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第8章 国立学校編
学校初日 8
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俺は授業終了&下校を告げたリーシェさんが教室を出ると、慌てて追いかける。
「リーシェさん、待って下さい!教務員室へ行くんだったら俺も一緒に行きます!」
俺がそう声をかけると、「ああ、一緒に帰るからメンバーのところに行くんだね?」と言ってリーシェさんは立ち止まってくれた。良かった、それならセイン達にもバレないね。
俺はリーシェさんに追いつくと、周りには気づかれないようにこっそりと、先ほどセインに言われたことを伝えた。
するとリーシェさんは「なるほど……私は言ってないということは、犯人はミラーしかいないね。」と眉間に皺を寄せて言った。
あぁ~……あの人、やっぱり信用できない人だよね。
「はぁ~……こうなってしまったら、例え『王に言うぞ』と言っても『じゃあバラしてやる!』と言って聞かないでしょうね、セインくんとローラさんは。ならば対応は2つだけです。」
リーシェさんは歩きながら俺に小さな声でそう言った。
「1つは君があきらめて勇者になる。……でもこれは君が嫌がるので却下でしょう?」
「ええ、そうですね。」
「ではもう1つの対応、『聖剣を失わせる』方向で王と話し合わなければなりません。」
「それって……」
「そう、以前も話しましたが、聖剣の中に封印されている精霊を完全に聖剣から解き放ち、『聖剣自体を失う』ことにするしかないですね。」
真剣な顔でリーシェさんはそう言った。
なるほど、それならもう『勇者』は存在しなくなる。
『聖剣』が存在しないからね。
「そしてこの国の聖剣が失われたことを、国民に発表してもらうことになるでしょう。そこまでしないと、セインくんの話には対抗できません。」
「……かなりの大事になりますね。以前はかなりの騒動になるから精霊を解放したとしても、それを隠して元の場所に戻す……って言っていたのに。」
「ええ、国の防衛の1つである『聖剣』が無くなるのですから、かなりの一大事です。ですがそれを引き起こしたセインくんは国の防衛の1つである聖剣を失わなければならなくなった責任を取らされ、確実に王位継承権を剥奪されるでしょう。まぁ……身から出た錆、というやつですか。」
リーシェさんは1つ大きく息を吐くと、前を向いてそう言った。
そっか……そうだよね。
それぐらいの事をしでかすんだもんね。
身分をひけらかし、『スノーホワイト』の一員である俺に脅しをかけて無理やり自分の手駒にしようとすることは、国王が禁止していることを破ることになる。
……ちなみに、俺が勇者に指名されたことを漏らしたミラー騎士団長も何かしら罰を受けるだろう。
そこで俺はふと思い出した。
そう、クロードの左手首に例のブレスレットがはまっている事を。
「あと、もう1つ良いですか?」
「何だい?」
俺の方を向いたリーシェさんに、俺はさらに声を潜めた。
「クロードくんの左手首にあれがあったんですけど、王からは何か聞いてますか?」
「あれ?」
「そう、ブレスレットです。」
すると驚いた顔でリーシェさんは「昨日渡したばかりなのに?」と俺に問い返した。あれ?知らなかったの?
「ええ、今日彼と一緒にいた時にチラッと聞いてみたら、今朝学校に来る前に国王から『身を守るための魔道具だ』と言われて貰ったものらしいです。それと、『セイン達にも身につけさせたかったが1つしか無いからお前に渡した』とも言われたそうです。」
俺がクロードから言われたことをかいつまんで話すと、苦々しい顔をしたリーシェさんは、眉間を揉みながらため息をついた。
「……あの人は何を考えているんだろうか。本当に意味を理解して渡しているのか少し不安があるな。……よし、帰りに国王に会ってくるかな。」
リーシェさんは笑いながらも目のすわった顔をして、低い声でそう言った。……あれ?もしかしてめっちゃ怒ってる?
