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第3章 スノービーク〜
クリスマスを楽しもう!
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(リッキー視点)
昨日の夜、クリスマスプレゼントを急いで取りに行ったユーリの代わりに俺がシエルの部屋で休んでいると、父さんがやってきた。
「……シエルくんはまだ目覚めないのか?」
「ああ、まだ一度も目を開けてないな。でも多分明日には起きるんじゃないか?別に怪我とかしているわけじゃないしな。こいつの場合、魔力量が多すぎるんだよ。だから回復には時間がかかるんだって。そんな心配しなくても大丈夫だよ。」
「それなら良いが……。とりあえずシエルくんが目を覚ましたら盛大にお祝いをするから、そのつもりでいてくれ。」
父さんはシエルが目覚めないのを気にしているようだ。
とりあえず明日の予定を俺に話すと、父さんは部屋を出ていった。
こいつの場合ホントに魔力量が凄いらしいから、父さんにはああ言ったが、目覚めるのは最低でも夜になるんじゃないかな?
下手すると明後日目覚めるかも?
そんなこと考えていると、ユーリがあちらの世界から戻ってきた。
手ぶらで戻ってきたのかと思ったら、また鞄に頭を突っ込んでプレゼントを取り出し始めた。
……えっ、そんなにあったっけ???
「えっとね、皆からそれぞれママへのプレゼントを預かってきたんだ!……ママが起きたらすぐ渡す?」
「いや、父さんが明日の夜、今日の祝勝会をするからってさっき言いに来たんだ。だからその時にでもまた出してくれ。」
「はぁ~い。」
ユーリは取り出したプレゼントをまた1つずつ鞄にしまっていく。
当時の俺の記憶はもうはるか昔だから、プレゼントを何にしたかの記憶があやふやなんだよな。
まぁ、自分がユーリに持たせたものは覚えてないけど、ユーリに聞けば良いか。
とりあえずユーリも戻ってきたので俺は自分の部屋で休むことにした。
翌日の朝、シエルの部屋へ向かうとまだあいつは目覚めていなかった。
ユーリに聞いても、まだ一度も起きてないそうだ。
やっぱり夕方までかかるのかな……。
今夜の日本はクリスマスだから、ちょうど父さんがお祝いをするって言うし、クリスマスパーティーでもするか?って考えたんだけど……間に合うだろうか?
そんな事を思いながら階段を降りていく。
ユーリはシエルが目覚めた時のためにって、部屋で食べるそうだ。
ちょうど玄関ホールを横切る時、玄関を開けてスコット達が揃ってやってきた。
「みんな揃ってどうしたんだ?」
俺が3人に聞くと、みんな何となくニヤニヤしている……様な気がする。なんなんだ?
するとみんなは周りを見渡して誰もいないことを確認すると、リリーが俺に近づいてきた。
「リッキー、私達ね、今朝になって急に前世の記憶が戻ったの。」
「っ!!マジか!?えっ、今朝?3人揃って!?でも義兄さんと友梨佳はこっちには来てないぞ!?」
俺は焦ってそう言った。
それを聞いて皆は破顔する。
「やっぱり~!リッキーはとっくに覚醒してたのね!ひどいわ、内緒なんて!」
リリーが俺の胸に飛び込んでくる。
……おいおい、覚醒して態度が変わったな!?
リリーには今までこんな風にされたことないぞ?
俺は少し照れながらも、皆をシエルの部屋へと連れて行くのに今来た道を戻った。
「それで、紫惠琉は起きてるか?」
スコットが聞いてくる。
俺は首を横に振って「いや、まだ起きてない。」と伝える。
すると3人はかなり心配そうに、互いの顔を見合わせた。
「スコット達は朝食食べてきたのか?」
俺はあくまでこちらの名前で呼びかける。
すると皆も頷き返して「食べてきた」と言った。
多分あえて言わなくても、俺の言いたいことは分かってくれたのだろう。
他の目がある場所ではさすがに前の呼び名は駄目だからな。
……あ、俺、友梨佳からは「リッキー」って呼ばれてたわ。全然変わんねーな!
シエルの部屋に着くと、ドアをノックせずに中に入る。
中ではユーリがシエルのベッドの横に椅子を持ってきて、シエルの手を握りながら座っていた。
「早かったね、リッキー。もう食べて……あ、みんな来たんだね?話は聞いてるよ!」
ユーリは俺の後ろの3人を見て、戻ってきた理由に気づいたようだ。
ってか、誰から何の話を聞いたんだよ?
