異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第4章 ネシア国〜

試合を見よう!

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ちょっと席に着くまでにゴタゴタがあったが、なんとか席を確保はできた。

他の4人はどうかとキョロキョロして確認すると、ちゃんと4人も席を確保できたようだった。

4人はだいぶ上の方で席を確保したようで問題はなさそうだったが、リッキーは俺と目が合うと苦笑いをした。

どうやら先ほどのいざこざを見られていたみたい。

口パクで「大変だったな」って言われちゃったよ。

それから俺たち4人は試合が始まるまでに時間があったので座席に何かしらの荷物を置き、闘技場の外にある屋台を見に行った。

屋台にはかなり香辛料を使った料理が多いのか、独特な香りが辺りに漂っている。

みんなで試合を見ながら食べようと他の4人の分も買うことにしたが、確か姉さんだけは辛いの苦手だったよな。よし、姉さんのは俺の手持ちのスープにしよう。

とりあえず端から順番に見ていくことにした。

ナンの中を切ったものにキャベツの千切りと一緒に巨大な肉の塊を薄く切り分けて入れた物や、牛肉を香辛料とココナッツミルクのようなもので煮込んでホロホロになったものをご飯の上に乗せた物、魚のすり身を団子状にしてピリ辛そうな色のスープに入れた物、野菜と一緒に牛すね肉をトロトロになるまで煮込んであるスープなど、他にもいろいろとあった。

俺はその中でもやはりご飯ものが食べたかったので、牛肉をホロホロにしたものをご飯に乗せたものと牛すね肉をスープを選んだ。

このスープなら姉さんも食べられるかな?

とりあえず他の4人の好みも考えつつ購入し、闘技場内に戻る。

リッキーたちに買ってきたものを手渡すと嬉しそうにしていた。

特に姉さんは辛いものが苦手だから、おにぎりと牛すね肉のスープを渡すと「私の苦手なものを覚えてくれていたのね!」と、とても喜ばれたよ!



それから俺たちも自分の席に戻って食べ始めると、試合が始まる前のアナウンスが流れた。

「今週の最終試合、優勝決定戦をご覧になられる方はもう少しで試合開始しますので、お早めにお席にお戻りください。」

するとアナウンスを聞いて、座る人が帰ってきて周りの空席のところが次々と埋まっていく。

埋まっていくと同時に、俺たちへの視線も増えていく。

やはりここでも「獣人以外」というのは目立つようだ。

……特に俺とユーリは銀髪だからなおさらなのかな?

「それでは皆様、本日最終試合、優勝決定戦を始めたいと思います!え~、まずは連続優勝記録5回目のチャンピオン、ヒューザさん入場!」

そうアナウンスが流れると、円形の舞台の出入り口で俺たちから向かって左側から、大柄だけど引き締まった身体の獣人が出てきた。

その獣人は豹柄の耳と尻尾のあるイケメンで、もしかしたら豹の獣人なのかもしれない。

俺がどんな人なんどろうとジッと見ていると、その人と目が合った。

するとその人は何故かニヤッと笑い、嬉しそうにした。

……なんだろう?

その人が闘技場の中央まで来ると立ち止まり、次のアナウンスが流れた。

「お次は挑戦者、クーガー!今回でその挑戦が4回目になるが、今度こそヒューザを倒して初優勝を飾れるか!?」

今度は向かって右側の出入り口から、これまた体格はチャンピョンと引けを取らないほどの獣人が出てきた。

その獣人は顔が人ではなく、多分だけどピューマなんじゃないかな?ネコ科なのは間違いない!

そのクーガーという人も舞台の中央に来ると立ち止まり、ヒューザと目線を絡めると互いの拳を打ち合わせ、何かを話しているようだ。

するとそのクーガーもこちらを見て、俺と目線を合わせるとニヤッと笑う。……だから、何なんだ?

よくわからないが、2人共、何故俺を見てニヤッと笑うんだろう?なんか理由があるのかな?

「それでは2人共出揃いましたので、これから試合を開始したいと思います!選手の2人は適度に距離を取り、合図があったら試合開始してください。」

そのアナウンス通りに2人は多少離れると構えた。

そして合図と同時に2人は接近する。

まずはお手並み拝見とばかりに軽い打ち鳴らしをしているが、動きはかなり速い。

まだまだ序盤の段階なのでどちらが優位だとかは分からないが、動きから見ればクーガーの方が手数は多い。

ある程度撃ち合いをすると、2人は一旦距離を取った。

一呼吸置いてから、今度はクーガーがヒューザへと迫る。

大振りの一撃をヒューザが片方の爪で受け、もう片方の爪をクーガーの脇腹へと振り下ろす。

クーガーはそれを地面を蹴って後ろに距離を置くことで避け、また肉薄していく。


しばらくそんな戦いをしていたのでこのままではなかなか決着がつきそうにない気がしたのだが、終わりはあっけなかった。

ヒューザが斬りつけてきたクーガーの剣を爪の間に挟み込み、力任せにへし折ったのだ。

これでは流石に試合続行とは行かず、優勝者はヒューザとなった。

なるほど確かになかなかの試合だったが、あの死にそうなほどの魔物討伐を経験していると、そんなでもないような気がしてくるから不思議だ。

あの時は討伐することに必死だったからな!

生死をかけての戦いと娯楽での戦い、そこにはやはり相当な違いがあるだろう。

その後、試合の後に優勝者と準優勝者に賞金の授与式があった。

金額までは分からないが、相当な客の数から考えてもかなりの金額なんじゃないか、とは思う。


優勝までは行かなくてもいいから、今の俺がどこまで行けるのかを知りたい気持ちがふと湧いたが、まぁ……今度に、ね!
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