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第五章 世界の向かう先
55.なんとなく準備
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いつの間にこんな事になっていたんだろう。確かにチェックをしていなかったのは確かだけど、まさかこれほどまで変わっているなんて想像もしていなかった。まるでついこの間までハイハイをしていた赤ちゃんが走ってしゃべってるくらいの違いだ。
「だからお兄ちゃんさ、見に行ってみようよ。
そしたらどのくらい強いのかわかるってば」
「そう言うけどさ、明らかに大したことないよ。
魔物を相手にし始めたって言ったって所詮小型だし心配ないだろ。
人間族以外の村を襲ったり各地を荒らしたりするなら別だけどさ」
「そうなる前にやっつけちゃった方がいいよ。
弱いうちのが簡単だし、ただ見てるだけなのも暇だしさ。
とりあえず見るだけでいいから行ってみようよー」
「そういえば人間の街を見に行くって話が立ち消えになったままだったしなぁ。
問題は足だよ、バイクはいまだに動かし方がわからないしね。
一緒に仕舞われたんだし、ポチは何かしらないの?」
「まだ目覚めていないだけじゃろ?
ワシが目覚めたもののように、条件を満たすことで発動する仕掛けは珍しくない。
ジジイがお主らに遺したのならたどり着けない条件にはするはずもない。
どこかにヒントがあるじゃろうて」
「ポチが目覚めたのは陽に当てたから?
それともおかもちから出したからなのかな?」
「ワシの場合は卵に魔力が触れる、じゃな。
ま、その程度のことなのだろうがワシにはバイクのことはわからん。
ジジイもライが自分で答えを導き出すのを待っておるじゃろうよ」
条件と言うのがあまりに簡単すぎて驚いたが、卵なのだから温めたら孵るのは当たり前だ。つまりバイクならガソリンを入れてからカギを回してスターターを押せばいいのかもしれない。といっても鍵はないのでセルだけなのかそれともキックか?
プレイヤーたちの監視をしながらうずうずし続けている真琴を置いて、僕はひとりガレージへと向かった。ポチに言われたことをヒントになんとか動かしてみたいのだ。
まずはバイクへ跨ってみる。左右のグリップをしっかり握ってから無駄だとわかりつつも魔力を流してみるが、当然のようになにも起きないし、そもそも魔力が流れていない。スターターボタンも無反応だしキックを蹴り下げてもうんともすんとも言わない。
やっぱり、バッテリーやガソリンが必要なのか、それともどこかにあるかもしれない鍵を探すべきか。悩んでもいても仕方ないが、そもそもこのバイクがガソリンエンジンどころかエンジンがあるのかも怪しい。
今まで細部まで見ていなかったが、よく見てみるとタンクキャップはないしバッテリーもない。さらに詳しく見ていくと、各部を組み立てるためのボルト類やエアバルブも存在しない不自然すぎる構造だった。
ということは、やはりこのバイク全てが爺ちゃんの手によって一括生成された魔道具ということになりそうだ。バイクの形をしているくらいだからチャーシやポチのような自立型ではないだろうが、ごく普通のバイクと言うこともなさそうだ。
爺ちゃんがこのバイクを作ったころには、僕のように魔力放出が出来ない魔人は存在しなかった。ということは、そのことが考慮された造りではないと予想できる。真琴が魔力を流すとメーターが光ることから魔力が必要であることは間違いないだろう。それに加えて恐らくは僕自身が必要だと考えられる。つまり僕が魔力を流せればいい。
もう一度バイクに跨りハンドルを持ってグリップに意識を集中する。バイクが丸ごと魔道具ならできるはずだ。そう考えながら握りこんだ手には次第に尖った刺激が加えられていく。イメージを作り、膨らませて自分とバイクを繋げるのだ。
しばらくすると握った手の中にあるグリップにはトゲが生え手のひらに食い込んできた。いや、トゲなんてもんじゃなく、鋭さを持った蔓のような感触が腕の中まで飛び込んできた。それは見る見るうちに血管を通じて肘の辺りまで登ってくると体から魔力が吸われていくのがわかる。
結構な痛みはあるものの、狙い通り目の前のメーターが光りだした。やはり僕が魔力を流すことがトリガーだったのだ。体内に食い込んでいる蔓を通じ、バイクへ向かってドクドクと脈打つように魔力が注がれていく。
やはり魔力で動くだけあってエンジンは見てくれだけのようだ。しかしアイドリングしているようにシートを通じて振動が伝わってくる。試しにスロットルを煽ってみるときちんと反応した。
『ト、ト、ト、ト、ト、ヒューン、ヒューン』
「お、結構それっぽくていい感じ!
