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04ダンジョンに行ったけど、ちょっと本気をだしてはなら
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「わぁ、凄い露天商の数だな」
俺たちが引っ越したトレンデの街は七日に一度、露天商を集まる市場が開かれる街だった。俺はさっそくサシュを連れて、いろんな露天商を巡ってみた。するとあっという間に収穫があった、スマホなど日本製の物が売っていたのだ。俺はその出どころを露天商に聞いたが、旅人から買ったか遺跡から出たのを買ったという答えが多かった。
「サシュ、その遺跡に行ってみよう。もしかしたら日本への入り口があるかもしれない」
「ニホンとは何ですか、カイト」
「日本っていうのは俺の故郷の国さ、俺はずっとそこに帰りたいと思ってるんだ」
「なるほど、カイトがそう思っているのなら僕も頑張るのです」
そうして更に話を聞いていくと遺跡はダンジョンになっているということだった、ダンジョンと言ってもかなり道幅は大きく、俺のロングソードでも十分に探索できそうだった。俺はもし遺跡で日本への帰り道を見つけたらサシュも連れて行く気だった、こっちの世界で性奴隷をしているより日本で保護されたほうが、そのほうがサシュのためにも良いことだと思っていた。
「サシュ、俺が日本に帰ることになったら、お前もついてこないか?」
「僕はカイトの奴隷なので、当然ですがついていきます」
「ははっ、そうか。向こうの世界でならお前は何にでもなれるよ」
「そうですか? ニホンはそんなに自由な国ですか?」
サシュは整っていて綺麗で可愛い顔をしているから、俺は日本ならアイドルにもなれると思った。それと同時に日本に行けたらサシュとはお別れなんだよなぁと、少しばかり俺が寂しかったのも事実で内緒だ。まぁ、まずはその遺跡に日本への入り口があるか、それを確認しなければならなかった。それでその遺跡のダンジョンに行ってみたのだが、思ったよりも人が多く来ていた。何かのお祭りかと思ったくらいだ、俺はサシュの手をしっかりと握ってダンジョンの中に入っていった。
「思ったより明るいんだな、ダンジョンって」
「光り苔があちこちに生えています、でももっと暗いダンジョンなら灯が必要です」
「今日のところは軽く一、二層を見てまわってみるか。サシュ」
「はい、次にもっと深くもぐるのなら灯を用意しましょう。カイト」
俺はこれほど大勢の人間が出入りしているのなら、日本への入り口は無いと考えたほうがいいなと思っていた。こんなに沢山の人間がうろついているのだ、こいつらが日本への入り口があるなら必ず見に行くだろう、でも日本ではそんなことは起こってなかったから、残念ながら日本への入り口は無いのだ。
「日本への入り口は無さそうだ、サシュ」
「それは残念です、カイトの故郷へ行ってみたいです」
「そうだな、日本に帰る時は一緒にな」
「はい、僕はカイトの奴隷だからついていきます」
「ははっ、それじゃ。とりあえず今日は宿屋へ帰ろう」
「分かりました、行きましょう」
そう言って俺たちが帰ろうとした時だった、ダンジョンの奥から魔物が飛び出してきた。ダークウルフの群れだった、俺はサシュを庇って敵から距離をとった。
「カイト、ダークウルフです!! 人間みたいに大きい!? それに群れです!! こっ、怖いです!?」
「うーんと、十四、五匹ってところだな。手早く片付けるよ、サシュ」
そこで俺はダークウルフにロングソードを振るった、ただ振り下ろしたのではない魔力をこめて振り下ろした。すると風の刀身が複数現れて奴らを斬りきざんだ、くわえて刀身が届いてないところまで風の刃が届いていた。十五匹いたダークウルフだったが、あっという間に俺は彼らを斬りきざんだ、俺の背中にくっついていたサシュはびっくりしてポカーンと口を開けていた。
