異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第10章 国立学校 (後期)

『ブレイズ』へのダンジョン遠征 4

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そんな事をやっている間に、多分索敵魔法に引っかかっていた人らしき集団が到着したようだ。

その人達はやはり獣人で、あちこち怪我はしていたが酷い怪我をしている人はいないようだった。

その中の1人が匂いにつられたのか、フラフラとこちらへとやってくる。

その様子は、見るからに相当お腹が空いているようだ。

そしてその人は俺の近くにやってくると、ハッ!とした顔でアンドリューを見る。

「っ!貴方様はもしや……?」

その人の震えるような声での発言に、他の獣人たちも集まってくる。

そしてアンドリューを見ると、その集団はサッと片膝を折って頭を垂れる。

その仕草を見てアンドリューは一瞬苦笑いをしたが、すぐに王族の顔に戻り、「顔を上げよ」と言った。

「まさか王子殿下がおられるとは思いませんでした。それにしても……どうしてこのような場所に貴方様はおられるのですかな?」

その集団の中で一番年嵩の狼系獣人さんは、アンドリューに対して遠慮がちだが、そう聞いてきた。

……あれ?

あっちではアンドリューがクレイン国の学校に留学していることは内緒になっていたのかな?

俺がそう思いながら首を傾げていると、俺と同じ疑問をアンドリューが彼に聞いた。

「なぁ、1つ聞くが……我はあの国でどういう事になっているのだ?我はこの国の学校に留学するよう父上に言われてやってきたのだが。国ではその事は知れ渡ってはおらなんだか?」

「何と!王子殿下はこちらの学校に留学しておられたのですね?我々はまだまだ下っ端の兵士ゆえ、あまりそのような話は伝わってきておりませんでした。ですので、てっきりネシア国の中で過ごしておられるものだと思い込んでおりました次第です。はい。」

その狼系獣人さんはそう言ってまた頭を下げると、「これからは軍の中でも情報共有を徹底するよう提案させてもらいます。」と言った。

「まぁ、それはお前たちが必要だと思えば、そうすれば良いのだ。……ところで、このダンジョンにはどれほどの我が国の軍人が来ているのだ?」

「ハッ!今このダンジョンで鍛えていますのは、我が国軍の半数ほどになります。我々は交代としてやってまいりましたのでまだ低階層でありますが、一番深い階層にいるのは20階層あたりだと聞いております。」

その人の話では、一番進んでいる人たちでも20階層らしい。

なるほど、そこにいる人たちは結構な精鋭なのかな?



「……それはそうとですね、このいい匂いは何でしょうか?」

そんな事を聞いてきたのは、先程匂いにつられてフラフラとこちらにやって来た獣人さんだ。

彼は目をギラギラさせながら、なんとなくこちらを見ている。

……なんか、食べられそうな目をしてるから怖いんですけど?

俺が顔を引き攣らせていると、アンドリューが苦笑いをしながら俺に「先程の肉はまだ余っているか?」と聞いてきた。

俺は同じく苦笑いをしてまだ残っている唐揚げを腕輪から取り出す。

するとこちらを見てきた獣人以外も俺の方をギロッと睨んでくる。

えっ……なんで睨んでくるの?どういう事?

俺が戸惑った顔でアンドリューを見ると、「獣人は食に貪欲なんだ。」と言ってきた。

……食に貪欲だからって、あんな目するか?

俺が戸惑いつつも唐揚げの入った皿を彼らに渡すと、よほどお腹が空いていたのか手づかみで我先にと食べ始める。

その様子を見て、俺は腕輪からもう1つテーブルを出すと、鍋から人数分取り分け、ご飯も盛ってやるとフォークを一緒に出してやる。

するとそれに気づいた彼らは大喜びでガツガツと食べ始め、そしてある程度落ち着いたところで、いったい彼らが何故こんなに空腹だったのかを聞いてみた。

すると思った以上に敵が多く出てきたので、食事をするほどの余裕がなかったそうだ

俺はそれを可哀想に思い、それぞれもう一回分おかわりを出してやる。

するとそれもすぐに食べ終えてしまい、彼らは少し残念そうな顔をした。……獣人ってかなり食べるんだね?


それからもう2杯ほどおかわりをすると、彼らも満足したようだ。

「お前たちはちゃんと宿泊用のテントなどを持ってきているのか?」

アンドリューは彼らに向かってそう聞くと、彼らのうち1人がマジックバッグを持っているらしく、その中に入っていると言っていた。

彼らは食後に空いているスペースにテントを張ると、俺たちに向かっておやすみの挨拶をするとテントの中へと入っていく。

それを見た俺たちも各自のテントへと入っていった。

俺はそれからこっそりとテントから顔を出し、彼らと俺たちとで別々に結界を張る。

その上で休憩所全体を覆うように結界を張っておいた。

それは『なんとなく』の何気ない行動だったのだが……まさかそれが功を奏するとはその時の俺は全く思いもしていなかった。
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