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第6章 王都近くのダンジョン編
とうとう来たね?
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朝起きた時、まだ外は薄っすらと明るい時間帯だった。
……何だかこんな事、前にもあったなぁ。
そう思って周りを見渡すと、リーシェさんのベッドが空だった。
俺はなんとなく嫌な予感がして、テントからチラッと外を見る。
そこにはセバスとリーシェさん、そして2人と対峙するように複数の人が向き合って何かを話していた。
「なあ、お前の方からもあの銀髪の子を説得してくれないか?あの子はこの勇者チームに必要なんだ。」
そう言ったのはミラー騎士団長。
そう、どうやら夜中のうちにこの休憩所に到着してしまったようだ。
騎士団長の周りには例の勇者チームが立っていて、セバスを睨んでいた。
それと対峙しているリーシェさんの周りには魔法師団の皆が立っていて、困った顔をしている。
「何度も言うが、あの子はスノーホワイトと引き離すわけにはいかない。……君たちこそ、なんで彼のことをそんなに執着するんだ?」
リーシェさんは、睨んでくる彼らのリーダーである勇者に向かってそう聞いた。
「彼は相当な実力者だと判断したんだ。防衛にも優れている。そんな人物を我々のチームに取り入れることができればかなりの戦力アップになるのは当たり前だろ?そんな事もわからないのか?」
勇者はそう言ってリーシェさんに向かって馬鹿にしたような笑顔を向けている。
「それは確かにそうだろうと、俺も思う。だが、その前に彼の意思はどうなる?彼は国王から『手出し無用だ』と言われているチームのメンバーだ。そこから無理やり引き抜くとでもいうのか?」
「……はぁ?なんだ、その話。聞いたこと無いぞ?」
リーシェさんのその話を聞いた勇者はそう言って訝しげに騎士団長の方を向いた。
その騎士団長は慌てた様子で「伝えていなかったですかね?」と弁解を始めた。
「彼らは確かに国王から『手出しをすることを禁ず』と言われた冒険者チームですが、それは軍に対しての話だと。冒険者同士の話では問題ないのではないかと考えます。」
騎士団長はそう付け加えた。
勇者はそれを聞いてニヤッと嗤うと、リーシェさんに向き直った。
「なるほど、冒険者同士なら問題ない、と。なら話は早い。勇者である俺がいるチームのほうが偉いんだから、さっさとヤツを連れてこい!俺達のチームで散々こき使ってやらなければなぁ!はははっ!」
そう勇者はリーシェさんにそう言い放つと、リーシェさんは深くため息をついた。
「その前に一つ聞きたいことがある。良いだろうか?」
「なんだね、聞きたいことっていうのは。」
リーシェさんの質問に快く答える勇者。
そんな彼を、リーシェさんは無表情で見やる。
「……君、聖剣は操れるかい?」
「……っ!」
リーシェさんの言葉を聞いた勇者は息を呑んだ。
勇者側では騎士団長以外は分かってなかったが、リーシェさん筆頭に魔法師団員は全員ハッとした顔でリーシェさんを見た。
「……何故そんな事を聞く?」
「何故って、この前5階層で君たちが結界の中で震えながらいたのを見て、私たち魔法師団は異変を感じたからだ。」
「異変など……」
「いや、あるよ。あんな程度の魔物なら聖剣を結界の中からでも操って倒せるからね。君はそれをしなかったのは何故なんだい?」
「……。」
畳みかけるようなリーシェさんに、次第に言葉がなくなっていく勇者。
しまいには無言になってしまった。
「もう一度、言おう。いや、言い直そうか。……君、聖剣から見放されてないかい?」
リーシェさんのその言葉に、返事をしない勇者。
どうやら自覚はあるようだ。
そんな勇者とリーシェさんを青い顔で見つめる騎士団長。
