異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第9章 ネシアのダンジョン編

国王との謁見 2

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「……どうして、そう思いましたか?」

スコットさんは表情には出さないが、その声の感じからかなり警戒している感じが受け取れる。

それは陛下も感じたのか、苦笑いをしだした。

「そんなに警戒するでない。別に聞かれたくないのであれば無理には聞きはせん。ただ、我の体には『竜』の血が流れているので、やはり『分かる』のだ。気に触ったのなら、許してはくれまいか?」

陛下はそう言うと、申し訳なさそうな顔をする。

それを聴いたスコットさんは納得したように頷く。

なるほど、陛下の中に流れる『竜の血』か。

それは本能ってことだよね。

竜であればなんとなく分かるものなのだろう。


「まぁ、私らがここにいるってことは、『そういう事』だっちゅう訳や。どうせ先代から聞いてるんやろ?まぁ本人から実際に聞くことは無理かもしれへんが、その子供である父親からは聞けるはずや。もう、気づいてるんやろ?」

グリーさんからのその問いに、陛下は苦笑いで頷く。

なんだ、もしかしてユーリが『神竜』だということはもう知ってるのかもしれないのか。

なら話しても話さなくても同じな訳だ。

「グリー殿の言う通り、我はもう気づいてはいる。いるが……先ほども言ったように、『明確にするため』には聞かないつもりだ。それをこの国で言ったら、問題があると悪いのでな。なにせこの国には『巫女』様がおわすので、彼の方にはよく『聞こえる』のだよ。」

陛下はまるで「シー」と言うように、人さし指を口に当ててそう言った。

なるほど、あの巫女さんは地獄耳だと言いたいんだね?

……この会話も聞こえてるんじゃないのかな?



「で、今回我々を呼んだのにはどんな理由があるんでしょうか?」

スコットさんがそのものズバリと陛下に聞く。

そうだよね、時間がもったいないよ、お昼だし。

早く謁見終わらせて外でみんなとお昼食べたいな!

俺がそんな事を思っていると、陛下から思ってもいなかった提案をされた。

「そろそろお昼であるし、昼食を食べながら話をしようと思うのだが……いかがかな?」

するとそれを聞いた4属性竜の長達は「どんな食事が食べられるだろう」と喜び、俺達は内心「しょうがないな」と思いながらも食事会に参加することになった。



それから俺たちは謁見の場を食事会へと変え、すでに用意された食器の前に座る。

席に座ると陛下から食事を始めると給仕に合図があり、いろいろと食事が運ばれてきた。

どうやらこの国ではフルコースみたいに一品ごとに運ばれてくるのではなく、すべての食事が1度に運ばれてくるようだ。

すべての食事が並ぶと、陛下は「では食べながら話そうではないか」と言ってまずは自らが先に食事へと手を付けた。

それを見て、俺たちも食べ始める。



美味しい食事に和やかな雰囲気となった食事会で、ある程度料理がなくなった頃に陛下から今回呼んだ内容を聞かされた。

どうやらやはりというか、例のダンジョンの事を聞きたいらしい。

パニアさんからの報告だけではネシアの軍を率いてダンジョンへ遠征してもよいのかどうか判断がつかなかったのだそうだ。

「そこで君たちに聞きたいのは、クレイン国の方ではどの様に考えているのかを知りたい。我々は別に戦争をしたくて軍を向かわせるのではないのだが、そこはやはり軍隊だからな。不安に思うこともあろう。そこで、我々の軍をそちらの近くに派遣しても良いか聞いてきて欲しいのだ。」

真剣な表情で陛下はそんな事を言う。

つまりは俺達に『クレイン国との橋渡し』をしてもらいたい訳だ。

まぁ別にそれは問題ないと思う。

俺たちは学園に戻れば王子たちとも友人なわけだし、国王とも多少の縁はある。

だから話くらいは聞いてこれるとは思うんだ。

そういう事情もあるので、スコットさんが代表として了承した。

「多分今はローランの街の冒険者ギルドマスターからクレイン国の魔法師団長へと話が行き、そこから国王へと話が持ち込まれているはずです。ローランのギルドマスターは魔法師団長の息子ですから、息子からの申し出を無碍にすることはあまりないのでは?と思います。特に今回の『件のダンジョン』は再生したばかりで、しっかりと管理をするようになれば凶悪なダンジョンへと変化することはないと思われますので、今が肝心なのです。それはクレイン国の方も分かっていると思いますので、共同管理の話は無事に通ると思いますよ。」

スコットさんのその言葉に、陛下はホッとしたような顔になる。

「それならば我としても喜ばしい話ではあるのだ。……恥ずかしい話ではあるのだが、この国は長きにわたって『巫女』によって守られ、平和であった為に国民のほとんどは元々の本能が薄れてきているようでな。例えばの話だが、今、魔物の大群に襲われた場合には間違いなく国民のほとんどが恐怖に逃げ惑い、そして死ぬであろう。それはこの国の軍隊であっても変わらないと思われる。かくいう我も、竜の血は薄まっていて竜化は望めないので民を守ってやることも叶わぬ。せいぜい背中に羽を生やして空を飛ぶことくらいしかできぬのだ。このままでは万が一、神聖法国と同じく『巫女』が居なくなってしまわれた場合、この国は自国で防衛できぬ。」

陛下は話しているうちにどんどんと眉間にしわを寄せていき、最後にはため息をついてしまった。

どうやらそれほど深刻に思っているのだろう。

「そうやって我が憂いていた所にこの話だ。出来るならこの話はしっかりと話し合い、条約などの公式な文書にしてしまいたいと思っている。その橋渡しをそなた達に託したい。……頼めるだろうか?」

陛下の言葉に、頷くスコットさん。

とりあえずはこの後、俺だけで一旦ローランへ行って話でも聞いてこようかな?

どこまで話が進んているのか知りたいし。

それにそろそろ武器も出来上がっているだろうか?


……あ、ゴーダさんにお土産持っていかないとね!
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