異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第6章 王都近くのダンジョン編

それで……どうすることになったの?

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ずっと今後の事を考えていた騎士団長はリーシェさんを見た。

「なぁ……結局『神聖法国』は今後どうなるんだろうか?」

そうだよね、気になるよね?

でも確か……新しい女神があの国に降臨するってユーリから聞かされていたから、あの国も今後はこの世界との付き合い方が変わってくるんじゃないかと俺は期待をしている。

その事を2人に告げると、改めて2人はユーリが創造神と繋がっていることを認識したようだ。

「……とりあえず、陛下には聖剣のことだけ話そうと思う。」

しばらく考えた騎士団長はそう告げた。

「それは……聖剣の精霊がもう聖剣から出して欲しいと懇願している事を話す、ってことで間違いないかい?」

リーシェさんはそう言って、騎士団長に最終確認をした。

そうだよね、あの言い方だと「聖剣の精霊が主を変えた事を話す」とも取れるからね。

それに精霊が聖剣から抜けたとして、「その精霊が従う者を勇者とするのか」ということも聞いてもらわなきゃね!

俺がその事も追加で騎士団長に聞くと、「そうですね、それも聞かなければ」と頷いてくれた。

こうしてみると、騎士団長は最初の印象よりかなり変わった気がする。傲慢さが抜けた感じかな?

やっぱりいろいろ考え方が変わる話があったからなんだろうなぁ。


その後、テントから皆を起こさないようにこっそりと抜け出し、勇者を取り押さえている場所へと向かう。

どうやら俺達がテントの中で話していた間もずっと「俺は勇者だ!こんな事してただで済むと思うなっ!」とかを叫び続けていたそうだ。

テントの中は結界に付与した防音効果のおかげで何も聞こえなかったけどね。

「アロガン、君はもう勇者じゃないんだ。自分でも自覚はあるんだろう?」

「……。」

騎士団長は勇者に向かってそう切り出す。

それに対して勇者は無言で騎士団長を睨みつけていた。

……そっか、勇者って「アロガン」って名前だったんだね。知らなかったよ。

まぁ……俺は『勇者』でいっか!

「君は我々の目の前で一般人……まぁ冒険者ではあるが、そんな彼に向かって聖剣で斬りつけた。君もダンジョンでのルールは分かっているだろう?知らなかったなんて言わせないからな?」

リーシェさんは勇者に向かってそう言った。

確か俺もここに入る前にスコットさんが名前とかを書いている間に読まされた紙があった。

もちろん、今も鞄の中に入っている。

俺はそれを取り出すとリーシェさんに見せた。

「おや、シエルくんはきちんとルールの書かれた紙を保管していたんですね?少し借りますよ。」

リーシェさんはちょうど良かったとその紙を持ち、読み上げる。

「『このダンジョンのルールその1、魔物と戦っているチームがいたら、むやみに近寄らず避けること。』……これは近寄った者が盗賊行為をすることが多いので、簡単に見分けるためのルールだ。『その2、もし魔物と戦っているチームから救助を要請されたら助けること。その3、休憩所では互いに助け合い、暴力行為は禁止する。その4、ダンジョン内での盗賊行為は、見つけ次第捕縛し、処罰される。以上、4つのルールを守り、気持ちよく過ごせるようにしましょう。』と、書いてあるのだが……君はこの中の3と、ある意味4も該当する。これはたとえ勇者だったとしても適用されるルールで、皆が守らなければならないものだ。君はそれを理解していたのかい?」

「……。」

そのリーシェさんの言葉に、無言で唇を噛む勇者。

分かってはいたけど、いつものように『弱い立場のものから搾取する』言動や行為をしてしまったのだろう。

そこからも、彼の傲慢な考えや態度が感じ取れるよね。



結局勇者チームの『至高の頂』は現行犯で軍に捕まり、このまま20階層のフロアボス戦を経て外へと連行されるそうだ。

実は俺たちもその時に外に出ようかと思っていたら、騎士団長とリーシェさんが聖剣を持って国王と謁見をしてくるとのことで、その間の指揮官として各フロアの担当軍団と一緒に増えた魔物討伐を討伐していてもらえないか?と依頼されたのだ。

スコットさんは渋々引き受けたが、スノーホワイトは2人ずつ分散して当たることになった。

そうなると1人あぶれるので俺は1人でいいと言ったんだけど、「それならば……」と魔法師団の副団長さんが自分の率いる部隊に入ってくださいと頼んできた。

俺としては何でもよかったので、早々に決まる。

あとの担当決めは朝食を食べたあとで話し合うことになった。

なにはともあれ、朝ごはんを食べた後はまずこの階層のフロアボスを倒さなければ始まらない。

さあ、気合を入れるためにも美味しい食事を作らなきゃね!

俺は自分に気合を入れ、まずは昨日作った竈に作り置きのスープをおいて温めた。
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