36 / 50
第四章:夏の終わり
36.最高の朝は二度やってくる
しおりを挟む
とうとうこの日がやってきた。今日のことを考えると僕はなかなか寝付けなくて、気が付いたら朝になっているなんてことをまた繰り返してしまった。
「あーまたおにいちゃんおきてるー なんでそんなに早いの? お母ちゃんにおしえないとだ!」朝から騒がしい苺に起こされるまでも無く目覚めていた僕は、いそいそと着替えてから顔を洗いに行った。
洗面所へ行くと見慣れない歯ブラシが目に入った。これはミクが泊まった時に使ったやつのはずだ。だがきっともう彼女がここへ来ることはないだろう。夏休みは間もなく終わりでミクは明日には帰ってしまう。
僕はその歯ブラシを手にとってじっと見つめた。
「ねえ? その歯ブラシをどうしようとしてるの? まさかと思うけど自分で使ったりしないわよね?」いつも耳に残っている声が背後から聞こえて来て、僕は思わず歯ブラシを放り投げそうになりながら振り向いた。
「ななな、な、なんでミクがここにいるんだ!? まだ朝っぱらじゃないか」
「朝っぱらってことは無いでしょ。私はいつも六時前には起きてるんだから。それよりもその歯ブラシの行方が気になって仕方ないんだけど?」
「ああこれ? もうミクが来ることは無いと思ったから捨てようかなって。目の毒だし。ちっ、違うよ!?変な意味じゃなくて夏休みが終わったらしばらく会えないだろ? 次来るときは新しいの出すわけだし、見るたび思い出すのはつらいなって思っただけだから!」これはもちろん本心なのだが、どうにも苦しい言い訳をしているようにしか思われそうにない。
「まあいいわ。信じてあげる。旦那様の言うことを信じられなかったらこの先何十年の付き合いが出来るはずないもんね。でもこよみが私のこと思い出したくないっていうのは意外だったな……」ミクの表情がわずかに曇ったように見える。
「思い出したくないんじゃなくて、歯ブラシごときに感情を左右されるのがしゃくというか…… とにかくモノがないと思いだせないなんて勘違いしたくないんだよ」
「ふーん、ものは言いようね。まあ少しは気持ちがわかるかも。想い出って自分の中からあふれ出て欲しいって感じるもん。それでもやっぱり記念になる品って言うのも
大切にしていきたいけどね。歯ブラシや縦笛以外がいいけど」
「だから誤解だって言ってるじゃん…… それにしても朝から来るなんて思ってもなかったからビックリしたよ。なにかあったの?」話をそらせようと話題を変える僕をニヤニヤしながら見つめているミクは、なぜか楽しそうである。
「別に大したことじゃないけど、おじいちゃんと一緒にワッフルの散歩行こうとしてたんだけど、明日には帰るんだから出来るだけたくさん遊んできなって言われたの。さすがに朝からは迷惑だった?」
「迷惑なわけあるかっての。こんな嬉しい朝はそうそうないくらいさ。ミクも同じ気持ちだったらもっと嬉しいよ」僕の言葉にミクの頬がオレンジに染まったと言うことは、無言であっても同意と取っていいだろう。
「ほら、苺ちゃんたちが待ってるから早く行こう。私は朝食済ませて来たけどお味噌汁だけご馳走になるの。おばあちゃんはめったにお味噌汁作らないのよ?」話をそらせたがるのはミクも変わらないらしく、僕はそんな些細なことにも幸せを感じていた。
「おにいちゃんおそいよー 苺なんてもう食べおわっちゃいそうなんだからね。あとでおねえちゃんといっしょにほいくえんへ行くんだよ?」
「保育園ってオマエ、そんなとこ行ってないじゃないか。ままごとのことか?」僕が呆れ顔で否定すると母ちゃんが口を挟んできた。
「苺は来月から保育園行くんだよ。今日は説明と体験入園ってわけ。こんな半端な時期だからきっと一人きりで泣いちゃうんだろうなー」わざわざ幼児を刺激して楽しもうとするのはうちの親たちの悪い癖だ……
だが懸命に泣かないと意地を張っている苺に助け舟が出た。
「苺ちゃん? 女の子はね、泣いても恥ずかしくないところが得なのよ? 男の子なんて痛くたって辛くたってやせ我慢して泣かないようにしないとバカにされちゃうんだから。でも女の子ならみんな優しく助けてくれるから安心していいよ?」
