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第8章 国立学校編
2人とも、浄化するよ!
しおりを挟む「とりあえずはその『隷属の魔法』を解除しなきゃなんだけど……シエル君じゃ浄化は無理かな?」
リーシェさんは俺の方を見てそう聞いてきた。
そうだなぁ……リッキーたちの事も結局はユーリが気づいて浄化したんだよね。
あの時のことをリーシェさんに話すと、リーシェさんは「じゃあユーリ様に頼みますか?」と提案してきた。
どうしようか俺が迷っていると、腕輪から小さな声が聞こえた。
「にぃに、僕やっても良いよ?僕は特別だから、別にこの中からでも魔法が使えるみたい。だからにぃには僕の言葉に従って、自分が魔法をかけているかのように振るまってね!」
……な、なるほど。
それならユーリの姿を見られなくてすむのは間違いない。
……それは確かに間違いないんだが……その代わり、俺が「何やつ!?」って思われるパターンだと思うんだよね?そう思わない?
俺が微妙に納得いかないでいると、リッキーに「いや、もうすでにそう思われているから大丈夫!」と言って親指を立ててウインクをされた。
……仕方があるまい。
俺が身代わりになれば良いんだろ?
俺は腹をくくるとブレスレットを耳につけてみた。
するとユーリが手順を囁いた。
それを聞き終わると、俺はセインとローラに向かってブレスレットをしている手を翳す。
「じゃあ俺が浄化するから、動かないでね?」
俺は2人に向かってそう言うと、クロートが「さっきリーシェさんが『シエル君じゃ無理かな?』って言わなかったっけ?」と言って首を傾げる。
するとリーシェさんが「まぁ、シエル君も高度な神聖魔法の使い手だから大丈夫かも?」とフォロー入れてくれた。……もしかしてユーリの話を聞いていたのかな?
「じゃあ……始めるね。」
俺がそう言うと、手首に近いブレスレットの縁からユーリの銀色に光る魔力が2人へと降り注ぐ。
2人は俺の方を見ていたから、その神秘的な銀色の魔力をもろに目の当たりにしたらしく、驚きで目を見開いていた。
ユーリの魔力は2人をそれぞれ包み込むと、光を増した。……あれ?みんなの時と少し違うね?
その光がゆっくりと消えると、いつの間にか目を瞑っていた2人は目を開いた。
「……なんだか頭がスッキリした気がする。」
「あら、セインも?私もいつもあったモヤモヤした気分がかなり和らいだかも?」
2人は揃ってそんな事を言いながら各自の身体をあちこち見ている。……いや、別に外見は変わってないはずだよ?
「リーシェさん、2人の『隷属の魔法』って解除できました?」
俺は2人の様子を観察してから、リーシェさんへと話しかける。
リーシェさんは再度1人ずつ『健康診断』をし、2人の『隷属の魔法』が消えているのかを確認してくれた。
「う~ん……2人の『隷属の魔法』なんだけどね?かなり薄まってはいるんだけど……完全には消えてないかな。まぁ……ここまで来れば、あとはシエル君と行動を共にしていればそのうち消えるから心配いらないよ。」
2人を診るのが終わったリーシェさんが俺の方を向いてそう言った。……俺と一緒にいると消える……?
「それってどういう事ですか?」
「ん?そのままの意味だよ。もしかして君、全然気づいてなかったのかい?君の魔力には癒しの効果があるみたいで、もしかすると2人は知らず知らずの間に少しずつ解除されていたんじゃないかな?」
リーシェさんの言葉に俺は驚く。
ちょうど教務員室に向かう途中でクロードに同じ事を言われていたからだ。
えっ、マジで俺の魔力にはそんな効果あるの!?
俺は思わずセイン達2人をまじまじと眺めたが、流石に表面的なものではないのでよく分からなかった。
「それにしても……その『隷属の魔法』は誰がかけたんだろうな?」
セインはそう言って首を傾げている。
「多分だけど……魔法をかけたのは、王城の近くに建っている教会の神父じゃないかな?君たちも言っていたじゃないか、母親の第2王妃の部屋に神父がやってきた時に気持ち悪くなった…って。実はこの前の祭りの時に俺たちもかけられたんだが、やはり具合悪くなったんだよね。」
俺はそう言うと、肩をすくめた。
「やっぱりあいつなのか!?あいつ……一体何者なんだ?そんな魔法を使うなんて……。」
セインはそう言うと眉をひそめる。
ん~~、それはこの場にいるみんなが思っていることだと思うんだよね。
一体、彼は何者なんだろう……?。
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