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第11章 冬休み編
俺たちの秘密を皆へと
しおりを挟む「良かったのう。これで4人は末永く仲良く過ごせるであろうて。アンドリューも友人とほぼ同じ寿命になれて寂しくなかろう?後は2人の婚約話を明日にでもしに行こうと思うので、どうせならもう1泊泊まっていきなさい。」
ネシアの国王は4人に向かって笑顔でそう言うと、俺に向こうへと連絡をするよう頼んできた。
なので俺はすぐさまリーシェさんへと連絡を取り、心配をしているだろうリッキー達にも魔法連絡を送った。
それから俺達は、また俺の部屋へと戻ってきた。
どうやらまだ俺たちに話があるようで、少し話がしたいとのことだったのだ。
部屋の中に入ると、セインはすかさず室内のソファーへと真っ直ぐに向かう。
「……ところで、そうやってお前はどさくさに紛れてはぐらかしたいんだろうが、そうはいかないぜ?さっきの『巫女』の話について聞かせろよ?」
セインは俺と肩を組むとそう言ってニヤリと笑う。
……え~、どうしても話さなきゃならないの?
俺が不満そうな顔をしていると、セバスが口を開いた。
「シエル様、発言よろしいですかな?この4人は寿命が長くなりましたので、いずれ必ず疑われます。それであるのなら、前もって話しておいたほうが余計な面倒がなくてよろしいかと存じます。」
「……そうだよね。」
俺はセバスのそのアドバイスで少し考えを改める。
そうだよね、いくら長命になったとはいえ彼らは俺達より早く年を取っていくのに、俺達スノーホワイトは5人共に若いままの姿で1000年単位で生きることになるのだ。
それはどう考えても『人族』としては異常だ。
ならば疑われていないうちに話しておけば、いらない波風も立たないもんね。
「……分かった。その代わり、この事はお前達の心の中だけで留めておいてもらえるか?多分世の中に広まると、大騒ぎになる気がするからさ。」
俺が真剣な顔で皆の顔を見渡すと、彼らも真剣な顔で頷く。
……アンドリューもちゃんと頷いているってことは、ちゃんとまともに戻ったんだな。
「じゃあ話すけど……実は俺達スノーホワイトのメンバーは5人とも種族が変化したんだ。俺は元々『ハイヒューマン』だったけど、他の4人はただの『ヒューマン』だったのが『ハイヒューマン』へと進化したんだ。これは多分、相当な高レベルへと達したからなんじゃないかと俺は思っている。」
俺は伏し目がちな状態で皆へと告白したのだが、みんなの反応が全くなかったので不安になって顔を上げる。
するとそこには驚いた顔をした4人がいた。
「お…おい、なんだ、それ?『進化』って、何だ?俺たちは鍛えていくと、違う種族へと『進化』してしまうのか?」
セインが驚いた顔のまま、思わず呟いたといった感じで言葉を零した。
他の3人も同様だったが、いち早く復活したのはアンドリューだった。
「お主は元々『ハイヒューマン』だったとの事だが、それはやはり『神竜のパートナー』だからなのであろう?ならばそれは必然であるが、他の4人はそこに至るのに『進化』したというのだな?」
アンドリューは真剣な眼差しで俺にそう言う。
もちろん俺は頷いた。
「スコットさん達は、最初の頃は間違いなく『普通』だった。だけどある時を境に能力がぐんと上がったんだよ。リーシェさんだったか……それとも4属性竜の長達に聞いたのかは忘れちゃったけど、この『ハイヒューマン』という種族、ものすごい寿命が長いんだ。」
「寿命が長い……?」
「そう、かなりの長寿命なんだよ。ほら、エルフっているだろ?彼らは大体1000年ほどの寿命らしいんだ。だがその上位種の『ハイエルフ』の寿命は、エルフを遥かに超えた3000~5000年ほどらしい。」
「マジかっ!?相当長いな、寿命!?」
俺の話にセインはかなり驚いたようだ。
「まあね。……そして、『ハイヒューマン』も長寿で、同じくらい生きるらしい。」
それを聞いた4人は息を呑む。
そりゃそうだ、『ヒューマン』である人族や獣人の寿命はせいぜい100年。
それから考えれば『ハイヒューマン』の寿命は相当な長寿だ。
「なんか……俺たちは寿命が何倍かになった事に驚いていたが、お前の話を聞くとそこまで驚くほどのことでもないなと感じてしまうな。」
「そうであるな。我も長寿だと思っておったが、まさか我の何倍も長生きをするとは思わなんだ。」
「ってことは、私たちのほうが早く老化していくってことじゃない!?私いやよ、シエルにお婆ちゃんになった姿見られるの!だってその頃のシエルはまだ若々しい姿なわけでしょ?なんか嫌だわ!」
「……ローラよ、お主は我の番だ。他の男を気にする必要はないではない。」
思わずといったローラの発言に、アンドリューは眉間に皺を寄せてムッとしてしまったようだ。
それを見たローラは嬉しそうに「大丈夫よ、私が好きなのはアンドリューだけよ」と言った。
「まぁ、それは置いておいて。よく話してくれたよ、シエル。確かにこれは国民には秘密にしておかなければならない案件だ。そう簡単に『進化』するものではないが、違う『種族』だと知れ渡ると迫害なども起こりやすい。俺はお前達にそんな辛い思いはして欲しくないんだ。だからこそ、セイン達もこの事は絶対に秘密だからな。俺達で彼らを守ろう。」
クロードが真剣な顔で3人に言う。
3人もしっかりと頷き返した。
どうやら4人は俺との約束をしっかりと守ってくれるよだ。
「じゃあアンドリューも落ち着いたし、明日はクレイン国へと帰ろう。それに、しばらくはみんなして王都に帰ってきてはどうだ?セインの婚約話でシエルにも手を貸してもらいたいことがあるしな。」
クロードは俺の部屋を出る間際、思い出したかのように振り返ってそう言った。
そうだね、もうすぐ新しい年がやってくる。
その頃にはローラとアンドリューの婚約も成立し、おめでたい内容からの新年が始まる。
これは、幸先良さそうだね!
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