「でも大事な話を聞かせてもらえて助かりました。知らなければ対応が後手に回るところです。」
「でもリーシェさん、クロードくんはどうやらかなり前から頭痛に悩まされていたことを知ってましたか?」
「ああ、クロードくんの頭痛は知ってましたよ?でも軽いものだと思っていたんですが、そうではなかったんですか?」
「ええ、本人は相当悩んでいたそうなので、かなり痛かったり頭がぼんやりしていたんだと思います。」
「でも、それがどうかしましたか?」
不思議そうに首を傾げたリーシェさんに「ブレスレットをつけたら頭が痛くなくなったと言われました」と伝えると「なるほど、それは良かったですね」と言って笑った。
「国王も、もしかすると彼の頭痛を気にしていて、それで渡してしまったのかもしれませんね。」
「ええ、そこまでは良いんです、そこまでは。問題はその頭痛が、もしかすると神父からの隷属の魔法をかけられていたからかもしれないんです。」
俺のその一言に、バッとこちらを見たリーシェさん。
俺は頷くと「彼の頭が痛くなった時期とちょうど重なるんですよ。」と伝えた。
「……なるほど、それは可能性が高そうですね。」
「ですよね。」
「それで、君はそれを知ってどうしたいのかな?」
リーシェさんは俺の返答を知っていながら、あえてそう聞いた。
「俺としては国王とクロードくんのブレスレットを手直ししたいのですが……確かあのブレスレット、『ロック』のダンジョンからゲットしたって言っておくとリーシェさん言ってましたが、やはりそう伝えましたか?」
「ああ、そうだね。あれはダンジョン産だと伝えてしまったね。」
「ならば、完成した品に追加で機能を足すことはできますかね?」
俺の言葉に、悩んでしまったリーシェさん。
多分『どうやって足すか』という事と、『どうやって手直しさせてもらうか』で悩んでいるのだろう。
リーシェさんは教務員室の近くまで来てもまだ悩んでいたが、「国王には君の正体やブレスレットの本当の事を話してもいいかい?」と俺に聞いてきた。
なるほど、この2つをクリアすれば手直しさせてもらうことは可能だろう。
「とりあえず今はクロードも隷属の魔法からは解放されているから、その間しばらく考えてみてね。」
「……わかりました。」
リーシェさんはそう言うと教務員室に入り、スコットさん達に声をかける。
教務員室から出てきた4人を見て、俺はホッとした。
多分、かなり精神的に参っていたのだろう。
つい、泣き笑いをしてしまった。
すると皆は何も言わずに、俺の頭をポンポンと撫で始めた。……いや、子供じゃないってば!
そうは思っていても、体の年齢に心が引っ張られるようで、この世界に来てからはだいぶ弱くなった気がする。
精神的に参っていた心が、みんなの優しさに触れてゆっくりと癒されていく。
……あリがとう、みんな。
これからもずっと一緒にいようね!
「リーシェさん、待って下さい!教務員室へ行くんだったら俺も一緒に行きます!」
俺がそう声をかけると、「ああ、一緒に帰るからメンバーのところに行くんだね?」と言ってリーシェさんは立ち止まってくれた。良かった、それならセイン達にもバレないね。
俺はリーシェさんに追いつくと、周りには気づかれないようにこっそりと、先ほどセインに言われたことを伝えた。
するとリーシェさんは「なるほど……私は言ってないということは、犯人はミラーしかいないね。」と眉間に皺を寄せて言った。
あぁ~……あの人、やっぱり信用できない人だよね。
「はぁ~……こうなってしまったら、例え『王に言うぞ』と言っても『じゃあバラしてやる!』と言って聞かないでしょうね、セインくんとローラさんは。ならば対応は2つだけです。」
リーシェさんは歩きながら俺に小さな声でそう言った。
「1つは君があきらめて勇者になる。……でもこれは君が嫌がるので却下でしょう?」
「ええ、そうですね。」
「ではもう1つの対応、『聖剣を失わせる』方向で王と話し合わなければなりません。」
「それって……」
「そう、以前も話しましたが、聖剣の中に封印されている精霊を完全に聖剣から解き放ち、『聖剣自体を失う』ことにするしかないですね。」
真剣な顔でリーシェさんはそう言った。
なるほど、それならもう『勇者』は存在しなくなる。
『聖剣』が存在しないからね。
「そしてこの国の聖剣が失われたことを、国民に発表してもらうことになるでしょう。そこまでしないと、セインくんの話には対抗できません。」
「……かなりの大事になりますね。以前はかなりの騒動になるから精霊を解放したとしても、それを隠して元の場所に戻す……って言っていたのに。」
「ええ、国の防衛の1つである『聖剣』が無くなるのですから、かなりの一大事です。ですがそれを引き起こしたセインくんは国の防衛の1つである聖剣を失わなければならなくなった責任を取らされ、確実に王位継承権を剥奪されるでしょう。まぁ……身から出た錆、というやつですか。」
リーシェさんは1つ大きく息を吐くと、前を向いてそう言った。
そっか……そうだよね。
それぐらいの事をしでかすんだもんね。
身分をひけらかし、『スノーホワイト』の一員である俺に脅しをかけて無理やり自分の手駒にしようとすることは、国王が禁止していることを破ることになる。
……ちなみに、俺が勇者に指名されたことを漏らしたミラー騎士団長も何かしら罰を受けるだろう。
そこで俺はふと思い出した。
そう、クロードの左手首に例のブレスレットがはまっている事を。
「あと、もう1つ良いですか?」
「何だい?」
俺の方を向いたリーシェさんに、俺はさらに声を潜めた。
「クロードくんの左手首にあれがあったんですけど、王からは何か聞いてますか?」
「あれ?」
「そう、ブレスレットです。」
すると驚いた顔でリーシェさんは「昨日渡したばかりなのに?」と俺に問い返した。あれ?知らなかったの?
「ええ、今日彼と一緒にいた時にチラッと聞いてみたら、今朝学校に来る前に国王から『身を守るための魔道具だ』と言われて貰ったものらしいです。それと、『セイン達にも身につけさせたかったが1つしか無いからお前に渡した』とも言われたそうです。」
俺がクロードから言われたことをかいつまんで話すと、苦々しい顔をしたリーシェさんは、眉間を揉みながらため息をついた。
「……あの人は何を考えているんだろうか。本当に意味を理解して渡しているのか少し不安があるな。……よし、帰りに国王に会ってくるかな。」
リーシェさんは笑いながらも目のすわった顔をして、低い声でそう言った。……あれ?もしかしてめっちゃ怒ってる?
「でも大事な話を聞かせてもらえて助かりました。知らなければ対応が後手に回るところです。」
「でもリーシェさん、クロードくんはどうやらかなり前から頭痛に悩まされていたことを知ってましたか?」
「ああ、クロードくんの頭痛は知ってましたよ?でも軽いものだと思っていたんですが、そうではなかったんですか?」
「ええ、本人は相当悩んでいたそうなので、かなり痛かったり頭がぼんやりしていたんだと思います。」
「でも、それがどうかしましたか?」
不思議そうに首を傾げたリーシェさんに「ブレスレットをつけたら頭が痛くなくなったと言われました」と伝えると「なるほど、それは良かったですね」と言って笑った。
「国王も、もしかすると彼の頭痛を気にしていて、それで渡してしまったのかもしれませんね。」
「ええ、そこまでは良いんです、そこまでは。問題はその頭痛が、もしかすると神父からの隷属の魔法をかけられていたからかもしれないんです。」
俺のその一言に、バッとこちらを見たリーシェさん。
俺は頷くと「彼の頭が痛くなった時期とちょうど重なるんですよ。」と伝えた。
「……なるほど、それは可能性が高そうですね。」
「ですよね。」
「それで、君はそれを知ってどうしたいのかな?」
リーシェさんは俺の返答を知っていながら、あえてそう聞いた。
「俺としては国王とクロードくんのブレスレットを手直ししたいのですが……確かあのブレスレット、『ロック』のダンジョンからゲットしたって言っておくとリーシェさん言ってましたが、やはりそう伝えましたか?」
「ああ、そうだね。あれはダンジョン産だと伝えてしまったね。」
「ならば、完成した品に追加で機能を足すことはできますかね?」
俺の言葉に、悩んでしまったリーシェさん。
多分『どうやって足すか』という事と、『どうやって手直しさせてもらうか』で悩んでいるのだろう。
リーシェさんは教務員室の近くまで来てもまだ悩んでいたが、「国王には君の正体やブレスレットの本当の事を話してもいいかい?」と俺に聞いてきた。
なるほど、この2つをクリアすれば手直しさせてもらうことは可能だろう。
「とりあえず今はクロードも隷属の魔法からは解放されているから、その間しばらく考えてみてね。」
「……わかりました。」
リーシェさんはそう言うと教務員室に入り、スコットさん達に声をかける。
教務員室から出てきた4人を見て、俺はホッとした。
多分、かなり精神的に参っていたのだろう。
つい、泣き笑いをしてしまった。
すると皆は何も言わずに、俺の頭をポンポンと撫で始めた。……いや、子供じゃないってば!
そうは思っていても、体の年齢に心が引っ張られるようで、この世界に来てからはだいぶ弱くなった気がする。
精神的に参っていた心が、みんなの優しさに触れてゆっくりと癒されていく。
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これからもずっと一緒にいようね!
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