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第2章 エルフの隠れ里〜
長たちの特訓
しおりを挟むどうやら、そう考えていた俺の疑問が顔に出ていたらしい。
「大丈夫よ、鍛える過程で2人は一緒に遊べるわよ。……それじゃあ、さっそく始めようかしら?」
そう言ってレッカさんはとりあえず俺達を連れて広場の真ん中付近へ向かった。
「ここなら大きな火の玉を作り出しても森への影響は少ないから、遠慮なくできるだけ大きな火の玉を出してみてくれるかしら?」
「もしかしてその巨大な火の玉を縮小していくんですか?」
「ん?もしかしてラーシェから同じ事をさせられたのかしら?」
「ええ、先ほどここへ来る前にしてきたばかりなんですよ。」
「あらあら……それじゃあ面白くないわよね、シエルくんは。ん~、でもとりあえず、私にも今のシエルくんの力を見せて欲しいかな。良いかしら?」
「分かりました、やってみますね。」
俺はそう言うと、先程ラーシェさんに見せたのと同じように、2階建て一軒家より少し小さいくらいの火球を作り、それをバスケットボールほどに縮小してみせた。
「なるほど、魔力の強さも魔力量もかなりのものね!じゃあ今度はユーリ様がやってもらえますか?」
『良いよ~。』
ユーリも俺と同じ様にやっていたが、若干ユーリのほうが火球の大きさも、その後縮めた火球の大きさも俺より劣っていた。
だがまあ、その違いはレベルが違うせいなんだろう。
「2人共、魔力の方はそこまで違わないようですわね。じゃあシエルくん、今度はその小さくなっている火球をさらに小さくしてみて。このくらいまで。」
そう言ってレッカさんは手のひらの上にちょうどソフトボールくらいの大きさの火球を創り出した。
……えっ?そこまで小さくできるかな?
現在の自分の火球を見る。
ちょうどバスケットボールくらいの大きさだ。
これをあの大きさまで縮めるのはかなり厳しいと思うけど……。
でも、これも修業の1つだ!と思い、気合と集中力を込めて火球を小さくしていく。
少しでも気を抜くと、大きさがまたバスケットボールくらいに戻ってしまうのだ。
「なんとかこのくらいの火球のままに安定させることが出来たようね。じゃあ次は、その火球を使って投げ合いっこしてね。自分の手から火球が離れても、ずっと意識して大きさを保ってちょうだい。気を抜くとすぐに爆発するから、気をつけてね。」
なんとか火球の大きさをソフトボールほどに安定できるようにしたら、今度はそれをユーリとキャッチボールすることに。
だからこの大きさになるようにしたんだね。
「ユーリ~!投げるぞ~、受け取れよ~?」
俺は火球を投げようと振りかぶった。
そして言われた通りに、手を離れてからもその火球を『手に持っている』ような意識で大きさをキープする。これ、難しいな!?
かなりの集中力を必要とするから、ちょっと意識がそれそうになるとすぐに不安定になってしまうのだ。
なんとかユーリのところまで届いたが、俺の集中力が無くなりそう。
「どうやらユーリ様のところまで届いたようね。……じゃあそこからこちらへ投げてみてください!その時の要領は先ほどシエルさんがやっていたのと同じですよ!」
そうレッカさんはユーリに向かって大声で話す。
ユーリも話が通じたらしく、頷いた。
今度はユーリの方からこちらへ玉を投げたんだけど……途中で地面に落ちてしまった。
あ、あれ?これ、どうしたら良いの?
「……。想定外だったわ、まさか届かなかったなんて。う~ん……じゃあユーリ様!危険なので離れてから意識を解いてください!」
ユーリが頷くと火球から離れていき、ある程度離れると止まった。
するといきなり火球が大爆発した。
……えっ?あんな威力があるものを俺、扱っていたの!?あっぶな!?
それはどうやらレッカさんも思ったらしい。
口元をヒクヒクさせながら、火球の残骸を見ていた。
「……ま、まぁ……いい訓練になったでしょ?あははっ!」
なんか誤魔化された感、半端ないんだけど。
ジト目でレッカさんを見ると、目をそらされた。
「じゃあ今度は僕の番かな?」
そう言ったのはアクアさんだった。
「さっきのレッカの失敗を見て思ったんだけど……単純に水魔法を魔法攻撃に使えるように特訓してみようかな?まずは『ウインドカッター』の要領で『ウォーターカッター』をやってみようか!」
なるほど、『ウォーターカッター』って、要は水刃ってことだよな?
それならイメージしやすいかも!
「どこに向かって放てば良いですか?」
「あ、そうだね、何もない所に放っても危険だし……じゃあ僕が的を作るから、そこに当ててもらおうかな。いっぱい的を作るから、ユーリ様も一緒に当ててね!」
こちらへとふよふよと飛んできていたユーリに、アクアさんは大声で声をかける。
『分かったよ!今そっちに向かっているから、ちょっと待ってね!』
ユーリがこちらへ到着すると、改めてアクアさんが説明を始めた。
「ただ的に当てるだけだとつまらないと悪いから、的に数字を入れておくよ。その当てた的は1回ずつ壊れるけど、最終的にその数字の合計が総得点になるっていうのはどうかな?楽しく競い合うのが一番上達しやすいと思うんだ!」
なるほど、的当でゲームをするんだね?
それは楽しそうだ!
ユーリを見ると、どうやらユーリもワクワクとして目を輝かせている。
アクアさんがいくつかの的を空中に水魔法で創り出した。
そこには1~10までの数字が中央にある。
なるほど、それを水刃で撃ち落とせば良いんだな?
「じゃあ……始め!」
俺達は開始の合図と同時に的に水刃を放つ。
1…5…7…2…
次々と俺達が撃ち落とすので、アクアさんも負けじと的を大量に作り出す。
しまった、途中から撃ち落とすのに夢中になって得点を数え忘れてしまった!
まぁ、撃ち落とすだけのゲームでも楽しいかな!
それから俺とユーリは、アクアさんが疲れるまでずっとやり続けたのだった。
夕方に俺がラーシェさんの家に帰る時には、ユーリは俺の胸で疲れ果てて眠ってしまったのでセバスに託す。
「また、明日来るな!」
俺は眠っているユーリにそう声をかけて転移した。
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