「さぁ、サシュ。剥ぎ取りだぞ、全部よし死んでるな。魔石をとってしまおう」
「はっ、はいです!! さすが”旋風”なのです」
「サシュ、その二つ名は……」
「はい、内緒なのです」
俺たちは十五匹のダークウルフの魔石を剥ぎ取ると、さっさとその場所を逃げ出した。ダークウルフは人間ほどの大きさがあるし、群れで動くからなかなか厄介な魔物だ。それを十五匹も一人で倒せる人間だとバレれば面倒なことになる、またあの恥ずかしい二つ名が俺を追いかけてくるのだ。嫌だ、俺は中二病全開の名前で呼ばれたくない、だから俺たちは誰にも見つからずに遺跡を後にした、……はずだった。
「おい、見ろよ。”旋風”だ、アントレの街から移ってきたらしい」
「ダークウルフを十数匹も一瞬で斬りきざんだって」
「さすが、”旋風”だな」
「二つ名がつく奴は凄いぜ」
「”旋風”って奴隷をつれてるんだな」
それなのに次の日に冒険者ギルドに行ったら、俺は”旋風”だってバレていた。ダークウルフの魔石を売ろうとしただけなのに、ギルドにいた他の冒険者から注目の的だった。
「受付のお姉さん、”旋風”が俺だって言ったの誰ですかね?」
「昨日、遺跡から命からがら逃げかえった冒険者たちです」
「お姉さんもまさか俺が”旋風”だって信じてますか?」
「信じます、”旋風”以外にダークウルフの魔石を十五個もいっぺんに売れる人は少ないです」
俺は追いかけてくる中二病全開の二つ名に絶望した、もう十七歳の俺にとっては恥ずかし過ぎる二つ名だった。反対にサシュは嬉しそうだった、”旋風”の奴隷なのだと胸をはっていた。俺はダンジョンには日本への入り口は無さそうだし、当分の間は近づかないようにした。そして、稼いだ金で信用ができる宝石店に出かけた、そこで金を当分使う分はのこして金の輪や宝石に変えた。冒険者にとってそれらは財産だった、銀行もネットバンキングも無いこの世界、ここでは財産はこうして持ち歩くものだった。
「これ金の輪が重いんだよなぁ、サシュに付けてもいいけどそれで狙われたら困るし」
「うわぁ、金の輪がいっぱいです、カイトは力持ちでお金持ちです」
「うん、もうこれ体力トレーニングの一環だと思ってるんだ」
「とれーにんぐ?」
そうして新しい街でも無駄に有名になってしまった俺たちは宿屋に帰った、俺が日本にいた頃のようにか弱いままでこの異世界に送られても困るが、こうして無駄に強くて有名になるのも困ったものだった。
「うぅ、精神的に疲れた。サシュ、肩でももんでくれ」
「はいなのです、…………意外と柔らかい筋肉なのです」
「素早く動けるように鍛練も一応してるからな」
「僕も”旋風”みたいになりたいです」
「強くなりたいってことか?」
「はい、そうです」
俺はサシュが強くなりたがっているようだから、簡単な魔法の本を買ってやって読み聞かせた。サシュはなかなか魔法のイメージができないらしく、上達するには時間が必要だった。それに剣の稽古もはじめた、木剣を二本買って二人で試合形式で戦ってみた。もちろんサシュが負け続けだったが、続けるうちに剣の使い方を覚えていった。
「サシュは強くなってどうするんだ」
「カイトのように、弱い者を助けます」
「あのな、サシュ。俺は依頼を受けた人を助けるだけだぞ」
「そうですか、でもカイトは時々普通の人も助けてます」
「あれはー、あー、その」
「僕もそんなカイトのようになりたいです、だから魔法と剣の練習を続けます」
そういってサシュの日常に訓練が追加された、確かに俺は偶に魔物に遭遇した普通の人も助けていた。だって見捨てられないだろう、目の前で人が魔物に食われるのを眺める趣味は俺には無かった。だからといって俺が弱い者の味方かというとそれは違うと思った。