「ちょっとミクちゃん? 今時の子供がそんなこと言って大丈夫なのかい? ご両親に叱られやしないか心配だよ。うちはまあ下町だし昭和初期みたいな生活だから構いやしないけどさ。最近は何かにつけて男女平等だとか言われる世の中だろ?」確かに母ちゃんのいうことにも一理ある。
「お母さん、考えすぎですよ。大人になったって都合よく立場をコロコロ変えて立ち回ってる人がいっぱいいるじゃないですか。特に政治家とか会社の偉い人とか。だったら子供がうまく立ち回ったからと言って非難されることもないですよ」この言葉に母ちゃんは目が点である。
「暦、そうなのかい? アタシにはちょっと難しくて理解できないけど、今時は小学校へこういうことも教えるのかねえ」首をかしげている母ちゃんは間違いなく正しいし、はっきり言って僕もあまり理解できていない。
「まあ大体はおじいちゃんの受け売りなんです。昔は海外から仕事で来てる人の家族の世話をするような仕事をしていたらしいんですけど、男女平等が進んでいる外国でも平等が絶対いいとはされてなくて、時と場合で使い分けする女性も男性も多かったみたいですよ?」
「よくわかんないけど、平等じゃなくて自分が得してもいいって感じ? なんかズルっぽいけどなあ」僕は不満そうにつぶやいたが、ミクは笑いながら味噌汁をすすって知らんぷりしている。
「まあ苺が簡単に泣いたりしなけりゃいいんだよ。体験入園が一人って言ったって他の園児はいるんだからきっとうるさいだろうさ。ああそうそう、暦の時から園長先生は変わってないらしいよ? なんか面白い懐かし話を聞けるかも知れないからアタシは楽しみなのさ」
「ホント悪趣味だよね…… 保育園の頃なんだから恥ずかしい体験談はいくらでもあるに決まってるじゃないか。なんでオバサンって記憶力が良くて噂話とか好きなんだろうかなあ」
僕が愚痴っぽく言っても母ちゃんは知らんぷりしているし、ミクはニヤニヤしながら苺が食べるのを世話しながら聞いてないふりだ。こりゃ帰って来た時に何を言われるかわからないと冷や汗をかいてしまう。
「それじゃ僕は涼太の家に行ってくるよ。自由研究の仕上げが残ってるんだ。昼前に帰ってきて午後にまた集まるけど、ミクもその時間は平気だよね? 今日って約束のあの日だけど覚えてるかい?」
「もちろん覚えてるわよ。ちゃんと用意してきたから心配しないでいいわ。苺ちゃんにも後であげるからね」ミクがそう言うと苺は両手を高くかかげて大喜びしたまでは良かったのだが、当たり前のように両手をパーにしたために箸を背後に飛ばし、母ちゃんに叱られべそをかいていた。
「あーまたおにいちゃんおきてるー なんでそんなに早いの? お母ちゃんにおしえないとだ!」朝から騒がしい苺に起こされるまでも無く目覚めていた僕は、いそいそと着替えてから顔を洗いに行った。
洗面所へ行くと見慣れない歯ブラシが目に入った。これはミクが泊まった時に使ったやつのはずだ。だがきっともう彼女がここへ来ることはないだろう。夏休みは間もなく終わりでミクは明日には帰ってしまう。
僕はその歯ブラシを手にとってじっと見つめた。
「ねえ? その歯ブラシをどうしようとしてるの? まさかと思うけど自分で使ったりしないわよね?」いつも耳に残っている声が背後から聞こえて来て、僕は思わず歯ブラシを放り投げそうになりながら振り向いた。
「ななな、な、なんでミクがここにいるんだ!? まだ朝っぱらじゃないか」
「朝っぱらってことは無いでしょ。私はいつも六時前には起きてるんだから。それよりもその歯ブラシの行方が気になって仕方ないんだけど?」
「ああこれ? もうミクが来ることは無いと思ったから捨てようかなって。目の毒だし。ちっ、違うよ!?変な意味じゃなくて夏休みが終わったらしばらく会えないだろ? 次来るときは新しいの出すわけだし、見るたび思い出すのはつらいなって思っただけだから!」これはもちろん本心なのだが、どうにも苦しい言い訳をしているようにしか思われそうにない。