「ねぇユーリ、今日って日本でいうところの何月何日なの?」
「えっとね、地球でいうところの『12月25日』だよ!」
「そっか!クリスマスなのね!……ってことは、もしかしてプレゼントを昨日取りに行って、今持ってるの?」
リリーはユーリにそう聞いた。
おぉ~、リリーとユーリが普通の会話になってるぞ!
……ちょっとは仲良くなれそうか?
するとユーリはニコっと笑ってプレゼントを取りに鞄に頭を突っ込んだ。
そして昨日と同じく、結構山盛りのプレゼントを床に置く。
皆それぞれ自分のプレゼントが分かるのかな?と見ていると、リリーだけは自分のプレゼントがどれか分かっていたようだが、他の2人は覚えてないみたいだ。
「……もしかして、どれだかわからないの?」
ユーリから指摘されて、わからない組の俺たちは苦笑いだ。
「しょうがないなぁ……。えっと、悠騎さんはこれ、惠美さんはこれ、リッキーはこれだよ!」
ユーリはスコットに大きな箱を2つ、エミリーには中くらいの箱を2つ、俺にも少し大きな箱を1つと小さな箱を1つ渡してきた。
……こんなでかいのは多分シエル用だろうけど、何を贈ったんだ、俺?
とりあえず皆でそれぞれのマジックバッグにプレゼントをしまった。
それから俺は朝食食べに食堂へ、皆はそのままそこで話をしていることになった。
……さっさと行って、早く戻ってくるかな。
- - - - - - - -
う~ん……頭がガンガンする……。
まるで二日酔いのようだなと思いながら目を開ける。
どうやら俺は自分のベッドに寝かされているようだ。
「あっ!!ママが目を覚ました!ねぇ、皆!ママが目を覚ましたよ!」
「そうね!しーちゃん、お姉ちゃんよ!私、覚醒したの!」
直ぐ側で手を握っていたユーリとリリーさんがが大きな声を出した。
……あれ?今「しーちゃん」って言わなかったか?
それに覚醒した、とも言った……よな?
俺はまだぼやけている頭を振って、強制的に頭をシャキッとさせる。
その間にリッキーとスコットさん、エミリーさんが駆け寄ってきた。
「紫惠琉、リッキーだけじゃなく、俺たちも前世の記憶を取り戻したんだ。」
「そうよ、紫惠琉くん。私、惠美よ。スコットは悠騎。リリーは友梨佳さんなの。」
それを聞いて俺は思わずガバっと飛び起きてしまい、頭の痛さにうずくまった。
「大丈夫、しーちゃん!?今、回復魔法をかけ……」
「それは僕の仕事だよ!ママと親和性のある魔力は僕だけだもん!」
姉さん……いやリリーさんの言葉にかぶせ気味でユーリが主張してくる。
確かにユーリの方が親和性あるだろうな、俺の魔力で産まれたんだから。
ユーリは有無を言わせず回復魔法をかけてくる。
あ、水魔法ではなく、神聖魔法の方だ。
俺は淡い光に包まれると、頭だけではなく、体のあちこちの痛みが引いていく。
「ありがとう、ユーリ。おかげで体が楽になったよ!」
「うん、それなら良かった!ママがなかなか起きないから、皆とっても心配していたんだよ?」
「……えっ?今夕方だから、数時間程度じゃないのか?」
俺はそう言って首を傾げ、周りを見渡す。
窓からの景色は、やっぱり夕方だね?
「あのなぁ……今は魔物討伐した日の夕方じゃないぞ?翌日の夕方だ。まあ、クリスマスパーティーには間に合ったな!」
そう言ってリッキーが俺の頭をグシャグシャと撫でた。
えっ!?丸一日以上も起きなかったの!?
