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第1章 出会い〜旅の始まり
冒険者ギルドへ行こう!
しおりを挟む翌日、俺は昨日と違って起こされる前にふと目覚めた。まだ外は薄暗かった。
なのに昨日より早く起きたにもかかわらず、いつになく頭や体がスッキリしていた。
山田と直接話したおかげかな?
考えてみれば、たった1人でこの世界に放り出されたんだから、不安にならないわけがなかったんだ。
それをみんなに知られて腫れ物に触るように気を使われるのが嫌で、無意識に不安な心に蓋をしてしまったのだろう。
だが昨日、スマホで身近な人と連絡が取れ、しかもあまつさえ直接話せた。
その事が心に余裕と安心を与えたのは間違いない。
ホント、山田には感謝だな。
とりあえず洗面台に行き顔を洗い、その後ベッドの上で卵を取り出し、おはようの挨拶をする。
昨日よりもさらに大きくなっている卵。
あとどのくらいで孵化するのかなぁ?
その後卵を鞄に入れ、スマホを確認する。
山田からは何も連絡は来ていないが、昨日言い忘れていたので『辞表を出したら連絡をくれ』とメッセージを入れておく。朝早くに起こしたらごめん!
そういえば日本とこの世界の時刻差はほぼなく、同じ時の流れのようだ。
おかげで山田と電話するのにも問題がなかったし、これからはこっちからもかけようと思う。
あと気づいたことがある。
どうやらこのスマホ、電波だけじゃなくて電池残量も常にMAXだ。
一体どこで充電されているのかとても不思議だよな~。
とりあえずいろいろしているとドアをノックされ、声をかけられる。
「シエル、起きてるか~?食堂に行くぞ?」
スコットさんたちが食堂に行くので誘われた。
食堂に行ってテーブルに座ると、女性陣が入口からこっちに歩いてくるのに気づいた。
「おはようございます、こっちですよ、エミリーさんたち~!」
手を振って挨拶すると2人も挨拶を返してくれた。
みんなが揃うと女将さんがメニューを持ってきてくれた。
「今朝のおすすめは何ですか?」
「今日は鶏肉の香草焼きだね!あとは…オーク肉のステーキもあるよ?」
そう女将さんに言われ、スコットさんとリッキーさんはオーク肉のステーキ、女性陣と俺は香草焼きを頼んだ。
「…シエル、なんか昨日より顔色が良くないか?なんかあったか?」
そうリッキーさんに指摘された。
俺は自覚があるので頷き、昨日の夜に俺の固有スキルを使ったら良いことがあったって言っておいた。まだ詳しくは話せないとも。
みんな首を少し傾げていたが、それでもこの食堂では話せない内容だと理解したらしく、それ以上聞いてはこなかった。
「そういえば昨日はリリーさんどうでした?眠れました?」
なんだか気まずくなった俺はそう言って話を変える。
するとエミリーさんが話に乗ってきた。
「一応少しは夜更かししたけど、ちゃんと寝れたわね。自分で自制できて偉いわ。」
そう言いながらリリーさんの頭を撫でるエミリーさん。
リリーさんは頬を膨らませながら「そんなに年変わらないのに、子供扱いしないでください!」と主張した。
みんなは2人のやり取りを見て笑っている。
そのおかげでなんとなく気まずかった空気がなくなり、いつもの雰囲気に戻った。
そうこうしていると女将さんが料理を運んできた。
オーク肉はとても分厚く切ってあったが、絶妙の焼き加減で美味しく焼いてあった。
「…一口、食べてみるか?」
スコットさんが俺にそう聞いてくる。
俺は少し躊躇したが、頷いた。
するとスコットさんは自分のお肉から一口分切り取って俺の皿に分けてくれた。
俺はオークのあの姿を思い浮かべないように目をつむり、思い切って口に入れた。
「…っ!初めて食べましたが、美味しいですね、オークって!」
俺が思わずそう言うと、みんなは嬉しそうに笑った。
「実は魔物の肉とか無事に食べられるだろうかと心配だったんだが、気に入ってもらえてよかったよ。」
「そうだよな、シエルの故郷にはオークとかの魔物がいないって聞いていたから、実はみんなで少し心配していたんだ。」
「でもその調子だと大丈夫そうね。」
「えぇ、オークが大丈夫なら他も大丈夫だと思いますし。」
どうやら俺はみんなに心配をされていたらしい。
まぁ、確かに二足歩行の豚はちょっと躊躇するよなぁ…。
でもまぁ無事に食べられたし、これからも多分お肉の状態なら調理も食事もできるだろう!
…さすがに解体は、現代日本人の俺には無理だ。
食事が終わって今日の予定を話し合っていると、ギルドからの使者が来た。
時間があるようならギルドに来て欲しいとのこと。
ギルドに頼んでいた買取金額を受け取りに行こうと話していたからちょうど良い。
ギルドに着いたらまずは受付で話し、買取代金を受け取ってからギルドマスターの所に行くことになった。
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