異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第9章 ネシアのダンジョン編

国王との謁見 1

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謁見当日。

今日は朝から大変だった……。

何がって、本当はグリーさんだけが来る予定だったのに、やっぱりというか……4人揃ってこちらにやってきたのだ。

グリーさん以外はやれ「グリーだけ呼ばれるのは納得がいかない!」だの、「危険がないならユーリ様に会いたい!」だのと、来た途端に大騒ぎだったのだ。

それはユーリが起き出してくるまで続き、なかなか俺たちの精神を削ってくれたものだが、ユーリの「煩くするなら帰って」という言葉に、グリーさん以外は口を閉ざした。……アースさんは元から話してないけどね?


それからみんな揃ってリビングのような部屋でルームサービスの朝食を食べ、王城からの迎えの馬車が来るまでゆっくりと過ごした。

昼に近くなるまでなかなか迎えの馬車はこなかったが、案外この宿は城から一直線の通りにあるのですぐに城には到着した。

馬車に乗る時に御者さんが「伺っている人数より数が増えているような気がするのですが?」と言ったが、そこは誤魔化して皆で向かう。


王城が近づいてくるとよく分かるが、やはり同じ王城でも各国でそれぞれ作りが違う。

クレイン国の王城は、どちらかというとドイツのお城みたいな丸い尖塔が何個かあるタイプのお城で、なんだか優雅な感じの建物だ。

隣に同じような様式の教会もあったので、なおさらそう見えたのだろう。

対してネシアの王城は、何となくだがインドの城のような中央に巨大な丸くて先が尖っている屋根がある城だ。

印象的なのは王城の建物の隣にかなり広い敷地を確保して塀が築かれていることだね。あそこでは何をしてるんだろう?

あとネシアもクレインと同じく王城を挟んで広い敷地の反対側隣に教会のような神聖な雰囲気を持った建物がある。

もしかするとあそこは『巫女』が普段住んでいる場所なのかもしれない。


そんな王城の門の中へと入り、兵士が立って警備している入り口へと馬車は進む。

そして入口に停まると御者がまず兵士に声をかけ、それからドアを開けてくれた。

降りる順番は流石に男性から降り、そして女性をエスコートしているのだが……何故か俺とユーリが一番最後に降りる位置に座らされていたのは納得がいかない。

そんなモヤモヤにむくれているうちに、先にユーリに降りられてしまった。

……俺が最後って、なんか恥ずかしい。


とりあえずみんなが馬車から降りると、先に門番の1人が先触れに行ってくれていたのが帰ってきたところで、その人が俺たちを案内してくれることになった。


そして広い廊下の中央を歩いて進み、どんどん奥へと向かう。

今日はパニアさんたち獣人組は誰もいないので、なんだか心細かった。

すると何故かリッキーの目配せで、皆はさりげなく俺とユーリを中央に囲むような位置取りへと移動していく。……なんで?

するとちょうど俺の隣になったリッキーが「やっぱり『重要人物』は中央が鉄板だろ?」と言ってニヤリと笑う。

……ユーリは別として、俺は別に重要人物じゃないよ?


城の中央付近に着くと、今度は中央の部屋を中心に大きく螺旋階段があり、それを上っていく。

2階を通り過ぎて3階に着くと中央の部屋のドアを門番さんがノックをした。

「陛下、お客様を連れてまいりました。」

すると中から低い声で「入っても良いぞ」と声がかかる。

するとここまで案内してくれた門番さんは一礼してドアを開け、「どうぞ、中へお進みください。陛下がお待ちです。」と言って俺たちに促す。


……って、え?

この部屋、謁見室なんだよね?

なんか今、直接『陛下にお伺い』したかのような受け答えじゃなかった?

みんなは順番に中へと入るが、俺はなんか気後れしてしまって入りづらかった。

……のだが、ユーリが俺の背中を押して中へと入ってしまう。


入った部屋の中はまるで普通の屋敷にあるような、談話室のような作りをしている。

外見や通路からは想像できなくて驚いた。

その部屋のソファーには1人の獣人……なんとなく竜っぽい角を生やした髪の毛の長い人が座っている。

部屋の中にはその人しかいなかったので、先ほどの声はこの人のものだろう。

多分声からしてその人は『男性』なのだろうが、見た目はほとんど『人』だ。それもかなり美形。

そういえば4属性竜の長達も『人と同じ見た目』をしている。もちろん彼らも美形だ。

たが彼らには『角』は無い。

でもこの前のように、身体が何かしらの危機的状況になると、身体が勝手に『竜化』してしまう。

それも一部ではなく全身が、だ。


ソファーに座るその男性は、そんな彼らをじっと見つめる。

しばらくそうしていたが、彼はハッとして、立ちっぱなしだった俺たちに慌ててソファーを勧めてきた。

俺たちがソファーへと座ると、やっとその人は口を開いた。

「ようこそ、わが城へ。我はこの国の国王で、名をアジュガールという。そなた達は?」

そのアジュゴールという名の男性は、自らをはっきりと『国王』だと言った。

ではこの人がグリーさんの『甥』に当たる人なんだろう。

見た目でいうとあまりグリーさんと変わらないような気がするが、それでもグリーさんは800年は生きているというので、相当な年齢差だ。

俺たちの方はスコットさんが自分の隣から順々に紹介していく。

そしてスノーホワイトの4人の後に、何故か俺たちではなく4属性竜の長たちが続く。

「彼らは我々スノーホワイトのメンバーではなく、いわゆる『4属性竜の長』という存在です。本当は『風』の長であるグリーだけが来る予定でしたが、今朝来た時に他の3人も来たので一緒に連れてまいりました。」

スコットさんがそう言うと、それぞれ各自の自己紹介を始める。

そこは流石に本家のドラゴンの方が位は上なので、言葉遣いは俺たちとは違い普段通りだ。

だが陛下はそんな事には気にもかけず、彼らの話を漏らすまいと真剣に聞いていた。


そして彼らの話が終わると、残るは俺とユーリのみ。

セバスは今回あまりにも人数が多すぎるとのことで、悠馬と腕輪の中で待機だ。

スコットさんは一体俺たちを何と説明するだろうと思っていると、「彼ら2人も我々スノーホワイトの一員です」と話し始めた。

「……そして大きい方の銀髪の子がシエルといい、小さい方の銀髪の子がユーリと言います。」

陛下はスコットさんの話を聞きながら、俺達2人を見比べる。

あまりにも見過ぎるので、なんだか居心地が悪いほどだ。


そんな風に見ていた陛下は、突然「一つ聞きたいのだが……」と話し始める。

「何でしょう?」

スコットさんがそう言うと、陛下はおもむろに「その小さい子の方は『竜』ではないのか?」と言った。


えっ、陛下はとこでそれを見極めたんだろう?

見た目では大きさの違いはあれど、そっくりだと評判なのに。

どんな違いがあるのか聞いてみたいところだな。
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