異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第5章 再度、スノービーク〜

上手く作れるかな?

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俺はユーリたちのいる山の上の広場から、とりあえず自分の部屋へと転移する。

さて……まだ夕飯まで時間あるから少しチャレンジしてみようかなぁ?

とりあえず皆から貰った鱗をテーブルの上に出してみる。……全部乗らないな。

竜の鱗は俺の想像とは違って不透明な硬いものではなく、透明な色付きの柔らかいプラスチックのような感じだ。

ただ、厚みが1.5センチほどもあってかなり分厚い。

よくそんな厚みがあるのに曲げることができるなと思うよ。


さて、革紐店で見せてもらったドラゴンの鱗でできた紐はこれをルーシェさんが加工したということだから、まずは魔力を流してどう変化するのか試してみようかな。

俺はとりあえずグリーさんの鱗を持つと、アクセサリーを作ったときと同じ様に魔力を流す。

案外魔力はスルスルと入ってはいくんだけど、いくら流しても手応えが感じられず、暫くは揉みながら相当な魔力を流してみた。

するとしばらくするとあの石のように少しずつだが粘土みたいに柔らかくなってきた。

柔らかくなってきたところで端っこを今使う分だけちぎり取る。

俺は透明な粘土を捏ねるみたいに、慎重に魔力を流しながら適度な柔らかさになるまで捏ねた。

これをアクセサリーに通る太さの紐へと加工し、実際にアクセサリーに通して紐を繋げてしまう。

これなら結ばなくても良いから、結び目が外れて無くすってことなくて良いよね!


……と思ったんだけど、このままでは簡単にちぎれるから最後の仕上げはどうしたらいいんだろう?

とりあえずルーシェさんのところに行く前に他のも仕上げていく。

一つ一つにかなり時間がかかったから、3つ目を作り始めたところでリッキーが夕飯に行こうと声をかけてきた。

「……それ、なんだ?」

「ん?どれ?」

「そのテーブルに所狭しと並んでいる色付きの透明な板だよ。」

「ああ、これか。これはグリーさん達の鱗とユーリの鱗だよ。」

俺がなんでもないかのようにしれっと伝えると、リッキーは相当驚いた顔をした。

「マジか!へぇ~、竜の鱗ってこんななんだ!間近で見たことないから分からなかったな。……光にかざすとなんかキラキラしてラメっぽいのな。」

リッキーはユーリの鱗を手にとって光にかざすと、そう言った。

確かにユーリのだけキラキラのラメっぽい。

大きいラメじゃなくて、すごく細かいラメ……って感じか?

多分それが集まるとキラキラと陽の光を反射して、神々しい白い竜の姿になるんだろう。


まだ3つ目は取りかかり始めたばかりだから、とりあえず俺は今の作業を中断して先に夕飯を食べてくることにした。

一緒に並んで歩いていると、リッキーがどうしても気になったのか、あのアクセサリーについて聞いてきた。

「なあ、2つほど完成品らしきものがあったけど、あれってもう完成なのか?」

「いや、実はあのままだと簡単に紐状のものは切れてしまうんだよ。多分あの後に何か工程があって完成なんだろうけど……とにかく全員分のを作り上げてからルーシェさんのところに持っていって教えてもらおうかなって思っているよ。」

「全員分ってことは、あれは俺達の分か?」

「そう、あれは俺たちのだよ!だって気づいたでしょ?」

「……あの模様のことか?」

「そう!あれはある意味、俺たちの『絆』だと思わない?」

俺がそう言ってラッキーに笑いかけると、リッキーは苦笑いした。

「確かにそうだと思うが、『あれ』に俺は関係あるのか?」

「そりゃあるよ、姉さんと結婚したんだから。親戚なら加えてもありだと思うんだけど?違うの?」

俺は暗に『お前も俺の家族じゃないのか?』と匂わせる。

リッキーは頭を掻きながら「そういう事なら、まぁ……良いか。」と言ってくれた。



それからお昼を食べた俺たちは一緒に部屋に戻ってきた。

どうやらリッキーも作るところを見てみたかったらしい。

まだ作る予定だと分かると、すかさず「見たい!」と言ってきたのだ。

「まずは何をするんだ?」

「まずはね、鱗に魔力を流して柔らかくするんだ。鱗全体に流すとめちゃくちゃ魔力取られるから、ほんの一部だけに流して揉んでみて?柔らかくなってちぎれそうになったらゴルフボールくらいの大きさだけちぎってね。」

俺がそうレクチャーすると、リッキーは驚いて声を上げる。

「えっ、これちぎれるのか!?こんな硬いのに!?」

「そう、魔力を流し続けるとかなり柔らかくなってくるんだよ。」

俺がそう言うと、リッキーは自分もやってみようと試しだした。

「うぉっ!?なんだ、これ!めちゃくちゃ魔力持ってかれるぞ!?こりゃ、やべぇわ。俺はやるのやめとこう!」

「まだ数分だぞ?少しすつ流せば体に負担ないと思うんだけど?」

「いや、俺はお前と違って魔力が馬鹿みたいにあるわけじゃねぇよ?無理だって!」

ほんの数分しか魔力流していないのに、リッキーはもうそんな風にリタイヤした。

そっかなぁ、少しずつなら回復していく量も含めてとんとんだと思うんだけど?


とりあえず俺はそんなリッキーに見守られながら作業を開始する。

やっぱり1人で黙々とやるのと、黙って見守られていても誰かいるのとでは違うね。なんかホッとする。

しばらくすると鱗の一部をちぎれるくらいに柔らかくなってきたので、リッキーにも触らせてやった。

すると柔らかくなっていたことに凄くびっくりしていたので、その場所をちぎってリッキーに渡してアクセサリーに通るほどの紐状にしてもらう。

リッキーに作ってもらうのは姉さん……リリーさんの分だ。

俺がそう告げると、急に真面目な顔して真剣に作り出した。

理由を聞いてみると、「あいつは適当な物を渡すとめちゃくちゃ怒るんだよ。」と返された。……確かに。

まぁ姉さんの分はリッキーに任せて、俺はあと2つに取りかかる。

これまた暫く魔力を流して柔らかくなったらちぎり、よく捏ねて魔力が均等に行き渡るようにした。


そして俺がみんな作り終わる頃、リッキーも完成したようで、満足そうな顔をしている。

「結構時間かかったね?」

「まぁな。結構神経質だろ、あいつ。だから相当気を使って作ったら時間かかったんだよ。」

リッキーは苦笑いしてそう言う。……相当、大変だったんだね?

とりあえず全部できた頃にはもう夕飯の時間で、この後ルーシェさんのところに行くと夕飯に間に合わない可能性があるから仕上げは明日に回した。

まだまだ外では雪が降っている。

もうしばらくは雪はやまないだろうし、王都への出発もまだまだ先だ。

日本ではこんなに雪に降られたことなんてなかったから、すごい驚きだよ。

とりあえずアクセサリーができたらみんなに持っていってやろうと思っているけど、雪で持っていけない……なんて無いよね?

俺は夕食までの間、窓から外を眺めて思わずそんな事を思った。
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