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第7章 新しい出来事
俺の部屋にて
しおりを挟む俺は国王に渡すブレスレットを2つ作成し、それをリーシェさんに託すと、そろそろ夕方になるのでリッキーの家に帰ることにした。
帰り際にリーシェさんから「学校の授業が明後日から始まるから、明日のうちに国王に渡して身に着けてもらう予定だよ」と言われた。
そっか、明後日から授業始まるなら、早速身に着けてもらわないと安心して『先生』をやれないもんね!
俺たちは玄関先でリーシェさん達に見送られながら、馬車でリッキーの家へ向かう。
「明後日は私の授業があるから、楽しみにしていてね!」
リーシェさんが手を振りながらそう叫んだ。
なるほど、初日はリーシェさんの授業があるんだね、楽しみだな!
「何か準備したほうが良いものってありますか?」
俺がそう聞くと、「シエルくんは大丈夫だよ!」と返された。……じゃあミストさん達は?
とりあえずリーシェさんは魔法関連の先生で実技もこなすということだから、後でリッキー達に聞いてみようかな。
馬車で揺られながら向かう事、約15分。
まだ暗くなる前にリッキーの家に到着した。
意外とリーシェさんの家とは離れているんだね。
学校が5分だから、学校はホント近いねぇ。
俺たちが馬車から降りて玄関に入ると、執事さんが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、皆様方。シエル様には教科書や授業で使う物が届いていますので、部屋に置いてあります。部屋に帰りましたら一度確認をいたしてください。」
なるほど、教科書とかの物品は貰えるんだね。
……小学生じゃないけど、名前を書かなきゃダメなのかな?
「とりあえずシエルの部屋に向かうか。さっきの話もあるしな。」
リッキーがそう言って歩き出す。
皆はそれにぞろぞろと続く。
「そういえば俺たちが学生の時はリーシェさん、まだ先生じゃなかったよな?」
リッキーは歩きながらそんな事をスコットさん達に問いかけた。
みんな口々に「確かにいなかったな。」と言っている。
ということは、みんなが卒業してから教師になったのだろう。
「俺たちの時とは半数も入れ替わっているようだし、授業のカリキュラムも変わっているかもしれない。俺たちの授業をどうするのか他の先生とも話し合わないとならないな。」
スコットさんも臨時講師になったは良いが、やはり少し不安なのだろう。
「そうだな、明日にでもクロニカ先生に聞きに行ってみるか。スコットは一緒に来るだろう?」
「ああ、俺は行くつもりだ。エミリー達は来るか?」
「ん~~、私たちはこの屋敷に残っているわ。そんな皆で行ってもしょうがないもの。」
皆がそうやって話をしているが……俺は?
俺はどうしたら良いんだろう?
「お前は明後日のためにもしっかり体を休めておけよ。リーシェさんがする授業なら間違いなく魔法関係だからな。魔力は大事だ。」
リッキーがタイミング良く俺の疑問に答えてくれた。
……心を読んだね?
そんな話をしていると、ちょうど俺の部屋に到着したので中へと皆で入る。
入るとすぐにセバスを鞄から出してやった。
部屋の中を見回すと、ベッドの近くにある机の上に何冊もの教科書が乗っている。
これが先ほど執事さんが言っていたものなのだろう。
机に座ると教科書をペラペラとめくってみる。
ちょうどめくった教科書がこの国の歴史についてのものだったが、最初から読んているわけじゃないから良く分からなかった。
「教科書には名前書いとけよ?たまに忘れたからって他人の物を盗むやつとかいるからな。」
リッキーがそんな事を言って書くものをよこした。
……マジか、『貸してくれ』ならわかるが、盗むって……。
皆が頷いているところを見ると、過去にそんな事があったのかもしれない。
とりあえず俺は教科書に名前を手早く書くと、リッキーに書くものを返してから、みんなに座っているソファーへと向かった。
俺がソファーに座るとすかさずリッキーが話し出す。
「それにしてもシエル、とんでもないもの作ったな?」
「そうだぞ、もっと簡単なもので良かったんじゃないかとも思うが……ただ、国王もなかなか大変だな。」
「ええ、まさか命を狙われているなんてね。私達のと同じような魔道具が必要なのはよくわかるわ。」
「そうよね。ただ、シエルくんのおかげでこれからは命に関しては大丈夫だけど……とんでもない人を次期国王に選んでしまうとその人が天寿を全うするまでどうにもならないものね。そこら辺を最初から何とかできれば、
この国は本当の意味で安泰だわ。」
色んな事をみんな口々に言う。
そうだよね、確かにとんでもない人が国王になったらこの国は大変だろうね。例えば第一王子のセインとか?
あらかじめ『この国をダメにする人物』を選ぼうとしたら拒絶できるように今からでもできないんだろうか?
あるいは最初はまともな人物だったとしても、何かあって『この国をダメにする人物』になってしまったらブレスレットが外れて『資格』を失う……とか?
あぁ……今からでも訂正できないだろうか?
俺がみんなに「こんな風に今からでも作り変えられたら良かったのに」という「訂正案」を話すと、ユーリが首を傾げた。……一体どうした?
「……にぃに、『今からでもそう訂正しておこうか』だって。どうする?」
ユーリが誰かから話しかけられたかのように俺へと問いかけてくる。……誰だよ?なんとなく分かるけど。
俺はユーリに「それが可能なら、後者の方で」と答えておいた。
もしかするとユーリに話しかけている人物がなんとかしてくれるのかな?
今度リーシェさんに会ったら、どう変化していたのか聞いてみようかな。
それからもう少し話をした後、夕飯に呼びにきたメイドさんと一緒に食堂へと向かい、食事を取った後は皆それぞれの部屋へと行ってゆっくり休むことになった。
俺も部屋へと帰ってくるとベッドに倒れ込み、そのままうっかりと夢の国へと旅立ってしまった。
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