異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第5章 再度、スノービーク〜

世界樹に会いに行こう

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世界樹がこの世界にあることをライトさんに教えてもらい、世界樹が幻惑魔法を使って傍に害ある者を寄せつけないということは分かった。

だけど、どうやって幻惑魔法を強めるんだ?

『世界樹にも意思がある』ってことだけど……まさか?

「さっき世界樹にも意思があるって言ってましたけど、それと幻惑魔法ぬこらへを強めるのって関係あります?」

俺はちょっと聞きづらそうにライトさんに話しかけた。

なんか企業秘密みたいなものなんじゃないか、と思ったんだよね。

そんな俺を見てライトさんは笑いながら俺の頭を撫でた。

「そんな気にしなくて良いよ。世界樹のことを話した時点で君のことは信用しているんだから。それにユーリ様のパートナーであるシエルくんはある意味、世界樹の主みたいなものなんだよ。」

……えっ?世界樹の主?どういうこと?

ひふ瑠菜

俺がよく分かってないことに気づいたライトさんは苦笑いをする。

「ユーリ様はいわば『創造神の分身』なんだ。そのパートナーってことは、その存在と対等な存在、ってことなわけ。そこまで分かった?」

ライトさんの言葉に俺は頷く。

「世界樹はこの世界を見守る存在で、神がこの世にもたらした『最後の奇跡』でもある。さっき世界樹の葉や雫は薬の材料になるって言ったろ?その薬は万病に効くんだ。人では治せないような病も、その薬を1回飲むことによって完治するほどだ。だから世界樹は別名『神の大樹』と言われる。」

なるほど、それは凄いね!

それなら確かに葉や雫を取りに人が殺到するよね。

「本来その葉や雫は世界樹が自分の意志で渡さないと効果は出ないんだが、それを知らない奴らが大昔にいっぱい殺到して葉を次々と取っていったそうだ。そのせいで昔は誰でも見ることの出来た世界樹が、幻惑魔法を使って自分に害のある者をそばに寄せ付けなくしたんだ。」

やっぱりそうなるよね……。

「で、シエルくんの先ほどの質問に対する答えだけど……世界樹とは会話ができるからね。世界樹に今の状況を話して、協力を頼もうと思うんだ。まぁ、状況が落ち着いてきたらまた今と同じくらいに幻惑魔法の威力を落としても良いとは思うがな。まぁ、なにはともあれ、話しに行かないことには始まらない。シエルも一緒に行ってみるか?」

えっ、行っていいの!?

行っていいなら、遠慮なくついてくよ?

俺がそう言うと、ライトさんは笑って「その代わり、ラーシェさんの家の前まで転移してな?」と言われた。

それくらいでいいなら、こっちは全然OKだよ!


話がまとまったので、ライトさんとマッシさんには俺にしっかりとつかまってもらう。

それからラーシェさんの家の前に転移した。


家の前から裏庭に回ろうと歩いていると、突然辺りが光だした。どうやらラーシェさんが転移してきたようだ。

「みんな揃ってどこへ行くのじゃ?」

「この前からこの里に周辺に高ランクの魔物が出るようになっていたんで、世界樹のところへ行って幻惑魔法を使っ強めてもらえないか打診しようかと思うんです。」

ラーシェさんの質問にライトさんが答えると、「ならばわしもついていくかな。」と言って俺の横に並んだ。

4人で広くて何もない裏庭を横切り、森の方へと一直線に進む。

森の中に入ると、なんだか急に清々しい空気になったような気がした。

ここが世界樹のある森なんだな。


それから森の中を少し進むと、何もない円形の広場に着いた。

「さて、シエルくんには世界樹が見えないだろうから、少し待ってな?魔法かけてやるから目を開けるなよ?」

ライトさんはそう言うと、俺の目の前に立って目を塞いでくる。

そして呪文を唱えると、俺の目の付近がほんのり温かくなった。

「もう目を開けて良いぞ?」

俺が目を開けると、目の前にはものすごく太い幹を持った4属性竜の長達のいる山程の高かさの樹が聳え立っていた。

あまりにも背が高いので、見上げる首が痛くなってきた。

「す……すごいですね!なんてでかいんだ……。」

俺が思わずそう呟くと、ライトさんは鼻高々とでも言いそうな顔で俺を見てきた。

「そうだろう~?俺たち隠れ里のエルフの自慢なんだぜ?」

「……まぁ、この姿を見られるのはこの里のエルフのみだから、自慢も何もない気がするがの?」

「良いじゃないですか、ラーシェさん!自分の中では、ってことですよ!なぁマッシ、お前もそう思うだろ?」

ライトさんがマッシさんにも同意を求めたが、マッシさんは何も言わずに肩を竦めただけだった。……どっちだ?

その時、急に頭の中に聞いたことのない声が響いた。

その声は、男性のような……それでいて女性のような声だった。

『エルフの子らよ。今日はどうしたのだ?』

どうやらその声はみんなの頭にも聞こえていたらしく、揃って世界樹を見ていた。どうやらこの声が、世界樹の声らしい。

「実はほんの最近になって、急に竜の棲む山の方から高ランクの魔物が里の方へとやってくるようになったんです。今までであれば世界樹の幻惑魔法のおかげで里までこれなかったのですが、山の上の方にいる魔物はさすがに今の幻惑魔法では効かないようで……。もっと強い魔法をかけられないものでしょうか?」

ライトさんが世界樹に向かってそう願い出た。

すると、またもや頭の中に声が直接響く。

『なるほど、山の方には新しい神竜が引き継ぎのためにいるのですね?それでは魔物が住処を離れて里の方へとおりてくるわけですね。良いでしょう、この調子であればあと数日はかかりそうなので、しばらくの間は今よりも強い幻惑魔法をかけましょう。その代わり、あなたたちエルフも気をつけるのですよ?見回りや狩りのために里の外へ出てしまうと、下手をすると里へ帰ってくることができなくなりますから。』

「それはまずいですなぁ。数日なので見回りはしなければ良しとしても、食料に関しては死活問題になるでしょうな。」

そっか、幻惑魔法が強くなればそれに対抗できる能力がなければエルフの中にも外出できない者がでてくるのか。

でも食べ物に関しては、保存食や時間停止のマジックバッグがなければたとえ数日間であってもきついはずだ。

それは大変だな……。

俺に何か手助けできることはないだろうか?
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