異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第5章 再度、スノービーク〜

お腹空いたよぉ!

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ぐっすり眠っていた俺を、誰かが激しく揺さぶって起こした。

……もっと優しく起こしてくれないだろうか?めまい起こしそうだよ!

目を開けると、窓から夕日が見えている。

今日は朝食を食べたきり、ずっとアクセサリー制作を頑張っていたから昼食を食べ損なってしまったので、めちゃくちゃお腹が空いている。

「おう、やっと起きたか。けっこう深く眠っていたんだな。うたた寝でもしていたのかと思って軽く揺さぶったんだが、なかなか起きないからかなり激しく揺さぶったよ。」

そんな事をリッキーが笑いながら言った。

「いや、笑い事じゃないって、空腹でめまいしたのに激しく揺さぶられたから、ちょっと気持ち悪い……。」

「おい、大丈夫か?っていうか、昼に呼びに行ったらいなかったから、てっきり出先で食べているのかと思ったよ。その感じだと、もしかして食べなかったのか?」

「ああ、これを作っていてな。すっかり食べ損なっちゃったよ。」

俺はそう言って、俺の横に散らばっているアクセサリーを見た。

「ん?なんだ、それ?」

「これはこの前ネシアで振ってきた石をルーシェさんに教わりながら加工したものだよ。まぁ……『生き残るためのお守り』みたいなものかな?」

「なんだって?かなり物騒な話だな。一体どんな効果だよ?」

俺の返答を聞いて目を丸くして驚く。

「これは自動で回復魔法をかけてくれる魔道具だ。元々この石には魔物避けの性能があるんだけど、それを加工して魔法を入れたんだ。」

「……ふぅ~ん、これがそんな魔道具ねぇ。」

するとリッキーはその中の1つをつまみ上げ、室内の光にかざして眺めた。

「綺麗なアクセサリーにしか見えないな。穴が空いてるってことは、そこにチェーンや紐を通すんだろ?……こっちはでかいが、もしかして?」

そう言ってブレスレットに手を通す。

するとブレスレットはスルスルと縮み、リッキーの手首に収まった。

「やっぱりか。っていうか、この数を朝からで作ったのか?相当集中して作ったんだろうけど、魔力切れ起こしてないか?」

リッキーはそう言うと、心配そうに俺の前髪をかき上げて顔を覗いてくる。

俺は「さっき少し寝たから大丈夫だとは思う。」と告げ、一緒に部屋を出る。


「ところで他の2人はどこに行ったんだ?」

「う~ん、多分グリーさん達のところじゃないかな?ちょっと用事があるとかで、2人で出かけちゃったんだけど。」

「なるほどねぇ。出がけに『離れたくない!』って泣いて抱きつかなくなったのは、少し大人に成長した証か?どうだ?子供に親離れをされ始めた気分は?」

リッキーはそう言うとニヤニヤとして俺を見る。

……なんだよぉ、まだユーリは親離れの時期じゃないはずだ!……多分。

俺がすっかり拗ねてしまうと、リッキーは苦笑いをして俺の頭を撫でてきた。

「まぁ、それを見守るのも親の役目だ。子供の成長なんてめちゃくちゃ早いぞ~?あっという間に大人になっちまう。」

リッキーはそう言って遠い目をする。

そっか、山田は姉さんとの間に子供がいたんだね?

かなり実感が籠もってるもんな。

俺はみんなの前世については全く聞いていないし、聞く気もなかった。

前世は前世として記憶と経験だけ覚えておき、それを今世で生かせればいいと思っている。

せっかく新しい人生を送るんだから、前世と同じ道を歩まなくてもいいんじゃないかと考えていた。

だがこの前の兄さんのプロポーズで『本人がそれを望んでいるなら、同じ事をしてもいいのではないか』と思い始めている。

それに今世でも姉さんと山田は結婚が決まっているしね。


俺がみんなはどんな人生を送るんだろうと考えていると、急に話しかけられた。

「……そこまで重く考えなくて良いんじゃないか?俺達はどこであろうと『俺達』だし、あいつらなんか前世を思い出した途端に長年連れ添っている夫婦みたいな雰囲気を醸し出してるし。それが俺たちで、自然な流れだよ。変わらないのはそこだけで、あとは今の人生を楽しんでいるから気にするなよ?」

そっか、そうなんだね。
楽しんでいるなら良いんだ。

俺は胸にモヤモヤと感じていたものが少し晴れたような気がした。


それから俺たちは揃って食堂に行き、夕食を食べる。

その時にミストさん達に王都への行き方を聞いた。

俺が王都への転移を覚えたからだ。

ミストさん達はそれを聞いて少し悩んだあとに「どちらか楽か?」と聞かれ、俺は転移のほうが楽だと思うとは伝えた。

すると「ならば転移で行く」と返答があったが、やはり初めての魔法だから不安でいっぱいみたい。

それならばと何回か試しに転移を体験してみようという話になった。

「ミストさん達はどこに行ってみたいですか?」

俺のその質問に2人は悩みだす。

2人はこの街から出たことがないからだ。

「ならば君が行ける所に連れて行ってやればどうかな?もちろん、その時は保護者として私も行くよ?」

「わかりました、じゃあこの冬の間に行きますか?」

俺はそう言って皆を見渡す。

行くことになっている3人は頷いて返したが、シェリーさんは自分も行けないのが不満らしくて、珍しくそれを顔に出している。

「母さんはダメだよ、家でしっかりと守ってなきゃ。」

リッキーはそう言って苦笑いをする。

守る『何か』はあえて言わなかったようだ。

まだウォールさんが2人に言ってない可能性があるからね。

シェリーさんはそれを聞いて少し残念がったが、納得はしたようだ。

とりあえず明日はアクセサリーに通す紐やチェーンを買いに行くから、明後日以降で都合のいい日を後で教えてもらうことで話はついた。


結局、今夜はユーリたちは帰ってこないようで、久々に俺は1人で寂しく寝たけど、なかなか寝付けなくて困ったよ。

……早く帰ってこないかなぁ。
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