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第7章 新しい出来事
学校生活、どうなるんだろう?
しおりを挟む「……とにかく、そこの銀髪。お前に拒否権はないと思え。良いな?」
「そうよ、そうよ!」
国王がいなくなった途端にそんなことを言い始める第一王子のセインと第一王女のローラ。
するとそれまで黙っていたリーシェさんが、眉間を揉みながら1つ深くため息をつく。
「あなた達のしつけ係は一体何をしていたのか……。このままではこの国の品位を疑われてしまいますよ?」
リーシェさんにそうたしなめられた2人。
途端に不機嫌な顔になる。
「うるさいぞ、リーシェ。お前こそ今の事を父上に告げ口するなよ!?」
セインは少し焦った様子でリーシェさんにそう言った。
するとリーシェさんは、まるで馬鹿な子でも見るかのような目でセインを見て口を開く。
「……それはどうですかね?その様にあまりにひどい強要をするようですと私の口から……いえ、先ほどの会話を記録させてもらいましたので実際には『あなた達の口から』ということになりますが……とにかく報告をさせてもらいますので悪しからず。ちなみに私はあなたたちの言うことを聞く必要がありませんので、その点は覚えていてください。いいですか、私に命令をできるのは国王のみです。」
リーシェさんのその言葉を聞いて顔を青くする2人。
流石に先ほどの会話を録音されているとなると話は違ってくるらしい。
2人は「覚えていろよ!?」と言い捨てるとどこかへと行ってしまった。
「あなたは一緒に行かなくていいんですか?」
リーシェさんに問われたクロードはため息をつくと「良いんですよ」と答える。
「元々あの2人とは学校に入ったら別行動をすることになっていますので。俺自身、考え方の違うあの2人と一緒にいるのは正直疲れるんですよ。」
クロードの心底疲れ果てているような口ぶりに、苦笑いをするリーシェさん。
「あなたも大変ですねぇ。将来、あなたかあのセイン王子のどちらかが次期国王になるはずですが……今のところ私は、あなたの方が向いていると思いますね。あの王子では他国と戦争になりかねないし、まして自国民を苦しめるような王にしかならないでしょう。」
「……そう言わないでください、リーシェ先生。俺達2人の他にも父上には、王妃との間にもう1人王子がいます。まだ10歳にも満たないですが、今からかなりの才能を見せているらしいので、それならば腹違いの弟が王になっても良いのではないかと俺は思っています。まぁ……実際には一度も会わせてもらえていないので、どんな人物なのかよくわからないんですけどね。」
クロードはリーシェさんにそう言うと、肩をすくめた。
……え、この3人の他にもう1人いるの?
俺がリーシェさんに顔を向けると、リーシェさんは真剣な顔で何かを考えている。……どうしたんだろう?
リーシェさんが思案しだしたのを見て、クロードは「では今度は学校で会いましょう」と言って手を振りながら去っていく。
クロードが去ってからリーシェさんが「今の話についてはここでは人の耳がありますので、皆さん一緒にこの後私の屋敷に来てもらえませんか?」と言う。
別にまだ昼を過ぎた頃なので時間はたっぷりある。
俺達はパーティー後にリーシェさんの屋敷に行くことになった。
それからほどなくしてパーティーは終了して帰宅することになり、玄関までみんなで歩いて向かう。
玄関に着くと、ミストさんが「俺とフォグは伯父さんの屋敷に帰っているよ。」と言って、玄関にいっぱい並んでいる馬車の中でリッキーの家の紋章が入った馬車の1つに乗り込む。気をつけて帰ってね!
俺達はリーシェさんと一緒にもう1台の馬車に乗り込む。
こっちはかなり広い馬車だから1人くらい増えても全然余裕だ。
行き先はリーシェさんから御者さんに伝えてもらい、俺たちは先に乗り込む。
俺は馬車が動き出してしばらくして窓の外を見た。
どうやらリッキーの家に向かうのと反対側……つまり王城の方へと向かって馬車は走っていく。
着いた先の場所は、流石は魔法師団長、王城から目と鼻の先にある敷地の広い大きな屋敷だった。
「さあ、私の屋敷に到着だ。……ようこそ、我が家へ!」
リーシェさんはそう言うと、大げさな仕草で家の玄関へと手を差し向ける。
そこは門を一歩入ったところから普通の貴族の屋敷とは全く違う趣の場所だった。
簡単に言うと『エルフの隠れ里』を感じさせるような、緑豊かな庭があり、その中にラーシェさんの屋敷みたいな建物があるのだ。
……こんな場所ならば、たとえ王都の中であろうとリーシェさんの従魔が普通に住んでいそうな雰囲気だ。
俺たちが玄関に着いたのがわかると、中から執事の服を着た人が出できた。
「おかえりなさいませ、リーシェ様。お連れの方は……?」
「ああ、彼らは息子のルーシェの友人で、『スノーホワイト』っていう冒険者チームのメンバーだよ。実は今制服着ている子が、私が先生をしている学校に短期入学してきてね。ちょっとトラブルに巻き込まれそうだから、対策を話し合おうかと思って連れてきたんだよ。」
「なるほど、そうでございましたか、では応接間に準備をいたしましょうか?」
「いや、もっと気安い仲だから、談話室でいいよ。そこならリオンもいるだろう?」
「はい、奥様はそちらに現在いらっしゃいます。ではそちらにお茶の準備をいたしますね。」
執事さんはリーシェさんと話し合うと中にいる人に声をかけ、自分は俺たちを連れて屋敷の中へと入った。
執事さんを先頭にどんどん屋敷の奥へと向かっていく。
多分、談話室へと向かっているのだろう。
しばらく歩くと、一つの部屋の前で執事さんが立ち止まる。
「こちらへどうぞ。中にはリーシェ様の奥様のリオン様がいらっしゃいます。」
執事さんはそう言って入室を促す。
リーシェさんは軽くノックをするとドアを開けた。
「ただいま、リオン。今日はお客様を連れてきたよ。」
リーシェさんはそう声をかけると、中へと入った。
俺たちに「さあ入って」と言って促してきたので、みんなで中へと入る。
俺も一番最後に中へと入るところだ。
ルーシェさんの家族にこれで3人目だね!
どんな人なんだろうなぁ……楽しみだね!
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