逍遙の殺人鬼

こあら

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「アンタ、2人を従業員か何かと勘違いしてるわけ?!」

「五月蠅いな。ギャーピー騒ぐな。」

「言っとくけど、2人をどうこうして良い権利なんてないからね!運転させるとか!荷物運びさせるとか!!」

「声量のクレッシェンドがウザい。音楽家にでもなったつもりか。」

「アンタのそういう所が嫌いなのよ。」

「オカマに好かれても嬉しくない。」

家に戻ってすぐに、朔夜さんは春さんに捕まった
凄い剣幕でまくし立て、私と臼田うすたさんを外に連れ出した事について怒り、お叱りタイムが決行された

かくいう私は、臼田うすたさんと一緒に車と家を行き来して、はなから自分で運ぼうとはしていないであろう荷物をせっせと書斎に運んでいた









「出かけて大丈夫なのか?」

「ギュウ君。特に、私はもう元気だよ。」

「いや…そういう意味じゃなくて…。」

「それより、ギュウ君はどこに居たのさ。」

ご飯食べてすぐ朔夜さんに捕まった私は、2人がどこに居たのか知らなかった

どこに居たのか問い出すた私に、「いや…。」と何故か視線をそらすギュウ君が怪しい…
何をそんなに言い渋るのか……

「この子意外と数字に強いのね。」

「春さん…。"数字"?」

「アタシ面倒だったからこの子にお店のお金計算手伝ってもらっちゃったのよ。」

(そうならそうと言えばいいのに……。)
未だに目線を合わせないのは何故なのか…

本当に?と私がギュウ君に聞くと少し上ずった声で「っあ、ああ。」って返した
あからさまに怪しいのですが…

「んもー、ちーちゃん疲れたでしょう。夕ご飯何が食べたい?実は新鮮な野菜貰っちゃったのよ。」

「野菜ですか?鍋とか…今は冷えますし」

「いいわねー!今晩は鍋にしましょう!!」

食の話に持っていかれた私だったが、ギュウ君が「ふぅ…。」と漏らした音を聞き逃さなかった

みんなが私に秘密を持っている
勿論赤の他人の私に話したいと思わないのは当然の事だと思う
でも、もしそれが私に関わるものなら…話すべきだろう

「そう言えば、春さんの苗字ってだったんですね」

「え…?それ、どこで知ったの?」

「あー…、今日行った倉庫で…。すいません、その…春さんのこと…色々と聞いちゃいました…」

「それは別に良いんだけど…。まさか…書類が沢山置いてあった倉庫に入った?」

ピンポイントで当てられビクリとした
別に私がその倉庫に行きたいといった訳じゃないのに、体が反応してしまう

はい…と顔色をうかがいながら答えると「はぁ…。」とため息をつく春さん
ゴクリと乾いた喉に唾を無理やり流し込んだ
まさか…入っては行けない倉庫だったのか…と恐る恐る、慎重に聞いてみた

「いや…駄目じゃないんだけど…。……あのね、あそこ凄い倉庫並んでたでしょう?」

「はい…。同じような倉庫がズラッとありました」

「あの倉庫には先祖の物とか仕舞ってあるんだけど、うちの家以外の物も仕舞ってるの。それで、多分ちーちゃんが見たやつがそれなのよ。」

「つまり…春さんはではないということです…か?」

「そうよ。私は沢口じゃないわ。あれは沢口家から頼まれて倉庫に置いてるだけなの。」

「でも、それなら春さんのお家の荷物と一緒に置くのはちょっとややこしくなりませんか?別で置いた方がわかりやすいと思うんですが」

「もともとそうしてたのよ。」

お鍋に火をかけながら春さんはおもむろに言った
なんだか怒りを感じる声色と共に「ただね、」と、なんだか朔夜さんと話ししてる時みたいなモノがひしひしと感じる

「どっかのが!ね、倉庫にあったモノをね、パクっていったのよ。ホント……笑える。」

「目が…笑ってない……」

「そのせいでね、アタシのね、信頼がだだ下がりしたのよねー…。だからね、場所を移したのよ。アタシが!」

「…春さん…手に持ってるお豆腐が…。」

豆腐を切り分けながら語る春さんは、怒り混じりに包丁を上から下に下ろし、鍋に入れようとする時に持った手の中で豆腐が、まるで泥だんごを手の中で潰したみたいに崩れていく

まさかと思うけど…その"アホ"って…っと、簡単に想像ついてしまうからフォローが出来ない
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