異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
359 / 529
第8章 国立学校編

みんなへの報告

しおりを挟む

俺達は先ほどみんなに見送られた部屋へと転移をして帰ってきた。

部屋ではみんなソファーに座って何かを話し合っていたが、俺たちが転移してきたことに気づくとこちらへとやってきた。

「どうだった、王妃たち?」

スコットさんは真剣な顔で俺に聞いてきた。

俺があっちで見た事や起きた事をを皆に聞かせると、皆一様に深刻そうな顔になった。

「王妃は度々神父から『隷属の魔法』を重ねがけされていたていたから深刻な被害を受けたのかもしれないが……そういえば長年かけられていた、といえばこの王都の住民もそうかも知れないな。あの神父になってから何年になるのかわからないが、毎年この前の様な儀式があるんだ。その度にかけられていたとしたら、徐々にこの街の住民が神父に支配されていくってことだ。行動まで支配されるほどに魔法がかかると、一体何をされるか分かったものじゃない。」

リッキーが苦々しそうな顔でそう吐き捨てると、リーシェさんも頷いて「そこが怖いところですよね。」

と言った。

「やはり神父は国家転覆を狙っているんでしょうね。国民がみんな操られてクーデターが起こり、第1王妃は証拠隠滅の為に死に、国王の血の流れない子を旗印にして『隷属の魔法』で操る……意外と『その時』は近いのかもしれませんね……。」

リーシェさんは自分で今後起こりそうな事をあげているうちに、その可能性に気がついたようだ。

そう、もうすでに何年も前から準備をされていたのだから、いつ『その時』が来てもおかしくはないのだ。

何故なら、先程見た第1王妃の状態が如実に物語っている。

彼女は多分、今夜回復の為に『隷属の魔法』の解除をしていなかったら、1か月は確実に保たなかっただろう。

そしてその頃になるとエドモンドの『隷属の魔法』が定着し、自分の思った通りに操ることができるようになるだろうとリーシェさんが言っていた。


でも今回それを阻止できたので、少しは時間が稼げるだろう。

神父がエドモンドの様子をまた見に来た時に、魔法の効果があまり無かったと思って重ねがけをした場合、その時はまた解除しに行かなければならないだろうが……いつまでこっそりと行動ができるだろうか?


「ところでシエル、さっきみんなと話していたんだが、明後日は1学年の生徒全員での遠征授業だぞ。引率は俺達とマール先生、そしてリーシェさんの6人だ。いつもならもっと少ない人数で行くんだが、今回は王族3人組も行くことになっている。だからいつもならいないはずの王国騎士団からも腕の立つ数名が護衛に来ることになっているんだ。いつもならすぐ近くのあのダンジョンへと行って1階層を回って帰ってくるのが常なんだが、今回に限って騎士団も参加しているからと『行けるところまで行く』という話になったらしい。……なんかきな臭くないか?」

リッキーが顔を顰めながらそんな事を言った。

……えっ、騎士団も来るわ、ダンジョンの中を行けるところまで行くなんて事になるわで異例づくしなの!?

この案、一体誰がそんな立案を……?


俺はチラッとリーシェさんを見ると、彼は首を激しく横に振り「私ではないよ?」と言った。

「悪いんだけど、この件に関しては全く関知してないんだよね。一体誰が決めたんだろうね?……まぁ、君たちがいるなら騎士団がいるより心強いけどね。というか、いると邪魔になったりしてね?」

リーシェさんは「まぁ、冗談だけどさ!」と言って笑った。

……でも案外それはあり得るかもしれない。

だって俺の実力を知っている人が来るなら平気で何かあったら助けられるんだけど、そうじゃなかった場合や思ったより弱い人が来たら俺たちが守らなければならなくなる。

生徒も騎士団も守りながら進まなければならないとなると、かなりの精神的ダメージがありそうだ。

俺は1つため息をつくと、リーシェさんに「騎士団のメンバーは決まっているんですか?」と聞いてみた。

「ん~~~……どうだろう。実力者というならまずは騎士団長のミラーは来そうだよね。他は……副団長かな?いや、まずは何人来るんだろうね?」

リーシェさんは首をひねりながらそんな事を言っている。……この分じゃ本当に何も知らないんだね。


「ともかく、何かあったらシエル君、君が結界を張って欲しいんだ。頼めるかな?」

リーシェさんは少し申し訳なさそうな感じで俺に頼んできた。もちろん俺は快諾だ。

「それはもちろんですよ。元々クラスメイト達は何かあったら守る予定でしたし。あとは俺が守っている間に他の人が戦ってくれれば心強いですね。」

「分かっているよ、シエル君。もちろん私も頑張るけど、リッキー達がいるじゃないか。心強いなんてもんじゃないと思うよ?」

リーシェさんは俺の返答にそう答えるとウインクをしてくる。……まぁ、確かに!

そんな感じで、みんなと行くダンジョンは今からちょっと浮かれてワクワクドキドキしているよ!

だって、ついこの前行ったばかりの所だから、どんなところかよく分かっているもんね!



……あれ?

『分かっている』で思い出したけど……前に行った時と違って出現する魔物が少しだけ強まったって、ロックさん言ってなかったっけ?

そんな所、まだ殆ど戦えないクラスメイトが行っても大丈夫なんだろうか……?


俺はそんな事を思い出した途端、なんとなく不安になってしまったよ……。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...