「訓練が終わったら死んだように寝ちゃって、ははっ。俺の相手をしてくれるのはいつになるんだろうなぁ、サシュ」
俺たちが引っ越したトレンデの街は七日に一度、露天商を集まる市場が開かれる街だった。俺はさっそくサシュを連れて、いろんな露天商を巡ってみた。するとあっという間に収穫があった、スマホなど日本製の物が売っていたのだ。俺はその出どころを露天商に聞いたが、旅人から買ったか遺跡から出たのを買ったという答えが多かった。
「サシュ、その遺跡に行ってみよう。もしかしたら日本への入り口があるかもしれない」
「ニホンとは何ですか、カイト」
「日本っていうのは俺の故郷の国さ、俺はずっとそこに帰りたいと思ってるんだ」
「なるほど、カイトがそう思っているのなら僕も頑張るのです」
そうして更に話を聞いていくと遺跡はダンジョンになっているということだった、ダンジョンと言ってもかなり道幅は大きく、俺のロングソードでも十分に探索できそうだった。俺はもし遺跡で日本への帰り道を見つけたらサシュも連れて行く気だった、こっちの世界で性奴隷をしているより日本で保護されたほうが、そのほうがサシュのためにも良いことだと思っていた。
「サシュ、俺が日本に帰ることになったら、お前もついてこないか?」
「僕はカイトの奴隷なので、当然ですがついていきます」
「ははっ、そうか。向こうの世界でならお前は何にでもなれるよ」
「そうですか? ニホンはそんなに自由な国ですか?」
サシュは整っていて綺麗で可愛い顔をしているから、俺は日本ならアイドルにもなれると思った。それと同時に日本に行けたらサシュとはお別れなんだよなぁと、少しばかり俺が寂しかったのも事実で内緒だ。まぁ、まずはその遺跡に日本への入り口があるか、それを確認しなければならなかった。それでその遺跡のダンジョンに行ってみたのだが、思ったよりも人が多く来ていた。何かのお祭りかと思ったくらいだ、俺はサシュの手をしっかりと握ってダンジョンの中に入っていった。
「思ったより明るいんだな、ダンジョンって」
「光り苔があちこちに生えています、でももっと暗いダンジョンなら灯が必要です」
「今日のところは軽く一、二層を見てまわってみるか。サシュ」
「はい、次にもっと深くもぐるのなら灯を用意しましょう。カイト」
俺はこれほど大勢の人間が出入りしているのなら、日本への入り口は無いと考えたほうがいいなと思っていた。こんなに沢山の人間がうろついているのだ、こいつらが日本への入り口があるなら必ず見に行くだろう、でも日本ではそんなことは起こってなかったから、残念ながら日本への入り口は無いのだ。
「日本への入り口は無さそうだ、サシュ」
「それは残念です、カイトの故郷へ行ってみたいです」
「そうだな、日本に帰る時は一緒にな」
「はい、僕はカイトの奴隷だからついていきます」
「ははっ、それじゃ。とりあえず今日は宿屋へ帰ろう」
「分かりました、行きましょう」
そう言って俺たちが帰ろうとした時だった、ダンジョンの奥から魔物が飛び出してきた。ダークウルフの群れだった、俺はサシュを庇って敵から距離をとった。
「カイト、ダークウルフです!! 人間みたいに大きい!? それに群れです!! こっ、怖いです!?」
「うーんと、十四、五匹ってところだな。手早く片付けるよ、サシュ」
そこで俺はダークウルフにロングソードを振るった、ただ振り下ろしたのではない魔力をこめて振り下ろした。すると風の刀身が複数現れて奴らを斬りきざんだ、くわえて刀身が届いてないところまで風の刃が届いていた。十五匹いたダークウルフだったが、あっという間に俺は彼らを斬りきざんだ、俺の背中にくっついていたサシュはびっくりしてポカーンと口を開けていた。