それは心配かけたよね……。
俺は素直に、みんなに謝った。
「とりあえず今夜の、祝勝会という名のクリスマスパーティーには間に合ったから良いんじゃない?」
「ああ、今メイドに頼んで、父さんにシエルが起きたことを伝えに行かせたから大丈夫だと思う。もう準備はしてたあったみたいだしな。ところで、体調はホントにもう大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。」
「なら、よし!」
みんなの、俺を見る笑顔が嬉しい。
みんな揃っているし、街も無事で、被害も森だけで済んだ。
ホント、良かったなぁ。
それからしばらく皆と会話をしていると、ドアをノックされた。
どうやら祝勝会の準備ができたそうだ。
それからメイドさんの先導で、みんな揃ってパーティー会場へ向かう。
どうやら人数も人数だからなのか、大きな食堂の中央にテーブルを置き、そこに食べ物が盛り付けてある立食パーティー形式だった。
会場には皆の両親も呼ばれていて、皆それぞれ会話をしているので、すでに結構賑やかだった。
「おっ、主役たちのお出ましだぞ!」
「おい、こっち、こっち!」
「ほら、テーブルのそばへおいで!」
俺達は皆から待たれていたようだ。
慌ててテーブルに向かうと、リッキーのお父さんが皆に向って話し始めた。
「ゴホン!え~、今回はこの街出身の冒険者『スノーホワイト』達によって、街の滅亡という未曾有の大惨事を未然に防げた。本当にありがたいことだと、街の皆を代表して感謝をする。ありがとう、皆!」
ウォールさんがそう言うと、声を揃えて出席者から御礼の言葉を言われた。、
それを聞いて、皆はなんだかすごく照れていた。もちろん俺もそうだったけどね!。
「さあ、皆揃ったことだし、祝勝会を始めようか!今夜は皆、お腹いっぱいになるまで食べたり飲んだりして楽しんでくれ!じゃあ勝利を祝って……カンパ~イ!!」
ウォールさんの掛け声でみんなのグラスがカチンと鳴った。
俺も近くにいるメンバーとグラスを軽く当てる。
それからは皆、料理を食べ尽くす勢いで食べたり飲んだりしたよ!いや~、美味しかった♪
俺もしばらくは料理を食べる合間に出席者からお礼を言われたり、飲み物(未成年だからジュースね!)をつがれたりして、会話と料理を楽しんだ。
ある程度みんなお腹がいっぱいになってきた頃、リッキーからメンバーに話があった。
「じゃあそろそろクリスマスプレゼント交換といこうか!さぁ、みんな、クリスマスプレゼントを出してくれ!」
それを聞いて、みんな自分のマジックバッグからプレゼントを取り出す。
それぞれ2個ずつ持っているけど……それって俺とユーリの分なのかな?
「さて、じゃあまずは俺から!こっちがシエルで、こっちがユーリな!」
俺はリッキーから少し大きめの重い箱を受け取る。
ユーリのは小さめの軽い箱のようだ。
「じゃあ次は私ね!はい、これがシエル、こっちがユーリちゃんね!」
次はリリーさんから俺は紙袋を、ユーリも小さめの軽い箱を受け取った。
「次は俺だ。こっちがシエル、これがユーリだよ。」
スコットさんからは俺とユーリに大きめの箱を渡してきたが、俺のは重くて、ユーリのは軽そうだった。
「最後に私から。はい、どうぞ!2人とも同じものよ!」
最後はエミリーさんで、同じ大きさの軽い箱を渡された。
「ありがとう、みんな!俺からのプレゼントはもうユーリから受け取った……よね?」
俺は不安になって皆を見た。
「あぁ、俺たちにとっては『今』じゃないがな。きちんと『昨日』受け取ったよ。その時にこのプレゼントをユーリに持たせたんだ。」
リッキーが言うと、みんな頷いている。
そっか、受け取ってくれたんだね!
実は、俺はあらかじめ皆に巨大なクリスマスケーキと料理を作っておいて、ユーリに鞄に入っているからクリスマスイブにでも届けてくれって頼んでおいたんだよね!
「美味しく食べてくれたのかな?」
「あぁ、とても美味しかったぞ、ケーキも、料理も。」
「ええ、特にクリスマスケーキは美味しかったわ!あれってスポンジから自分で焼いたんでしょ?」
「良くわかったね、姉……リリーさん。」
あ、危ない。呼び間違えるところだった。
すると苦笑したリッキーがコソッと俺に耳打ちしてきた。
「あのケーキ、友梨佳が半分食べたんだぜ?食い過ぎだよな?」
「ひど~い!ばらしちゃったのね!?」
「ハハッ、今更だが、あの時はそう思って見てたんだぜ?よく食うなぁ?って。」
「もうっ!紫惠琉が作ったケーキ、嬉しかったし美味しかったんだもん!しょうがないと思わない?」
そう言ってリリーさんはスコットさんたちを見た。
2人はリリーさんに向って苦笑いをする。
……それにしても、思った以上に山田と姉さんは仲良くなったんだね?
今更だが、2人って夫婦だったんだもんなぁ~。
こっちでも夫婦になるのは決定済みなんだし、仲良いことは良いことだね!
