異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第4章 ネシア国〜

帰国しよう!

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大会が無事に終わり、今日はとうとうスノービークに帰る事になった。

まぁ、その前に王都に寄ってラブさん夫婦を降ろさないとね!

ルーシェさんとライクさんはもう昨日のうちにローランへと戻っており、今は居ない。

ゴーダさんは俺の転移があるから久々に帰郷して実家に行ってみたいらしく、俺達と一緒に行動することになっている。

そして今、そんな俺たちがいるのはネシア国の門の外だ。

- - - - - - - - - -

昨日、あれから闘技場の外に出ると、ヒューザが弟と一緒に試合を見ていたらしく、俺たちが出てくるのを待っていた。

「さっきの試合、凄かったな!もちろん試合自体も見応えあったんだが、その後のお前のプロポーズもものすごい出し物みたいになってたし。なんかお前達、すげぇ奴らだったんだなって改めて実感したよ!」

「ほら、だから言ったじゃないか、この人達って凄いんだよ!って。4属性竜様たちも人化して同行しているっていうのも伝えたのに、まったく信じてなかったじゃない。」

「悪ぃ、悪ぃ!それは信じてなくてごめんな!でも本当にドラゴンだなんて思ってなかったんだよ。実際、実物を見たことなかったし、存在自体を疑っていたんだ。」

どうやら弟くんはヒューザに色々と話していたようだけど、信じてもらえなかったようだ。

「でもまぁ……大会の全日程が終了したんだから、お前達ももう国へ帰るんだろう?」

ヒューザが少し寂しそうな顔で俺たちに聞いてくる。

そうだよね、特にスコットさんとは仲良くなっていたから、やっぱりもう会えなくなると思うと寂しく感じるよね。

「ああ、明日帰る予定だ。でもこいつが転移魔法を使えるから、例えばダンジョンに潜るときとかに誘いに来るかもな?」

スコットさんはニヤリと笑うと俺の頭を撫で回した。……もうっ!頭グシャグシャになるからやめてよ!

そんな俺たちを見て、寂しそうだったヒューザが途端にワクワクしたような顔になった。

「ダンジョンか!聞いたことはあるが、この周辺にはないから行ったことないんだよ!そりゃあ良い!楽しみに待っているな!」

「おう、楽しみにしていろよ。」

そう言って2人は互いの拳を打ちつけあった。

「そういえばクーガーなんだが……あいつ相当凹んでいるようで、部屋から出てこないってパニアさんが言っていたぞ?昨日、あれから何かあったのか?」

そういえば……と、ヒューザは思い出したように言った。

そっか……やっぱり長年の恋があんな終わり方すればショックだろうなぁ……。

「顔も見たくない!」って言われたし。

俺は昨日ヒューザと別れた後の話をしてやった。

すると彼ら兄弟は苦笑いをして顔を見合わせる。

「な~るほどなぁ。そりゃあ凹んで部屋から出てこないわ。でも何でそんなにラブに執着してんだろうなぁ?」

「う~ん……理由は分からないけど、少なくてもラブさんに『運命の番』が現れたってことは、クーガーの『運命の番』はラブさんじゃなかった、って事だもんね。」

「だよなぁ。っていうか『運命の番』、かぁ……。本当にいるんだな。」

「そうだね、パニアさんに聞いた時はピンと来なかったけど……クーガーがラブさんの『運命の番』に暴言吐いた途端に、あのラブさんが怒り狂うなんて。相当な心の繋がりなんだろうな。」

2人でそんなふうに言い合っている。

確かに2人は相当な繋がりがあるのが、本当にラブラブだ。

「そうそう、クーガーにとっては災難だったかもしれないが、ラブを連れてきてくれてありがとうな。ラブがパニア達と冒険者として国を出ていってからラブの両親や友人がとても寂しがっていたんだ。もしだったら今回みたいにたまにでいいから連れてきてやってくれないか?」

ヒューザは俺に向かってそう言った。

……おや?その口ぶりだと俺たちが連れてきたのは知ってる?

「その事って、誰から聞いたんですか?」

俺は気になって聞いてみると、どうやらラブさんの周りの人達が嬉しさのあまり友人たちに話しちゃっているんだそうな。

……じゃあ、何でクーガーは知らなかったんだろ?

とりあえずその後はヒューザ兄弟も加わって、ネシア国最後の夜を楽しんだよ!

- - - - - - - - - -

……とまぁ、そんな事があったなぁと回想している間に出国の手続きが完了した。

「これで本当にこの国ともさよならだな。」

「そうだな。なんだかんだ言っても、新しい友人もたくさんできたし、良い思い出ばかりだな。」

「そうね。私にとっては『2度目』の記念日もあったしね、スコット?」

「……んもうっ!私の前でいちゃつかないでよ!」

「……。」

この4人はどこへ行っても、本質は変わらないんだな……と改めて思ったよ。

……そういう俺は中身も子供に戻ってしまったけどね!

「おぉ~い!見送りに来たぞ!」

その声に皆で振り向く。

そこにはヒューザをはじめ、この国で出会った人達が見送りに来てくれていた。

「少しだが、お土産にこれを持っていけよ!」

そう言ってヒューザがなにかの包みをいくつか渡してくれた。

匂いからすると、どうやら闘技場の周りの屋台からいくつか買って持ってきてくれたみたい。

「ありがとうな。家に帰ったら、皆で分けるよ。」

「ああ。また食べたくなったらいつでも来いよ?」

「もちろん、ダンジョン行くときも、な!」

そう言ってスコットさんとヒューザは話しているし、他のメンバーも見送りに来た人と話している。

そんな仲間を見ていた俺に近づいて話しかけてきた人がいる。

ラブさんの両親だった。

「貴方ね、ラブを連れて帰ってきてくれたのは。どうもありがとう。あの子、この国を出てから一度も帰ってきてくれなくて、一緒に出ていったパニア達も帰ってこなかったから一体何をしているのか、無事に過ごしているのか全く分からなくて不安だったの。でも帰ってきたと思ったら『運命の番』も連れてきて、更に孫もお腹にいるなんて!なんて素晴らしいんでしょう!それを知ることができたのも、みんな貴方のおかげ。本当に、ありがとうね。」

ラブさんのお母さんはそう言うと、俺を抱きしめた。

俺は2人に「今はラブさんのお腹の子に影響があるといけないからと転移魔法を使っていないが、産まれたらラブさん一家を連れてきますね」と約束をし、離れる。

「みなさん、もうお別れのあいさつは良いんでっか?……ほな私の背中に乗ってや~。」

俺達が見送りの人達と挨拶を済ませると、グリーさんが頃合いを見て竜へと戻った。

今回は人が多いので、来た時よりも大きくなってもらう。

みんなしてグリーさんの背中に乗ると、俺はラブさんとフォードさんに睡眠魔法をかけるか聞いてみた。

すると、今回は起きて空の旅を楽しんでみると返答があった。

そうだよね、絶対落ちないって分かっているんだから、空の旅も楽しまなくちゃ!

みんなが乗り込んだのを確認すると、俺は強力な結界を張る。

あ、ちなみにレッカさん達3人も人型のままグリーさんの背中に乗っているよ!

「ほな行きましょか~。」

グリーさんはそう言うと、翼を一回羽ばたいた。

するとかなりの巨大なのにフワリと空中に浮き上がる。

更にもう一回羽ばたくと、一気に上空へとクレイン国に向かって斜めに急上昇していった。

「ではでは、みなさんお元気で~。」

グリーさんはそう言って一声咆えると、ものすごいスピードで移動し始めた。

俺たちはみんなが見えなくなるまで、後ろに向かって手を振った。



それからしばらくすると、クレイン国の王都が見えてくる。

それを見てラブさん夫婦とゴーダさんはかなり驚いたみたいだ。

「なんて速いんだ!こんなに速いと1日で世界中を旅できてしまうね!」

「そうね!でもとても眺めが良くて、世界ってこんなに綺麗で、広いんだっていうのをとても実感てきたわ。こんな体験、なかなか出来ないものね。ありがとう、シエルくん。」

2人はとても嬉しそうに俺に向かってお礼を言った。

そうしているうちにもう王都の直ぐ側まで来たので、グリーさんは森の中へと降りていく。

そして俺は背中かラブさん夫婦を降ろして、王都の屋敷まで護衛代わりについていく。

屋敷の門の前まで来ると俺は2人に別れの挨拶をして、みんなの待つ森へと走って向かった。

「早かったでんなぁ~?もうスノービークへ向かいまっか?」

「うん、向かおう!」

俺はグリーさんの身体に登りながらそう答える。

俺が背中に乗って再度強力な結界を張ると、グリーさんはスノービークへと飛び立った。
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