異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

文字の大きさ
296 / 529
第7章 新しい出来事

上手くいったかな?

しおりを挟む

次期領主の生誕のおめでたい話に加え、翌日の昼にはスコットさん達の結婚式が領主の館で執り行われた事が街中に広まり、さらなるお祝いムードが高まった。

2人はそんな街の雰囲気にとても恥ずかしがり、「前もって聞いていたらその計画は阻止したのに」と言われてしまったが……まぁ2人にとっては一生のうちに1度しかない事だろうから受け入れて欲しい。


そんなお祝い事が続いた数日後 、俺はとうとうこの街の結界の魔道具を完成させた。

この街に帰ってきてから、まずは俺の……いや、スコットさんの握り拳ほどもある巨大な魔石を精製するところから始めた。

これらの巨大な魔石はちょうどタイミング悪く『変換期』というイレギュラーな時期にとれた物だからなのか、非常に魔力が通りづらかったのだ。

だからまずは魔力が通りやすくなるようにルーシェさんのところへ習いに行ったりしたんだよ。

ルーシェさんもなかなかこんな魔石と出会うことはなかったらしく、良い経験になったと喜んでいたよ。

そして精製して魔力の通りやすくなった魔石に俺の魔力を注いで加工を始め、6個の魔石は全て魔法を中に入れる段階までで一旦は止めておく。

ルーシェさんの話だと、1つの魔法を複数の魔石で起動させるようならば一つ一つに魔法をいれるのではなく、みんな揃ってからまとめて入れるんだってさ。

6個揃ったところで一つの器に全て入れ、魔力と魔法を均等に入れていく。

実は意外とこれが難しい。

全く同じと言っていいほど同じ量を6個全てに注ぐのだ。かなり神経を使った。

しかも6個もあるから俺の魔力がみるみる減っていく。

だから俺は慌てて少しずつ入れていくようにした。

そうじゃないと自己回復する前に魔力枯渇でぶっ倒れてしまうからね。……もうあのドリンクは飲みたくない。



そしてやっと……やっと先ほど完成したのだ。

丸1日かけて、やっと完成したよ。

その間、俺は作業を中断するわけにはいかないので食事と水分は全くとってなかったんだよね。

とりあえず完成した結界の魔導具をルーシェさんの所へ持っていって見てもらわなきゃ。

俺は簡単に食事をとってから、部屋にいたユーリとセバスにルーシェさんの所へ行ってくると伝えてから転移する。



「おや、今度はどうしたんだい?」

転移の光が止むと、ルーシェさんにそう声をかけられた。

「やっと例の魔道具が完成したんで、完成したのかの確認をお願いに来たんです!」

「なるほど、完成したんだね。それにしてもよくできたねぇ。6個同時なんでしょ?魔力は大丈夫だったのかい?」

ルーシェさんは心配そうな顔をしていたが、今のところ俺が普通の状態なのでそこまでは心配しているわけじゃないんだろう。

「そうなんです、最初かなりの勢いで魔力を魔石に吸われたんで、途中から自己回復分の魔力でやってました。」

俺は苦笑いをしながらそう答えた。

するとルーシェさんは驚いたようで、「一体どのくらいかかったんだい?」と聞いてきた。

「……丸1日かかりました。」

「……。それは……大変だったねぇ。本当に頑張ったよね。」

俺の返答に苦笑いを返してきたルーシェさん。

そりゃそうか、普通は丸1日もかけないもんね。

おかげで魔力枯渇だけは避けられたけど。

「じゃあ早くゆっくりと休めるように、僕も早く確認してあげなくちゃね。」

ルーシェさんは俺が取り出した箱に入っている魔導具を次々手に取り、よく検分している。……駄目なのはないと良いな。

かなりの時間をかけてしっかりと確認をしていたが、1つ頷くと魔導具を箱に戻す。

「うん、かなりの良い出来だね。これなら街1つをしっかりと守れる結界が張れると思うよ。」

ルーシェさんはそう言って太鼓判を押してくれた。

よし、じゃあ明日にでも設置しようかな!

「その様子だと、明日にでも配置する気なんでしょ?なら僕も一緒にいて、おかしなことがないように指導してあげるね。」

おぉ~、ルーシェさんが直々に指導してくれるなら、街の防衛は完璧になるね!



その後ルーシェさんは明日の為の下見にと、一旦俺と一緒にスノービークへとやってきて、そのまま「どこに配置するのかを考える」と言って街の外へと転移する。

そっか、街の外のほうが結界の範囲が広がって良いよね!

俺はルーシェさんと別れて、部屋へと戻った。



……つ、疲れたぁ……。

俺はベッドにたどり着くとうつ伏せに倒れ込み、そのまま意識を飛ばしてしまった。……おやすみぃ……。


「……。にぃに、帰ってきたと思ったら寝ちゃったね。」

「それはそうでしょう。昨日は食事もとらず、一睡もせずに結界の魔導具を作成していたのですから。魔力枯渇ではなくただの疲労ですので、しばらくゆっくりと休ませてあげましょう。」

セバスがユーリに向かってそう言う。

ユーリは少し不服そうだったが、昨日のシエルを見ていたのでわがままを言うことはなかった。

「じゃあ僕も一緒に寝るよ。久しぶりにミニドラで抱きついて寝ようかな。いつもはこの姿だからくっついて寝るのは禁止されてるしね。」

「では私めはそこの椅子にでも座って本でも読んでいましょう。」

2人はそう言うと、それぞれ行動を開始する。

子竜姿になったユーリはシエルの胸の上へと移動してペッタリと胸に伏せると頭をぐりぐりとしてから目を閉じる。

セバスはそんな2人の様子を穏やかな表情で見ていたが、フフッと笑うと開いた本に目を落とす。


リッキーが「夕飯だぞ!」と言って起こしに来るまで、しばらくそのままの穏やかな時間が流れるのだった。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~

fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。 しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。 気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。 裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。 無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...