「まあいいわ。信じてあげる。旦那様の言うことを信じられなかったらこの先何十年の付き合いが出来るはずないもんね。でもこよみが私のこと思い出したくないっていうのは意外だったな……」ミクの表情がわずかに曇ったように見える。
「思い出したくないんじゃなくて、歯ブラシごときに感情を左右されるのがしゃくというか…… とにかくモノがないと思いだせないなんて勘違いしたくないんだよ」
「ふーん、ものは言いようね。まあ少しは気持ちがわかるかも。想い出って自分の中からあふれ出て欲しいって感じるもん。それでもやっぱり記念になる品って言うのも
大切にしていきたいけどね。歯ブラシや縦笛以外がいいけど」
「だから誤解だって言ってるじゃん…… それにしても朝から来るなんて思ってもなかったからビックリしたよ。なにかあったの?」話をそらせようと話題を変える僕をニヤニヤしながら見つめているミクは、なぜか楽しそうである。
「別に大したことじゃないけど、おじいちゃんと一緒にワッフルの散歩行こうとしてたんだけど、明日には帰るんだから出来るだけたくさん遊んできなって言われたの。さすがに朝からは迷惑だった?」
「迷惑なわけあるかっての。こんな嬉しい朝はそうそうないくらいさ。ミクも同じ気持ちだったらもっと嬉しいよ」僕の言葉にミクの頬がオレンジに染まったと言うことは、無言であっても同意と取っていいだろう。
「ほら、苺ちゃんたちが待ってるから早く行こう。私は朝食済ませて来たけどお味噌汁だけご馳走になるの。おばあちゃんはめったにお味噌汁作らないのよ?」話をそらせたがるのはミクも変わらないらしく、僕はそんな些細なことにも幸せを感じていた。
「おにいちゃんおそいよー 苺なんてもう食べおわっちゃいそうなんだからね。あとでおねえちゃんといっしょにほいくえんへ行くんだよ?」
「保育園ってオマエ、そんなとこ行ってないじゃないか。ままごとのことか?」僕が呆れ顔で否定すると母ちゃんが口を挟んできた。
「苺は来月から保育園行くんだよ。今日は説明と体験入園ってわけ。こんな半端な時期だからきっと一人きりで泣いちゃうんだろうなー」わざわざ幼児を刺激して楽しもうとするのはうちの親たちの悪い癖だ……
だが懸命に泣かないと意地を張っている苺に助け舟が出た。
「苺ちゃん? 女の子はね、泣いても恥ずかしくないところが得なのよ? 男の子なんて痛くたって辛くたってやせ我慢して泣かないようにしないとバカにされちゃうんだから。でも女の子ならみんな優しく助けてくれるから安心していいよ?」
「ちょっとミクちゃん? 今時の子供がそんなこと言って大丈夫なのかい? ご両親に叱られやしないか心配だよ。うちはまあ下町だし昭和初期みたいな生活だから構いやしないけどさ。最近は何かにつけて男女平等だとか言われる世の中だろ?」確かに母ちゃんのいうことにも一理ある。
「お母さん、考えすぎですよ。大人になったって都合よく立場をコロコロ変えて立ち回ってる人がいっぱいいるじゃないですか。特に政治家とか会社の偉い人とか。だったら子供がうまく立ち回ったからと言って非難されることもないですよ」この言葉に母ちゃんは目が点である。
「暦、そうなのかい? アタシにはちょっと難しくて理解できないけど、今時は小学校へこういうことも教えるのかねえ」首をかしげている母ちゃんは間違いなく正しいし、はっきり言って僕もあまり理解できていない。
「まあ大体はおじいちゃんの受け売りなんです。昔は海外から仕事で来てる人の家族の世話をするような仕事をしていたらしいんですけど、男女平等が進んでいる外国でも平等が絶対いいとはされてなくて、時と場合で使い分けする女性も男性も多かったみたいですよ?」
「よくわかんないけど、平等じゃなくて自分が得してもいいって感じ? なんかズルっぽいけどなあ」僕は不満そうにつぶやいたが、ミクは笑いながら味噌汁をすすって知らんぷりしている。
「まあ苺が簡単に泣いたりしなけりゃいいんだよ。体験入園が一人って言ったって他の園児はいるんだからきっとうるさいだろうさ。ああそうそう、暦の時から園長先生は変わってないらしいよ? なんか面白い懐かし話を聞けるかも知れないからアタシは楽しみなのさ」