そんな彼を見た勇者は目を瞑った。
「私は思うんだ。その腰から下げている聖剣、君を捨てて他に『主』を見つけてしまったんじゃないか、とね。だからその聖剣は君の言う事を聞かない。」
「……。」
「でもね、その聖剣が見つけた『主』は、主になる事を望んでないんだ。なら、君のできることは一つ。その聖剣を国王に返還する事だけだ。そうすればまたその剣は元の場所に安置され、新たな主を待つだろう。」
リーシェさんのその言葉に、何か引っかかった勇者は顔を上げた。
「……今、なんて言った?」
「ん?聖剣を国王に返せってことか?」
「いや、その前だ。あんた、『聖剣が見つけた主は主になることを望んでいない』って言ったよな?ってことは、誰だか知ってるってことだろ?」
「……。」
うっかり口を滑らしてしまったリーシェさんは黙ったままだ。
そんなリーシェさんに、勇者はさらに言う。
「あの時に俺の事を倒した奴か、それとも奴の仲間か……。どちらにしろ、国王にこの話が行く前に俺たちのチームにそいつが加入すれば、うちらは『勇者のいるチーム』には変わりがないってことだ。そうだろ、ミラーさんよ?」
勇者に聞かれたミラー騎士団長はニヤリと笑って頷く。……え?加入すると思ってるの!?
そんな2人を見て、またため息をつくリーシェさん。
「君は諦めが悪いねぇ……。その人が君のチームに入るわけないだろう?」
「わからないぞ?聖剣を譲る代わりにうちのチームに入れって言ったら入るかもしれない。」
ニヤニヤした勇者は変な想像を膨らませているらしく、「ニヒヒッ」と笑っている。
そんな勇者を見てセバスは「……頭が悪いですねぇ」とボソリと呟く。
「あなた、さっきから聞いていれば、うちのチームメンバーが加入すること前提でお話していますよね?ですがこちらのリーシェさんも言っておられるように、誰もそちらのチームに移籍することはありませんよ?そこをご理解いただけています?」
どうやらとうとう我慢ができなくなったセバスが反撃に入るようだ。
セバスはこう見えてかなり気が短いからなぁ……。
勇者の態度にブチギレて「証拠隠滅」なんてしないと良いなぁ……。はぁ~……。
……何だかこんな事、前にもあったなぁ。
そう思って周りを見渡すと、リーシェさんのベッドが空だった。
俺はなんとなく嫌な予感がして、テントからチラッと外を見る。
そこにはセバスとリーシェさん、そして2人と対峙するように複数の人が向き合って何かを話していた。
「なあ、お前の方からもあの銀髪の子を説得してくれないか?あの子はこの勇者チームに必要なんだ。」
そう言ったのはミラー騎士団長。
そう、どうやら夜中のうちにこの休憩所に到着してしまったようだ。
騎士団長の周りには例の勇者チームが立っていて、セバスを睨んでいた。
それと対峙しているリーシェさんの周りには魔法師団の皆が立っていて、困った顔をしている。
「何度も言うが、あの子はスノーホワイトと引き離すわけにはいかない。……君たちこそ、なんで彼のことをそんなに執着するんだ?」
リーシェさんは、睨んでくる彼らのリーダーである勇者に向かってそう聞いた。
「彼は相当な実力者だと判断したんだ。防衛にも優れている。そんな人物を我々のチームに取り入れることができればかなりの戦力アップになるのは当たり前だろ?そんな事もわからないのか?」
勇者はそう言ってリーシェさんに向かって馬鹿にしたような笑顔を向けている。
「それは確かにそうだろうと、俺も思う。だが、その前に彼の意思はどうなる?彼は国王から『手出し無用だ』と言われているチームのメンバーだ。そこから無理やり引き抜くとでもいうのか?」
「……はぁ?なんだ、その話。聞いたこと無いぞ?」
リーシェさんのその話を聞いた勇者はそう言って訝しげに騎士団長の方を向いた。
その騎士団長は慌てた様子で「伝えていなかったですかね?」と弁解を始めた。
