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第6章 王都近くのダンジョン編
ゆっくりと英気を養おう
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それからしばらくの間、閃光弾が上がっては皆で向かって魔物を倒し、またボスフロアに戻るという作業を繰り返していたら、いつの間にか日が傾いてきていた。
「それでは皆で休憩所へと戻りましょう。まずは我々だけで転移しますね。」
ルークさんはそう言うと俺達を自分につかまらせ、目的地へと転移した。
俺達が休憩所へと入ったのを確認すると、それぞれの閃光弾が上がっていた付近へと転移していったようだ。
すると他の3人はグラスさんのマジックバッグからテントを取り出し、設営をし始める。
俺はそれを見て、俺ができることをしようとみんなが揃う前に夕食の支度をする。
今夜は簡単で申し訳ないけど、焼肉丼と味噌汁にしようかな!
俺は鞄からまずテーブルを取り出すと、その上にまな板と包丁などの調理器具、ブラックブルのお肉、千切りにしておいたキャベツ、そしてステーキ醤油を取り出す。
今夜の味付けは「オニオン&ガーリック」と「あらびきおろし」の2つを使って、味の二色丼を作るよ!
まずは炊飯器でお米を炊き、その間にブラックブルのお肉を一口大の大きさにカット。
あとはそれを焼いてステーキ醤油にからめるだけの、なんてお手軽で美味しい夕飯だろうか。
時間ない時にはぴったりだね!
お次は味噌汁だけど……何の具があるかな?
鞄の中に手を入れてみると、どうやら豆腐とネギがいっぱい入っているようだ。
いつの間にか山田がまたいろんな素材を補充してくれているようで、向こうの野菜やお肉、調味料も増えていた。ありがとう、山田!
とりあえず即席かまどに水を入れた鍋を置いて火にかける。
ある程度熱してくるまでにネギを切り、準備をしておく。
準備ができたら豆腐、ネギ、顆粒昆布だしを適量入れて、ネギが煮えてきたら一旦かまどの火を消して味噌を入れ、また火を入れて温める。
こういう時にIHコンロが使えると楽なんだけど、自分のことが知られるような物はなるべく多くの人には見せたくないからしょうがない。
味噌汁が出来上がる頃にはルークさんが皆を休憩所につれてきていたので、先に席についていてもらう。
その間にぱぱっとサラダ用の野菜を手でちぎり、器に盛り付けてドレッシングをかけると夕飯の完成だ。
あ、焼き肉丼はご飯の上に千切りキャベツを乗せて熱々のものを盛るよ!
皆が手分けをして素早く全ての料理を目の前に並べ終わると、ルークさんとグラスさんが食事の合図を送る。
それに合わせて俺も「いただきます」をした。
「っ!この肉、すごく美味しいな!初めて食べる味だぞ?」
「このスープもあっさりとしているが美味しいぞ。」
それぞれ食べ始めると口々に「美味い!」との声が。
作った本人としては、それが聞けて大満足だよ!
俺がニコニコとみんなの顔を見渡していると、隣に座ったルークさんがしげしげと俺を見てきた。なんだ?
俺がよほど不思議そうな顔をしていたからなのか、苦笑いをするルークさん。
「すみませんね、じっと見てしまって。シエルくんがあまりにも多才なので驚いていたんですよ。こんなにもいろんなことを卒なくこなす子供は初めて見ましたから。」
逆に俺のほうが、ルークさんに言われた言葉で驚く。
よくよく聞いてみると、どうやらまだ王立学校に入学できる年齢じゃないと思われていたみたいで、俺が『見た目年齢』の14歳だと言うと周りの人にも驚かれた。
……なんか、納得いかないんだけど!?
俺がぷりぷりと怒っていると、周りから「すまない」という声と笑い声が聞こえた。
それからその晩は皆で早めに休み、また明日からの魔物討伐を頑張らなければね!
