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第11章 冬休み編
聖なる夜に向けて
しおりを挟む作戦会議の後、俺たちは一旦解散する。
リッキーはその足で両親の元へ向かい、今日のこれからのことを説明しに行くことになっている。
みんなには内緒だったが、もうメイドから話を聞かされているだろう。
……リリーさんは説明なしで磨かれてるかな?
そう、今日はリッキーとリリーさんの結婚式。
ただ、主役のリリーさんには内緒で計画は進められている。
リッキーが「サプライズで!」と言ったからだ。
流石にお昼直前にこの敷地内にあるチャペルでやるので、今頃リッキーはリリーさん以外に説明しに行っているはずだ。
俺はここまでにいろいろ暗躍してきていたが、それも今日まで。今日は堂々と祝える。
「シエル様、そろそろあなたとユーリ様も準備をなさいませんと。」
部屋の中にいるセバスが俺とユーリにそう促してくる。
それじゃあ、俺とユーリも自分達の準備を始めなきゃね!
今日は、スノービークでは珍しく雪の無い1日になったようだ。
空は雲1つない晴天。
足元の雪は俺が魔法で全て綺麗にして、地面がぐちゃぐちゃになっている場所はこの敷地内ではどこもないようにしてある。
そんな石畳の上を、チャペルに向かって父親に手を引かれて進む、ウェディングドレスを着たリリーさん。
その姿はとても綺麗だ。
その首元には、昨日受け取ってきたネックレスが光に当たってキラキラ輝いている。
その光を見て、リリーさんははにかんで先ほどのことを思い出す。
そのネックレスは先ほどリッキーから「クリスマスプレゼントだ」と言われて受け取ったのだ。
その場で開けるよう言われ、すぐに開封すると中にはメッセージカードがある。
それを見て驚くリリーさん。
そのカードには『結婚式を挙げよう』と書かれていたのだ。
ハッとしてリッキーを見ると、「さあ、準備をしてくれないか?」とリッキーが言う。
それを聞いたメイドたちは一斉にリリーさんに衣装などを着せ始める。
入浴などで体はすでに磨かれていたので、あとはウェディングドレスを着て化粧をするだけだ。
リリーさんの着替えが始まると、リッキーは退室した。
そしてしばらくすると、彼女の部屋に着飾ったリリーさんの父親がやってきた。
彼はリッキーから話を聞いてしっかりと準備をしていたようで、綺麗に着飾ったリリーさんを見て涙ぐみ、「綺麗だよ」と言って手を差し出す。
リリーさんはその手を取って、2人で敷地内のチャペルへと歩き出した。
チャペルの入り口まで来ると、屋敷の使用人がドアを開けてくれる。
中にはもうすでにスノーホワイトのメンバーやその両親が座っており、どうやら王族4人と国王夫妻もいるようだ。
リーシェさんもいるので、彼が連れてきてくれたのだろう。
他にはローランの街からゴーダさんとルーシェさんがわざわざ来てくれたようだ。
2人も綺麗に着飾ったリリーさんを見て、嬉しそうに微笑んでいる。
みんなが見守る中、神父の目の前にいるリッキーのもとへと、静々と父親と一緒に進む。
到着すると、リッキーとリリーさんの父親が向き合って立ち、握手をする。
「リッキーくん、これからも娘をよろしく頼むよ。」
「はい。これからもずっと大切にします。」
2人はそう言葉を交わすと、彼女の父親はリリーさんをリッキーに任せ、彼は親族が座る椅子へと座る。
今日結婚式を挙げる2人は、その視線を絡めると微笑みあい、神父の方へと向き直る。
そこからは滞りなく式が進み、2人の結婚証明書へのサインが済むと、証明人として国王が直々にサインをした。
「おめでとう、リッキー殿、リリー殿。これからもお幸せに。」
国王はニッコリと笑ってそう言うと、席へと戻る。
すると神父が「誓いの言葉を」と言った。
「リッキーよ。汝はリリーを妻として、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、喜びの時も、悲しき時も……いついかなる時も彼女のことを妻として敬い、共に助け合い、その命が続く限り愛することを誓いますか?」
「……はい、誓います。」
リッキーは神父の方を真剣な顔で見つめ、そう答えた。
「ではリリーよ。汝はリッキーを夫として、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、喜びの時も、悲しき時も……いついかなる時も彼のことを夫として敬い、共に助け合い、その命が続く限り愛することを誓いますか?」
「はい、誓います!」
リリーさんは神父を見つめ、しっかりと答えた。
「それでは、最後に誓いのキスを。」
神父にそう言われ、2人は互いの方を見る。
そしてリッキーはリリーさんのベールを持ち上げ、リリーさんのほっぺにキスをした。
するとリリーさんもリッキーのほっぺにキスをする。
これには始終真顔でいたリッキーも驚いたようで、どうやら予定にはない行動だったらしい。
それから2人は腕を組み、リッキーのエスコートでチャペルを出る。
出席者は2人が外へと出ると順番に外へと向かった。
全ての人が外へ出た時、突如天からさぁ~と柔らかい光が振り注いだ。
これには出席者も驚き、空を仰ぐ。
その光の先は天高く続いており、先は見えない。
みんなが空を見上げている時、急に新郎新婦の驚く声がした。
みんなが何事かと2人の方を見ると、2人は互いの左手を見つめている。
そこには先程までは無かった光り輝く指輪が左手の薬指にはまっていた。
「……なぁ、あれってもしかして?」
俺は隣でニコニコしているユーリに声をかける。
「うん、あの人の仕業だよ!なかなか粋でしょ?」
ユーリはそう言って俺にウインクをする。
……粋かどうかは分からないが、かなりなド派手具合だ。
「2人は神に愛されているのですね。」
この光景を見た神父は穏やかな微笑みをその顔に浮かべ、そっとそう呟いた。
……そうだね。
リッキーもあの人には気に入ってもらえてるみたいだし、何かしらあの指輪にもご利益ありそうだね!
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