「彼らは確かに国王から『手出しをすることを禁ず』と言われた冒険者チームですが、それは軍に対しての話だと。冒険者同士の話では問題ないのではないかと考えます。」
騎士団長はそう付け加えた。
勇者はそれを聞いてニヤッと嗤うと、リーシェさんに向き直った。
「なるほど、冒険者同士なら問題ない、と。なら話は早い。勇者である俺がいるチームのほうが偉いんだから、さっさとヤツを連れてこい!俺達のチームで散々こき使ってやらなければなぁ!はははっ!」
そう勇者はリーシェさんにそう言い放つと、リーシェさんは深くため息をついた。
「その前に一つ聞きたいことがある。良いだろうか?」
「なんだね、聞きたいことっていうのは。」
リーシェさんの質問に快く答える勇者。
そんな彼を、リーシェさんは無表情で見やる。
「……君、聖剣は操れるかい?」
「……っ!」
リーシェさんの言葉を聞いた勇者は息を呑んだ。
勇者側では騎士団長以外は分かってなかったが、リーシェさん筆頭に魔法師団員は全員ハッとした顔でリーシェさんを見た。
「……何故そんな事を聞く?」
「何故って、この前5階層で君たちが結界の中で震えながらいたのを見て、私たち魔法師団は異変を感じたからだ。」
「異変など……」
「いや、あるよ。あんな程度の魔物なら聖剣を結界の中からでも操って倒せるからね。君はそれをしなかったのは何故なんだい?」
「……。」
畳みかけるようなリーシェさんに、次第に言葉がなくなっていく勇者。
しまいには無言になってしまった。
「もう一度、言おう。いや、言い直そうか。……君、聖剣から見放されてないかい?」
リーシェさんのその言葉に、返事をしない勇者。
どうやら自覚はあるようだ。
そんな勇者とリーシェさんを青い顔で見つめる騎士団長。
そんな彼を見た勇者は目を瞑った。
「私は思うんだ。その腰から下げている聖剣、君を捨てて他に『主』を見つけてしまったんじゃないか、とね。だからその聖剣は君の言う事を聞かない。」
「……。」
「でもね、その聖剣が見つけた『主』は、主になる事を望んでないんだ。なら、君のできることは一つ。その聖剣を国王に返還する事だけだ。そうすればまたその剣は元の場所に安置され、新たな主を待つだろう。」
リーシェさんのその言葉に、何か引っかかった勇者は顔を上げた。
「……今、なんて言った?」
「ん?聖剣を国王に返せってことか?」
「いや、その前だ。あんた、『聖剣が見つけた主は主になることを望んでいない』って言ったよな?ってことは、誰だか知ってるってことだろ?」
「……。」
うっかり口を滑らしてしまったリーシェさんは黙ったままだ。
そんなリーシェさんに、勇者はさらに言う。
「あの時に俺の事を倒した奴か、それとも奴の仲間か……。どちらにしろ、国王にこの話が行く前に俺たちのチームにそいつが加入すれば、うちらは『勇者のいるチーム』には変わりがないってことだ。そうだろ、ミラーさんよ?」
勇者に聞かれたミラー騎士団長はニヤリと笑って頷く。……え?加入すると思ってるの!?
そんな2人を見て、またため息をつくリーシェさん。
「君は諦めが悪いねぇ……。その人が君のチームに入るわけないだろう?」
「わからないぞ?聖剣を譲る代わりにうちのチームに入れって言ったら入るかもしれない。」
ニヤニヤした勇者は変な想像を膨らませているらしく、「ニヒヒッ」と笑っている。
そんな勇者を見てセバスは「……頭が悪いですねぇ」とボソリと呟く。
「あなた、さっきから聞いていれば、うちのチームメンバーが加入すること前提でお話していますよね?ですがこちらのリーシェさんも言っておられるように、誰もそちらのチームに移籍することはありませんよ?そこをご理解いただけています?」
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