異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第5章 再度、スノービーク〜

さあ、狩りにいこうか

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世界樹の葉や雫から作られる薬のことに思いを馳せながら門の外へと歩いていくと、急にライトさんが焦った声で俺に声をかける。

「おいっ!本当にお前は大丈夫なのか?今の状態は何とも無いのか?」

ん?どういう事?

俺がライトさんの言葉に戸惑っていると、今までずっと黙ってついてきていたマッシさんが「……幻惑魔法の影響。」とボソリと呟いた。

……ちゃんと聞いてはいたのね?

「大丈夫ですよ、全くいつも通りなんで、逆に何かあったのかとびっくりしてしまいました。そうですよね、さっき強めたって言ってましたもんね。……っていうか、ライトさん達は何か影響受けているんですか?」

俺は本当に全くおかしな感じもなく、いつもと変わらなかったから気づかなかったけど、入り口の門の外は一歩出ると全く違うんだろうか?

俺がライトさん達に聞いてみると、ライトさんは「少し頭が痛いくらいかな。目眩まではいかない。」と答え、マッシさんは「……俺は無理だ。」とだけ答えた。

なるほど、外での戦いにマッシさんは参加できないくらい影響を受けているんだね?



なので門番の仕事はマッシさんに任せ、俺とライトさんは門の外で狩りをすることに。

まずは俺が索敵魔法をかけて近くに魔物がいるか確認をする。

すると案外近いところに何頭もの魔物が数組いることに気がついた。

その魔物集団の1つは動き回るでもなく、その場で動かないようにしている。

それをライトさんに告げると、「たぶん幻惑魔法が強まったことで『何かおかしい』と感じたんだろう。」との事だった。

確かに人も「何かおかしいと思ったら立ち止まってその場を動くな」って言われていたもんね。

それを本能でやる魔物って、相当頭が良い可能性があるよね。

逆に動き回っている魔物はその場を円を描くようにぐるぐる回っているものや、里から遠ざかって山の麓の方へと向かうものがいる。

麓の方はスノービークがあるから、あっちは早く対処しなきゃ!

俺はその事もライトさんに言うと、一緒に手を繋いで走った。

ライトさんは少し驚いていたが、幻惑魔法が強まっているということは下手するとライトさんまで何処かに行ってしまうことも考えられるので、今更手を離すなんてことはしない。


麓へと降りようとしている集団を目で捕らえると、ライトさんに目配せする。

見た目はとてもでかいイノシシのような四つ足で移動する魔物だった。

どうやらその魔物は美味しく食べられる魔物らしく、ライトさんは声を出さずに喜んでいる。

ライトさんは「自分はあっちから狙う」というサインを指で出し、走り出した。

多少の音では幻惑魔法にかかっている魔物たちは気づかなかったようで、ライトさんが木の上へと移動したのにも反応がなかった。

俺の方はライトさんの方へと気が向かないよう、速さを少し落として魔物の集団へと正面から近づきながら鞄から愛刀を取り出し魔力コーティングを施す。

魔物の集団の先頭は俺の接近に気づいたようで急にストップしたのだが、後ろの集団は先頭に次々と突っ込んでいき、集団はあっという間に大混乱に陥った。

思っても見なかった展開に戸惑いつつも、俺は次々と魔物を屠っていく。

もちろん血抜きを兼ねつつ、毛皮を傷つけないよう一刀両断だ。

ライトさんも木の上から魔物の眉間めがけて矢をいっている。

やはりエルフは……いや、ライトさんが凄腕なのか、一発で倒していく。

2人で次々と魔物を倒していったので、ものの十数分で20頭近い魔物を全滅させることが出来た。

「……やるな、お前。まさかこんなに戦闘能力が高いとは思っても見なかったよ!」

「そう言うライトさんだって凄腕のスナイパーじゃないですか。さすがですよね!」

「いや、俺の場合長年の経験がなせる技なだけだって。考えても見ろよ、俺の年齢300と少しだぞ?それに比べてお前、多分だけどまだ10歳やそこらだろ?」

「……。」

そっか、ライトさんの目からみたらそんな年齢に見えるんだね?

こっちの子供ってみんな背が高いもんなぁ……。

……あれ?

もしかして、リッキーの家族や親戚、執事さん達も俺の事そんな年齢だと思っている可能性あったりして!?

……後でリッキーにチラッと聞いてみるか。


「ライトさんだから話しますが、他言無用ですよ?」

「おう!何の話だ?話してみろよ。」

ライトさんはそう言うが……か、軽いなぁ。大丈夫か?

「……本当に話しちゃ駄目ですよ?」

「分かってるって!」

俺がちょっと信用してない事に気づいたライトさんは、今度は真面目な顔で頷く。

「実は俺、転移者なんです。異世界からの『落ち人』、ってこっちではいうらしいですね。」

俺がそう告白すると、ライトさんは目を見開いて驚いた。

「えっ……『落ち人』?シエルくんが?神竜様のパートナーである、シエルさんが?えっ、本当に?」

どうやら少し混乱しているようだね?

でも長寿命のエルフでもそういう反応をするんだね。

もっと何人か会っているのかと思っていたよ。


とりあえず詳しい話は落ち着けるところですることにして、今は血抜きが多少できた魔物を次々俺の鞄に入れていくことにした。
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