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第6章 王都近くのダンジョン編
よし、最後の仕事だね! 1
しおりを挟むロックさんの言葉に俺は思わず振り向き、その顔を見る。
彼はこちらを微笑みながら見て、手を降っていた。
俺は思わず声をかけたが、その瞬間に1階層の転移陣へと転移した。
辺りに満ちていた光が落ち着くと、そこはこのダンジョンに来た時に初めて通った転移陣の上だった。
「無事に着いたようだな。普通と違う転移石だったからちょっと不安だったんだ。」
スコットさんはそう言って辺りを見渡す。
「この付近はまだ魔物はいないねぇ?」
そう言ったのはリーシェさん。
そっか、この付近まで魔物が来ることもあるんだね?
今現在はこの付近には魔物はいないから、このフロアにいる軍人さん達が頑張っているんだろう。
「とりあえず急いでこのフロアの軍人たちを探そう。さっきロックさんが言っていただろ?今なら間に合う的なことを。そう言うってことはとても危険な状態だってことだ。」
「そうだな、先を急ごう。皆も気をつけろよ?」
「ええ、分かっているわ。」
皆が先を急ぐことに同意して走り出す。
俺は一瞬転移陣の方を見たが、すぐに皆と同じ方向に走り出した。
しばらく通路を進むと、誰かが武器を打ち鳴らす音が聞こえ始めた。それも複数の人数の音のようだ。
よかった、間に合ったんだね!
音のする方に急いで向かうと、そこには大量の魔物と戦っている軍人さんが10人ほどいた。
間違いなく、彼らが『最後の砦』となってこの先に通さないよう踏ん張っていたんだろう。
彼らに駆け寄ろうとさらに近づくと、床に倒れている人が3人ほどいる。……息はしているんだろうか?
俺は慌てて駆け寄り確かめると、彼らは腕や足、腹なんかをかじられた跡があるが、うめき声をあげているので辛うじて生きてはいた。
なので俺は素早く回復魔法を施す。
するとみるみるうちに傷が塞がって元に戻ったいく。
……良かった、間に合ったみたいだね。
彼らを結界の中に入れると、俺は顔を上げる。
どうやらスコットさん達は魔物討伐の方に向かっていたようで、どんどんとその場にいた魔物が駆逐されていく。
それまで戦っていた人達は、大きく肩で息をしながら剣を杖みたいにして屈んでいる。
俺はその人たちにも回復魔法をかけるべく、急いで向かう。
「向こうに倒れていた人たちはみんな治療をしてきましたので無事ですよ!皆さんもしばらく彼らに戦闘を任せて休んでください。」
俺はそう声をかけながら彼らに近づき、スコットさん達のほうを見る。
スコットさん達は徐々に奥の方へと戦いながら進んでいるようだ。
俺もこの人たちを治療して、出入り自由の結界を張ったら向かわなきゃ!
俺は彼らに治療を施しながら、張る結界の準備をする。
回復が終わると彼らの周りに結界を張った。
「この結界は人は出入り自由で、魔法も中から撃てます。ですが物理攻撃はできないので、一時的な避難場所にでも使ってください。」
俺が彼らにそう言うと、彼らは頷き「ありがとございます。リーシェ魔法師団長にもお伝え下さい。」と頼んできた。うん、了解したよ!
それから俺は走って皆の元へと向かう。
皆は魔物討伐しながらだから、案外早く追いつけた。
「早かったな、シエル?皆に結界を張ってきたか?」
リッキーが俺にそう聞いてきたので頷いた。
「彼らには出入り自由な結界を張ってきたよ。は最初に手当てした人たちはぎりぎりで間に合ったようだね。もしかするとロックさんが言っていたのは彼らのことだったのかもしれないよ?」
「まぁ彼らもそうなんだろうが……っていうか、お前また索敵魔法使ってないだろ?俺のでは命の強弱は表示されないから分からないんだぞ?この先にもまた人が同じくらいの数いるんだが、どんな状況なのか全く分からん。お前のはどうなんだ?」
俺の返事に対してリッキーからダメ出しを食らってしまった……。
まぁ、確かに索敵魔法は使ってなかったのが悪いんだけどね。
俺が慌てて魔法を使うと、確かにこの先で魔物と戦っている集団がいるのは間違いないようだ。
さらに詳しく見ていくとどうやら二手に分かれていて、どちらも交戦中の表示だった。
その光の強さはそこまで強くないので、多分怪我をしているんじゃないかな?
俺が皆にそう伝えると、「お前だけでも先に向かえるか?」と言われた。そうだよね、回復に向かわないと!
「分かった!じゃあ先を急ぐね!」
俺はそう言うと武器に魔力コーティングを施し、準備をしながら先へと全力で走って向かう。
しばらく先に行くと、そこには魔物に噛みつかれている人が数名いたので、俺は慌ててその全てを一瞬で討伐する。もちろん人には傷をつけないように配慮したよ!
そしてすかさず回復魔法を施し、すんでのところで彼らは息を吹き返した。危なかったね!
彼らにも休息のために結界を張り、この前から使っている人には効かない殲滅魔法を残りの魔物に使った。
これは相当遠距離まで届くから、もしもう一つ人の集団がいても通り過ぎていく魔法によって、けがをすることはないだろう。
その魔法のおかげでこの先にいた魔物が一掃されていく。
とりあえずその場を後から来た皆へと頼み、俺は先へと急ぎ向かった。
かなり先の方まで魔物が討伐されていたらしく、随分と見晴らしのいい場所へと変わってしまっていたが、人は俺の放った魔法での怪我は皆無だったようだ。
現に1グループの軍人さん達がいたが、話を聞くと「急に魔法が来て絶体絶命の危機だ……と思っていたら、戦っていた魔物にしか効果が現れなくて目を丸くしていたところ、俺がやってきた」とのことだった。
俺が自分の放った魔法の事を聞いているうちに皆か追いついてきたので、その人達にも治療と休むための結界を張ると、皆で揃って2階層への階段を上がる。
2階層ももしや同様の状態なのではないか、と身構えながら向かった。
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