逍遙の殺人鬼

こあら

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気分が悪いだけじゃない
現に戻してしまっている私は、この喉の不快感と絶賛葛藤中だ

焼けるような喉と、イガイガするこの感覚…
息が出来なくなるんじゃないかと思わせるほど、1度吐き始めると収まるまで苦しさが首を絞めてくる

「っゔぅ…はぁ……はぁ…」

「っう!ごめん、ちさちゃん僕もっ」

「…っどうぞ」

「っうぅ…」

最悪なのは、春さんのこの家にトイレが1つしかないこと
そしてそのトイレを私と臼田うすたさんが占領している事だ

訳が分からないが、私と臼田うすたさんは謎の吐き気に襲われ、トイレから出られなくなっている
交代交代で吐き合っているなんて……なんて地獄絵面…









こんなに吐いたことなんてない
風邪を引いた時だってずっと寝込んでたくらいだ
(吐いたのは食中毒に当たった時ぐらいだ……。)

互いに吐き合って…
みんなは平気そうなのに…どうして平気なんだろう?…
私が作った朝食が原因なのかと思ったけど、私と臼田うすたさんだけがこんな風になっているとなると、恐らく違う

「っはぁ…、ちさちゃんっ、大丈夫?……」

臼田うすたさんこと…大丈夫ですか?顔色が…悪いですよ……」

「ちさちゃんも、唇真っ青だよ…」

ゲッソリした顔してる2人…
他のみんなは何ともないようで何よりだけど、この状況はいつまで続くのやら……

「あら、大丈夫?2人ともすんごい顔してるわよ。」

「あ…春さん、お水ありがとうございます……」

「激ヤセしたニコール・リッチーみたいな顔してるわ…。」

(よくわからないけど…)「もう、だいぶ良くなりました」

私よりも臼田うすたさんの方が重症に見える
便器をがっしり掴んで、体の中にあるもの全部出すんじゃないかってくらい、それぐらいヤバそうだ

(私はもう…出すもの出したって感じがする)

トイレは臼田うすたさんに譲ろう
私はちょっと顔洗ったほうがいい………

冷たい水、これがまた顔を引き締めてくれる
そしてサッパリさせてくれる

鏡見てみれば、やっぱり酷い顔だ
1時間?2時間ぐらい吐いてたのかな?…
途中から臼田うすたさんが来て、私と同じようにトイレに駆け込んで来た

私が居たとは思わなかったみたいだけど、それを気にするほど余裕なんて無かったみたい
私も気にする余裕は無かった

「いつまでよ!」

(ん?春さんが声を荒げてる…?)

「お店に置くなんて頭おかしいんじゃないの?」

「どうせ今日定休日だろ、ケチケチすんなよ。」

「"ケチケチ"してるわけじゃないの、自分の店が心配なだけよ!」

「ただのオカマバーだろ。客だって微々たる数じゃんか。ひとりで連れて来たんだ、贅沢言うな。」

「ウチはよ!!アタシだってラリってるしさしひとりで引きずって来たんだから!!」

春さんの…"自分の店"?
このすぐ下のお店の事を言っているんだ

お店に、みんなが探していた人物が居るってこと?
それは…きっと私も知っている人……
(誰だろう…)

教会の炎上を免れて、遠いあの場所カジノまでやって来た人物
みんな焼け死んでしまったと思っていた

いくら記憶を辿っても教会の名前を思い出すことができない
いや…そもそも名前がどこにも出ていなかった
だから調べようとしても、場所も教会の名前も、何も知らなかったから調べようがなかった

「すぐ下に居るのなら……」(行けば誰か分かるのなら…)

その状況の中、という選択肢はほぼ皆無に等しかった
何も考えずにと言ったら変だけど、階段を駆け下りる私は後のことなんか考えていなかった

だって知りたい、知りたいんだもん
………そう願望が表に強く出たから
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