「さぁ、サシュ。剥ぎ取りだぞ、全部よし死んでるな。魔石をとってしまおう」
「はっ、はいです!! さすが”旋風”なのです」
「サシュ、その二つ名は……」
「はい、内緒なのです」
俺たちは十五匹のダークウルフの魔石を剥ぎ取ると、さっさとその場所を逃げ出した。ダークウルフは人間ほどの大きさがあるし、群れで動くからなかなか厄介な魔物だ。それを十五匹も一人で倒せる人間だとバレれば面倒なことになる、またあの恥ずかしい二つ名が俺を追いかけてくるのだ。嫌だ、俺は中二病全開の名前で呼ばれたくない、だから俺たちは誰にも見つからずに遺跡を後にした、……はずだった。
「おい、見ろよ。”旋風”だ、アントレの街から移ってきたらしい」
「ダークウルフを十数匹も一瞬で斬りきざんだって」
「さすが、”旋風”だな」
「二つ名がつく奴は凄いぜ」
「”旋風”って奴隷をつれてるんだな」
それなのに次の日に冒険者ギルドに行ったら、俺は”旋風”だってバレていた。ダークウルフの魔石を売ろうとしただけなのに、ギルドにいた他の冒険者から注目の的だった。
「受付のお姉さん、”旋風”が俺だって言ったの誰ですかね?」
「昨日、遺跡から命からがら逃げかえった冒険者たちです」
「お姉さんもまさか俺が”旋風”だって信じてますか?」
「信じます、”旋風”以外にダークウルフの魔石を十五個もいっぺんに売れる人は少ないです」
俺は追いかけてくる中二病全開の二つ名に絶望した、もう十七歳の俺にとっては恥ずかし過ぎる二つ名だった。反対にサシュは嬉しそうだった、”旋風”の奴隷なのだと胸をはっていた。俺はダンジョンには日本への入り口は無さそうだし、当分の間は近づかないようにした。そして、稼いだ金で信用ができる宝石店に出かけた、そこで金を当分使う分はのこして金の輪や宝石に変えた。冒険者にとってそれらは財産だった、銀行もネットバンキングも無いこの世界、ここでは財産はこうして持ち歩くものだった。
「これ金の輪が重いんだよなぁ、サシュに付けてもいいけどそれで狙われたら困るし」
「うわぁ、金の輪がいっぱいです、カイトは力持ちでお金持ちです」
「うん、もうこれ体力トレーニングの一環だと思ってるんだ」
「とれーにんぐ?」
そうして新しい街でも無駄に有名になってしまった俺たちは宿屋に帰った、俺が日本にいた頃のようにか弱いままでこの異世界に送られても困るが、こうして無駄に強くて有名になるのも困ったものだった。
「うぅ、精神的に疲れた。サシュ、肩でももんでくれ」
「はいなのです、…………意外と柔らかい筋肉なのです」
「素早く動けるように鍛練も一応してるからな」
「僕も”旋風”みたいになりたいです」
「強くなりたいってことか?」
「はい、そうです」
俺はサシュが強くなりたがっているようだから、簡単な魔法の本を買ってやって読み聞かせた。サシュはなかなか魔法のイメージができないらしく、上達するには時間が必要だった。それに剣の稽古もはじめた、木剣を二本買って二人で試合形式で戦ってみた。もちろんサシュが負け続けだったが、続けるうちに剣の使い方を覚えていった。
「サシュは強くなってどうするんだ」
「カイトのように、弱い者を助けます」
「あのな、サシュ。俺は依頼を受けた人を助けるだけだぞ」
「そうですか、でもカイトは時々普通の人も助けてます」
「あれはー、あー、その」
「僕もそんなカイトのようになりたいです、だから魔法と剣の練習を続けます」
そういってサシュの日常に訓練が追加された、確かに俺は偶に魔物に遭遇した普通の人も助けていた。だって見捨てられないだろう、目の前で人が魔物に食われるのを眺める趣味は俺には無かった。だからといって俺が弱い者の味方かというとそれは違うと思った。
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