異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第5章 再度、スノービーク〜

修羅場!?

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翌日の朝、俺は部屋の中にこだまする騒々しいユーリの叫び声と俺のそばにいるゼフィアのキャンキャン吠える鳴き声で目を覚ました。

「……う~ん……うるさいなぁ。一体どうしたんだ?」

俺が目を瞑って寝ぼけながら2人に声をかけると、どうやら人化しているらしいユーリがベッドに上がってきたようだ。

「ママ!どうしたんだ?じゃないよ!僕というものがありながらこんな子犬をベッドに連れ込んで!酷いよ!」

ユーリは俺の肩を掴むと揺さぶって、更に起こしにかかったようだ。


俺は慌てて目を開けて起き上がると、目の前には10歳くらいの少年が。……え?ユーリなの?

あまりの驚きにすっかり目が覚めると、目の前で俺の肩を掴んでいた少年がきょとんとした顔で俺を見返した。

「どうしたの、ママ。そんな驚いた顔して。」

「どうしたも何もないだろ。お前こそどうしたんだ、そんな急に大きくなって。数日前までは5歳くらいじゃなかったか!?」

「ん~~???」

なんだかよく分かっていないユーリはセバスの方を振り返る。

「確かに大きくなりしたよ、シエル様。前神竜様の力を受け取る度に身体も大きくなってゆき、全ての力を引き継ぐと前神竜様と同じ大きさになります。ユーリ様はまだあと何回も今回のようなことを繰り返しますので、その事は知っておいてください。」

なるほど、ユーリは月日が経てば大きくなるってわけじゃないんだね。それは知らなんだ。

じゃあ、もし俺が大きくなるまでに時間がかかった場合、俺のほうが年下に見えるようになる可能性があるの!?

俺の再びの驚き顔にセバスは言いたいことが分かったようで、「何回もと言えども、これからの間隔は何十年単位になると思われますので大丈夫ですよ、多分。」と言われた。……多分なんだ。

「そんな事は良いんだけど、ママ、この子は一体誰?ママと一緒に寝るのは僕だけだよ!」

そんな事を大きくなったユーリが言ったが、流石にこの年齢で男2人で寝るのは傍から見てなんか変じゃないか?……一緒に寝るなら子竜の姿でだな。

「この子はだな、エルフの隠れ里のある森の守り獣であるフェンリルの長の子供だよ。昨日俺が里に行った時に知り合ってね。長の代わりにこの子を契約獣にすることになったんだ。名前は『ゼフィア』とつけたんだ。」

俺の言葉を聞いてセバスは「なるほど……」と言って、納得顔で頷く。

そういえば知り合いだっていう話だったね。

「そうですか、やはりあのブリーズの群れの仲間でしたか。白い子犬ということでまさか、とは思いましたが。」

「ああ、群れの中で一番幼い子を差し出してきたんだ。伸びしろがたっぷりあるから、今のうちにいろいろ教えてやってくれないか?もちろん、無理のない範囲で、だが。」

「はい、分かりました。……ゼフィア、でしたか?君はこちらの話を理解できていますか?」

セバスがゼフィアに向かってそう聞くと、ゼフィアは一声鳴くと自己紹介をし始めた。

「はい、りかいはできますし、たどたどしくてもなんとかかいわはできます。これからよろしくおねがいします。」

「……なるほど、なかなか聞き取りづらいですが、互いの意思疎通は出来そうですね。」

セバスは一つ頷くとゼフィアを抱っこした。

するとゼフィアはセバスの顔を一回舐めた。

これからよろしく!っていう挨拶なんだろう。


そんな2人のやり取りを見ていたユーリは、現在俺の首に抱きついて胸に顔をぐりぐりしている。

……なんだか絵面がよろしくないね?

「ユーリ、それをやりたかったら子竜の姿に戻りなさい。もう人型では子供の域を超えつつあるからね。周りからおかしな子供に見られてしまうよ。それだと俺も困るから、人型の場合はせいぜい腕を組むか手を繋ぐぐらいしかできないと思っていてくれ。あ、寝る時も人型ではなく子竜の姿で頼むな。」

俺からの注文に愕然としてしまったユーリは、ショックを受けた顔で俺の胸に突っ伏してしまった。

「酷い……まだ1歳にもなっていないのに、もうこの姿では甘えられないなんて。街中では人型が多いんだから、甘えられないってことじゃない?ママ、酷い!」

ユーリは突っ伏したままそう呟く。

確かに年齢的には1歳過ぎていないけど、見た目がねぇ……。

でも結局は俺の提案を受け入れ、少なくともこの街では子竜の姿で外に出てもみんな気にしないから子竜の姿で過ごすことにしたようだ。


いや~、一時はどうなることかと思ったけど、なんとかまとまってよかったよ。


その後、朝食の声かけに来たリッキーにも改めて驚かれていたユーリだが、リッキーに「なんだか大きくなったよね!?一体どうしたんだ?」と聞かれると俺の時とは違って胸を張り、誇らしげな顔をして4属性竜の長達の広場で何をしてきたのかの話を語って聞かせているのを見ると、まだまだ本当に子供なんだなぁと思った。

なんだかそういうところを見るとホッとするのは、俺の中でユーリにはまだまだ子供でいてほしい気持ちがあるんだろうな。


……まだそんな急に大人になっていかなくて良いんだよ、ユーリ。
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