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第1章 出会い〜旅の始まり
色々買おう!
しおりを挟む次に向かったのはまたもや服屋さんだった。
今度は普段街に出る時なんかに着る服を買う予定。
流石にずっと冒険者の服なのも……となったからだ。
リッキーさんに連れてこられた通りは、その通りが全部服屋さんだった。
姉さんはそれを見て目を輝かせているが、俺と兄さんはちょっとうんざりしてしまった……。
何故なら姉さんはオシャレがとても好きで、こういう所に来ると買い物時間が長くなるからだ。
「……しまったな。こいつがいなければ早く終わったものを……。」
兄さんは思わずといった感じで呟く。
……俺も同じ気持ちだ。
1人、意味がわからないといった顔をしているリッキーさんに「姉さんはこういう、服や靴などの小物をみるのが大好きなんですよ。」と言うと、「あぁ~……。」と言って苦い顔をした。
どうやらリリーさんも同じ感じらしく、買い物が長いのだそうな。
だからそういう時はエミリーさんにバトンタッチするんだって!
とりあえず姉さんは一番近い店から中に入っては見回し、自分好みの服を探していく。もちろん靴も。
しょうがないので姉さんには支払い役の俺がついて歩き、兄さん達は2人で男性用の服を見てもらいに行った。
支払いはリッキーさんに立て替えてもらい、合流したら俺が支払うことにしたのだ。
それから暫く姉さんの買い物に付き合ったが……いや~、姉さんの買い物は長い!
なんであんなに時間かけるんだろう……。
とりあえず姉さんのこっちでの普段着が決まり、次は俺の服……となった時に合流時間になってしまった。
しょうがないのでとりあえず集合場所へ向かい、リッキーさんたちと合流する。
兄さんの服の支払い代金を聞いたら、リッキーさんにいらないと言われてしまった。
どうやら姉さんにかなり使っただろうと思ったから、らしい。
まぁ確かにさっき払った防具並みに高かったケド……。
兄さんの服はそんなにからなかったから気にするなと改めて言われてしまった。
「ところでシエルの服は買えたのか?」
「……いいえ。」
どうやらこの一言で理解したらしい。
リッキーさんはやれやれという顔で1つため息をついた。
「じゃあこれからシエルの服を見に行こう。」
それから子供服?が売っている店へ入った。
俺、そんなに小さくないはずなんだけどなぁ?
……そう思っていたけど、やっぱりこっちの子供は皆でかかった。
中に入るとあちこちで親と一緒にいる子供と遭遇。
みんな俺と同じか、もっと大きかった……。
「しーちゃんにはこれが似合うんじゃない?」
そんな事を言いながら姉さんが俺に服を選んでくれる。
そして俺は着せ替え人形のごとく、試着室で着替えては見せてをしばらく繰り返した。
俺は服にあまり頓着しないから、姉さんが選んでくれたものを購入。
姉さんは俺の服を選べてホクホク、俺は試着疲れでヘトヘトだ。
会計が終わって外に出ると、リッキーさんが無言でねぎらいを込めて肩を叩いた。
それから俺達は今度は食器を見に行った。
俺が持っている食器はほぼ陶器製なので、こちらで主流の木製の食器を購入することに。
最悪、俺の土魔法で作ることはできるが、なんか気分的にも色的にもちょっと……と思ったのだ。
リッキーさんに連れて行かれた店では陶器だけでなくいろんな種類の器が売っていて、その中に木製の器もあった。
俺はスープ用の大きめで深めの器を10個とカレーなどを盛る用のの平たいけど深みのある皿を10個、おかずを盛る用の15センチくらいの大きさで4センチほどの深さのある器を10個購入した。
ここでの会計はリッキーさんが立て替え、チームの会計から出すことに。