その夜はみんなで夜遅くまで楽しく過ごし、プレゼントは明日に開くことにしたんだ。
姿形は今までと同じ『仲間』なんだけど……なんだか「『家族』と一緒に過ごしてる」って感じがして、これからの日々が楽しみになったよ。
昨日の夜、クリスマスプレゼントを急いで取りに行ったユーリの代わりに俺がシエルの部屋で休んでいると、父さんがやってきた。
「……シエルくんはまだ目覚めないのか?」
「ああ、まだ一度も目を開けてないな。でも多分明日には起きるんじゃないか?別に怪我とかしているわけじゃないしな。こいつの場合、魔力量が多すぎるんだよ。だから回復には時間がかかるんだって。そんな心配しなくても大丈夫だよ。」
「それなら良いが……。とりあえずシエルくんが目を覚ましたら盛大にお祝いをするから、そのつもりでいてくれ。」
父さんはシエルが目覚めないのを気にしているようだ。
とりあえず明日の予定を俺に話すと、父さんは部屋を出ていった。
こいつの場合ホントに魔力量が凄いらしいから、父さんにはああ言ったが、目覚めるのは最低でも夜になるんじゃないかな?
下手すると明後日目覚めるかも?
そんなこと考えていると、ユーリがあちらの世界から戻ってきた。
手ぶらで戻ってきたのかと思ったら、また鞄に頭を突っ込んでプレゼントを取り出し始めた。
……えっ、そんなにあったっけ???
「えっとね、皆からそれぞれママへのプレゼントを預かってきたんだ!……ママが起きたらすぐ渡す?」
「いや、父さんが明日の夜、今日の祝勝会をするからってさっき言いに来たんだ。だからその時にでもまた出してくれ。」
「はぁ~い。」
ユーリは取り出したプレゼントをまた1つずつ鞄にしまっていく。
当時の俺の記憶はもうはるか昔だから、プレゼントを何にしたかの記憶があやふやなんだよな。
まぁ、自分がユーリに持たせたものは覚えてないけど、ユーリに聞けば良いか。
とりあえずユーリも戻ってきたので俺は自分の部屋で休むことにした。
翌日の朝、シエルの部屋へ向かうとまだあいつは目覚めていなかった。
ユーリに聞いても、まだ一度も起きてないそうだ。
やっぱり夕方までかかるのかな……。
今夜の日本はクリスマスだから、ちょうど父さんがお祝いをするって言うし、クリスマスパーティーでもするか?って考えたんだけど……間に合うだろうか?
そんな事を思いながら階段を降りていく。
ユーリはシエルが目覚めた時のためにって、部屋で食べるそうだ。
ちょうど玄関ホールを横切る時、玄関を開けてスコット達が揃ってやってきた。
「みんな揃ってどうしたんだ?」
俺が3人に聞くと、みんな何となくニヤニヤしている……様な気がする。なんなんだ?
するとみんなは周りを見渡して誰もいないことを確認すると、リリーが俺に近づいてきた。
「リッキー、私達ね、今朝になって急に前世の記憶が戻ったの。」
「っ!!マジか!?えっ、今朝?3人揃って!?でも義兄さんと友梨佳はこっちには来てないぞ!?」
俺は焦ってそう言った。
それを聞いて皆は破顔する。
「やっぱり~!リッキーはとっくに覚醒してたのね!ひどいわ、内緒なんて!」
リリーが俺の胸に飛び込んでくる。
……おいおい、覚醒して態度が変わったな!?
リリーには今までこんな風にされたことないぞ?
俺は少し照れながらも、皆をシエルの部屋へと連れて行くのに今来た道を戻った。
「それで、紫惠琉は起きてるか?」
スコットが聞いてくる。
俺は首を横に振って「いや、まだ起きてない。」と伝える。
すると3人はかなり心配そうに、互いの顔を見合わせた。
「スコット達は朝食食べてきたのか?」
俺はあくまでこちらの名前で呼びかける。
すると皆も頷き返して「食べてきた」と言った。
多分あえて言わなくても、俺の言いたいことは分かってくれたのだろう。
他の目がある場所ではさすがに前の呼び名は駄目だからな。
……あ、俺、友梨佳からは「リッキー」って呼ばれてたわ。全然変わんねーな!
シエルの部屋に着くと、ドアをノックせずに中に入る。
中ではユーリがシエルのベッドの横に椅子を持ってきて、シエルの手を握りながら座っていた。
「早かったね、リッキー。もう食べて……あ、みんな来たんだね?話は聞いてるよ!」
ユーリは俺の後ろの3人を見て、戻ってきた理由に気づいたようだ。
ってか、誰から何の話を聞いたんだよ?