出前用のアレとはやっぱり違って吹け上がりが軽いや」
どうやら吸い取った魔力を元にしてエンジンっぽい部分が動いているようだ。このままギアを入れればそこから駆動部を経て後輪を駆動するという当たり前の構造だろう。
僕は魔力をいったん解除して、腕の中に這っている蔓を消滅させバイクから降りた。さっきのやり方で本当に走るまで動かせるかはわからないが、ガレージの中では試すこともできない。そう考えた僕は、ガレージの外扉を開けてバイクを庭へと引っ張り出した。
「あ、お兄ちゃん!
オートバイ動くようになったの?
早くどっか行けるようになるといいなー」
「まずは乗れるようにならないといけないけどな。
出前用と違ってパワーもスピードも段違いのはずだからさ。
僕にとっては初めての中型バイクだもんなぁ」
「そんなに違うものなの?
確かにちょっと大きいけどさ、乗り方は一緒なんでしょ?」
「まあそんなに違わないけど同じでもないよ。
でも慣れれば普通に乗れる…… はず……」
もう一度バイクへ跨った僕は、さっきと同じように腕の中へ蔓を伸ばし魔力を吸い取らせた。そのままスロットルを煽ると回転数が上がりストンと落ちる。一度だけ深呼吸をしてからクラッチを握りギアを蹴って一速へと入れた。
初めてのことなので、緊張しながらクラッチとスロットルを操作してゆっくりと走り出す。回転を上げながらギアチェンジすると体が後ろへ置いていかれるように加速する。はずだったのだが――
「あれ? なんかめちゃくちゃ遅いな……
まるで歩いてるみたいに遅いぞ?」
「あははー、オートバイって思ったより遅いもんなんだね。
マコが走った方が早そうだよー」
真琴の言っていることはまったくもってその通りで、いくらスロットルを回しても音ばかりでスピードは遅いままだった。これはおそらく供給魔力が足りてないんだろう。手のひらから入って腕へと差し込まれている蔓に吸われている魔力だけじゃダメなのか?
つまり魔力量の問題ってことなら自分から流せばいいってことになる。うまいこと調整できるのか微妙だけど、鱗を一枚ずつ生やすような感覚で少しずつ少しずつ送り込んでいくと、バイクから感じられるパワーが明らかに上がった。
再びスロットルを開けシフトアップしていくと、さっきよりも力強く加速を始めた。庭の中は芝生なので調子に乗ると転びかけないので速度を上げ過ぎないよう慎重なアクセルワークが必要だ。さらに二速から三速と上げるとそれなりに加速していく。
柵のそばまで進んでからシフトダウンしつつブレーキをかけると思い通りに減速し、転回しながらまたゆっくりと加速してシフトアップ、と繰り返していく。今まで乗っていた出前用バイクとはまるっきり違う感覚に酔いしれた僕は楽しくなりすぎて時間が過ぎるのも忘れて庭を走り回った。
「なんだ、すごく上手に乗れるんじゃん。
これなら今すぐにでも出かけられるね!