購入後に店の外に出るとリッキーさんから他に行くところないのか聞かれたので、俺はないと答えようとしたら、またもや姉さんが声を上げる。
「まだ時間あるなら、ここで何かお土産にできる食べ物を持って帰りたいんだけど、何かいいものあるかしら?」
リッキーさんはちょっと考えて、口を開く。
「甘いのかしょっぱいのかどちらがいいですか?」
「う~ん……どちらかというとご飯系かしら?でも甘いのでも大丈夫よ?」
「じゃあまた屋台の所に戻って眺めてみます?」
「あら、それもいいわね!じゃあみんなも行きましょう?ほら、兄さんも惠美さんに何かお土産を買って行きなさいよ。」
「……お前、その支払い、紫惠琉持ちだろう?気にならないのか?」
「そりゃあ気になるけど、次にこちらへ来た時に冒険者活動をして、それで得たものでお金を手に入れて紫惠琉に返せばいいと思って。」
苦い顔をしてそう言った兄さんに対して、姉さんはあっけらかんとした顔と口調でそう言い返した。
……なるほど、とりあえず返す気はあったんだね。
兄さんは眉間にシワを寄せつつ目を瞑って、ハァ~と長いため息をつくと「しょうがないな」と呟いた。
「すまないが紫惠琉、次に来た時にでも一緒に狩りに行かないか?そしてそれで得た物はお前にやるから、それで今回のことはチャラにしてもらえると助かる。」
「いいですよ、兄さん。兄さんはそんなに気にしなくて良いです。でも姉さんは気にしてくださいね、いっぱい買い込んでるんですから!」
すると姉さんは俺の方を向き「はぁ~い。」と言い、てへペロとしてきた。これ、絶対気にしてないよね!?
屋台広場に行くまでの間にこんなやり取りがあったが、終始和やかムードで過ごせた。
屋台広場まで行くと兄さん達は自分が美味しかったものや気になっていたものを買い込んでいく。
しばらく屋台巡りをすると、ようやく満足したらしいのでその足で宿へ戻った。
入口で兄さん達を見かけた女将さんに「あら、もしかして君の両親?」なんて聞かれたが、「兄姉です。」と答えておいた。
あまりにも年齢がかけ離れているからなのか訝しげな顔をされたが、それ以上は聞かれなかった。
その代わり、2人分の宿代は請求されたけど。
さすがに部屋の中に入って一晩出てこないとなると、怪しまれるからね!
う~ん、明日の朝、2人は誰にも告げずにチェックアウトしたとでも言えばいいかな?
それから俺の部屋前でリッキーさんに今日のお礼を伝えて別れ、3人で部屋に入る。
「今日はたくさんあちこちに行ったけど、2人共楽しめた?」
すると2人はとてもいい笑顔で頷いてくれたので、それだけで俺も満足した。
「じゃあ、またな、紫惠琉。今度こっちに来る時はまた連絡をするよ。」
「わかった。また会えるのを楽しみにしているね。」
「しーちゃん、また来るね!元気に、怪我なんかしないでね!」
「うん、姉さんもね!」
2人とそう言葉を交わし、2人は鞄の中へ。
今回は前回の反省をふまえて、姉さんから鞄の中へ入ることになった。
姉さんは拗ねた顔をしながら手を振って中へ。
兄さんは呆れた顔をしながら中へ入っていった。
2人がいなくなってしまうと、この空間が途端に寂しくなる。
そんな俺の気持ちを察したのか、2人と入れ替わりに鞄からユーリが顔を出した。
俺か両手を広げると、ユーリが俺の胸に飛び込む。
俺は寂しい気持ちを胸に押し込め、ユーリの冷たいような温かいような身体を抱きしめた。
しばらく立ったままそうしていると、ドアの向こうからリッキーさんの声が。
どうやら夕飯を食べに行かないかと声をかけてきたらしい。
俺はリッキーさんに「今、行きます!」と声をかけ、ユーリに鞄に入ってもらい、その鞄を持ってドアの外へと向かった。
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