「ねぇユーリ、今日って日本でいうところの何月何日なの?」
「えっとね、地球でいうところの『12月25日』だよ!」
「そっか!クリスマスなのね!……ってことは、もしかしてプレゼントを昨日取りに行って、今持ってるの?」
リリーはユーリにそう聞いた。
おぉ~、リリーとユーリが普通の会話になってるぞ!
……ちょっとは仲良くなれそうか?
するとユーリはニコっと笑ってプレゼントを取りに鞄に頭を突っ込んだ。
そして昨日と同じく、結構山盛りのプレゼントを床に置く。
皆それぞれ自分のプレゼントが分かるのかな?と見ていると、リリーだけは自分のプレゼントがどれか分かっていたようだが、他の2人は覚えてないみたいだ。
「……もしかして、どれだかわからないの?」
ユーリから指摘されて、わからない組の俺たちは苦笑いだ。
「しょうがないなぁ……。えっと、悠騎さんはこれ、惠美さんはこれ、リッキーはこれだよ!」
ユーリはスコットに大きな箱を2つ、エミリーには中くらいの箱を2つ、俺にも少し大きな箱を1つと小さな箱を1つ渡してきた。
……こんなでかいのは多分シエル用だろうけど、何を贈ったんだ、俺?
とりあえず皆でそれぞれのマジックバッグにプレゼントをしまった。
それから俺は朝食食べに食堂へ、皆はそのままそこで話をしていることになった。
……さっさと行って、早く戻ってくるかな。
- - - - - - - -
う~ん……頭がガンガンする……。
まるで二日酔いのようだなと思いながら目を開ける。
どうやら俺は自分のベッドに寝かされているようだ。
「あっ!!ママが目を覚ました!ねぇ、皆!ママが目を覚ましたよ!」
「そうね!しーちゃん、お姉ちゃんよ!私、覚醒したの!」
直ぐ側で手を握っていたユーリとリリーさんがが大きな声を出した。
……あれ?今「しーちゃん」って言わなかったか?
それに覚醒した、とも言った……よな?
俺はまだぼやけている頭を振って、強制的に頭をシャキッとさせる。
その間にリッキーとスコットさん、エミリーさんが駆け寄ってきた。
「紫惠琉、リッキーだけじゃなく、俺たちも前世の記憶を取り戻したんだ。」
「そうよ、紫惠琉くん。私、惠美よ。スコットは悠騎。リリーは友梨佳さんなの。」
それを聞いて俺は思わずガバっと飛び起きてしまい、頭の痛さにうずくまった。
「大丈夫、しーちゃん!?今、回復魔法をかけ……」
「それは僕の仕事だよ!ママと親和性のある魔力は僕だけだもん!」
姉さん……いやリリーさんの言葉にかぶせ気味でユーリが主張してくる。
確かにユーリの方が親和性あるだろうな、俺の魔力で産まれたんだから。
ユーリは有無を言わせず回復魔法をかけてくる。
あ、水魔法ではなく、神聖魔法の方だ。
俺は淡い光に包まれると、頭だけではなく、体のあちこちの痛みが引いていく。
「ありがとう、ユーリ。おかげで体が楽になったよ!」
「うん、それなら良かった!ママがなかなか起きないから、皆とっても心配していたんだよ?」
「……えっ?今夕方だから、数時間程度じゃないのか?」
俺はそう言って首を傾げ、周りを見渡す。
窓からの景色は、やっぱり夕方だね?
「あのなぁ……今は魔物討伐した日の夕方じゃないぞ?翌日の夕方だ。まあ、クリスマスパーティーには間に合ったな!」
そう言ってリッキーが俺の頭をグシャグシャと撫でた。
えっ!?丸一日以上も起きなかったの!?