ねえねえお兄ちゃん、いつ出発する?」
「いくらなんでも気が早すぎだよ。
こんな狭い庭の中だけで乗れても不安しかないってば」
人間たちの街トラストまで行くかどうかは別にして、少し遠出できるくらいには早めに慣れておきたい。今日はもう遅くなったけど明日から少しずつ練習して慣れて行こう。そんなことを考えながらこの日は眠りについた。
「だからお兄ちゃんさ、見に行ってみようよ。
そしたらどのくらい強いのかわかるってば」
「そう言うけどさ、明らかに大したことないよ。
魔物を相手にし始めたって言ったって所詮小型だし心配ないだろ。
人間族以外の村を襲ったり各地を荒らしたりするなら別だけどさ」
「そうなる前にやっつけちゃった方がいいよ。
弱いうちのが簡単だし、ただ見てるだけなのも暇だしさ。
とりあえず見るだけでいいから行ってみようよー」
「そういえば人間の街を見に行くって話が立ち消えになったままだったしなぁ。
問題は足だよ、バイクはいまだに動かし方がわからないしね。
一緒に仕舞われたんだし、ポチは何かしらないの?」
「まだ目覚めていないだけじゃろ?
ワシが目覚めたもののように、条件を満たすことで発動する仕掛けは珍しくない。
ジジイがお主らに遺したのならたどり着けない条件にはするはずもない。
どこかにヒントがあるじゃろうて」
「ポチが目覚めたのは陽に当てたから?
それともおかもちから出したからなのかな?」
「ワシの場合は卵に魔力が触れる、じゃな。
ま、その程度のことなのだろうがワシにはバイクのことはわからん。
ジジイもライが自分で答えを導き出すのを待っておるじゃろうよ」
条件と言うのがあまりに簡単すぎて驚いたが、卵なのだから温めたら孵るのは当たり前だ。つまりバイクならガソリンを入れてからカギを回してスターターを押せばいいのかもしれない。といっても鍵はないのでセルだけなのかそれともキックか?
プレイヤーたちの監視をしながらうずうずし続けている真琴を置いて、僕はひとりガレージへと向かった。ポチに言われたことをヒントになんとか動かしてみたいのだ。
まずはバイクへ跨ってみる。左右のグリップをしっかり握ってから無駄だとわかりつつも魔力を流してみるが、当然のようになにも起きないし、そもそも魔力が流れていない。スターターボタンも無反応だしキックを蹴り下げてもうんともすんとも言わない。
やっぱり、バッテリーやガソリンが必要なのか、それともどこかにあるかもしれない鍵を探すべきか。悩んでもいても仕方ないが、そもそもこのバイクがガソリンエンジンどころかエンジンがあるのかも怪しい。
今まで細部まで見ていなかったが、よく見てみるとタンクキャップはないしバッテリーもない。さらに詳しく見ていくと、各部を組み立てるためのボルト類やエアバルブも存在しない不自然すぎる構造だった。
ということは、やはりこのバイク全てが爺ちゃんの手によって一括生成された魔道具ということになりそうだ。バイクの形をしているくらいだからチャーシやポチのような自立型ではないだろうが、ごく普通のバイクと言うこともなさそうだ。
爺ちゃんがこのバイクを作ったころには、僕のように魔力放出が出来ない魔人は存在しなかった。ということは、そのことが考慮された造りではないと予想できる。真琴が魔力を流すとメーターが光ることから魔力が必要であることは間違いないだろう。それに加えて恐らくは僕自身が必要だと考えられる。つまり僕が魔力を流せればいい。
もう一度バイクに跨りハンドルを持ってグリップに意識を集中する。バイクが丸ごと魔道具ならできるはずだ。そう考えながら握りこんだ手には次第に尖った刺激が加えられていく。イメージを作り、膨らませて自分とバイクを繋げるのだ。
しばらくすると握った手の中にあるグリップにはトゲが生え手のひらに食い込んできた。いや、トゲなんてもんじゃなく、鋭さを持った蔓のような感触が腕の中まで飛び込んできた。それは見る見るうちに血管を通じて肘の辺りまで登ってくると体から魔力が吸われていくのがわかる。
結構な痛みはあるものの、狙い通り目の前のメーターが光りだした。やはり僕が魔力を流すことがトリガーだったのだ。体内に食い込んでいる蔓を通じ、バイクへ向かってドクドクと脈打つように魔力が注がれていく。
やはり魔力で動くだけあってエンジンは見てくれだけのようだ。しかしアイドリングしているようにシートを通じて振動が伝わってくる。試しにスロットルを煽ってみるときちんと反応した。
『ト、ト、ト、ト、ト、ヒューン、ヒューン』
「お、結構それっぽくていい感じ!
