333 / 529
第8章 国立学校編
学校初日 4
しおりを挟む午前中の授業……っていっても学校案内だけだったけど、それが終わってから学校の食堂で昼食をとった。
この学校の食堂はかなり広くて、全校生徒と教員がみんな揃って食べられるほどの席がある。
ちなみに俺たちの学年は1クラスしか無く、人数も30人ほどだ。
他の学年では2クラスあるところもあるが、基本1クラスらしい。
それが14歳から18歳までの5学年ある。
その他に教員や講師が40人ほどいるので、単純計算でも200人は入れる食堂ってことだ。
日本の大学の食堂並みだね!
出てきた食事はさすが貴族が食べる事もあって、結構豪華だった。
国立学校に入れば国からの補助で食事は無料で食べられる。……その代わり、貴族は授業料が高いけどね!
午後からの授業が始まるので、朝に座った席に戻ってきた。
どうやら席は自由座席らしく、朝とは違う座席に座っている。
大体の人は午前中の校内案内の時にみんな仲良くなれそうな人を見つけたらしく、その人達と席を隣り合わせに座ったりしているようだ。
俺の場合は結局スコットさんとリッキー、クロードとしか話してないので、他に仲良くなれそうな人はいない。
なので、必然として俺の周りには王族が集まってしまった……。
「午前中はお前、ずっとクロードと話していたな!俺達とも仲良くしろよ!」
「そうよ、そうよ!私も仲良くしてあげるわ!」
「……。」
そんな2人に、俺はため息をつく。
……クロードだけで良いんだけど?
俺はそんな気持ちを込めてクロードを見ると、彼は苦笑いをしていた。
まぁ彼も、2人がもっと上から目線で何か強制してきたら止めてくれるだろうし、俺の我慢の限界までいかなければ良いか……。
俺が再度ため息を付いた時、教室のドアが開いた。
中に入ってきたのは、リーシェさんだ。
「君たちのほとんどとは初めましてだね。私の名前はリーシェという。本業はこの国の魔法師団の団長をしている。いわゆる『魔法のエキスパート』だ。この学校では高度な専門的知識や経験のある教員がそれぞれの得意分野を君たち学生に教えることになっている。私の担当は『魔法の原理』や実技指導となる。今日のところは初日だし、修練場で皆がどこまでの力があるのかのチェックをするかな。あ……シエルくんは私の手伝いをしてもらおうかな。君は十分すぎるほどの実力の持ち主だからね。でも最後に手本としてやってもらうかも?一番先にやっちゃうと、皆がやる気なくしそうだからね。」
リーシェさんはそこまで一気に話すと、俺を見ながらくすくす笑った。……いや、何故に笑ったのかな?
「あっ……そうそう、この授業を担当するのは私の他に2人いるんだ。……さあ、入ってきなさい。」
リーシェさんのその言葉に、2人の女性が教室に入ってきた。そう、エミリーさんとリリーさんだ。
「彼女たちはBランク冒険者『スノーホワイト』のメンバーで、攻撃魔法担当がエミリー、回復魔法担当がリリーといいます。さあ、2人とも自己紹介をしてくださいね。」
リーシェさんが自己紹介を促すと、まずはエミリーさんが一歩前に出た。
「リーシェさんの紹介にあったエミリーです。メンバーの中では主に攻撃魔法担当です。でも多少は回復魔法も使えます。みんなも両方使えるようになりましょうね!」
エミリーさんはそう言って、一礼する。
次にリリーさんの番だ。
「初めまして、チームの回復魔法担当のリリーです。私は回復魔法の他には自分の武器で殴る事も得意です♪よろしくね!」
……『撲殺聖女』再び?
とうとう自分から言っちゃったよ……。
リリーさんの自己紹介を聞いたリーシェさんは苦笑いだ。……俺も苦笑いだよ。
「……なぁ、あの2人、お前の冒険者チームのメンバーなんだろ?」
セインが俺に聞いてくる。
もちろん俺は頷く。
「じゃあ聞くけど、あの2人ってどちらが強いんだ?」
セインは更に俺に聞いてくる。
……その質問はちょっとなぁ。
いろんな意味でリリーさんは「強い」から、難しいよ。
俺は苦笑いで誤魔化しておく。
「さて、補助教員の自己紹介も終わったし、みんなで修練場へ移動しようか。」
リーシェさんはそう言って、クラスの皆を促す。
みんな揃ってゾロゾロと移動していると、エミリーさんとリリーさんの2人が最後尾までやってくる。
「ねぇシエル、一緒に行きましょう?」
リリーさんはそう言うと俺の腕を取る。……え?
「そうね、私たちと行きましょう。」
リリーさんの行動を見てエミリーさんもそう言うと、リリーさんと反対の腕を取る。……なんで?
するとそのあからさまな『王族排除』でムッとするセインとローラ。
特にローラは王女であることを忘れて凄い顔で「ぐぬぬぬっ!!!」と唸っている。……良いのかな、王女なのに?
そんな2人を見てため息をつくクロード。
……その気持ち、よくわかるよ。
2人は俺の腕を取り、王族3人を最後尾に残して前へと俺を連れて行く。
最前列にいるリーシェさんの所へ連れて行くと、満足したのかまた最後尾へと向かった。
俺は1つため息をつくと、リーシェさんと並んで歩く。
そんな2人の行動を見てくすくす笑ったリーシェさん。
「ホント、仲が良いよねぇ、君たち。本当の兄姉みたいで微笑ましいよ。」
「……そうですかねぇ?」
「ああ。とても良いことだと思うよ?」
リーシェさんはそう言って頷く。
その後のリーシェさんな話では、やはりチームメンバーは絆が強ければ強いほどランクは上へと登っていけるそうだ。
お互いを信頼したり、ピンチの時は命懸けで助け合ったり、互いに切磋琢磨していくので、必然的に良いチームになっていくんだとか。
「そういえばリーシェさん。俺は修練場に着いたら何をすれば良いんですか?」
俺は『補佐をしろ』という発言を思い出し、聞いてみた。
「ああ、シエルくんには結界を頼もうかなと思ってるよ。流石に修練場の壁は防御魔法はかかってないからね。」
俺はリーシェさんの言葉に納得する。
そうだよね、剣術なら壁を壊すことはまぁ無いだろう。
でもさすがに魔法はそうはいかない。
俺の結界は相当硬いらしいし、遠慮なく打てるようになるだろう。……だから頼んだのかな?
俺はそれならばしっかり頑丈なものにしようと心に決めたのだった。
266
あなたにおすすめの小説
オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい
広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」
「え?」
「は?」
「いせかい……?」
異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。
ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。
そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!?
異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。
時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。
目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』
半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。
そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。
伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。
信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。
少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。
====
※お気に入り、感想がありましたら励みになります
※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。
※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります
※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
追放されたけど実は世界最強でした ~元下僕の俺、気ままに旅していたら神々に愛されてた件~
fuwamofu
ファンタジー
「お前なんか要らない」と勇者パーティから追放された青年リオ。
しかし彼は知らなかった。自分が古代最強の血筋であり、封印級スキル「創世の権能」を無意識に使いこなしていたことを。
気ままな旅の途中で救ったのは、王女、竜族、聖女、そして神。彼女たちは次々とリオに惹かれていく。
裏切った勇者たちは没落し、リオの存在はやがて全大陸を巻き込む伝説となる――。
無自覚にチートでハーレムな最強冒険譚、ここに開幕!
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる