強く大きな手。男らしい顔。

どれも、僕には無いものだ。


25歳まで彼女も出来なくて、未経験で。
ずっとこのまま一生恋人も作れず、独りで生きていくんだろうなと思ってた。

なのに。
強引に、ツガイのしるしとかいう訳のわからないモノをつけられて。

初日の夜から、二日連続でエロいことされちゃって。


それが、そんなに嫌じゃないなんて。
どういうことだよ。

……だって、気持ち良かったんだもん!

自分の身体がこんなに快楽に耐性が無かったなんて、知らなかった。
ツガイにされちゃったからかもしれないけど。

ジャンの体臭を嗅いで、触られたらもう即濡れちゃう、おかしな体質になっちゃったんだ……!

このままでは、早晩に最後の一線を越えてしまうかもしれない。
それは困る。


これから、やることいっぱいあるのに。
色ボケしてる場合じゃないだろ。


†‡†‡†


「ジャン、」
あえて敬称をつけないで、名前を呼ぶ。

『ん?』
だから、無精ひげざりざりな顔で頬ずりするなと。


のは、伝染病の問題がひと段落つくまで、待って」
『わかった』

「……本当にわかってる?」
やたら物分かりが良すぎるんだけど。


『ああ。俺はクロエを愛している。身体だけを求めているわけではない。だから落ち着くまでは待とう』

本当かなあ。
と疑いの目を向けると。


『焦ってしるしをつけたのは、お前を他のやつに取られたくなかったからだ。だから待てる』
「うん。……待ってて?」

『ああ』
優しく頭を撫でられた。


『……ということは。やはりクロエはとっくに成人を迎えていたんだな? 何歳だ?』


16歳以上だろう、というのは薄々気付いていたようだ。
ジャンに大きくなれ、とか。育てる、とか言われる度に、僕が微妙な顔をしてたので。

もしかして、未成年ではないのかもしれない、と思ったらしい。

そんなにわかりやすい反応をしていたのか……。
僕には腹芸やポーカーフェイスは無理だな。

今更になって、というか。あんまり言いたくないんだけど。


「……25……」
『は?』

「25歳!!」


†‡†‡†


『年上だと!?』


ジャンは飛び起きて。
僕の顔や身体を見ている。

そんな、まじまじと凝視するなっての。
この距離だと、眼鏡をかけてなくても顔がよく見えるんだよ。

他人からこんな至近距離で見られたことってあんまりないから、恥ずかしいんだけど。


『これで、年上……? 25歳? 信じられん。こんな愛らしいのに……、どこもすべすべで』
頬や顎を撫でられる。

硬いヒゲが生えないのは体質だけど。
年齢よりも若く見えるのは、アジア人の特徴といえよう。

「う、うっさい。アジア人は基本的に童顔なんだよ。そっちが老け顔なの!」


ジャンはにやりと目を細めた。
『25歳で、俺が初めてか。こうして、肌に触れられるのも、口づけも』

そうだよ童貞だよ。
悪かったな。

なんだよ。
そんな、嬉しそうな顔してキスしてくるな。ばか。


「も、いい加減、放せってば。今日は森を散策するんだろ」
ジャンの腕をタップする。

『離したくないが。仕方ない』

残念そうに身体を離して、クローゼットに着替えを取りに行った。
ご立派なのをぶらぶらさせて。


†‡†‡†


今日は、貴族みたいな服じゃなくて。

散策しやすいような、丈夫で長袖の服だった。
革のブーツはふくらはぎまでの長さだ。

散策には、僕の着てた服のほうが歩きやすいんだけど。
こっちには無い材質で出来てるし。

目立つから、やめたほうがいいのか。


ジャンは脱ぎやすそうな、簡単な服だった。
獣の姿になるかもしれないからって。
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