出前用のアレとはやっぱり違って吹け上がりが軽いや」
どうやら吸い取った魔力を元にしてエンジンっぽい部分が動いているようだ。このままギアを入れればそこから駆動部を経て後輪を駆動するという当たり前の構造だろう。
僕は魔力をいったん解除して、腕の中に這っている蔓を消滅させバイクから降りた。さっきのやり方で本当に走るまで動かせるかはわからないが、ガレージの中では試すこともできない。そう考えた僕は、ガレージの外扉を開けてバイクを庭へと引っ張り出した。
「あ、お兄ちゃん!
オートバイ動くようになったの?
早くどっか行けるようになるといいなー」
「まずは乗れるようにならないといけないけどな。
出前用と違ってパワーもスピードも段違いのはずだからさ。
僕にとっては初めての中型バイクだもんなぁ」
「そんなに違うものなの?
確かにちょっと大きいけどさ、乗り方は一緒なんでしょ?」
「まあそんなに違わないけど同じでもないよ。
でも慣れれば普通に乗れる…… はず……」
もう一度バイクへ跨った僕は、さっきと同じように腕の中へ蔓を伸ばし魔力を吸い取らせた。そのままスロットルを煽ると回転数が上がりストンと落ちる。一度だけ深呼吸をしてからクラッチを握りギアを蹴って一速へと入れた。
初めてのことなので、緊張しながらクラッチとスロットルを操作してゆっくりと走り出す。回転を上げながらギアチェンジすると体が後ろへ置いていかれるように加速する。はずだったのだが――
「あれ? なんかめちゃくちゃ遅いな……
まるで歩いてるみたいに遅いぞ?」
「あははー、オートバイって思ったより遅いもんなんだね。
マコが走った方が早そうだよー」
真琴の言っていることはまったくもってその通りで、いくらスロットルを回しても音ばかりでスピードは遅いままだった。これはおそらく供給魔力が足りてないんだろう。手のひらから入って腕へと差し込まれている蔓に吸われている魔力だけじゃダメなのか?
つまり魔力量の問題ってことなら自分から流せばいいってことになる。うまいこと調整できるのか微妙だけど、鱗を一枚ずつ生やすような感覚で少しずつ少しずつ送り込んでいくと、バイクから感じられるパワーが明らかに上がった。
再びスロットルを開けシフトアップしていくと、さっきよりも力強く加速を始めた。庭の中は芝生なので調子に乗ると転びかけないので速度を上げ過ぎないよう慎重なアクセルワークが必要だ。さらに二速から三速と上げるとそれなりに加速していく。
柵のそばまで進んでからシフトダウンしつつブレーキをかけると思い通りに減速し、転回しながらまたゆっくりと加速してシフトアップ、と繰り返していく。今まで乗っていた出前用バイクとはまるっきり違う感覚に酔いしれた僕は楽しくなりすぎて時間が過ぎるのも忘れて庭を走り回った。
「なんだ、すごく上手に乗れるんじゃん。
これなら今すぐにでも出かけられるね!
ねえねえお兄ちゃん、いつ出発する?」
「いくらなんでも気が早すぎだよ。
こんな狭い庭の中だけで乗れても不安しかないってば」
人間たちの街トラストまで行くかどうかは別にして、少し遠出できるくらいには早めに慣れておきたい。今日はもう遅くなったけど明日から少しずつ練習して慣れて行こう。そんなことを考えながらこの日は眠りについた。
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