異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

第1王妃の元へ急ごう!

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「……なぁ、それを調べる方法って、無いのか?」

それまでずっと黙って俺たちの話を聞いていた王族3人組の1人、第1王妃の息子のセインは少し苦しそうな顔でそう俺達に聞いてきた。

「それは今の段階では無理でしょうねぇ。今の第1王妃はあまり外を出歩かず、ずっと部屋に籠もっているそうですので、何かきっかけがないと近づけないんですよね。」

リーシェさんはそう言うと肩を竦める。

なるほど、噂通りの生活を送っているのか。


その後!皆でどうやって第1王妃のことを調べるのか?っていう話になったんだけど、一向に良い案が浮かばない。

どうしようかな?と思っていると急に部屋のカーテンが揺れた。……風もないのに?


「ユーリ様から連絡を受けまして、一時的に戻りました。」

そう言って姿を現したのは初老の執事姿の男性。

そう、セバスだ。久しぶりだね!

そんなセバスは部屋をキョロキョロしてから少し首を傾げる。

「あれ?ユーリ様はいかがされました?」

セバスは俺の方を見て「ユーリはどこか?」と聞いてきた。

……しまった、せっかくこの場にユーリを出さなくて済んだのに、居場所を聞かれてしまった。

「セバス、ユーリは今この場にはいない。それよりどうしたんだ?」

「……いえ、中間報告を、と思いまして。」

急遽、焦っている俺の代わりにリッキーが対応してくれて助かったよ。

リッキーの「この場にはユーリはいない」とあえて話したことで、この場にいる新顔の王族3人には隠すのだと言うのが分かったらしく、話を合わせてくれた。

「それで、中間報告とは?」

リーシェさんがセバスにそう問いかけると、セバスは王族3人にチラって目線をやった。

話しても構わないのか?ということなのだろう。

リーシェさんはセバスが第1王妃のもとに潜んで国家転覆を狙っている相手を探している事を知っているのでそのまま話しても構わないのだが、この3人はまた知らない。……このまま巻き込んでも良いのだろうか?

「そうだね、セイン王子とローラ姫はまだ『隷属の魔法』が完全に解けたわけじゃないから、この話は3人が帰ってからのほうがいいかな。万が一にも敵側に知られてはならないからね。」

リーシェさんのその言葉で3人は、『セバスのもたらす情報が神父や他の人にバレたりすることを避けたい』のだということを悟ったようで、仕方がないといった様子ではあったが城へと帰っていった。


俺達は3人を玄関まで見送ったあと、また応接間へと戻ってきた。

「……で、その中間報告とは?」

改めてリーシェさんがセバスに問う。

そうそう、この場に3人がいなくなったのでユーリを腕輪から出してあげたよ。

……いつまでも入れっぱなしは、ちょっとね?


セバスは室内のメンバーを見回したあと、「それでは……」と口を開く。

「実は私があちらにずっと潜んでからしばらく経ちましたが、ようやく動きがございました。先ほどのことなのですが、やはり神父が第1王妃のもとを尋ねてこられました。彼は特に第1王妃とは会話らしい会話をせず、その場にいた子供の頭に手を当てるとなにやらブツブツと唱えだし、その子に何らかの術を施すとさっさと出ていかれたのです。その間、王妃はその状況を見ていたはずなのですが、何も反応もせずに『心ここにあらず』といった感じでした。まだその子には術は馴染んでいないようですので、早めに対処をしたほうがよろしいかと。」

セバスがそんな事を言ったので、俺たちは驚いた。

えっ、大丈夫なの、第1王妃?

それにセインの弟も、大丈夫なの!?

俺は焦り、リーシェさんを見る。

リーシェさんは眉間に皺を寄せて深刻そうな顔をしている。

「……これは一刻を争うかもしれませんね。王妃の元へは私の転移で向かいましょう。私は緊急時に王城へ転移することを許可されているので大丈夫です。シエルくんとユーリ様は私と一緒に向かい、2人を診てもらえますか?」

リーシェさんのその要請に、俺とユーリは頷く。

一旦ユーリには腕輪に入ってもらい、俺とリーシェさんの2人で転移をすることにした。

その方が負担ないからね。

「じゃあ、行ってくるね!」

俺はみんなを見渡す。

「ああ。行ってこい。今回のセバスの報告を聞く限り、王妃の状態は最悪な気がする。もし完全に浄化できなかったとしても仕方がないだろうと思う。その場合は無理をせずにリーシェさんと戻ってこい。良いな、無理はするな。」

スコットさんは真剣な顔でそう言う。

そうだよね、考えてみればリーシェさんはともかく、俺は不法侵入にあたるわけだ。見つかるわけにいかない。

「それに……また神父が来た場合に『隷属の魔法』が解除されていると警戒されてしまいますしね。半分ほど解除するか、それとも今の現状を調べるだけにするかに留めておいたほうが良いのではないかと愚考致します。」

セバスが俺に向かって優雅に一礼してそう言った。

なるほど……それも一理あるよね。

完全に魔法が解けた場合は王妃に演技をしてもらうことになるわけだけど、これだけ色々やっている神父がそれを見抜けない保証はない。

とりあえず今の状態を診て、それからだ。

精神的にヤバそうなら、解除しなければならないだろうし。



それから俺とリーシェさんはみんなに見送られながら転移をする。


……さて、移動先の第1王妃の部屋では、一体どんな事が待ち受けているのか。

俺は不安に思いながらも、神父によるその子供の被害が深刻でないことを願った。
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