「ホント悪趣味だよね…… 保育園の頃なんだから恥ずかしい体験談はいくらでもあるに決まってるじゃないか。なんでオバサンって記憶力が良くて噂話とか好きなんだろうかなあ」
僕が愚痴っぽく言っても母ちゃんは知らんぷりしているし、ミクはニヤニヤしながら苺が食べるのを世話しながら聞いてないふりだ。こりゃ帰って来た時に何を言われるかわからないと冷や汗をかいてしまう。
「それじゃ僕は涼太の家に行ってくるよ。自由研究の仕上げが残ってるんだ。昼前に帰ってきて午後にまた集まるけど、ミクもその時間は平気だよね? 今日って約束のあの日だけど覚えてるかい?」
「もちろん覚えてるわよ。ちゃんと用意してきたから心配しないでいいわ。苺ちゃんにも後であげるからね」ミクがそう言うと苺は両手を高くかかげて大喜びしたまでは良かったのだが、当たり前のように両手をパーにしたために箸を背後に飛ばし、母ちゃんに叱られべそをかいていた。
1
あなたにおすすめの小説
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
マジカル・ミッション
碧月あめり
児童書・童話
小学五年生の涼葉は千年以上も昔からの魔女の血を引く時風家の子孫。現代に万能な魔法を使える者はいないが、その名残で、時風の家に生まれた子どもたちはみんな十一歳になると必ず不思議な能力がひとつ宿る。 どんな能力が宿るかは人によってさまざまで、十一歳になってみなければわからない。 十一歳になった涼葉に宿った能力は、誰かが《落としたもの》の記憶が映像になって見えるというもの。 その能力で、涼葉はメガネで顔を隠した陰キャな転校生・花宮翼が不審な行動をするのを見てしまう。怪しく思った涼葉は、動物に関する能力を持った兄の櫂斗、近くにいるケガ人を察知できるいとこの美空、ウソを見抜くことができるいとこの天とともに花宮を探ることになる。
【完結】キスの練習相手は幼馴染で好きな人【連載版】
猫都299
児童書・童話
沼田海里(17)は幼馴染でクラスメイトの一井柚佳に恋心を抱いていた。しかしある時、彼女は同じクラスの桜場篤の事が好きなのだと知る。桜場篤は学年一モテる文武両道で性格もいいイケメンだ。告白する予定だと言う柚佳に焦り、失言を重ねる海里。納得できないながらも彼女を応援しようと決めた。しかし自信のなさそうな柚佳に色々と間違ったアドバイスをしてしまう。己の経験のなさも棚に上げて。
「キス、練習すりゃいいだろ? 篤をイチコロにするやつ」
秘密や嘘で隠されたそれぞれの思惑。ずっと好きだった幼馴染に翻弄されながらも、その本心に近付いていく。
※現在完結しています。ほかの小説が落ち着いた時等に何か書き足す事もあるかもしれません。(2024.12.2追記)
※「キスの練習相手は〜」「幼馴染に裏切られたので〜」「ダブルラヴァーズ〜」「やり直しの人生では〜」等は同じ地方都市が舞台です。(2024.12.2追記)
※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、Nolaノベル、ツギクルに投稿しています。
※【応募版】を2025年11月4日からNolaノベルに投稿しています。現在修正中です。元の小説は各話の文字数がバラバラだったので、【応募版】は各話3500~4500文字程になるよう調節しました。67話(番外編を含む)→23話(番外編を含まない)になりました。
たったひとつの願いごと
りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。
その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。
少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。
それは…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる