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第5章 再度、スノービーク〜
早速、作ろう!
しおりを挟むそれから俺はその場でルーシェさんにお礼を言って、リッキーの家にある俺の部屋に転移した。
周りを見渡すと、まだユーリたちは帰ってきていないようだ。
ならば帰って来る前にさっき作ったウサギに魔法を込めて、帰ってきたらプレゼントしよう!
俺はベッドに座るとウサギ型の石を取り出し、眺めてみる。
ユーリに必要な魔法は……と考えると、案外万能だから必要な魔法が思いつかない。
でもあれだよね、危険が迫ったら勝手に身を守る機能の防具はもう持っているし、何が良いかな?
やっぱりここは石と相性の良い回復魔法を入れるか?
ユーリはまだ小さいから自分で治すのに時間かかりそうだしね~。
……魔法はイメージだってよくルーシェさんが言っていたし、試してみるか!
俺は手に持っていた石を両手で包み込み、まずは入れたい魔法をイメージする。
心の中で「ユーリがケガをしたら自動で回復する」イメージをしっかりとし、魔力を流す。
……これで上手く入れられただろうか?
試してみたいけど、本人に試すのはなぁ……。
これならさっき、ルーシェさんの前で魔法を入れるところまでやれば良かった。
しょうがないのでもう一度ルーシェさんの所に向かう。
「今度はどうしたんだい?」
ルーシェさんは机で書類仕事をしていたらしく、顔を上げて目を丸くした。
「すみません、これにちゃんと魔法が入っているのかの確認をしてもらいたくって。実は自動で回復魔法がかかるようにイメージして作ったんですけど、自分では上手く出来たのかの確認が出来なくて。」
「なるほど、確かにそれは人の目じゃ難しいよね。良いよ、確認しよう。こっち持ってきて?」
ルーシェさんはそう言うと手を差し出した。
俺はさっき魔法を入れたウサギをその手のひらに乗せる。
「そっか、それに入れたんだね。そうだよね、ユーリくんはまだ小さいから自動で発動するタイプのほうが安心だよね。どれどれ……うん、この回復魔法はかなり強めのものが入っているね。あとはこれが自動かどうかだけど……じゃあ、どうしようかな?ケガしないと発動しないもんね。じゃあちょっと斬りかかってみてよ。」
ルーシェさんは笑いながらそう言った。
発動しなくても治せるから笑っているんだろうけど、知り合いには斬りかかりづらいな!
とりあえずその場は危険なので、少しスペースがある場所に移動して剣を取り出す。
そしてルーシェさんに斬りかかってみる。
勿論、深手にならないように気をつけてゆっくりと、だよ!
すると剣がルーシェさんに薄っすらと傷をつけると、急にウサギが光りだし、ルーシェさんの傷がみるみる治っていく。おぉ~、上手くいったね!
「うん、きちんと成功したようだね。この魔法なら多分もっと深手でも治せるかもよ?相当強力な回復魔法だよね、これ。」
ルーシェさんはウサギをツンツンしながらそう言った。
「……この回復魔法、かなり優秀だねぇ。自分で怪我をしたのか判断するなんて。普通は所持者が石の中の魔法を使うまで作動しないもんなんだけど。」
……なるほど、普通はそうなんだね?
1つ、魔法について勉強にになったよ!
それから改めて俺はルーシェさんにお礼を良い、また部屋へと戻った。ホント、転移魔法って便利だね!
さて、これでユーリの分は完成した。
他の人の分も作らなきゃね!
俺はとりあえずベッドの上に小山分くらいの石を取り出す。
これだけあるんだし、少し贅沢に使ってみようかな?
1人につき片手で握れるほどの量を人数分分けてみる。
とりあえずスノーホワイトのメンバー全員とゴーダさん夫婦、ネシアで知り合った人達、ラブさん夫婦と産まれてくる子供の分だ。
……ネシアは知り合い多いから、避難民からは特に知っている人だけにしようか。
それから俺はそれぞれグループごとに違う形の物にする。
ゴーダさん夫婦とスノーホワイトはネックレスタイプに、ネシアで知り合った人はブレスレットタイプにした。
ラブさん一家は何にするかな……やっぱりネックレスタイプか?
もちろん同じネックレスタイプでも形は変えるよ、渡す人が分かるようにね!
どんな物にするか決めると、一つ一つ魔力を込めて捏ねて成形する。
ゴーダさん夫婦にはオーバル型、ラブさん一家にはひし形、スノーホワイトはちょっと特殊で『沖家の家紋』にしてみた。
ネシアの知人のブレスレットは伸び縮みするほうが良いかな?
大きすぎると手から抜けちゃうもんね。
……やっぱりまたもやルーシェさんのところか?ごめん、ルーシェさん!
3度目に転移した時、ルーシェさんは苦笑いをした。
「……この場で作るかい?」
俺は謝りつつ、それならば……と一度部屋に戻り、材料を持ってくる。
材料をソファーのあるローテーブルに1人分ずつ小分けにして置き、それからルーシェさんに聞いた。
「実はブレスレットを作ろうと思ったんですけど、伸び縮みする様に作るにはどうしたら良いんですか?」
「そっか、ブレスレットならそれは必要だよね。まずは捏ねる時に魔力を込めるだろう?その時点で伸び縮みするようにイメージしながら魔力を込めるんだ。その時点での魔力は魔法を入れるのとは区別されるから、安心してね。さあ、やってごらん?」
なるほど捏ねる時に流す魔力に、変化するイメージを付与するんだね!
俺は言われた通りにやってみる。
さすがにもう11個も作っていたので、捏ねる時に流す魔力の加減はバッチリだ。
それを伸び縮みのイメージをしながら魔力を流す。
ブレスレットは大きめの物にし、大きな手でも入れられるように作る。
ネシアは数があるから簡単に平たい輪っかにした。
少し平たいのだけだとつまらないので、小さなナイフを取り出して剣先のみを魔力コーティングして模様を描いてみた。
あまり奇抜だと嫌がられると悪いから、葉っぱの模様にしてみる。うん、我ながら上手く描けたね!
「じゃあこれが上手く伸び縮みするか1つずつ試してみようか?」
俺たちは手分けして一つ一つ手を入れてみる。
するとあんなに大きかったブレスレットが俺とルーシェさんの腕の太さへと縮まった。……おぉ、成功したね!
「みんなちゃんと出来たようだね。もうすっかり立派な魔道具職人って感じだね。」
ルーシェさんはそう言って俺の頭を撫でた。
そっか、もう魔道具職人って言えるくらいまで作れるようになったんだね!
俺は「何度も仕事のお邪魔してごめんなさい」と謝って、部屋へと戻った。
帰ってきてから、それぞれのブレスレットやネックレスに自動で発動する回復魔法を入れていく。
その中でもスノーホワイトメンバー用のは瀕死でも治るようにイメージしながら魔法を入れた。
全部終わるとかなりの魔力を使ったせいで相当疲れてしまい、そのままプレゼントを出しっぱなしでベッドに仰向けに寝転がった。
そしてそのまま、またもや夢の国へと旅立ってしまった。
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