異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第4章 ネシア国〜

大会1日目 4

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それから俺達はお昼を買いに外へ行く。

この闘技場の周りでやっている屋台で各自食べたいものを買う。

ちなみに俺とユーリはスパイシーな匂いのする串焼き肉と、透明なスープに白い半透明の平たい麺と野菜の乗っているフォーみたいな食べ物を購入した。

もし足らなければ肩かけ鞄からおにぎりでも出せば良いだろう。

長の4人はそれぞれ違うものを2、3種類購入して、後でシェアして食べるようだ。

それなら1人で10種類は食べ比べできるからね!

それにしてもやはりここは少し蒸し暑いから、少し酸っぱいものや辛いものが好まれているのか、そういう料理が多いみたいだ。

まぁ激辛やものすごく酸っぱいものはないから、初心者でも安心して食べられるけどね!

皆それぞれ購入し終わったので席へと戻る。

戻っている途中で大会のスタッフと会ったので、今の試合状況を聞いてみたところ、まだ5試合目が始まったばかりなんだそうだ。

俺は8試合目だから意外と時間がないみたい。

席に着くと急いで食べ、腹八分目より少し少なめにしておいた。
さすがにお腹いっぱいでは試合どころじゃないからね。

俺は食べ終わると、皆に控室に行くと告げた。

「大丈夫か、1人で?」

心配そうにスコットさんが聞いてくる。

過保護だなぁ、兄さん。

「大丈夫だよ、さっきリッキーと一緒に控室にいた時、クーガー以外の人はそんなに俺達のことは気にもしていなかった節があるからね。クーガーさえ控室に来なければ問題なんて起きないんじゃないかな?」

「それなら良いけど……何かあったらすぐに係の人に助けを求めるんだぞ?」

「ねぇスコット、ちょっと過保護すぎじゃない?シエルもああ言っているんだし、任せてみるのもありだと思うわよ?」

おぉ~、エミリーさんが兄さんを止めてくれたよ!

さすが前世の奥さんだ、扱い分かってるね!

「そうだよ、なんかあってもなんとかするから安心して?」

「……お前、昔から自分を分かってない所あるからなぁ。もっと男らしければこんな心配いらないんだろうけどな。まあそう言うなら、何かあったらホントに係の人に頼れよ?」

「うん、分かっているって!行ってきます!」

俺は皆にそう言って控室の方に向かった。



途中で朝連れてきてもらったスタッフが控室に他の選手を連れて行っていたので、控室まで一緒に向かう。

「最初の2番の方の試合、凄かったですね!16番の方も意外とお強いんですか?」

……意外とはないよ!と心の中では思ったが、口には出さないで苦笑いだけしておく。

「そうですねぇ……リッキーとは最近は戦ってみたことないですが、多分いい試合はできると思いますよ?」

「そうなんですね!?じゃあ試合楽しみにしていますね!」

軽く話をしているうちに控室に着いたので、係の人とは入り口で別れ、一緒に歩いていた選手と中に入った。

中に入ると3人の選手が椅子に座って話をしたり、1人で目を瞑って座っていたりしていた。

一緒に来た選手も1人で椅子に座り、目を瞑った。

なるほど、1人でいる場合にはああやっていれば話しかけられることなさそうだね!

俺も1番入り口から遠い場所に座り、2人に倣って目を瞑って腕を組んでみた。

そうやってすぐに一組が試合に行き、代わりに1人来た。

その人はなぜか目を瞑っている俺の隣の椅子に座り、俺は目を瞑っているのになんとなく視線を感じた。

どうもジロジロ見られているらしい。

暫くは耐えたんだが、あまりに長時間ジロジロ見られているので耐えきれなくなり、目を開ける。

「おっ、やっと目を開けた。」

そう言ったのは、すぐ横でこちらを見ていた選手。

ライオンの顔をした獣人で、かなり体格が良い。

その顔でこちらに鋭い目を向けてくるので、なんか肉食獣に狙われている気になってしまう。

「あのさぁ……率直に聞くが、お前神聖法国と何か関係あんの?」

彼は突然そんな事を聞いてきた。

俺は内心「やっぱりそう思われるか。」とがっかりしつつも、きちんと答える。誤解は解かないとね!

「関係ないですよ?こんな髪色だからどこ行ってもそう思われますが、全く違いますから。」

それを聞いて相手は鋭い目を和らげた。

「実は俺の従兄弟がつい最近この国に帰ってきてな。そいつがどうやら神聖法国に奴隷として捕まっていたらしくて。助けてくれた人の中に銀髪の子供がいたって言っていたから、そいつなのかと思ったが……違ったか?」

「ああ、それならその銀髪の子供は俺と弟ですね。ついこの前、この国に獣人の奴隷だった人を連れてきたんですよ。」

それを聞いて目の前の選手は驚いた顔をして俺を見た。
そして嬉しそうな顔で一つ頷くと、手を出してくる。

「そうか、それはありがとう。あのままでは一生をあの国で送らなければならなかったとあいつが言っていた。本当に助けてもらったことを感謝していたよ。あっ、俺はリオンと言う。よろしくな!」

「はい、こちらこそよろしく。俺はシエルと言います。」

俺はそう返しながら握手をした。
かなり大きな手をしているな!
俺とは大人と子どもの違いほどあるよ!

丁度いいのでちょっと聞きたいことがあるからと、その従兄弟がどこに住んでいるのか聞いてみた。

案外ホテルから近いところに住んでいたので、明日にでも行ってみようと心に決める。

するとちょうどまた一組が試合に向かった。

どうやら俺とリオンさんが残ったので、最終試合はこの組み合わせらしい。

お互いに目をパチクリさせて見つめ合うと、笑顔になった。

「どうやら俺たちが残ったってことは対戦相手ってことだな。」

「そうみたいですね。試合は正々堂々とやりましょう!俺が子供の見た目だからって手加減必要ないですよ?意外と冒険者として強いですから。」

するとリオンさんは一瞬驚いたが、次の瞬間好戦的な顔になった。

「……ほう?冒険者ランクは何だ?」

「こう見えてBランクです。」

「そうか!思ったより高ランクだな。」

「ええ、俺の仲間はホントはAランクでも通じる強さはありますが、国に目をつけられたくないのであえてBランクにしたままなんですよ。」

それを聞いてリオンさんは少し考え、第1試合を思い出したらしく、手をポンと打った。

「なるほど、あの第1試合の人族がそうか!えらい強いと思ったら、そういうことか!そりゃあ強いわ。……もしかして、お前も?」

「……多分そうかも?」

「じゃあ遠慮はいらないな!最初から本気でいかせてもらう。」

「ええ、そうしてください。……あ、ちなみに武器に魔力コーティングをするのはありですか?大切な頂き物の武器なので折りたくないんです。」

「それに関してはどういうルールになんのか分からないから、直接係に聞いてくれや。どうせ呼びに来るからな。」

「それもそうですね。行きに聞いてみます。」

それから俺達はしばらく彼の従兄弟が助け出されてから連れてくるまでの話をしたりしていた。

そして係の人が入室してきた。

「それでは本日の最終試合の選手お2人を迎えに来ました。私についてきてください。」

そう言って係の人は部屋を出る。

俺たちは顔を見合わせ頷くと、互いに拳を軽くぶつけ合う。

「さあ、行くか!」

「はい、お互い頑張りましょう!」


俺たちはそう言って部屋を出た。
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