183 / 529
第4章 ネシア国〜
ゴーダさん達とネシア国に行こうか!
しおりを挟むローランのギルマスの執務室に転移すると、中ではルーシェさんが書類とにらめっこしていた。
「おや、もう帰ってきたの?探し人は見つかった?」
「ええ、無事見つかりました。明日、もう1度迎えに行くことになっています。」
「なるほどねぇ~。ところで何で直接ネシアに戻らずにここに来たの?」
「実はこの街の門に向かって歩いている時に知り合いとばったり会いまして。ネシアに帰る時に迎えに来ることになったんです。」
俺がそう言うと、なぜかルーシェさんが悩みだした。
そして急に立ち上がると、何も言わずにドアを開けて出ていった。……なんだ?
しばらくするとルーシェさんはライクさんを伴って帰ってきた。
「本当は今日の仕事はもう終わっていて、明日の仕事をし始めていたんだよね。で、ライクに相談したら行ってもいいけど、1人では行かせないって言われてね。僕たちも連れて行ってもらえないかな?」
えっ、2人も試合を見るの?
2人にネシアに行って何をするのか聞いてみると、「そりゃあ残った2人の試合を観るためだよ!」って言われたよ。
マジか……無様な試合は見せらんないなぁ。
とりあえずそういうことなので、2人も一緒にゴーダさんの所へ向かう。
すると2人はゴーダさんの店に近づくと「あれ?もしかして……」なんて言い出した。
ゴーダさんの店の前に到着するとルーシェさんが「やっぱりここか!」と言った。
「ゴーダさんを知っているんですか?」
「ああ、僕もライクもゴーダさんには現役時代に大分お世話になったからね。ライクはまだお世話になっているのかな?」
「ああ、俺はまだ『現役』みたいなもんだからな。」
あ、そうだよね。
確かルーシェさんの故郷に向かった時に、ローランの街の冒険者ではきつい魔物をライクさんが引き受けて討伐しているって言ってたもんね!
そりゃあ武器は必要か!
俺達は店のドアを開けると、中に入ってゴーダさんを呼ぶ。
すると店の奥から「今行くぞ~!」と返答があった。
奥から来たゴーダさんは、いつもの分厚いエプロン姿ではなく、他の街の人みたいなラフな格好で出てきた。
「ん?何だ、ライクとルーシェも一緒なのか?」
俺たちと一緒にいる2人を見て、ゴーダさんが思わず呟いた。
「ええ、明日のシエルくん達の試合が面白そうだったので、私達も観戦しに行くことにしたんですよ。そういうゴーダさんはどこで皆さんと知り合ったんですか?」
「んぁ?ああ、俺は元々リキ坊達がガキの頃からの付き合いでな。俺の実家もスノービークなんだよ。で、嫁さんの両親の介護でこっちに引っ越してきたんだ。もう10年以上経つか?」
「なるほど、ちょうどその頃に俺達と知り合ったんですね。」
「そうだな。俺の方がルーシェより先にギルド職員になったけど、ゴーダさんと知り合ったのは同じだな。当時はまだ武器を扱う店をしていたんだが、急に武器じゃなくて金物を扱うようになって驚いたぞ?まぁ、俺達2人……の他に、スノーホワイトのメンバーも特別扱いなんだろ?」
ライクさんはそう言ってニヤリと笑い、ゴーダさんを見やった。
なるほど、2人はゴーダさんが引っ越してきてからの知り合いなんだね。
「まぁな。こいつらは俺にとっては特別だからなぁ。何があっても生き残ってもらいたい奴にしか俺は武器を売らねぇんだ。そう思える奴ってのは武器の扱いを知っているから、命を無駄に扱わない。それができない奴には武器は売らない。お前らもよく覚えておけよ?」
「ああ、もちろんだよ!この世界は『まだ』殺伐としているからね。」
そんな事をルーシェさんが言う。
……なんだかいろいろ考えさせられる話だね。
それから俺たちはゴーダさんの店の中でネシアの宿の部屋に向かって転移した。
さすがに何日も寝泊まりしている部屋だからもう覚えてるよ!
転移先はソファーのあるリビングにした。
7人くらいは余裕で立てるスペースがあるからそこにしたんだけど、考えてみれば前もって連絡できないからもし人が立っていたら危なかったねぇ。
俺たちが揃ってリビングに出ると、居残り組が目を丸くして俺たちを見ていた。
「……なんだか人が増えてないか?」
「そうよねぇ?私、見たことない人が2人いるんだけど?」
「うん、僕も同じく。ねぇルーシェ、その2人は知り合いなの?」
居残り組のドラゴンチームが首を傾げながらルーシェさんに聞く。
「ああ、この2人はスノーホワイトとの共通の友人だよ。」
「じゃあ目的の人には会えなかったの?」
ルーシェさんの返答を聞いて、アクアさんが俺に向かって聞いてきた。
「いえ、会えたんですが……実はラブさん、妊娠していまして。こちらの状況を話したところ、ネシアに行きたいと夫婦揃って言われました。かといって転移魔法だとお腹の赤ちゃんに影響があったらまずいし、グリーさんの背中に乗って来るにしても恐怖でお腹に影響があっては困るし……となり、明日の試合後までに考えてもらうことになったんです。」
俺の説明を聞いて、みんな納得したようだ。
「ルーシェさん、妊婦さんを転移魔法で移動した場合、お腹の子はどうなります?」
「う~ん……どうなるかなぁ?やったこと無いからなぁ……。かといって、ぶっつけ本番っていうのも怖いし、僕はグリーの背中に乗せるのが1番だと思うよ?」
やっぱりルーシェさんもどうなるのかわからないらしい。
そうなるとグリーさんの背中に乗せる一択かなぁ?
もしだったら短い時間だし、眠ってもらうのもありか?
「もう一つ聞いていいですか?眠らせる魔法って、あります?それはお腹の子には影響ありそうですか?」
俺の聞きたいことが分かったルーシェさんは少し考えたが、1つ頷くと答えてくれた。
「うん、あるよ。それに多分大丈夫だと思う。あれって本人の脳に影響与えるから、お腹にまで魔法はいかないはず。そっか、グリーの背中に眠らせて連れてくるんだね?乗ったら結界張るから、落ちること無いもんね。」
良かった、それなら安全に移動できそう。
明日会ったら、そう勧めてみるかな!
477
あなたにおすすめの小説
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
お人好し転生鍛冶師は異世界で幸せを掴みます! ものづくりチートでらくらく転生ライフ
かむら
ファンタジー
旧題:生鍛冶師は異世界で幸せを掴みます! 〜物作りチートで楽々異世界生活〜
剣持匠真は生来の不幸体質により、地球で命を落としてしまった。
その後、その不幸体質が神様によるミスだったことを告げられ、それの詫びも含めて匠真は異世界へと転生することとなった。
思ったよりも有能な能力ももらい、様々な人と出会い、匠真は今度こそ幸せになるために異世界での暮らしを始めるのであった。
☆ゆるゆると話が進んでいきます。
主人公サイドの登場人物が死んだりなどの大きなシリアス展開はないのでご安心を。
※感想などの応援はいつでもウェルカムです!
いいねやエール機能での応援もめちゃくちゃ助かります!
逆に否定的な意見などはわざわざ送ったりするのは控えてください。
誤字報告もなるべくやさしーく教えてくださると助かります!
#80くらいまでは執筆済みなので、その辺りまでは毎日投稿。
追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~
fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。
しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。
気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。
裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。
無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~
島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!!
神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!?
これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる