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第5章 再度、スノービーク〜
誰だ?
しおりを挟む急に周囲から飛んてくる魔法の数が減ってきたことに訝しんでいると、俺と剣を交えている1つ目の巨人から「他にも仲間がいたのか?」と聞かれた。
俺は索敵魔法を使うべく、力任せに相手の剣を刀で薙ぎ払って吹っ飛ばした。
相手は結構遠くへ飛んででかい木の幹にぶつかると、痛そうに立ち上がった。
俺は相手が立ち直るまでの間に索敵魔法を展開。
すると先ほど戦う前に見ていた時より敵の魔物の数が半減していて、さらに現在進行系で数が減っていっている。
ただし、魔物の総数は最初より増えている、と言っていいだろう。
何故ならもう1グループの魔物の群れが敵の魔物を倒していってくれているようだからだ。
だが今の俺の状況を知っているのはライトさんしかいないし、ユーリたちはまだ山の上だろう。
一体誰が助っ人しているんだろうと思っているうちに、俺の相手が復活したようだ。
「まさか貴様以外にも仲間がいたとはな。迂闊だった。もう少し様子を見てから接触をすればよかったようだ。」
1つ目の巨人はそう悔しそうに吐き捨てる。
……いや、俺も誰が味方してくれているのかもわからないんだけど。
しかも味方とは限らないじゃん?
ただ単に「獲物」と思って討伐しているだけかもしれないよね?
俺はそんな事を思いながらも顔には出さず、索敵魔法で様子を見ていた。
どうやら相手も同じ様子で、どんどん数が減って行くにつれて焦りだしたようだ。
とうとうあと3人?ほどになった時、1つ目の巨人は俺と戦うことを放棄して逃走しようとした。
だがそこに、1つ目の巨人と同じくらいの大きな白銀の狼が現れた。
「……逃げ出そうというのか?そうはさせんぞ?」
その白銀の狼は一瞬で1つ目の巨人に肉薄すると、その大きな口を開けて喉笛に噛みついた。
そしてそのまま1つ目の巨人を咥えたまま、まるで犬がおもちゃをブンブン振り回すかのように、重さを感じさせることもなく1つ目の巨人をブンブン振り回した。
……凄いね、よく首が保つよね?
暫くそうした後、白銀の狼は1つ目の巨人をポイッと放り出した。
どう見ても1つ目の巨人はもう事切れている。
索敵魔法ではもう奴の仲間は一人も映っていないので、全滅したようだ。
俺はそれを確認すると、ライトさんの所へ駆けつける。
ライトさんは俺の結界でちゃんと守られていたようで、全くの無傷だった。
「ライトさん、大丈夫ですか?」
「ああ、それより早く結界を解いてくれ。」
俺がすぐに結界を解除すると、ライトさんは白銀の狼のところへと向かった。
「ありがとうございます、フェンリルの長よ。おかげで窮地を脱しました。」
ライトさんが深々と白銀の狼に向かって頭を下げると、白銀の狼の後ろに先ほどまで多分戦っていたであろう他の狼たちも整列しだした。
「何、気にするでない。いつもなら森の奥深くにいるのだが、このところ山の方に新しい神竜様が前の神竜様の力の継承の為に来ていることで魔物の生態系が変化しておってな。多分お前達が難儀しているだろうと見回りに来ていたところだったのだ。無事で良かったぞ。」
そう言うと、白銀の狼の長は笑顔になった。
なるほど、この狼たちはライトさんたち里のエルフの知り合いだったんだね!通りで俺が知らないわけだ。
「ところでそこにいらっしゃるのは、もしや……?」
そう言ってフェンリルの長は俺を見て目をキラキラとさせた。……ナゼに?
「そうですね、お互いに自己紹介がまだでしたね。シエルさん、こちらにいるのがこの森の平和を守っているフェンリルの長で、名前をブリーズさんといいます。」
ライトさんはその大きなフェンリルを手で示し、紹介してくれた。
するとそのフェンリルからも「ブリーズと申します。今後とも宜しくお願いします。」と丁寧に挨拶された。
「ブリーズさん、こちらは新しい神竜様のパートナーで、名前をシエルさんといいます。」
今度は俺を手で示してブリーズさんに紹介した。
その言葉を聞いてブリーズさんは目を輝かせただけじゃなく、尻尾までブンブンとすごい勢いで振り出す。
「やはり、新しい神竜様のパートナーであられますか。見た感じやオーラからもそのような気がひしひしと感じられておりましたが。やはりパートナーともなるとかなりの神聖なオーラをお持ちですな!」
ブリーズさんはとてもいい笑顔でそう言ってくれた。
……そんなに神聖なオーラ、漂っているか?自分じゃわからんけど。
「そうそう、新しい神竜様にもお会いしとうございましたが、まだ山の上と存じます。神竜様が落ち着かれましたら、またこの森に遊びに来ていただけますかな?」
「もちろんですよ。この森にあるエルフの里にはお世話になりましたし、ちょくちょく遊びに来ていますしね。」
「なるほど、それはようございました。……ところでものは相談なのですが……よろしいでしょうか?」
ブリーズさんは少し緊張しているかのような口ぶりでそんな事を言う。
俺は少し気にはなったが、「良いですよ」と頷いた。
「それでは申しますが……シエル様は神獣も使役することが可能であられますか?」
「……ええ、もうすでに妖狐も仲間になっていますし。それがどうかしましたか?」
俺は何となくこの後の展開を予想しつつ、そう言った。
するとブリーズさんは満足げな顔で頷き、俺に言う。
「なるほど、もうすでに妖狐も使役しているのですね?であれば……私共フェンリルも全員とは言わないので使役していただけませんか?……この子なんてどうでしょうか?」
そう言ってブリーズさんは自分の脇にちょこんと座っている子犬サイズの小さなフェンリルを前足で俺の方へと押し出す。
……あれ?
予想では「我を是非とも仲間に!」と言われるかと思っていたんだけど、違ったね!?
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