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身体が痛い
少しズキズキとした痛み
脚に走った衝撃は、捻った時と似た痛みに感じる
3階から落ちた私は、痛みの覚悟ができていないまま落下した
「っい…」(痛いけど、そこまででじゃない…?)
3階から落ちたにしては、軽すぎる痛みだ
恐怖から固く瞑った目をゆっくり開ければ、ようやくその理由が分かった
横になった体勢に、背中に感じる感覚
左頬に感じる熱、左脚には草の感触
「まいったねぇ…。」
「………、っ」
「ちさちゃん、大丈夫かい?」
「潤さん、ごめんなさい。い、今どきます!!」
私は、潤さんにキャッチされ、抱えられたまま勢いのままに後ろへと倒れた
その拍子に、脚は地面に打ち付けられ、彼の背中も同様に固い存在を感じた様だ
急いで彼から退いた
いつまでも子供みたいに抱えられてはいられない
潤さんは、「イタタ…」と本音を漏らしながら、体を起こした
品格のある潤さんが、地べたに座っているのが申し訳なさすぎてやるせない
(…私のせいだ)
「潤さん…大丈夫ですか?私のせいで、すみません…」
「大丈夫だよ。いや、それにしても空から降って来るなんて、レディは天使様かな?」
「っ、元はと言えば潤さんが”降りてこい”って言ったから…」
「アアーコシガイタイナー。」
「大丈夫ですか!?すぐに誰か呼んで来ます!」
そう言って、立ち上がろうとする私を阻み、手首を掴んでは行かせない様に引き寄せる
ふいをつかれた私は、脚のこともあってその力に負けてしまう
グッと引かれた腕に連動して、身体は潤さんを覆う様に崩れていった
咄嗟に出た右手で、倒れ込まないように支えて彼を見た
訳が分からないからだ
この状況を見られたら、きっと私が潤さんを押し倒している様に見えるだろう
そんな様子を少し不敵に笑いながら見ている潤さんは、私の髪の毛に絡まった葉っぱを取ってはそれを口元に添えてみせる
「っあ、あの…」
「レディは、今どんな心境?」
「”心境”?えっと…驚いています」
「それはどうしてかな?」
「潤さんが、手首を掴んで、引っ張ったから…」
どうしてそんなこと聞くの?
そんなこと、本人が一番分かってるんじゃないの?
それ以外、何に驚くと言うのか
目を丸くする私をフフフと笑って、体を支える手を奪った
潤さんは、腰が痛いと言わなかったっけ?
なのに、どうしてそんなに機敏な動きをすることができるのか?
私が押し倒したみたいな体勢から、今度は潤さんが押し倒した体勢へと主格転倒した
簡単にそんなことされてしまったのは、きっと不都合なこの脚のせいだ
「じゃあ、今はどんな心境だい?」
「…今も、驚いています」
「どうして?」
「…潤さんが、押し倒したから?」
疑問に疑問で答えてしまった
でも、間違ってはいない…はず?
もし仮に、これが不慮の事故的なものだとしたら押し倒したは似つかわしくないですね…
でも、明らかに…しましたよね?
だって、潤さん……笑ってるし…
「疑問系、なんだね。私が、誤ってやった事だと思っているのかい?」
「確信が…なかったので……」
「”確信”があれば、はっきりするのかい?」
「え?」(どうしてそんな質問するの?)
そう思って目の前が暗くなった
夜だから?ううん、そうじゃない
だって、さっきまで僅少の明かりで潤さんの顔を見ていたはず
少ししたら暗さは消え、口元に感じたものも消えた
それは彼のもので、私の頭を白紙にさせた
草の上に倒れた私を見下ろすその瞳が、夜中の鬱蒼とした雰囲気を纏って見据えている
その目からも、この体勢からも動くことができない
そんな私を見て、少し打ちひしがれた様な顔をした潤さん
本来その顔をするのは潤さんではなく、私ではないか?
「どうして何も言わないんだい?」
「………今何をしたんですか?」
「そんなこと聞くのかい?レディが一番良く分かっていると思うけど?」
「…潤さん」(どうしてそんな冷たい目を見せるんですか?…)
「残念だ、もっと面白い反応を見せると思ったのに。」
そう言って彼は私から離れた
”面白い反応”、それは私がどう反応するかを楽しんでいたと言うことを教えてくれる
残酷な様に感じる
がっかりした様な、落胆したその顔は今まで見たことが無かった
少しズキズキとした痛み
脚に走った衝撃は、捻った時と似た痛みに感じる
3階から落ちた私は、痛みの覚悟ができていないまま落下した
「っい…」(痛いけど、そこまででじゃない…?)
