異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
42 / 529
第1章 出会い〜旅の始まり

鍛冶地域に向かおう!

しおりを挟む

お米屋さんで買い物が済むと次はリッキーさんおすすめの金物屋さんに向かった。

金物屋さんは武器とかを売っている地域の中にあるらしく、この辺とはまた違う場所のようだ。


この街はリッキーさんから聞いた話だと大通りが『X』の向きで十文字に走っていて、その大通りで街を4つに区切ってあるそうだ。

冒険者ギルドはこの十文字の真ん中付近に位置していてどの地域にも行きやすいように建っている。

ちなみにど真ん中には屋台のある広場があって、そこから四方に大通りが伸びている。

そしてお米屋さんのあった地域が商業地域となり、十文字の南側に広がっている。

鍛冶地域はギルドのある十文字の西側に広がっていて、いろんな『ものづくり』の工場があるんだそうだ。

大抵の金物類はその工場に併設されている店舗で売られているらしい。

ちなみに十文字の東側には一般市民の住宅が、北側には裕福な商家や貴族の住む貴族街が広がっているそうだ。


- - - - - - - -

俺達は今、鍛冶地域を歩いている。

街の中はあちこちの工場で響いている鍛冶仕事の高い金属音で賑やかだ。

俺はリッキーさんについて歩きながら、通りに面している店を眺めている。

それぞれの店には、何を作って販売しているのかわかるように看板が下がっている。

こうして眺めていると、武器や防具関係が6割、鍋や包丁などの料理関係が3割、それ以外のよくわからない看板がたまにあるようだ。

「リッキーさん、あのよくわからない看板ってなんですか?」

リッキーさんは俺の指差す方向に目線をやると、何を聞かれたのかすぐに理解したようで答えてくれた。

「あの店はな、魔道具を作って販売している店なんだ。」

「魔道具、ですか?」

「ああ、今は昼間だから分からないだろうが、例えば街のあちこちにある街灯や人々の生活をサポートしてくれる便利な道具もすべて魔道具だ。」

「そうなんですね~。ちなみにあの街の中央にある時計も魔道具の一種ですか?」

「ああ、そうだな。魔道具っていうのは道具に魔力を流して使う物を指すからな。」

俺は広場の中央にあるとても高い時計塔を指さして聞くと、やはりあれも魔道具らしい。

なるほどねぇ~、勉強になるなぁ!

そんな話をしている間にリッキーさんのおすすめ金物店に到着。

……すっかり道を覚えるのを忘れてしまっていたよ。


「こんちは~~、リッキーだよ!」

リッキーさんを先頭に3人で店に入る。

すると店の奥の方から、ちょっと身長が低くてずんぐりむっくりの体型のヒゲを生やしたおじさんが出てきた。

「なんだ、リキ坊じゃないか。今日は何の用だ?」

「なんだよぉ、何もなくても遊びに来たっていいじゃん!」

「まぁ……リキ坊なら良いがよぉ。ところで1人知らない顔のやつがいるんだが、友人か?」

「ああ、友人でうちのチームに入ったばかりの新人だ。名前はシエルっていうんだ。」

そう言ってリッキーさんは俺を自分の前に押し出した。

「初めまして、シエルと言います。今日は鍋やおたま、包丁を買いに来たんですが、ありますか?」

「おう、あるぞ!俺はドワーフのゴーダといって、リキ坊の小さい時からの知り合いだ。スノーホワイト達とは同じ故郷なんだよ。よろしくな!」

「リッキーさん達と一緒の故郷なんですか!あれ?じゃあ、もしかして皆と一緒に故郷から出てきたんですか?」

「いや、そうじゃねぇ。俺の妻がここの出身なんだよ。妻の両親のためにリキ坊たちが冒険者になる前にこっちに引っ越したんだ。」

「そうなんだよ。でもな、ゴーダおじさんは普段は武器ではなく金物類を作っているのに、作るのをやめていた武器製作を俺達の為だけにしてくれているんだ。一般には武器を売らないんだよ。」

そうスコットさんが言う。

あ、なるほど、スコットさんの武器の手入れはゴーダさんがしているんだね!

いつもどこで手入れしてもらっているのか気になっていたんだよね。

スコットさんはその流れで、みんなの武器の手入れをお願いしていた。

さすがにオークの上位種との戦闘で大分傷ついているようで、ゴーダさんからはスコットさんとリッキーさんの武器は買い換えたほうが良いと言われていた。

ちなみにエミリーさんの短剣は手入れだけで済みそうなんだってさ。

「おっちゃん、元々はシエルが料理をするからって道具を買いに来たんだけど、実はシエルには俺の短めの剣を貸しているんだけどやっぱり体に合ってない気がするんだ。」

「なるほど、この坊主にリキ坊の剣を貸していたのか。そりゃあ体には合わねぇだろうな。よしっ、俺が見てやらぁ!ちょっとこっち来い、坊主!」

リッキーさんから頼まれたゴーダさんは俺を呼ぶ。

俺は素直にゴーダさんの傍に行った。

すぐ傍に行くとさっそく腕の長さなんかを測られた。

それからゴーダさんは奥の部屋へ行き、すぐに剣を1つ持ってきた。

「これが坊主に合いそうな剣なんだが……とりあえず試し斬りをしてもらいたいからこっちへ来いや。」

ゴーダさんはそう言ってスタスタと入口とは違うドアへと歩いていく。

俺達は慌ててその後をついていくと、そこは周りを建物に囲まれた中庭みたいな場所だった。

そんなにすごく広いわけではないが、試し切りをするためなのか、かかしみたいなのが立っていたり、垂直の棒に藁を巻き付けたものがいくつか立っている。

「そこら辺にある藁巻いてある棒をこの剣で叩いてみてくれや。」

俺はとりあえずその剣の試し切りをすることになったようだ。

受け取った剣はリッキーさんから貰った剣より多少長くて細身の剣だった。

俺は1つの垂直の棒の前に立ち、構える。

そして、どのくらい力入れて良いものか分からず、とりあえず思い切り袈裟斬りしてみた。

するともちろん棒に当たった感触はあったが、思ったより手応えがなかった。

あれ?と思っていると、時間差で棒が袈裟斬りした形で切れて落ちてきた。

「……。おいおいリキ坊、この坊主はどんだけ力が強いんだ!?」

「いや、おっちゃんの作った剣の出来が良かったから切れたんじゃないのか?」

「そんなわけないだろ、あの剣はそこまでの品じゃないんだ。剣を持ってなかったってことは初心者だと思って、それなりの剣を出してきたんだが……見ていると剣筋はそんなに悪くないな。」

「そりゃそうだよ、俺が直々に鍛えたんだからさ。ずぶの素人とはもういえない段階だぜ?」

「なるほどなぁ……分かった、じゃあもう一度剣を探してくる。あ、あとついでにスコットとリキ坊の剣も持ってくるから、2人も試し切りをしてくれや。」

そう言って、また店に戻るゴーダさん。

今度持ってくる剣はどんなのだろう?
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...