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第11章 冬休み編
新しいダンジョンへ行こう!
しおりを挟む年が明けて数日間は王都にあるリッキーの屋敷で過ごし、それでもまだもうしばらくは学園の冬休みがある。
みんなでその間何をして過ごそうか?と話し合っていたところ、どうせならネシアの近くにダンジョンが新しくできたとパニアさんから聞いていたので、行ってみようかということになった。
「なぁ、パニアたちは誘うのか?」
リッキーが俺たちみんなに聞いてきた。
「ん~……今回は久々に俺たちだけで行くか?ここ最近はグリー達やネシアの友人、学校の引率なんかでダンジョンに入ったが、俺達だけで入ったのはシエルが加入する前だったからな。このメンバーで行くのは初だ。」
「そうね、それにまだできたてのダンジョンだもの、中の情報はほとんど無いはず。それなら別に私たちだけで入ったって問題はないわ。」
「それに罠や索敵なんかはリッキーとシエルに任せておけば万全よ!あとは……シエルのことだから個別に結界を張るでしょ?そこまですれば完璧よね!」
みんな口々に「今回はスノーホワイトだけで行こう」と言ってくる。
そうだね、考えてみればスノーホワイト単独で行動していたのって俺がここに来たばかりの頃のオークの巣殲滅作戦の時だけだよね。
じゃあ今回のダンジョンは俺たちだけで行ってみようか!
それから俺達はダンジョンですぐに食べられるようにと王都のいろんな店舗で食べ物をどんどん購入していく。
あまりにたくさん買うから、どの店でも目を丸くして驚かれていたよ。
そんな時、偶然にもラブさん一家が並んでいる店の前を通った。
ラブさんと並んでいるフォードさんの腕の中には、少し大きくなったライクちゃんがいる。
フォードさんは相変わらずデレデレ顔でライクちゃんを抱きしめているが、ライクちゃんはこちらを見て興味津々って感じだった。
「お久しぶりです。ご無沙汰してましたがお元気そうで何よりです。」
俺は3人に近づいてそう言う。
俺達に気づいた2人はとても嬉しそうに挨拶をしてくれた。
「前回会ったのはもう半年ほどになるのかな?ほら見てご覧。ライクも大きくなっただろ?ほら、ライク、パパとママの友人たちだよ。」
フォードさんはそう言ってライクちゃんをこちらに向けて見せてくれた。
向けられたライクちゃんはキョトンとしていたが、俺と目が合うと「だぁ~!」と言って両手を伸ばしてきた。
「おやおや、シエルくんに抱っこをねだっているのかな?もし良かったら抱っこしてやってくれないかな?」
フォードさんはそう言うと、ライクちゃんを俺に差し出してきた。
俺は久々に赤ちゃんを抱っこすることに緊張していたが、思っていたよりも重たくて驚いた。
それだけ成長したってことだもんね!
それから互いの近況を話した後に俺たちは3人と別れ、リッキーの屋敷に戻る。
戻ったら執事さんに行き先を告げ、ネシア国の入り口へと転移した。
一瞬でネシア国の入り口へ到着すると、いつもの門番さんが「よう、元気していたか?」と笑って出迎えてくれた。
「今日は中に入って誰かと会うのか?」
門番さんの1人が俺たちを案内してくれようと動いたのだが、今日は違うと断った。
「今日は違うって……どういうことだ?」
「えっとですね、今日はパニアさんに聞いた『この近くにできたダンジョン』っていう所に行こうと思っているんです。門番さん達は何処にあるか知ってます?」
首を傾げた門番さんにそう言うと、彼らはしばらく考えた後に「パニアを呼ぶよ」と苦笑いをした。
そして1人が国の中へと入っていく。
しばらくすると門番さんはパニアさんを連れて戻ってきた。
「すみません、パニアさん!今、大丈夫でした?」
俺が慌ててパニアさんにそう謝ると、彼は「大丈夫、少しくらいなら」と言って笑う。
「それで……この近くにあるダンジョンに行きたいんだって?」
「ええ、そうなんです。だいたいどの方角にあるのかとか教えてもらえますか?」
「本当は俺が案内してやりたかったんだが、今はネシア軍の件で忙しくてな。方角くらいしか教えてやれないけど、それでも良いか?」
門番さんに少し聞いていたらしいパニアさんは俺にそう言った。
俺も頷き、「大体で大丈夫です」と答える。
それからパニアさんに大まかな方角と距離、どんな入り口なのかを教えてもらった。
「じゃあ俺は行くが、もし分からなくなったりしたらユーリくんに背中に乗せてもらって上空から探すと楽だぞ。」
パニアさんはわざわざ俺の耳元でそう言って肩を叩くと、「じゃあな!気をつけろよ?」と言ってまた国の中に入っていった。
そっか、ユーリの背中に乗って探せば、行き先不明にならなくていよね!
でもここから少し離れないと、門番さんにユーリの姿を知られちゃうから気をつけないと。
俺たちは門番さんに別れの挨拶をすると、パニアさんに教えてもらった方角へと歩き出す。
10分ほど歩いたところでユーリに元に戻ってもらい、みんなを乗せて一路新しいダンジョンへ向かった。
そのダンジョンは案外わかりやすく、ユーリに乗って10分くらいでパニアさんから教えてもらった特徴のある『ダンジョン入り口』に到着した。
そこは『ブレイズ』と同じく地下へと降りていくタイプのダンジョンで、地面にお椀をひっくり返したような小山に先が全く見えないほど暗い入り口が1つ開いている。
その入り口の近くには今のところ誰もおらず、この場所はまだネシアが管理をしていないようだ。
とりあえず俺たちは互いの顔を見合わせて、警戒をしながら中へと足を踏み入れる。
さあ、新しい出来立てほやほやのダンジョンはどんな感じなのかな?
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