3階から落ちたにしては、軽すぎる痛みだ
恐怖から固く瞑った目をゆっくり開ければ、ようやくその理由が分かった
横になった体勢に、背中に感じる感覚
左頬に感じる熱、左脚には草の感触
「まいったねぇ…。」
「………、っ」
「ちさちゃん、大丈夫かい?」
「潤さん、ごめんなさい。い、今どきます!!」
私は、潤さんにキャッチされ、抱えられたまま勢いのままに後ろへと倒れた
その拍子に、脚は地面に打ち付けられ、彼の背中も同様に固い存在を感じた様だ
急いで彼から退いた
いつまでも子供みたいに抱えられてはいられない
潤さんは、「イタタ…」と本音を漏らしながら、体を起こした
品格のある潤さんが、地べたに座っているのが申し訳なさすぎてやるせない
(…私のせいだ)
「潤さん…大丈夫ですか?私のせいで、すみません…」
「大丈夫だよ。いや、それにしても空から降って来るなんて、レディは天使様かな?」
「っ、元はと言えば潤さんが”降りてこい”って言ったから…」
「アアーコシガイタイナー。」
「大丈夫ですか!?すぐに誰か呼んで来ます!」
そう言って、立ち上がろうとする私を阻み、手首を掴んでは行かせない様に引き寄せる
ふいをつかれた私は、脚のこともあってその力に負けてしまう
グッと引かれた腕に連動して、身体は潤さんを覆う様に崩れていった
咄嗟に出た右手で、倒れ込まないように支えて彼を見た
訳が分からないからだ
この状況を見られたら、きっと私が潤さんを押し倒している様に見えるだろう
そんな様子を少し不敵に笑いながら見ている潤さんは、私の髪の毛に絡まった葉っぱを取ってはそれを口元に添えてみせる
「っあ、あの…」
「レディは、今どんな心境?」
「”心境”?えっと…驚いています」
「それはどうしてかな?」
「潤さんが、手首を掴んで、引っ張ったから…」
どうしてそんなこと聞くの?
そんなこと、本人が一番分かってるんじゃないの?
それ以外、何に驚くと言うのか
目を丸くする私をフフフと笑って、体を支える手を奪った
潤さんは、腰が痛いと言わなかったっけ?
なのに、どうしてそんなに機敏な動きをすることができるのか?
私が押し倒したみたいな体勢から、今度は潤さんが押し倒した体勢へと主格転倒した
簡単にそんなことされてしまったのは、きっと不都合なこの脚のせいだ
「じゃあ、今はどんな心境だい?」
「…今も、驚いています」
「どうして?」
「…潤さんが、押し倒したから?」
疑問に疑問で答えてしまった
でも、間違ってはいない…はず?
もし仮に、これが不慮の事故的なものだとしたら押し倒したは似つかわしくないですね…
でも、明らかに…しましたよね?
だって、潤さん……笑ってるし…
「疑問系、なんだね。私が、誤ってやった事だと思っているのかい?」
「確信が…なかったので……」
「”確信”があれば、はっきりするのかい?」
「え?」(どうしてそんな質問するの?)
そう思って目の前が暗くなった
夜だから?ううん、そうじゃない
だって、さっきまで僅少の明かりで潤さんの顔を見ていたはず
少ししたら暗さは消え、口元に感じたものも消えた
それは彼のもので、私の頭を白紙にさせた
草の上に倒れた私を見下ろすその瞳が、夜中の鬱蒼とした雰囲気を纏って見据えている
その目からも、この体勢からも動くことができない
そんな私を見て、少し打ちひしがれた様な顔をした潤さん
本来その顔をするのは潤さんではなく、私ではないか?
「どうして何も言わないんだい?」
「………今何をしたんですか?」
「そんなこと聞くのかい?レディが一番良く分かっていると思うけど?」
「…潤さん」(どうしてそんな冷たい目を見せるんですか?…)
「残念だ、もっと面白い反応を見せると思ったのに。」
そう言って彼は私から離れた
”面白い反応”、それは私がどう反応するかを楽しんでいたと言うことを教えてくれる
残酷な様に感じる
がっかりした様な、落胆したその顔は今まで見たことが無かった
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