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第1章 出会い〜旅の始まり
お待ちかねのアレを作ろう!
しおりを挟むゴーダさんの店を出てから屋台で軽く昼ご飯を済ませ、宿に戻ってきた。
俺はついでだからと屋台でおにぎりの具になり得るものを探していたが、全く見つけられなかった。残念。
でもまぁ……俺には山田という強い?味方がいる!
あとで買い物リストを送るとしよう♪
ん?パシリかよ!?と言うなかれ。
彼は俺にとって大切な友達であり、仲間なのだから!ありがとう、山田!!
それはそうと宿に帰ってきてすぐに女将さんにキッチンを使わせてもらうことを改めてお願いして許可をもらうと、スコットさん達とは玄関にあるカウンター前で別れ、俺だけ早速キッチンへ向かう。
するとキッチンの隅で旦那さんと娘さんが午後の仕込みのためにせっせと野菜の皮を剥いたりしていた。
やっぱり人気の食堂だから使う材料も半端ないんだね!
俺もいそいそとキッチンの台の上にカレーに使うじゃがいも、人参、玉ねぎを鞄から取り出す。
とりあえず全部取り出したが……いったい山田は俺に何を求めているのか……めちゃくちゃいっぱいあるぞ、これ。
山盛りの野菜たちを見てため息をつきつつ、先程買ってきた包丁とピーラーを取り出す。
あ、そういえばお肉は山田が送ってきてくれていただろうか!?
すっかり確認を忘れていたよ。
ちょっと不安になり鞄の中に手を入れると、昨日の夜には確認し忘れていた豚肉の切り落としがこれまた大量に入っていた。
いやまぁ……確かに野菜との比率はちょうど良さそうだけどもぉ……。
この大量の具材は、もしかして山田も食いたいのか?
よし、できたら送ってやるか。
それからの俺はひたすら大きなボウルに野菜をそれぞれ刻んで入れていった。
その後、とりあえず買ってきた業務用の鍋を出して洗い、コンロに置く。
そしてコンロに火を起こして、そこに脂身の多い豚肉を投入。
豚肉に火が通り始めたところで人参とじゃがいもを投入。
さらに炒めていき、最後に玉ねぎを投入。
玉ねぎがしんなりしてきたら鍋にお水をたっぷりと入れる。
時々灰汁を取りながら具材に火を通していく。
そして頃合いになったら一旦火を止めて、山田が送ってきたカレールーを少しずつかき混ぜながら割り入れた。
ルーも大量にあるから、今回だけでは使い切れない気がする。
そうしてカレーをちょうどいいとろみや味に仕上げた頃合いで、何故か食堂の入口が騒がしくなっているのに気がついた。一体どうしたんだろう?
俺が食堂の入口に近づくと、女将さんと宿の宿泊客が何を言っているのかが聞こえてきた。
「まだ食堂は開いてないよ!」
「わかってる!分かっているけど、すんげぇ~美味そうな匂いがするんだが、夕飯の仕込みか?めちゃくちゃ腹が空く匂いなんだけど!」
「女将さん、今夜はこの匂いのメニューが食いたいから、俺予約ね!」
「あっ、ずりぃ~ぞ!じゃあ俺も予約!!」
「何言ってんだい、これは違うよ!宿泊客にうちのキッチンを貸しているだけだよ!」
ん?
匂いって……俺の作っているカレーのことか!?
女将さんの話を聞いた客がものすごくショックを受けた顔で項垂れた。
えっ、そんなに食いたかったのか……?
俺が食堂の入口に来たのに気づいた女将さんが俺に話しかけてきた。
「おや、あんたは。すまないねぇ、今うちの客にあんたが作っている食べ物だからダメだって説明しているところなんだよ。」
「そうなんですか。すみませんね、ご迷惑かけてしまって。御飯の上にかけるものはできたので、あとは米を炊くだけで終わるんですが、もう少し借りられますか?」
それを聞いた女将さんが少し考えて、ニヤッと笑った。
「それならちょっと交渉なんだけど……米はうちが炊いておくから、そのご飯にかける具を少しでいいから分けてもらえないかねぇ?もちろん、そっちに提供する米はうちのを使用するからあんたは米を提供しなくて良いよ。どうだろうかねぇ?」
なるほど、さっきお客が予約したいって言ってたからな。限定商品で売り出すつもりなのかな?
まぁいっぱいできたから多少分けても良いけどね!
「じゃあ、あまり大きくない鍋に1つなら分けますよ?」
「そうかね、ありがたい!じゃあ……この鍋はどうだい?」
女将さんは遠慮したのか、割と小さめの鍋を出してきた。
「もっと大きくても良いですよ?あの鍋1つに作ったので。」
俺はそう言ってめちゃくちゃでかい業務用寸胴鍋を指さした。
すると女将さんの目が輝いて、今度は割と大きい鍋を持ってきた。
「この鍋じゃ大きすぎるかねぇ?」
「いえ、その鍋なら良いですよ。」
「じゃあ、交渉成立で!でもまぁこの鍋1つもらうならこちらが有利すぎるから、宿泊1日分をメンバー全員分無料で良いよ!」
「えっ、良いんですか!?」
「ああ、なにせ食べたことのない食べ物の上、材料や人件費もかかってないからねぇ。それぐらい大丈夫さ!」
「ありがとうございます!」
交渉成立したので、早速出来立てのカレーを女将さんが持っていた鍋にたっぷりと入れてあげた。
こちらの鍋にはまだまだいっぱいあるから全然大丈夫だ。
あ、ついでに山田用に片手鍋にも入れておいてやるか!
そうやって分けた後、カレーの入った鍋を鞄の中に入れていく。
女将さんは驚いた顔でそれを眺めていたよ。
そんな女将さんには、この鞄がマジックバッグだと伝えて納得してもらった。
やっぱり驚くよね、鞄より大きな物が入っていくのを見ちゃうと。
それから俺は夕飯までまだまだ時間あるので、とりあえず自分の部屋に戻った。
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