異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ

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第8章 国立学校編

様々な思い

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「確かにあの神父は謎が多いですよね。第1王妃の知り合いだという話でしたが、なんだかそれも疑わしくなってきましたね?」

リーシェさんが険しい顔してそんな事を言う。

……え?知り合い?幼なじみじゃなくて?

でもリーシェさん、第1王妃の2番目の子供はあの神父の子だって言ったよね?

「リーシェさん、あの神父って第1王妃の『幼なじみ』じゃないんですか?」

「……え?いや……確か王妃自ら『私の知り合いだ』と聞かされたけど?それがどうかしたかい?」

俺の質問に答えてくれたリーシェさんは首を傾げた。

まぁ確かに『幼なじみ』も『知り合い』のうちだけど、言い方がなんだか少し距離があるように感じられるのは気のせいか?

「……リージェさん、あの話…」

「シエル、その話を今するのはやめないか?」

俺が話し始めるとすぐにリッキーが話を遮り、王族3人組をチラッと見た。あ……そういえばいたね。

「なぁ、なんで話をやめるんだ?」

訝しそうな顔でセインがそう言った。

確かにここで話をやめるのは気になってしょうがないだろう。

俺はリーシェさんの顔を見る。

すると、彼は苦笑いをして頷いた。

「彼らも学生になるほど成長しましたし、国王ももう知っています。この3人には真実を話しても良いのではないでしょうか?」

リーシェさんは暗に「第1王妃の第2子の事を話しても良い」と言ったのだが、王族3人組は自分達のことを言われるのでは?といった緊張した顔でこちらを見ていた。

そんな顔を見たからなのか、俺たちの口からではなく自分の口から語るべきだろうと思ったらしいリーシェさんは、真剣な眼差しで3人を見た。

「……多分あなた達にとっては……特にセイン、あなたはショックを受けるかもしれませんが……それでも聞きますか?」

リーシェさんのその言葉に、3人は頷く。

「ならば話しましょう。でもその前に言っておきますが、この事は国王であるあなたたちの父親も知っておられます。そのことは頭に入れておいてください。」



頷く3人に、リーシェさんは第1王妃の話をする。


彼女が国王とは違う人を好きであった事。

それでも親の決めた婚約だからと仕方がなく結婚してセインを産んだ事。

それ以降は『お役御免』といった感じで国王とは不仲であること。

現在、彼らの『兄弟』として産まれた子が『女児』であるのにも関わらず、なぜか第1王妃はその子を『男児』として自分で育てている事。

……そして、その子の父親が、彼らの父親である国王ではない事。



全てを話し終えた時、3人はそれぞれ違った表情をしていた。

ローラはさすがにショックを隠せなかったようだが、もしかすると『未来の自分』を重ねてしまったのかもしれない。

クロードは眉を顰めた顔で何か考え込んでいる。

そしてセインは、その顔から表情が消えていた。

「……その話は本当か?」

低い声でセインはそう言った。

「ええ、これは国王もご存知の話です。……多分セイン王子は実母の事は覚えていないのではないですか?」

「ああ、確かに俺は話でしか第1王妃の事は知らない。記憶にないというより、小さい頃は実母はこいつらの母親だと思っていたくらいだ。それほどにあいつとは関わりが薄い。……それに、その子供は一体誰の子だ?王の子でないとするなら、完全なる不貞ではないか。何故、父上はそのまま王妃の座につかせている?」

静かな怒りを内に秘め、セインは震える声でそう言った。

そうだよね……自分は捨てられたも同然なのに、何故か第2子たけを自分の手で育てている点は引っかかるよね。

そんなセインを見て、リーシェさんは口を開く。

「王にこの話をした時、彼は『良いのだ、知っている。あいつには悪いことをしたと思っている。結婚する前にこちらから婚約破棄をしてやれば、今頃はその相手と結婚して幸せになっていたかもしれぬのだから。離婚をせずに王妃の座にいるのを認めているのは、その罪滅ぼしのためだ。』と仰っていました。彼は薄々感じていたことがはっきりした今、ご自分の伴侶は第2王妃のリーサ様だけと心の中で決めたらしい。」

それを聞いたセインは長い時間をかけて息を吐いた。

そうやって自分の中の納得できない事柄を飲み込もうとしているのかもしれない。

「……まぁ父上が納得してそのままにしているのなら、我々は何も言うことはない。」

何も言わないセインの代わりに、クロードがそう答えた。

「それにしても第1王妃はその子をどうしたいのだろうか?王族には誰一人として会わせようとはしていないのに、『男児』と偽って育て、更には『王子の中では一番優秀だ』という噂まで流している。これではまるで『次期国王はその子だ』と周りに思わせているようじゃないか?」

「……やっぱりクロード王子は気づいたね?それは間違いないんじゃないか、というのが国王と私の意見だ。第1王妃に国王は今までその子の面会を何度か申請しているのにもかかわらず、1度もさせてもらえなかったんだ。だからこれからは面会申請すら打診しないことにしたらしいよ。完全に第1王妃の事は放置することにしたらしい。」

クロードの問いかけに、リーシェさんはそう答える。

「それに……近い内に自分の後を継がせる者を選んで、公表するんじゃないかな?」

リーシェさんはそう言うと、気付かれないようにチラッとクロードを見た。


それにしても……多分その時にセインの廃嫡も発表するんだろうに、今の3人にそれを話して関係がギクシャクしないと良いんだけど……。
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