それは心配かけたよね……。
俺は素直に、みんなに謝った。
「とりあえず今夜の、祝勝会という名のクリスマスパーティーには間に合ったから良いんじゃない?」
「ああ、今メイドに頼んで、父さんにシエルが起きたことを伝えに行かせたから大丈夫だと思う。もう準備はしてたあったみたいだしな。ところで、体調はホントにもう大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。」
「なら、よし!」
みんなの、俺を見る笑顔が嬉しい。
みんな揃っているし、街も無事で、被害も森だけで済んだ。
ホント、良かったなぁ。
それからしばらく皆と会話をしていると、ドアをノックされた。
どうやら祝勝会の準備ができたそうだ。
それからメイドさんの先導で、みんな揃ってパーティー会場へ向かう。
どうやら人数も人数だからなのか、大きな食堂の中央にテーブルを置き、そこに食べ物が盛り付けてある立食パーティー形式だった。
会場には皆の両親も呼ばれていて、皆それぞれ会話をしているので、すでに結構賑やかだった。
「おっ、主役たちのお出ましだぞ!」
「おい、こっち、こっち!」
「ほら、テーブルのそばへおいで!」
俺達は皆から待たれていたようだ。
慌ててテーブルに向かうと、リッキーのお父さんが皆に向って話し始めた。
「ゴホン!え~、今回はこの街出身の冒険者『スノーホワイト』達によって、街の滅亡という未曾有の大惨事を未然に防げた。本当にありがたいことだと、街の皆を代表して感謝をする。ありがとう、皆!」
ウォールさんがそう言うと、声を揃えて出席者から御礼の言葉を言われた。、
それを聞いて、皆はなんだかすごく照れていた。もちろん俺もそうだったけどね!。
「さあ、皆揃ったことだし、祝勝会を始めようか!今夜は皆、お腹いっぱいになるまで食べたり飲んだりして楽しんでくれ!じゃあ勝利を祝って……カンパ~イ!!」
ウォールさんの掛け声でみんなのグラスがカチンと鳴った。
俺も近くにいるメンバーとグラスを軽く当てる。
それからは皆、料理を食べ尽くす勢いで食べたり飲んだりしたよ!いや~、美味しかった♪
俺もしばらくは料理を食べる合間に出席者からお礼を言われたり、飲み物(未成年だからジュースね!)をつがれたりして、会話と料理を楽しんだ。
ある程度みんなお腹がいっぱいになってきた頃、リッキーからメンバーに話があった。
「じゃあそろそろクリスマスプレゼント交換といこうか!さぁ、みんな、クリスマスプレゼントを出してくれ!」
それを聞いて、みんな自分のマジックバッグからプレゼントを取り出す。
それぞれ2個ずつ持っているけど……それって俺とユーリの分なのかな?
「さて、じゃあまずは俺から!こっちがシエルで、こっちがユーリな!」
俺はリッキーから少し大きめの重い箱を受け取る。
ユーリのは小さめの軽い箱のようだ。
「じゃあ次は私ね!はい、これがシエル、こっちがユーリちゃんね!」
次はリリーさんから俺は紙袋を、ユーリも小さめの軽い箱を受け取った。
「次は俺だ。こっちがシエル、これがユーリだよ。」
スコットさんからは俺とユーリに大きめの箱を渡してきたが、俺のは重くて、ユーリのは軽そうだった。
「最後に私から。はい、どうぞ!2人とも同じものよ!」
最後はエミリーさんで、同じ大きさの軽い箱を渡された。
「ありがとう、みんな!俺からのプレゼントはもうユーリから受け取った……よね?」
俺は不安になって皆を見た。
「あぁ、俺たちにとっては『今』じゃないがな。きちんと『昨日』受け取ったよ。その時にこのプレゼントをユーリに持たせたんだ。」
リッキーが言うと、みんな頷いている。
そっか、受け取ってくれたんだね!
実は、俺はあらかじめ皆に巨大なクリスマスケーキと料理を作っておいて、ユーリに鞄に入っているからクリスマスイブにでも届けてくれって頼んでおいたんだよね!
「美味しく食べてくれたのかな?」
「あぁ、とても美味しかったぞ、ケーキも、料理も。」
「ええ、特にクリスマスケーキは美味しかったわ!あれってスポンジから自分で焼いたんでしょ?」
「良くわかったね、姉……リリーさん。」
あ、危ない。呼び間違えるところだった。
すると苦笑したリッキーがコソッと俺に耳打ちしてきた。
「あのケーキ、友梨佳が半分食べたんだぜ?食い過ぎだよな?」
「ひど~い!ばらしちゃったのね!?」
「ハハッ、今更だが、あの時はそう思って見てたんだぜ?よく食うなぁ?って。」
「もうっ!紫惠琉が作ったケーキ、嬉しかったし美味しかったんだもん!しょうがないと思わない?」
そう言ってリリーさんはスコットさんたちを見た。
2人はリリーさんに向って苦笑いをする。
……それにしても、思った以上に山田と姉さんは仲良くなったんだね?
今更だが、2人って夫婦だったんだもんなぁ~。
こっちでも夫婦になるのは決定済みなんだし、仲良いことは良いことだね!
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