異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

『ブレイズ』へのダンジョン遠征 1

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『ブレイズ』に行って現地がどうなっているのかをダンジョンマスターに直接聞いてきた翌日、俺達1年生は学校に着くとすぐに修練場へと集合した。

今日から1週間ほどダンジョンに籠もるので、先生方もちゃんとした『冒険者』スタイルだ。

もちろん先生だけではなく班ごとのグルーブもマジックバッグを支給されているので、ドロップ品はしっかり持って帰ることができそうだ。

「おはよう、シエル!って、おぉ~……なんかそうやってちゃんと冒険者って服装をしてると違和感全くないんだな。」

セインはそう言って、俺をまじまじと見やる。

……そりゃあ、ちゃんと冒険者してるからねぇ。

俺がぷく~っと頬を膨らませて拗ねていると、セインが「えいっ!」と言って指で頬を押してきた。


「……さて、みんな揃ったね?じゃあシエルくんに運んで現地まで行くんだけど……1度に何人まで運べるかな?」

今回のダンジョン遠征責任者であるマール先生は、そう言って俺を見た。

う~ん……1度に運べるのは俺に直接触れる人数なんだけど、それでは何回も運ばなければならない。

一番手っ取り早いのは……。

「マール先生、通常の転移魔法では1度に運べるのは数人程度なんで時間もかかります。でも1度に運ぶ方法もあるんですが……良いですか?」

「ん?1度に運ぶ方法?」

「はい。俺のこのマジックバッグは容量がかなり大きいのと、生き物も入れられるんですよ。……ユーリ、出ておいで。」

俺は腕輪からユーリに出てきてもらう。

「にぃに、呼んだ?」

ユーリはそう言って俺にニッコリと笑いかけた。

みんなはほとんどが初めてユーリを見たので、結構驚いたようだが、俺とそっくりなので俺の弟だと認識したみたいだ。

それはマール先生も同じで、俺に「弟かい?」と聞いてきた。

……もちろん俺は「弟です」と答えておいたけどね!

「それにしても弟をそんなところに入れているなんて、想像がつかなかったよ。いったい何でそんな所に入っていたんだい?」

マール先生は不思議そうにユーリに話しかける。

「だってにぃには学校行っちゃうでしょ?僕1人で家で待っていても寂しいだけだから、にぃにに頼んで腕輪に入れてもらっていつも一緒にいたかったの!」

ユーリはそう言って俺に抱きついてきた。

俺は苦笑いをしながらもユーリの頭を撫でてやる。

すると周りの女子から黄色い悲鳴があがった。

……この世界にもいるのか?

「なんだ、そんな事なのかい?なら校長に頼めば君くらいの年齢なら入学試験さえ合格すれば、学校に入れてもらえるかもしれないよ?」

「えっ、本当にっ!?」

マール先生の言葉に素直に大喜びをするユーリ。

……ユーリが入学したらなかなか大変なことになる気がしてしょうがないんだけど?

俺はとても不安でしょうがなかったが、そこはリッキーたち大人が判断してくれることだろう。



「じゃあ……先ほどユーリくんが出てきたその腕輪にクラスメイトや先生、護衛の騎士達を入れて向こうへ転移する、って事で間違いないのかな?」

「はい、それで行こうかと思ってます。向こうに着くのは一瞬なので、すぐ出てきてもらいますが。」

マール先生は俺の返答に少し考える素振りをしたが、『1度に運べる』ということで納得したらしい。

それから俺はクラスメイトや騎士達をどんどん収納していく。

もちろんマール先生やリーシェさん、グリーさんやスノーホワイトのメンバーも入ってもらった。

結局最終的にユーリと俺の2人だけで『ブレイズ』に転移する。


現地に着くと、ダンジョンの入り口前にある小屋から昨日の騎士代表者が出てくる。

「おや……?他の人達はどこだい?」

光が収まって出てきたのが俺達2人だけなので、辺りをキョロキョロしていた代表者さんだったが、俺が「この中です」と伝えて数人ずつ取り出していくと、「その中に入れてきたのかい!?」ととても驚いていた。

最終的にかなりの人数を腕輪から出すと顎が外れそうなくらい口を開けて驚いていたが、その中に騎士達がいる事で予定通りに学校の行事でやって来た事を理解したらしい。

「よ、ようこそ、『ブレイズ』のダンジョンへ。我々はここから一番近くの街『ローラン』から派遣されている領軍兵であります。貴校の行事のことはすでに聞かされておりますので、そのまま通っていただいて構いません。ダンジョンの中はまだ少々落ち着いていないようですが、比較的安全に過ごしていただけるようですのでご安心ください。では、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」

最初はかなり動揺していた代表者さんだったが、話しているうちに落ち着きを取り戻したらしく、最終的には笑顔で俺たちを送り出してくれた。

マール先生も出発する前に改めて班ごとに点呼を取り、皆がいることを確認後に列を作ってダンジョンへと入っていく。

一応1班に対して騎士と魔法師のペアが1人ずつつくことになっているのだが、王族が固まっている俺の班は逆に騎士たちはおらず、リーシェさんとスノーホワイトのメンバーのみの護衛がつくことに。

やはり俺たちの方がその他の護衛よりも有能だと理解してくれているからなのだろう。

一応ダンジョンに慣れているリッキーとスコットさんの2人はこの遠征組の先頭で指揮を執っているので、一番最後を歩いている俺たちとは一番遠い。

でも何かあったらすぐに駆けつけると言っていたので、その時はマール先生が指揮を執ることになっている。


みんながダンジョンに入っていき、最後に俺たちがダンジョンに足を踏み入れる。

すると背中へと声がかけられた。

「貴方達も無事に帰ってきてくださいね!」

その声に振り向くと、代表者さんはそう言って手を降ってくれていた。

俺達も「無事に帰ってきます!」と答えると、手を振り返した。


そうだね、俺達スノーホワイトも、あれからこのダンジョンに入るのは初めてだ。……俺は2回目だけど。

とりあえず昨日の話では低階層は安全だと言っていたので、何とかなると思う。

……が、気を抜かずにしっかりと進まないとね!

俺は心の中でそう言うと、しっかりと索敵魔法も準備して、みんなと一緒にゆっくりとダンジョンへと入った。
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