異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
501 / 529
第11章 冬休み編

聖なる夜に向けて

しおりを挟む

作戦会議の後、俺たちは一旦解散する。

リッキーはその足で両親の元へ向かい、今日のこれからのことを説明しに行くことになっている。

みんなには内緒だったが、もうメイドから話を聞かされているだろう。

……リリーさんは説明なしで磨かれてるかな?


そう、今日はリッキーとリリーさんの結婚式。

ただ、主役のリリーさんには内緒で計画は進められている。

リッキーが「サプライズで!」と言ったからだ。

流石にお昼直前にこの敷地内にあるチャペルでやるので、今頃リッキーはリリーさん以外に説明しに行っているはずだ。

俺はここまでにいろいろ暗躍してきていたが、それも今日まで。今日は堂々と祝える。


「シエル様、そろそろあなたとユーリ様も準備をなさいませんと。」

部屋の中にいるセバスが俺とユーリにそう促してくる。

それじゃあ、俺とユーリも自分達の準備を始めなきゃね!




今日は、スノービークでは珍しく雪の無い1日になったようだ。

空は雲1つない晴天。

足元の雪は俺が魔法で全て綺麗にして、地面がぐちゃぐちゃになっている場所はこの敷地内ではどこもないようにしてある。


そんな石畳の上を、チャペルに向かって父親に手を引かれて進む、ウェディングドレスを着たリリーさん。

その姿はとても綺麗だ。

その首元には、昨日受け取ってきたネックレスが光に当たってキラキラ輝いている。

その光を見て、リリーさんははにかんで先ほどのことを思い出す。



そのネックレスは先ほどリッキーから「クリスマスプレゼントだ」と言われて受け取ったのだ。

その場で開けるよう言われ、すぐに開封すると中にはメッセージカードがある。

それを見て驚くリリーさん。

そのカードには『結婚式を挙げよう』と書かれていたのだ。

ハッとしてリッキーを見ると、「さあ、準備をしてくれないか?」とリッキーが言う。

それを聞いたメイドたちは一斉にリリーさんに衣装などを着せ始める。

入浴などで体はすでに磨かれていたので、あとはウェディングドレスを着て化粧をするだけだ。

リリーさんの着替えが始まると、リッキーは退室した。


そしてしばらくすると、彼女の部屋に着飾ったリリーさんの父親がやってきた。

彼はリッキーから話を聞いてしっかりと準備をしていたようで、綺麗に着飾ったリリーさんを見て涙ぐみ、「綺麗だよ」と言って手を差し出す。

リリーさんはその手を取って、2人で敷地内のチャペルへと歩き出した。



チャペルの入り口まで来ると、屋敷の使用人がドアを開けてくれる。

中にはもうすでにスノーホワイトのメンバーやその両親が座っており、どうやら王族4人と国王夫妻もいるようだ。

リーシェさんもいるので、彼が連れてきてくれたのだろう。

他にはローランの街からゴーダさんとルーシェさんがわざわざ来てくれたようだ。

2人も綺麗に着飾ったリリーさんを見て、嬉しそうに微笑んでいる。


みんなが見守る中、神父の目の前にいるリッキーのもとへと、静々と父親と一緒に進む。

到着すると、リッキーとリリーさんの父親が向き合って立ち、握手をする。

「リッキーくん、これからも娘をよろしく頼むよ。」

「はい。これからもずっと大切にします。」

2人はそう言葉を交わすと、彼女の父親はリリーさんをリッキーに任せ、彼は親族が座る椅子へと座る。

今日結婚式を挙げる2人は、その視線を絡めると微笑みあい、神父の方へと向き直る。



そこからは滞りなく式が進み、2人の結婚証明書へのサインが済むと、証明人として国王が直々にサインをした。

「おめでとう、リッキー殿、リリー殿。これからもお幸せに。」

国王はニッコリと笑ってそう言うと、席へと戻る。

すると神父が「誓いの言葉を」と言った。

「リッキーよ。汝はリリーを妻として、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、喜びの時も、悲しき時も……いついかなる時も彼女のことを妻として敬い、共に助け合い、その命が続く限り愛することを誓いますか?」

「……はい、誓います。」

リッキーは神父の方を真剣な顔で見つめ、そう答えた。

「ではリリーよ。汝はリッキーを夫として、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、喜びの時も、悲しき時も……いついかなる時も彼のことを夫として敬い、共に助け合い、その命が続く限り愛することを誓いますか?」

「はい、誓います!」

リリーさんは神父を見つめ、しっかりと答えた。

「それでは、最後に誓いのキスを。」

神父にそう言われ、2人は互いの方を見る。

そしてリッキーはリリーさんのベールを持ち上げ、リリーさんのほっぺにキスをした。

するとリリーさんもリッキーのほっぺにキスをする。

これには始終真顔でいたリッキーも驚いたようで、どうやら予定にはない行動だったらしい。



それから2人は腕を組み、リッキーのエスコートでチャペルを出る。

出席者は2人が外へと出ると順番に外へと向かった。

全ての人が外へ出た時、突如天からさぁ~と柔らかい光が振り注いだ。

これには出席者も驚き、空を仰ぐ。

その光の先は天高く続いており、先は見えない。

みんなが空を見上げている時、急に新郎新婦の驚く声がした。

みんなが何事かと2人の方を見ると、2人は互いの左手を見つめている。

そこには先程までは無かった光り輝く指輪が左手の薬指にはまっていた。



「……なぁ、あれってもしかして?」

俺は隣でニコニコしているユーリに声をかける。

「うん、あの人の仕業だよ!なかなか粋でしょ?」

ユーリはそう言って俺にウインクをする。

……粋かどうかは分からないが、かなりなド派手具合だ。


「2人は神に愛されているのですね。」

この光景を見た神父は穏やかな微笑みをその顔に浮かべ、そっとそう呟いた。

……そうだね。

リッキーもあの人には気に入ってもらえてるみたいだし、何かしらあの指輪にもご利益ありそうだね!
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!! 神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!? これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

処理中です...