翌朝、俺はなんとなく目が覚めた。
別に何か大きな音がしたとか、そうことではないのに目が覚めたのだ。
外はまだ暗いのか、テントの入り口から見える外からは光が入ってこない。
とりあえず目が覚めてしまったので、テントの外を覗いてみようと思い、ベッドから起き上がる。
テントの外は案の定、真っ暗だった。
だが休憩所の外に積もっている雪のおかげもあって、真の闇というわけではなかった。
俺は一応だが、自分の身を守る為に自分のテントのみにも結界を張っている。
これはチームの皆と別れ別れになる時の『お約束』なのた。
普段は他の皆の誰かと必ず一緒にいたので問題なかったが、1人になると何をされるかわからないと言われたのだ。……俺は問題なんか起こらないって言ったんだけどね。
まぁ……とりあえず、そんな事もあって結界を張っていたのだが。
結界の外では何故か見張りがついていた。
魔法師団の副団長であるルークさんだ。
俺はルークさんに声をかけた。
「……ルークさん、何故そんな所に?」
するとルークさんがうんざりした顔でこちらを振り返る。
「いえね、うちの騎士団の方の馬鹿連中がこんな時だっていうのに酒を飲みましてね。何をするかわからないので見張りをしていたんですよ。シエルさんこそ、どうしました?」
「いえ、俺の方はなんとなく目が覚めただけです。でもルークさん、俺は大丈夫ですよ?このテントにも単独で結界を張っていますしね。」
それを聞いて少しホッとしたルークさんは「それじゃあ見張りは要らなさそうですか?」と聞いてきたので、「そうですね」と答えた。
「では私は隣にある私のテントで休ませてもらいます。」
彼はそう言うと、いつの間にか隣に立ててあったテントの中へと入っていった。
俺はそれを見送ったあと、まだまだ暗い空を見上げる。
そこにはまるでダンジョンの外にいるかのような錯覚をするくらいに、星や雲、月まである普通の空だった。
それを見て、俺はつくづくダンジョンって不思議な場所だな、と感じた。
今回はいろいろあってこの階層までの攻略だけど、いつかは踏破したいなと思った。
「それでは皆で休憩所へと戻りましょう。まずは我々だけで転移しますね。」
ルークさんはそう言うと俺達を自分につかまらせ、目的地へと転移した。
俺達が休憩所へと入ったのを確認すると、それぞれの閃光弾が上がっていた付近へと転移していったようだ。
すると他の3人はグラスさんのマジックバッグからテントを取り出し、設営をし始める。
俺はそれを見て、俺ができることをしようとみんなが揃う前に夕食の支度をする。
今夜は簡単で申し訳ないけど、焼肉丼と味噌汁にしようかな!
俺は鞄からまずテーブルを取り出すと、その上にまな板と包丁などの調理器具、ブラックブルのお肉、千切りにしておいたキャベツ、そしてステーキ醤油を取り出す。
今夜の味付けは「オニオン&ガーリック」と「あらびきおろし」の2つを使って、味の二色丼を作るよ!
まずは炊飯器でお米を炊き、その間にブラックブルのお肉を一口大の大きさにカット。
あとはそれを焼いてステーキ醤油にからめるだけの、なんてお手軽で美味しい夕飯だろうか。
時間ない時にはぴったりだね!
お次は味噌汁だけど……何の具があるかな?
鞄の中に手を入れてみると、どうやら豆腐とネギがいっぱい入っているようだ。
いつの間にか山田がまたいろんな素材を補充してくれているようで、向こうの野菜やお肉、調味料も増えていた。ありがとう、山田!
