オタク眼鏡が救世主として異世界に召喚され、ケダモノな森の番人に拾われてツガイにされる話。

篠崎笙

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J・J

救世主の責任

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「クロエよ、そう気負わなくともよい。そなたが召喚されたことは、この城の者しか知らぬこと。全ての責は国王である私が負うものだ。少々失敗しようとも、それは決して無駄な犠牲にはなるまい。未来への礎となろう」
ロイは言った。

クロエがこの国の救世主として召喚されたことを知っている者は、まだ少ない。
俺の他には、この城に勤めている者くらいだろう。

たとえ失敗しようが、責任の全ては王である自分が取るというのだ。


俺も、おまえのためなら何でも協力したいと思っている。
俺だけでなく。

ここに居る皆、全員がそう思っているだろう。


クロエは頼りなげな顔で俺達を見回していたが。
表情が変わっていくのがわかった。

その内面で。
目まぐるしく何か変化が起こっているのを感じた。


†‡†‡†


「そうだ。……今のうちに、全ての国民に通達してほしいことがあります。診療所兼隔離施設として広い場所も必要になるかも」

覚悟を決めたのだろう。

方針が定まったようだ。
迷いのない発言。


「よかろう。何でも言うがよい」
「熱があったり咳が出る人は無暗に出歩かず、すぐに診療所に向かうように伝達すること。なお、国民が負担する費用は無料にしてください。ただの体調不良なら治療魔法でどうにかしますが。もし伝染病だった場合、感染者を隔離しておかないと被害は拡大します」

初期症状は軽いもので。
有料だと、来るのに躊躇する者も居るだろう。

ウイルスとやらを持ったまま、その辺をうろうろされても困る。
咳で飛んだ唾からも伝染するので、他の患者に伝染しないよう、隔離施設が必要だという。

なるほど。明快だ。


「それと、ウイルスには効果が無いけど。ないよりはあったほうがマシなので、マスクを大量に作ってください。殺菌用に、強いアルコールも蒸留しておかないと」
「わかった。全て早急に手配しておこう」

ロイは報せの魔法も使い、明日にでも国民の全てに通達すると言った。
診療所兼隔離施設も城の近くに建設する。殺菌用のアルコールは酒蔵に注文すると。

行動が早いのが我が国の王、ロイの最大の強みである。
早すぎて、たまにアンリを悩ませるが。


「ジャンさん、調子が悪そうな動物ってわかる?」
俺を見上げた。

もう、頼りなげな様子はない。

「ああ、見ればわかるが」
動物の管理も森林管理人の仕事のうちである。

動物を呼ぶことや話すこともできると言うと、それはかなり助かると言われた。
俺にできることで力になれるようだ。


「じゃあ、調子が悪そうな動物を見たら連れてきて。動物にも感染するものみたいだから」
「わかった」

クロエはてきぱきと指示を出し。
本格的に、この国を襲う災禍……伝染病に向けての対策に乗り出した。


†‡†‡†


「見違えるように生き生きとしているな」
声を掛けると。

照れたように魔導書を抱えているクロエは、抱きしめたくなるほど可愛らしい。
先程まで、頼りがいのありそうな一人前の男だったのだが。

衝動的に、抱きたくなった。

後ろから腰に手を回し、抱き上げ。
寝台へ運ぶ。


「わ、」
クロエはすでに俺が服を脱いでいたことに驚いていた。

胸板や下腹部へ降りていく視線を感じる。
反応して勃起したものを見て、頬を染めている。その視線に嫌悪感はない。


首筋の匂いを嗅ぐ。
……俺のを見て、その気になったのか。芳しい。

「いい匂いだ」
「お、お風呂入りたいんだけど。……今日は汗かいたし、汗臭いと……」

汗臭さを気にして、もじもじと恥じらうのも可愛らしいが。
風呂に入るのを待ってなどいられない。


「後で入れてやる。……クロエの匂いは少しもくさくない。いい匂いだ。もっとクロエの匂いを味わいたい」

「ひゃっ、」
首を舐めると、くすぐったそうに身体を縮めた。

服を脱がし、一糸纏わぬ姿にする。
眼鏡も、クロエの手の届かない場所に置いて。

後ろに触れると、すでに濡れていた。
脱がしたことで、期待しているのだろうか。この先の行為を。


「感じているな。……可愛いクロエ。俺のものだ。思う存分抱きたい。だから早く大きくなれ」
クロエは、困ったような顔をした。

「こ、これ以上、成長しなかったら……?」
「壊れないよう、優しく抱く」


「んう、」
困惑しているクロエがあまりに可愛らしく。

たまらず唇を奪った。


甘い唇。
味わえば味わうほど、もっと欲しくなる。

可愛いクロエ。
愛している。俺の大切なツガイ。


†‡†‡†


「ん、や、……は、」
甘い声。

そうすると、より感じるようなので。
わざと、じゅぶじゅぶと音が立つように指を抜き差ししてやる。

俺の指を、三本も受け入れているのに。
感じて、気持ち良さそうだ。

この心地好い締め付けを。
指でなく、俺自身で感じたい。


「……っ、挿れたい……、に、」
クロエの小さな耳を舐められながら、囁く。

吐息にも感じているようだ。可愛い。


「もう、いっちゃう。もっと……、」
ねだられて。

早く、抱きたいが。
まだ子供では、抱く訳にはいかない。


「そういえば、正確な年齢を聞いていなかったな。いつ大人になる?」

どれだけ待たなくてはいけないのかと思い、年齢を訊くと。
クロエは不満そうに身悶えた。

「んん、やだ、」
指の動きが止まったのが不服だといわんばかりに腰を揺らした。

欲しいなら、好きなだけ与えてやりたいが。

もし、大人なら。
指だけでなく。


「や、」
根元まで入れていた指を引き抜いて。


「もう大人だと言え。……可愛がってやる」
告げると、クロエは涙目になった。

その目には、迷いがあった。
そこで、確信する。


クロエはもう、成人を過ぎているのだと。
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