異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第9章 ネシアのダンジョン編

クレイン国へは俺だけで行くの?

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その後しばらく歓談し、国王との謁見……もとい食事会が終わり、城から出てきた俺たち。

謁見会場となった食堂からこの入り口までは、傍に控えていた兵士の1人が案内してくれた。

帰りも城から馬車で宿まで送ってもらい、一旦は部屋に戻った。

「結局、悠馬たちを外に出してやれなかったね。」

俺はそう言って腕輪を見ると、すぐに出してやった。

外に出てきた悠馬は辺りをキョロキョロして「あれ?」と言う。……ごめん、元の部屋だよ。

「結局、どうなったの?ここ、朝までいた部屋だよね?」

「……すまない。国王との謁見がすんだら、直接ここへと送り届けられたんだ。謁見がすんだらみんなでお昼を……と言っていたのに、その謁見自体が昼食会も兼ねていてな。結局俺達はしっかりと食事をしてきてしまったんだよ。」

「え~~~っ!!それ、酷くないっ!?なんか持って帰ってきてくれても良いと思わない!?」

悠馬の言葉に心からすまなそうに謝ったスコットさんに対して、悠馬は「酷い!」と言って怒ってしまった。

……悠馬、お持ち帰りして良い食事会じゃないんだぞ?

俺が呆れ気味にそんな事を思っていると、さすが『お母さん』、悠馬に「あなた、日本の天皇陛下に会ってもそんなこと言えるの?」と聞き返し、怒っているのを鎮めてくれたよ。

「まぁ……食事会でいろいろ食べては来たが、デザート分くらいは食べられるんじゃないか?悠馬とセバスの食事も兼ねて、屋台のある所へ向かおうぜ!」

リッキーが気を利かせてそんな事を言うと、悠馬は大喜びだ。

グリーさん達なんかは本気で食べ足りなかったようで、今から何を食べようかと楽しみにしている。

改めて俺たちが外へ出かけるために玄関に降りてくると受付の人がいたので、外出中に城から何か届いたら預かっておいてほしいと頼んでから出かけた。


それからしばらく屋台で食べ歩きをしていると、ちょうどグリーさんが何かを聞いていたかのように頷く仕草をしたのが目に入った。

「どうやら城からのお届けもんが宿に届いたようや。君はもう良いんかいな?良ければ宿に戻りましょや~。」

グリーさんがそう言ったので、みんな最後にお土産を何かしら買い込んでから宿に戻る。

俺は自分用以外にもゴーダさんやルーシェさんへのお土産も買っておいたよ!


宿に戻ってくると、案の定受付の人から一通の封書が手渡された。

「お伺いしていた通り、王城の方からこちらが届いておりますのでお受け取りください。」

「どうもありがとうございます。そして、いつもいろいろしてくれてありがとう。」

スコットさんはそう言って受付の人を労うと、受付の人はとても嬉しそうに「こちらこそ、いつもご利用いただきありがとうございます。」と言った。


部屋へと戻ると、封書をスコットさんから手渡され、すぐに腕輪にしまった。

「今日はもう夕方になってしまったから、明日その封書を王城の方へと持っていけるか?」

「OK!じゃあ明日持っていくけど……先にルーシェさんの所へ行って話を聞いてからいったほうが良いかな?」

スコットさんの言葉に俺がそう答えると、少し考えた後で「そうだな、先にどうなったかは聞いて、まだだって言ったらルーシェと一緒に王城へ向かえばいい。」と言われた。

「こっちからは誰か付き添いはいないの?」

俺は1人で王城へ行かなければならないのかと少し不安になると、リッキーが「じゃあ俺も行くよ」と言って頭を撫でてきた。……頭を撫でるのは余計じゃない?

「じゃあ明日は2人で行動をしてくれ。こちらはとりあえずこの街で待機をしてるから、先に戻ったらこの宿で集合だ。」

スコットさんからそう言われたってことは、他のみんなは明日はネシア観光をするんだね?……良いなぁ~。

「にぃに、僕も腕輪の中に入って一緒についていく!」

ユーリはそう言って、俺に抱きつこうとしてきたのでとりあえず止めた。

子竜姿ならいさ知らず、微妙な年齢の男子が抱きついてくるのはちょっとな?悠馬の手前もあるし。

ユーリは凹みそうになったが、その事に気がつくとすかさず子竜姿に戻って抱きついてきた。

『これなら甘えても良いもんね!』

ユーリはそう言うとウフフ!と笑ってスリスリしてくる。この姿は可愛いいね!

ユーリの頭を撫でていると、視線を感じて顔を上げる。

すると驚いた顔をした悠馬が俺を見ていた。

……あれ?ユーリの姿は見たことなかったっけ?

「話には聞いていたけど……本当に竜なのに小さいね!」

悠馬はそう言って俺に近づき、ユーリの頭を撫でた。

ユーリはチラッと悠馬を見ると、見せつけるようにさらに頭をスリスリとしてきた。

そんなユーリを見て苦笑いをした悠馬は元の席へと戻り、「グリーさん達は明日どうするの?」と聞いた。

「ん~、明日でっか?本当ならユーリ様についていきたいんやけど、腕輪の中にいたって会話をするわけでもなし。ならこっちにいた方が楽しめますがな。みんなもそうでっしゃろ?」

グリーさんがそう言うと、他の3人も同意する。

そりゃそうか。腕輪の中にいても時間停止してるから、動けるユーリと違って皆は固まったままだ。

それならば楽しめる様に過ごす方が良いよね。


それから皆は集まって明日の予定をわいわいと話し合っている。

……ちぇっ!俺もあっちが良いなぁ……。

「シエル、考えても見ろよ、明日城に行くならセインやクロードとかと会えるんじゃないか?」

しょぼんとしている俺に、励ますつもりかリッキーがそんな事を言った。

そっか、そうだよね。

王城行くならみんなと会えるかも?

俺はそれを思い出し、少しだけだが気持ちが上向きになった。

……あ、みんなにお土産買ってない!
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