とりあえず即席かまどに水を入れた鍋を置いて火にかける。
ある程度熱してくるまでにネギを切り、準備をしておく。
準備ができたら豆腐、ネギ、顆粒昆布だしを適量入れて、ネギが煮えてきたら一旦かまどの火を消して味噌を入れ、また火を入れて温める。
こういう時にIHコンロが使えると楽なんだけど、自分のことが知られるような物はなるべく多くの人には見せたくないからしょうがない。
味噌汁が出来上がる頃にはルークさんが皆を休憩所につれてきていたので、先に席についていてもらう。
その間にぱぱっとサラダ用の野菜を手でちぎり、器に盛り付けてドレッシングをかけると夕飯の完成だ。
あ、焼き肉丼はご飯の上に千切りキャベツを乗せて熱々のものを盛るよ!
皆が手分けをして素早く全ての料理を目の前に並べ終わると、ルークさんとグラスさんが食事の合図を送る。
それに合わせて俺も「いただきます」をした。
「っ!この肉、すごく美味しいな!初めて食べる味だぞ?」
「このスープもあっさりとしているが美味しいぞ。」
それぞれ食べ始めると口々に「美味い!」との声が。
作った本人としては、それが聞けて大満足だよ!
俺がニコニコとみんなの顔を見渡していると、隣に座ったルークさんがしげしげと俺を見てきた。なんだ?
俺がよほど不思議そうな顔をしていたからなのか、苦笑いをするルークさん。
「すみませんね、じっと見てしまって。シエルくんがあまりにも多才なので驚いていたんですよ。こんなにもいろんなことを卒なくこなす子供は初めて見ましたから。」
逆に俺のほうが、ルークさんに言われた言葉で驚く。
よくよく聞いてみると、どうやらまだ王立学校に入学できる年齢じゃないと思われていたみたいで、俺が『見た目年齢』の14歳だと言うと周りの人にも驚かれた。
……なんか、納得いかないんだけど!?
俺がぷりぷりと怒っていると、周りから「すまない」という声と笑い声が聞こえた。
それからその晩は皆で早めに休み、また明日からの魔物討伐を頑張らなければね!
翌朝、俺はなんとなく目が覚めた。
別に何か大きな音がしたとか、そうことではないのに目が覚めたのだ。
外はまだ暗いのか、テントの入り口から見える外からは光が入ってこない。
とりあえず目が覚めてしまったので、テントの外を覗いてみようと思い、ベッドから起き上がる。
テントの外は案の定、真っ暗だった。
だが休憩所の外に積もっている雪のおかげもあって、真の闇というわけではなかった。
俺は一応だが、自分の身を守る為に自分のテントのみにも結界を張っている。
これはチームの皆と別れ別れになる時の『お約束』なのた。
普段は他の皆の誰かと必ず一緒にいたので問題なかったが、1人になると何をされるかわからないと言われたのだ。……俺は問題なんか起こらないって言ったんだけどね。
まぁ……とりあえず、そんな事もあって結界を張っていたのだが。
結界の外では何故か見張りがついていた。
魔法師団の副団長であるルークさんだ。
俺はルークさんに声をかけた。
「……ルークさん、何故そんな所に?」
するとルークさんがうんざりした顔でこちらを振り返る。
「いえね、うちの騎士団の方の馬鹿連中がこんな時だっていうのに酒を飲みましてね。何をするかわからないので見張りをしていたんですよ。シエルさんこそ、どうしました?」
「いえ、俺の方はなんとなく目が覚めただけです。でもルークさん、俺は大丈夫ですよ?このテントにも単独で結界を張っていますしね。」
それを聞いて少しホッとしたルークさんは「それじゃあ見張りは要らなさそうですか?」と聞いてきたので、「そうですね」と答えた。
「では私は隣にある私のテントで休ませてもらいます。」
彼はそう言うと、いつの間にか隣に立ててあったテントの中へと入っていった。
俺はそれを見送ったあと、まだまだ暗い空を見上げる。
そこにはまるでダンジョンの外にいるかのような錯覚をするくらいに、星や雲、月まである普通の空だった。
それを見て、俺はつくづくダンジョンって不思議な場所だな、と感じた。
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